JP2570895B2

JP2570895B2 - 遮断器

Info

Publication number: JP2570895B2
Application number: JP2237929A
Authority: JP
Inventors: 康司玄羽; 尊義石川
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1990-09-07
Filing date: 1990-09-07
Publication date: 1997-01-16
Anticipated expiration: 2012-01-16
Also published as: JPH04118825A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、同一極に複数並設された可動子及びこの
可動子にそれぞれ接続された可撓導体を有する遮断器に
関するものである。

〔従来の技術〕

第４図〜第６図は、例えば特開昭58−129717号公報に
示された従来の遮断器を示すもので、第４図は遮断器の
概略図、第５図は第４図の遮断器の要部を示す断面図、
第６図は第５図の線VI−VIの断面図である。これらの図
において、（１）は筐体、（２）は筐体（１）に複数個
並設された固定接点、（３）は固定接点（２）が設けら
れた固定導体、（４）は固定接点（２）と接離する可動
接点、（５）は可動接点（４）が設けられかつ複数個並
設された可動子、（６）は可動子（５）を軸（７）によ
り回動可能に保持するコンタクトアーム、（８）はコン
タクトアーム（６）を筐体（１）に回動可能に支持する
軸、（９）は端子を形成する導体、（10）は可動子
（５）と導体（９）とを接続する可撓導体としてのシャ
ント、（11）は接圧ばね、（12）はコンタクトアーム
（６）にピン（13）により連繁されて可動接点（４）を
開閉させる開閉機構部、（14）は引外しリレー部、（1
5）は消弧室である。

事故電流等の過大な電流が流れると、開閉機構部（1
2）が動作してコンタクトアーム（６）が軸（８）を中
心に第５図における反時計方向に回動すると共に、可動
子（５）が軸（７）を中心に回転し、両接点（２），
（４）が開離する。その際に発生するアークは消弧室
（15）で消弧される。

上記遮断器におけるコンタクトアーム（６）は、第５
図および第６図に示すように可動子（５）とシャント
（10）とを隔離して並設するための側板部（6a）を有し
ている。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記のような従来の遮断器では、固定導体（３）、固
定接点（２）、可動接点（４、可動子（５）、シャント
（10）、導体（９）にてループ回路を形成している。こ
のループ回路に、瞬時引き外し動作に至る程大きくはな
いが、大きな短時間過電流が流れた場合、このループ回
路を形成する各部を外方（第５図における左方）へ広げ
ようとする電磁反発力が働き、シャント（10）は第５図
および第６図中想像線で示すように外向きに移動しよう
とする。このとき、第６図に示されるように、コンタク
トアーム（６）の側板部（6a）とシャント（10）とがラ
ップしているので、複数シャント間に発生する電磁吸引
力（矢印16で示す）により、シャント（10）の側面（10
a）と側板部（6a）との間で摩擦力が発生した。この摩
擦力のために、シャント（10）が第５図および第６図中
想像線で示す外向きに移動ようとする力が減じられる結
果、軸（７）を中心にして可動子（５）を接点押圧方向
（第５図の矢印Ａ方向）に回転させる力が減少する。つ
まり、矢印Ａ方向に力を与えて接点圧力を高める作用が
減ぜられ、短時間通電容量を高めることができなかっ
た。

そこで、シャント（10）が電磁吸引力を受けたときに
シャント（10）の中間部がコンタクトアーム（６）に接
触しないようにコンタクトアーム（６）のシャント（1
0）の中間部と重なる部分を切り欠くこと、すなわち隣
接するシャント（10）同士の間に間隙を設けることが考
えられる。第７図、第８図はこのようなものを示すもの
で、第７図は要部断面図、第８図は第７図の線VIII−VI
IIの断面図である。これらの図において、（17）はコン
タクトアーム（６）の側板部（6a）に設けた切欠き部
で、シャント（10）の中間部が側板部（6a）とラップし
ないように形成してある。

このようにコンタクトアーム（６）の側板部（6a）に
切欠き部（17）を設けておくと、シャント（10）の側面
部（10a）が側板部（6a）と殆ど接触しなくなるので、
両者間の摩擦力が大幅に減少する。従って、シャント
（10）の外向きの膨れ（移動距離）も第８図中想像線で
示すように大きくなるので、可動子（５）が軸（７）を
中心として回動しようとする力が増加し、接点押圧力が
大きくなる。

しかし、切欠き部（17）を設けるとシャント（10）同
士の間に第８図に示すように間隙（Ｓ）が生じる。この
場合、並設されたシャント（10）間に働く電磁吸引力に
よりシャント（10）同士が吸引し合うため、シャント
（10）が変形し、可動子（５）にその回動方向と直角な
方向の力が加わり、可動子（５）の円滑な回動を阻害す
る。また、シャント（10）同士が直接接触するとシャン
ト同士の摩擦抵抗が大きいため３本のシャント（10）が
一体となって動こうとする。従って、個々のシャント
（10）に発生する電磁反発力を各可動子（５）に個別に
有効に伝えることができず、各可動接点ごとの接触圧力
を高めるという目的を十分に達成することができない。

この発明はかかる問題点を解消するためになされたも
ので、各可撓導体に働く電磁反発力を各可動接点ごとの
接点圧力に有効に変換できて短時間通電容量の向上が図
れる遮断器を得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この発明に係る遮断器
は、隣接する可撓導体と可撓導体との間隙に可撓導体と
共に移動する移動スペーサを設けたものである。

〔作用〕

この発明においては、可撓導体間の電磁吸引力を間隙
に設けられた移動スペーサによって支えるので、可撓導
体の変形が防止され、電磁吸引力が可動子の回動方向と
直角な方向の力として働かない。また、電磁吸引力が働
いたときに可撓導体同士が移動スペーサを介して接触す
るので、可撓導体同士が直接接触する場合に比し可撓導
体間の摩擦力を小さくすることができる。従って、各可
撓導体に働く電磁反発力が各可動子に有効に個別に作用
し、各可動接点ごとの接触圧力を高めることができる。

〔実施例〕

この発明の一実施例を第１図、第２図について説明す
る。第１図は要部断面図、第２図は第１図の線II−IIの
断面図であり、上記従来のものと同一または相当部分に
は同一符号を付して説明を省略する。これらの図におい
て、（17）はコンクトアーム（６）の側板部（6a）に設
けた切欠き部で、シャント（10）の中間部が側板部（6
a）とラップしないように形成してある。（18）は筐体
（１）に軸（19）により回動可能に支持した移動スペー
サで、コンタクトアーム（６）の側板部（6a）の切欠き
部（17）にそれぞれ挿入配置されている。（20）は移動
スペーサ（18）を常時側板部（6a）に当接させるための
ヒネリバネである。

このように、側板部（6a）の切欠き部（17）に移動ス
ペーサ（18）を配置しておくと、シャント（10）が電磁
反発力により外向きに膨れるとき、電磁吸引力によって
シャント（10）に挟持された状態になって移動スペーサ
（18）も一体的に移動（第２図中想像線で示す）する、
すなわち移動スペーサ（18）はヒネリバネ（20）に抗し
て軸（19）を支点として回動するので、シャント（10）
に掛かる摩擦力が大幅に減少すると共に、シャント（1
0）間に移動スペーサ（18）が在るので電磁吸引力によ
ってシャント（10）が変形することがない。シャント
（10）の変形を防止することにより、可動子（５）にそ
の回動方向に直角な方向の力が加わることが防止され
る。また、電磁吸引力が働いたときシャント（10）は移
動スペーサ（18）を介して接触するので、可撓導体同士
が直接接触する場合に比し両者間の摩擦力を低減するこ
とができる。上記のようにシャント（10）の変形が防止
され摩擦力が減少することにより、各シャント（10）に
働く電磁反発力が各シャント（10）が接続された可動子
（５）に個別に有効に作用して各可動接点（４）ごとの
接触圧力を高める。

さらに、事故電流等の過大な電流が流れたときは、シ
ャント（10）に大きな変形が残らず、その後の可動子の
円滑な回動を妨げることがない。

第１図及び第２図に示す実施例では移動スペーサ（1
8）を筐体（１）側に設けたものを示したが、第３図に
示すようにコンタクトアーム（６）に設けても良い。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、並設された可撓導
体と可撓導体との間隙に可撓導体と共に移動する移動ス
ペーサを設けたので、電磁反発力により可撓導体が移動
しようとするときにこれを阻害する摩擦力が少なくな
り、また電磁吸引力による可撓導体の変形を防止できる
共に可撓導体間に働く摩擦力も減少し、各可撓導体に働
く電磁反発力を各可動子の接点圧力に有効に変換でき、
短時間通電容量の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す要部断面図、第２図
は第１図の線II−IIの断面図、第３図はこの発明の他の
実施例を示す要部断面図、第４図は従来の遮断器を示す
概略図、第５図は第４図の遮断器の要部を示す断面図、
第６図は第５図の線VI−VIの断面図、第７図はこの発明
の課題を説明するための遮断器の要部断面図、第８図は
第７図の線VIII−VIIIの断面図である。図において、（１）は筐体、（２）は固定接点、（４）
は可動接点、（５）は可動子、（６）はコンタクトアー
ム、（6a）はコンタクトアームの側板部、（９）は導
体、（10）はシャント、（17）は切欠き部、（18）は移
動スペーサを示す。なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】同一極に複数併設されると共に筐体に固定
された固定接点と、可動接点を有しこの可動接点が上記
各固定接点とそれぞれ対向するように複数並設された可
動子と、この各可動子を間隔を置いて並設状態にかつ回
動して上記可動接点が上記固定接点に接離しうるように
保持するコンタクトアームと、上記筐体に支持された導
体と、所定の間隙を設けて並設状態に配置され上記各可
動子を上記導体に接続する複数の可撓導体とを有し、上
記可撓導体に働く電磁力により上記可動子に上記可動接
点を上記固定接点に押圧する方向の回動力を与えるもの
において、上記間隙に上記可撓導体と共に移動する移動スペーサを
設けたことを特徴とする遮断器。