JP2571820B2 - 再溶融チルカムシャフトの製造方法 - Google Patents

再溶融チルカムシャフトの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) この発明は、内燃機関の動弁系部品であるカムシャフ
トを製造するのに利用される再溶融チルカムシャフトの
製造方法に関するものである。 (従来の技術) 内燃機関の動弁系部品であるカムシャフトは、相手材
であるカムとの摺動面、とくにカムノーズ部分の表面が
耐摩耗性に優れていることが要求される。 そこで、表面の耐摩耗性に優れたカムシャフトも製造
する方法として、カムシャフト鋳造型のカムノーズ成形
部分に冷し金をセットし、この冷し金に接触して形成さ
れるカムノーズ部分の表面を過冷却してチル硬化層(過
冷却硬化層)を形成させるようにするものがあった。 しかし、この方法では、冷し金をセットする工程がわ
ずらわしいうえ、鋳ばかりの発生が多いため、その除去
工数が増大するという欠点があった。 そこで、このような冷し金を使用しない表面硬化の手
段として、第4図に示すように、カムシャフト粗材11の
少なくともカム部12の表面に、タングステン電極13との
間で発生するTIGアーク14などの高密度エネルギー熱源
を照射することによって当該表面を再溶融したのち、自
己冷却によりチル硬化層を形成させるようにしたものが
あり、この再のTIGアーク14の軌跡14aは、カムシャフト
粗材11のカム部12において、その全幅に相当する分だけ
相対的にウィービングさせることによって羊腸状のもの
となるようにしていた(このような羊腸状のアーク軸跡
14aにより再溶融・自己冷却させる手法は、特開昭60−1
84694号公報の図面に示されている)。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の再溶融チルカムシャ
フトの製造方法においては、再溶融時にタングステン電
極13を幅方向に相対的に揺動させて、ビートが重複する
ようにしていたため、第5図に示すように、先に再溶融
・自己冷却した第1回目の再溶融・凝固層15aの一部
が、次の第2回目の再溶融・凝固層15bを形成するため
に行う再溶融の際の加熱によって焼戻され、それらの間
に焼戻し層(軟質層)16が形成されてしまうことがある
とともに、組織の方向が例えば矢印A1とA2で示すように
かなり異なったものとなるため、硬さおよび耐摩耗性が
一定したものにならないことがあり、また、再溶融時の
カムシャフト粗材の回転方向を運転時のカムシャフトの
回転方向に必らずしも一致させていなかったため、組織
の方向を均一にそして同一方向にそろえることができ
ず、耐ピッチング性や耐スカッフィン性などの耐摩耗性
の劣ったものになることがあり、さらにまた、C,Si,Mn,
P,Sの基本元素のみを調整した普通鋳鉄(ねずみ鋳鉄)
を素材として用いているため欠陥を生じやすいという課
題を有していた。 (発明の目的) この発明は、このような従来の課題を解決するために
なされたもので、再溶融・凝固部分に硬さのむらが生じ
がたく、かつまたチル組織の方向を運転時のカムシャフ
トの回転方向にそろえたものとすることが可能である再
溶融チルカムシャフトの製造方法を提供することを目的
としている。
【発明の構成】
(課題を解決するための手段) この発明に係る再溶融チルカムシャフトの製造方法
は、高密度エネルギー熱源の照射によってカムシャフト
粗材の少なくともカムノーズ部の表面を再溶融・凝固さ
せて、再溶融・凝固部をチル組織としたカムシャフトを
製造するに際し、重量%で、C:3.0〜3.5%、Cr:0.5〜1.
0%、Cu:0.05〜0.15%、Mo:0.1〜0.3%、Ni:0.1〜0.3
%、Mn:0.5〜1.0%、P:0.1%以下、S:0.1%以下、Si:1.
5〜2.5%、残部Fqおよび不純物からなる成分組成の合金
鋳鉄をカムシャフトの素材として用い、前記少なくとも
カムノーズ部の全幅にわたって高密度エネルギー熱源を
一度に照射して前記少なくともカムノーズ部の全幅を同
時に再溶融させると共に、再溶融時のカムシャフト粗材
の回転方向をカム運転時のカムシャフトの回転方向に一
致させて再溶融・凝固させ、チル組織の方向を運転時の
カムシャフトの回転方向にそろえるようにしたことを特
徴としており、このような再溶融チルカムシャフトの製
造方法を上述した従来の課題を解決するための手段とし
たことを特徴としている。 この発明に係る再溶融チルカムシャフトの素材として
は、再溶融後の空冷による自己冷却によってチル硬化層
が形成されるように、上述した成分組成の合金鋳鉄を用
いるようにしている。 このような各成分の範囲とする理由は、C含有量が少
ないと不完全チル組織を生じやすくなり、耐摩耗性が低
下するので、3.0%以上とするのが好ましく、C含有量
が多すぎると黒鉛化現象が次第に顕著となるので、3.5
%以下とするのが好ましく、Cr含有量が少ないと、白銑
化(チル化)傾向が抑制され、チル組織の厚さが薄くな
るとともに、カムシャフト粗材の焼入性が低下し、熱影
響部は加熱・冷却時に恒温変態曲線(T.T.T.曲線)のパ
ーライトノーズにかかるようになる結果、パーライト基
地を有するようになり、摩耗量が大きくなったり、ピッ
チングを発生したりするので、0.5%以上とするのが好
ましく、Cr含有量が多量となっても、耐摩耗性の向上代
が少ないだけでなく、かえって相手材への攻撃性が大き
くなり、さらにはカムシャフト粗材を鋳造した段階でチ
ルが内部まで入ってしまうために中空油孔などの加工が
困難となるので、1.0%以下とするのが好ましく、Cu含
有量をコントロールすることによってカムシャフト粗材
を鋳造成形する場合の欠陥の発生をなくすことができる
ので0.05〜0.15%の範囲とするのが好ましく、Mo含有量
が少ないと、Crの場合と同様の理由で耐摩耗性が不十分
となったり、ピッチングを発生したりするので0.1%以
上とするのが好ましく、Mo含有量が多量となっても耐摩
耗性の向上代が少ないだけでなく、相手材への攻撃性が
大きくなり、さらにはカムシャフト粗材を鋳造した段階
でチルが内部にまで入ってしまうために中空油孔などの
加工が困難となるので、0.3%以下とするのが好まし
く、Niが適量含まれていないと自己の耐摩耗性に劣ると
共に相手材に対する攻撃性が大きくなるので、0.1〜0.3
%とするのが好ましく、Mn量が少なすぎると黒鉛化現象
が顕著となるので、0.5%以上とするのが好ましく、多
すぎると黒鉛化は阻止されるものの鋳造後にチル組織が
あらわれて全体の高度が高くなり、加工性が低下するの
で、1.0%以下とするのが好ましく、P含有量が多すぎ
ると、チル組織中に脆いステダイト相(Fe−Fe3C−Fe
3P)が析出し、これに沿ったクラッチが形成されやすく
なるため耐ピッチング性に劣ることとなるので、0.1%
以下とするのが好ましく、S含有量が多すぎると加工性
が低下するので0.1%以下とするのが好ましいことによ
るものである。 この発明に係る再溶融チルカムシャフトの製造方法
は、上記成分組成の合金鋳鉄をカムシャフトの素材とし
て用い、鋳造により製作したカムシャフト粗材の再溶融
処理に先立って予熱を行うのが望ましい。すなわち、予
熱を行わないで再溶融処理を行い、自己冷却と共に空冷
を行った場合には、冷却速度が大きすぎるために熱影響
部はマルテンサイト基地となりやすいためである。この
ようなカムシャフトでは、相手材に対する攻撃性が大き
いだけでなく、使用中に割れやピッチングが発生しやす
くなるので好ましくない。 そのため、この発明に係る再溶融チルカムシャフトの
製造方法では再溶融処理に先立って予熱を行い、再溶融
処理後の冷却速度が過大なものにならないようにするこ
とが望ましい。この場合、予熱温度が低すぎると上述し
た効果を得がたく、高すぎると冷却速度が遅くなりすぎ
てパーライトを生じ、耐摩耗性が低下するので、予熱温
度は200〜300℃の範囲とするのがとくに望ましい。 このようにして、カムシャフト粗材に対する予熱を行
ったのち、上記好ましい200〜300℃の状態で高密度エネ
ルギー熱源の照射による再溶融処理を行うが、再溶融処
理を行う場合の手段としては、TIGアーク,プラズマア
ーク,レーザビーム,電子ビームなどの高密度エネルギ
ー熱源を使用するのが好ましい。そして、再溶融後の冷
却は空冷によってなしうるほか、必要に応じて炉冷や風
冷などによって冷却速度をコントロールすることもでき
なくはない。 第1図はこの発明に係る再溶融チルカムシャフトの製
造方法の一実施態様を示す斜面図であって、上記成分組
成の合金鋳鉄溶湯を用いてカムシャフト鋳造型によりカ
ムシャフト粗材1を鋳造し、次いで型離しを行ったのち
カムシャフト粗材1をより望ましくは200〜300℃に予熱
し、高密度エネルギー熱源として例えばTIGアークを使
用し、カムシャフト粗材1のカム部2の幅方向に複数
本、図示例の場合には4本のTIGアーク用トーチ3を並
べ、各TIGアーク用トーチ3のタングステン電極4とカ
ム部2の表面との間で4条のアーク5を当該カム部2の
幅方向において同時に発生させ、カムシャフト粗材1の
回転方法を運転時のカムシャフトの回転方向に一致させ
るようにしてカムシャフト粗材1を回転させながらかつ
またカム部2とタングステン電極4との間隔を調整しな
がら、図示例では4条のアーク軌跡6によってカム部2
の全幅を同時に再溶融し、そして再溶融後に順次大気中
で空冷し、必要に応じて炉例,風冷などにより冷却速度
をコントロールして、カム部2の表面に再溶融チル硬化
層を形成させる。 (実施例) 第1表のNo.1〜6に示す成分組成を有する合金鋳鉄を
冷し金を用いずにカムシャフト鋳造型内で鋳放してカム
シャフト粗材を製作し、この状態で、中空油孔およびカ
ム油孔の加工を行うとともにカム部およびジャーナル部
の黒皮を切断し、所定の寸法となるように機械加工を行
って再溶融用のカムシャフト粗材を得た。 次に、前記各カムシャフト粗材をその凝固後に割れが
生じないように200〜300℃に予熱した。この場合の予熱
は、抵抗加熱もしくは炉中加熱で行うことが望ましい。
その後、第2図の正回転の欄に示すように再溶融時のカ
ムシャフト粗材の回転方向(矢印X1方向)とカム運転時
のカムシャフトの回転方向(矢印X2方向)とが一致する
方向にカムシャフト粗材を徐々に回転させながら、第4
図に示したようにTIGアーク用トーチ15を用いてこれを
ゆっくりウィービングさせながら、第2表に示す条件で
高密度エネルギーを照射することによりカム摺動表面部
分を加熱再溶融し、大気中の空冷に自己冷却させ、そし
て順次凝固させることによってカム部の表面に再溶融チ
ル硬化層を形成させた。 続いて、再溶融チル化したカムシャフト粗材のカム部
の研磨を行って製品カムシャフトを得た。 第1表に示すように、上記成分組成の合金鋳鉄を用い
たNo.6の場合には、欠陥の発生が認められなかったのに
対し、上記成分組成を外れるNo.1〜5の場合には欠陥の
あるものとなっていた。そして、このような欠陥のある
ものは、この欠陥部分に応力が集中し、耐耗耗性および
耐久性が劣ったものとなっていた。 そこで、本発明実施例として、前記欠陥を生じない第
1表のNo.6の成分組成をもつ合金鋳鉄を冷し金を用いず
にカムシャフト鋳造型内に鋳放してカムシャフト粗材を
製作し、この状態で、中空油孔およびカム油孔の加工を
行うとともにカム部およびジャーナル部の黒皮を切削
し、所定の寸法となるように機械加工を行って再溶融用
のカムシャフト粗材を得た。 次に、前記カムシャフト粗材をその凝固後に割れが生
じないように200〜300℃に予熱したのち、第1図に示し
たようにカム部の幅方向にTIGアーク用トーチを4本並
べた状態にしそしてまた第2図の正回転の欄に示すよう
に再溶融時のカムシャフト粗材の回転方向(矢印X1
向)とカム運転時のカムシャフトの回転方向(矢印X2
向)とが一致する方向にカムシャフト粗材を徐々に回転
させながら、当該カム部の幅方向に4条のアークを一度
に照射してカム部の全幅を同時に再溶融させ、そして順
次自己冷却により凝固させることによってカム部の表面
に再溶融チル硬化層を形成させた。この再溶融チル硬化
層は、第3図の図面代用写真に示すように、組織の向き
がそろったものとなっており、欠陥のない金属組織を有
しているものであることが認められた。 続いて、再溶融チル化したカムシャフト粗材のカム部
の研磨を行って製品カムシャフトを得たのち、第3表に
示す条件でモータリングによる耐久試験を行った。この
結果を第4表に示す。 この結果、始めてピッチングを発生したのは第4表に
示すように耐久時間8サイクル後であり、良好な耐摩耗
性および耐久性を有していることが認められた。これ
は、従来のウィービングにより再溶融・凝固させた場合
に、第5図に示したような焼もどし軟化層が形成される
のに対して、この実施例においてはこのような焼もどし
軟化層はいっさい形成されず、したがって硬さ分布は均
一なものになっているとともに、再溶融時のカムシャフ
ト粗材の回転方向とカム運転時のカムシャフトの回転方
向とが一致するようにしているため、第2図の正回転の
欄に示すように、カムフォロワー8との摺動方向が矢印
Mで示す組織の方向に対してほぼ順方向となっており、
カムフォロワー8がチル硬化層の表面を円滑になでるよ
うにして摺動するためである。 次に、比較例1として、前記本発明実施例では第1図
に示したように4本のTIGアークトーチを用いてカム部
の幅方向に同時に再溶融するようにしていたが、これに
代えて、第4図に示したように1本のTIGアークトーチ
を用いてウィービングにより再溶融したほかは、前記本
発明実施例と同じ要領で製品カムシャフトを得た。 次いで、第3表に示した条件でモータリングにより耐
久試験を行ったところ、始めてピッチングを発生したの
は、耐久時間5サイクル後であり、本発明実施例と同様
にカム運転時にはカムフォロワ8が再溶融・凝固部の組
織をほぼ順方向になでるようにして摺動するので、この
点での摺動性は良いものの、第5図に示したような焼も
どし軟化層が形成されているため、本発明実施例のよう
にカム部の全幅を同時に再溶融・凝固させる場合の方
が、ウィービングにより再溶融・凝固させた場合に比べ
て耐摩耗性および耐久性に優れていた。 さらに、比較例2として、第2図の逆回転の欄に示す
ように、再溶融時のカムシャフト粗材の回転方向(矢印
Y1方向)をカム運転時のカムシャフトの回転方向(矢印
Y2方向)と逆にしたほか比較例1と同様にして製品カム
シャフトを得た。 次いで、第3表に示した条件でモータリングによる耐
久試験を行ったところ、第4表に示すように耐久時間1
サイクルで最初のピッチングを生じ、耐摩耗性は良くな
いものであった。この原因は、再溶融時のカムシャフト
粗材の回転方向(第2図の矢印Y1方向)が、カム運転時
のカムシャフトの回転方向(第2図の矢印Y2方向)と逆
になっているため、第2図の逆回転の欄に示すように、
カムフォロワ8との摺動方向が矢印Nで示す組織の方向
に対してほぼ逆方向となっており、カムフォロワ8がチ
ル硬化層の表面を逆なでして摺動するためである。
【発明の効果】
この発明に係る再溶融チルカムシャフトの製造方法
は、高密度エネルギー熱源の照射によってカムシャフト
粗材の少なくともカムノーズ部の表面を再溶融・凝固さ
せて、再溶融・凝固部をチル組織としたカムシャフトを
製造するに際し、重量%で、C:3.0〜3.5%、Cr:0.5〜1.
0%、Cu:0.05〜0.15%、Mo:0.1〜0.3%、Ni:0.1〜0.3
%、Mn:0.5〜1.0%、P:0.1%以下、S:0.1%以下、Si:1.
5〜2.5%、残部Feおよび不純物からなる成分組成の合金
鋳鉄をカムシャフトの素材として用い、前記少なくとも
カムノーズ部の全幅にわたって高密度エネルギー熱源を
一度に照射して前記少なくともカムノーズ部の全幅を同
時に再溶融させると共に、再溶融時のカムシャフト粗材
の回転方向をカム運転時のカムシャフトの回転方向に一
致させて再溶融・凝固させ、チル組織の方向を運転時の
カムシャフトの回転方向にそろえるようにしたから、カ
ムシャフト鋳造型に冷し金をセットしてチル硬化層を形
成させる方法のように、冷し金をセットする工程が不要
であり、また、従来の再溶融・凝固法のように再溶融・
凝固部分に硬さのむらが生じておらず、かつまたチル組
織の方向からカム運転時のカムシャフトの回転方向にそ
ろったものとなっており、合金鋳鉄の成分組成は再溶融
チルカムシャフトの不完全チル組織の防止ならびに完全
チル組織の適切なる厚さ、Cの黒鉛化現象の抑制、焼入
性、相手材への攻撃性、鋳造欠陥の防止等を考慮して定
めたものとしているため、欠陥の発生がなく、耐摩耗性
が良好であって耐久性に優れ、相手材であるカムへの攻
撃性が小さい高品質のカムシャフトを得ることができる
という著しく優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る再溶融チルカムシャフトの製造
方法の一実施態様を示す斜面図、第2図は再溶融時のカ
ムシャフト粗材の回転方向とカム運転時のカムシャフト
の回転方向とを区分して示す説明図、第3図はこの発明
の実施例における再溶融・凝固部分の金属組織を示す図
面代用写真(400倍)、第4図は従来の再溶融チルカム
シャフトの製造方法を示す斜面図、第5図は従来の再溶
融カムシャフトの製造方法による軟質層の形成状況を示
す説明図である。 1……カムシャフト粗材、2……カム部、4,4,4,4……
電極、6,6,6,6……アーク軌跡。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高密度エネルギー熱源の照射によってカム
    シャフト粗材の少なくともカムノーズ部の表面を再溶融
    ・凝固させて、再溶融・凝固部をチル組織としたカムシ
    ャフトを製造するに際し、重量%で、C:3.0〜3.5%、C
    r:0.5〜1.0%、Cu:0.05〜0.15%、Mo:0.1〜0.3%、Ni:
    0.1〜0.3%、Mn:0.5〜1.0%、P:0.1%以下、S:0.1%以
    下、Si:1.5〜2.5%、残部Feおよび不純物からなる成分
    組成の合金鋳鉄をカムシャフトの素材として用い、前記
    少なくともカムノーズ部の全幅にわたって高密度エネル
    ギー熱源を一度に照射して前記少なくともカムノーズ部
    の全幅を同時に再溶融させると共に、再溶融時のカムシ
    ャフト粗材の回転方向をカム運転時のカムシャフトの回
    転方向に一致させて再溶融・凝固させ、チル組織の方向
    を運転時のカムシャフトの回転方向にそろえることを特
    徴とする再溶融チルカムシャフトの製造方法。
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