JP2570479B2 - 車両用キャスタ角制御装置 - Google Patents

車両用キャスタ角制御装置

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JP2570479B2 JP2212218A JP21221890A JP2570479B2 JP 2570479 B2 JP2570479 B2 JP 2570479B2 JP 2212218 A JP2212218 A JP 2212218A JP 21221890 A JP21221890 A JP 21221890A JP 2570479 B2 JP2570479 B2 JP 2570479B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、車両のサスペンションにおけるキャスタ角
の制御装置に関し、特に、キャスタ角をスポーツ走行に
適したスポーツモードに設定しうる、車両用キャスタ角
制御装置に関する。
[従来の技術] 自動車において、サスペンションのアライメント調整
を行なうことにより、車両の走行特性等を変更できるこ
とが知られており、サスペンション要素の一つであるキ
ャスタ角(以下、単にキャスタともいう)を調整して、
車両の走行性能を向上させる手段も提案されている。
かかるキャスタについては、角度を大きくすると直進
安定性が向上し小さくすると操舵性能が向上するので、
例えば、車速の大きさに応じてキャスタが大きくなるよ
うに制御して直進性能を向上させることや、操舵角の大
きさに応じてキャスタが小さくなるように制御して操舵
性能を向上させることが提案されている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、パワーステアリングにおいて、アシスト量
を調整すると操舵力を変化させることができるので、こ
のアシスト量を走行モードに応じて設定できるようにし
たものが提案されている。
例えば、第8図は従来の電子制御式パワーステアリン
グ機構の構成を示すもので、図中、符号51はパワステ油
圧制御部、52はステアリングギヤ&リンケージ、53はオ
イルリザーバ、54はプレッシャホース、55はオイルポン
プ、56はクーラチューブであり、パワステ油圧制御部51
ではオイルポンプ55で駆動されたオイルをステアリング
ギヤ&リンケージ52の部分に設けられたシリンダ内に適
宜供給することで、操舵操作をアシストする。このよう
なパワーステアリング機構で、パワステ油圧制御部51に
よる制御を通じてそのアシスト量を走行モードに応じて
調整できるようにして、例えば、状態通常の走行時(通
常走行モード)には、誰でも容易にステアリング操作を
行なえるように大きめのアシスト量が得られる状態に設
定できて、所謂スポーツ走行時(スポーツモード)に
は、適当な剛性感を得られるように小さめのアシスト量
状態に設定できるようにしたものが考えられる。
このように操舵力を変化させることは、サスペンショ
ンの特性を調整することによっても可能であり、サスペ
ンションの要素を適当に調整することで、好みの走行状
態にあった操舵力状態に設定できるようにしたい。
ところで、実願昭57−91171号(実開昭58−192774
号)のマイクロフィルムには、自動車の前輪懸架装置に
関し、キャスタ角度を自動車の高速走行時には大きく低
速走行時には小さくする技術が開示されている。キャス
タ角は、車両の走行特性に大きくかかわり、一般に、キ
ャスタ角が大きいと直進安定性が高まるがハンドル操舵
時に大きな力が必要となり、逆に、キャスタ角が小さい
と小さな力でハンドル操舵を行なえるが直進安定性は低
下する。また、高速走行時には直進安定性がより要求さ
れ、低速走行時にはハンドル操作力の軽減がより要求さ
れる。このため、高速走行時にはキャスタ角を大きく
し、低速走行時にはキャスタ角を小さくするという制御
で、車速に適した走行特性を実現することができる。
しかしながら、操舵特性に関するドライバの好みは一
様ではなく、ハンドル操作力を大きく必要としても直進
安定性がより高いほうか好みのドライバもいれば、直進
安定性に対する要求よりもより小さな力でハンドル操作
を行なえる方が好みのドライバもおり、上述の従来技術
のように、車速に応じてキャスタ角を変更するだけで
は、このようなドライバの好みに応じることはできな
い。
本発明は、このような課題に鑑みて案出されたもの
で、ドライバの好みの走行特性が得られるように適宜キ
ャスタ角を制御できるようにした、車両用キャスタ角制
御装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] このため、本発明の車両用キャスタ角制御装置は、車
両のサスペンションにおいて、該サスペンションの構成
要素を駆動することによりキャスタ角を調整しうるキャ
スタ角調整機構と、該車両の車速に応じてキャスタ角を
設定しうるキャスタ角設定手段と、車両のキャスタ角が
該キャスタ角設定手段で設定されたキャスタ角をとるよ
うに該キャスタ角調整機構を制御する制御手段とをそな
えるとともに、該車両の操舵力低減よりも該車両の直進
安定性及び操舵剛性の確保をより重視した第1モード
と、該車両の操舵力低減と該車両の直進安定性及び操舵
剛性の確保とをバランスさせるか又は該車両の直進安定
性及び操舵剛性の確保よりも該車両の操舵力低減をより
重視した第2モードとのいずれかを選択的に設定するこ
とができるモード設定手段をそなえ、該キャスタ角設定
手段が、該モード設定手段のモード設定に応じて該第1
モード設定時には該第2モード設定時よりも大きな値を
該キャスタ角として設定するように構成されていること
を特徴としている。
[作 用] 上述の本発明の車両用キャスタ角制御装置では、制御
手段が、車両のキャスタ角がキャスタ角設定手段で設定
されたキャスタ角となるようにキャスタ角調整機構を制
御する。このとき、キャスタ角設定手段でのキャスタ角
の設定は、車両の車速とともに、モード設定手段で設定
された設定モードに基づいて行なわれる。つまり、モー
ド設定手段で第1モードが設定されると、第2モード設
定時よりも大きな値がキャスタ角として設定される。
そして、一般に、キャスタ角が大きくなると、必要な
操舵操作力が増加してしまうが直進安定性や操舵剛性が
高まり、逆に、キャスタ角が小さくなると、直進安定性
や操舵剛性は低くなるが必要な操舵操作力を低減するこ
とができる。
このため、第1モード設定時には、キャスタ角調整に
より操舵操作力が増加するが直進安定性や操舵剛性が高
まることになり、車両の操舵力低減よりも該車両の直進
安定性及び操舵剛性の確保をより重視することができ
る。第2モード設定時には、キャスタ角調整により直進
安定性や操舵剛性は低下するが操舵操作力を低減するこ
とができるようになり、車両の操舵力低減と該車両の直
進安定性及び操舵剛性の確保とをバランスさせるか又は
該車両の直進安定性及び操舵剛性の確保よりも該車両の
操舵力低減をより重視することができる。
[実 施 例] 以下、図面により本発明の一実施例としての車両用キ
ャスタ角制御装置について説明すると、第1図はそのキ
ャスタ角制御の内容を示すフローチャート、第2図はそ
の要部構成を示すブロック図、第3図はいずれもそのキ
ャスタ角を設定するためのマップ、第4図はその操作類
等の取付位置を示す車室内の斜視図、第5図はそのキャ
スタ角調整機構を示す分解斜視図、第6図はそのキャス
タ角調整機構をそなえたサスペンションを示す斜視図、
第7図はそのアクチュエータの油圧回路構成図である。
まず、本装置を装備する車両のサスペンションについ
て説明すると、この実施例のサスペンションは、第6図
に示すように、乗用車用のストラット式のフロントサス
ペンションであって、左右のストラット1,1は、いずれ
も周知のようにショックアブソーバ2にコイルスプリン
グ3を組合わせて構成され、各ストラット1,1の頭部が
車体4側に固定されている。各ストラット1,1の下端部
には、ナックル5およびハブ6を介して前輪7が回転自
在に装着されている。
また、ストラット1の下端部は、ロアアーム8を介し
て、サブフレームを兼ねるように前輪間に設けられたク
ロスメンバー9に連結され、ショックアブソーバ2を懸
架リンクの一部として利用したサスペンションを構成し
ている。
なお、10は、クロスメンバー9に設けたセンターメン
バ、11はディスクブレーキである。
そして、こうしたストラット1,1の頭部1A,1Aの取付部
に、この頭部1A,1Aをそれぞれ車体4の前後方向にスラ
イドさせることでキャスタ角を自在に調整しうるキャス
タ角調整機構(スライド機構)12,12が設けられてい
る。
なお、第6図において、27は駆動シャフト、28はスタ
ビライザーである。
このキャスタ角調整機構12,12はいずれも同様に構成
されており、第5図に示すように、ストラットタワーの
上面の車体4側に取り着けられたスライドベース14と、
ストラット1の上端に取り付けられてスライドベース14
に対してスライドしうるスライド板13とをそなえてい
る。
スライドベース14は、例えば長手側を車体前後方向に
向けた板部材15の中央に、車体前後方向と平行な略長方
形状の貫通孔16を設けられた構造になっており、貫通孔
16の車幅方向側と対応する二辺の全体に、断面がほぼ三
角形状の壁で構成される一対のレール部17,17を並行に
立設されている。このレール部17,17はいずれも内向き
に配置されており、これらの対向するレール部17,17間
及び貫通孔16の内部を、ストラット1の頭部1Aが貫通す
るようになっている。なお、17aはレール部17を支える
ためのリブである。
一方、スライダ板13は、スライドベース14のレール部
17,17間の距離に対応した寸法を持つ略長方形の板部材1
8と、この板部材18のレール部側の平行な二辺の全体に
設けられ上記のレール部17,17と嵌挿自在な楔形状をも
つ摺動壁部19,19とをそなえている。
摺動壁部19,19は、楔状の断面を有し、例えば板部材1
8の辺を頂部とした対称な三角形の壁を板部材18の側部
に一体に設けられたもので、上記のレール部17,17にガ
タ付くことなく摺動しており、これにより、スライド板
13がレール部17,17間でこのレール部17,17に案内されて
一定方向にスライドしうるようになっている。
なお、各摺動壁部19とこれに対向するレール部17との
間には、例えばローラベアリングを複数並設してなるニ
ードルローラベアリング20がスライド方向沿いに介在さ
れ、スライダ板13を車体前後方向に沿って安定、スムー
ズにスライドできるようにしている。第5図中、21は摺
動壁部19の各四つの外側面に設けられたベアリング転動
面であり、長方形の凹部よりなっている。
そして、ストラット1の上端は、スライドベース14を
貫通してこのスライド板13の中央に設けられた円形の開
口13aに嵌挿されている。また、開口13aの前後に固定孔
22,22が設けられる一方ストラット1の頭部1Aの例えば
インシュレータ部分1aに一対(二本)の取付ボルト23,2
3が突設されて、固定孔22,22にこれらの取付ボルト23,2
3が締結されることにより、ストラット1の頭部1Aがス
ライダ板13と一体化されている。これによって、スライ
ダ板13を前後方向にスライドさせることでフロントサス
ペンションのキャスタを可変にできるようにしている。
なお、24はストラット頭部を締結するためのナットを示
す。
そして、こうしたスライド機構12,12の各スライド板1
3には、ストラット頭部を車体前後方向に移動させるた
めのアクチェータ(駆動装置)25がダイレクトに連結さ
れている。このアクチェータ25としてしは、例えば図示
するように油圧シリンダ25Bを電磁弁等の油圧切替弁を
有する油圧給排系25Aを通じて駆動するようにした油圧
式のものが考えられる。
この場合、例えば第7図に示すような油圧回路構成が
考えられる。第7図において、25aは作動油の貯蔵され
るタンク、25bはポンプ、25cはポンプアキュムレータ、
25d,25eはメインアキュムレータ、25fはフィルタ、25g
はリリーフバルブ、25hはチェックバルブ、25i,25j,25
k,25lはコントロールバルブ、25m,25nはポジションセン
サであり、他の符号は前述と同様なものである。
このアクチェータ25には、第2図に示すように、制御
手段としてのコントローラ(マイクロコンピュータおよ
びその周辺回路からなるもの)26が接続されていて、コ
ントローラ26に取り込まれる各種センサ(例えば、車速
センサ)29からの情報及びモード設定手段としてのモー
ド切換スイッチ32からのモード設定情報に基づいて、車
速Vや走行モードに応じてキャスターの角度を調整でき
るようにしている。
なお、モード切換スイッチ32は、キャスタ角のモード
を設定するスイッチであり、第1モードとしてのスポー
ツモードと、第2モード又は第3モードとしてのソフト
モードと、第3モード又は第2モードとしてのミディア
ムモードと、のいずれかを設定できるようになってい
る。
スポーツモード(第1モード)は、スポーツ走行、即
ち、急加速や急減速を含めて加減速の頻度が高く、ま
た、ハンドル操作も速やかで比較的操作頻度が高い走
行、に適したキャスタ角モードであり、このようなスポ
ーツ走行時には、乗り心地や操舵容易性よりも車両のコ
ントロール性即ち操縦安定性や操舵剛性感を得られるよ
うにすることが必要である。そこで、スポーツモード
(第1モード)では、キャスタ角の設定も、車両の操舵
力低減よりも車両の直進安定性及び操舵剛性の確保をよ
り重視して行なう。
また、ソフトモード(第2又は第3モード)は乗り心
地や操舵容易性を重視したキャスタ角モードであり、し
たがって、車両の直進安定性及び操舵剛性の確保よりも
乗り心地や車両の操舵力低減をより重視することにな
る。
ミディアムモード(第3又は第2モード)はこれらの
中間的な状態のキャスタ角モードであり、乗り心地や車
両の操舵力低減と車両の直進安定性及び操舵剛性の確保
とをバランスさせる。
このようなモード切換スイッチ32やコントローラ26や
車速センサ29aは、例えば第4図に示すような箇所に設
置することが考えられる。なお、車速センサ29aはスピ
ードメータ44内に又はスピードメータ44系に取り付けら
れる。
また、コントローラ26には、各センサからの検出情報
に基づいて最適のキャスタ角を設定するキャスタ角設定
部(キャスタ角設定手段)26bと、このキャスタ角設定
部で設定されたキャスタ角をとるようにキャスタ角調整
機構を制御するキャスタ角制御部(制御手段)26cとを
そなえている。
キャスタ角設定部では、車速センサ29a及びモード切
換スイッチ32からの信号を受けて、第3図に示すような
特性の制御マップ26a(図2参照)により、車速Vと設
定モードとに対応したキャスタ角の値Cを決定する。
つまり、キャスタ角Cが車速Vとほぼ比例するように
車速Vが大きくなるにしたがってキャスタ角Cを大きな
値に設定しており、この車速Vに対するキャスタ角Cの
大きさは、設定モードによって異なり、スポーツモード
の時にはキャスタ角Cを大きくし、ソフトモードの時に
はキャスタ角Cを小さくし、ミディアムモードの時には
キャスタ角Cをこれらの中間的な大きさにしている。
本発明の一実施例としての車両用キャスタ角制御装置
は、上述のごとく構成されているので、第1図に示すよ
うにキャスタ角制御が行なわれる。
つまり、まず、自動車のイグニッションスイッチのオ
ン直後等に、制御に関するパラメータを初期設定し(ス
テップS1)、車速センサから車速Vの値やモード切換ス
イッチ32からのモード設定情報を読み込む(ステップS
2)。
そして、続くステップS3で、車速Vと設定モードとに
基づいてマップ(第3図参照)から、キャスタ角を設定
する。
そして、このようにして設定されたキャスタ角をとる
ように、コントローラ26の制御部がキャスタ角調整機構
12のアクチュエータ25の作動を制御する。
この結果、ドライバが好みの走行モードに適したキャ
スタ角を設定できるようになり、例えば、スポーツモー
ドを設定することで、キャスタ角が大きくなり、直進安
定性が増すとともに操舵時の剛性感が高められて、加減
速やハンドル操作の頻度が比較的高いスポーツ走行に適
した状態になる。また、ソフトモードを設定すること
で、キャスタ角が小さくなって、比較的小さな操舵力で
誰でも容易にステアリング操作を行なえるようになる。
もちろんミディアムモードの場合には、これらの中間的
な状態、つまり、適当な直進安定性が得られ操舵時の剛
性感も容易にステアリング操作を行なえる程度に適当に
ある状態を実現できる。
なお、この実施例では、モード設定と車速Vの大きさ
とにより、キャスタ角の大きさCを設定しているが、こ
れらに他の制御要素を加えるようにしてもよい。
例えば、モード設定と車速Vの大きさと操舵角θの大
きさにより、キャスタ角の大きさCを設定することが考
えられる。この場合、キャスタ角Cは、車速Vについて
は車速Vの大きさに比例して増大し、操舵角θについて
は操舵角θの大きさが大きくなると減少するように設定
し、更に、モード設定に応じて、スポーツモードなら大
きく、ソフトモードなら小さく、ミディアムモードなら
中間的な値に設定する。
この場合、キャスタ角の値Cを、 C=KV・Kθ・C0′・KM ・・・(1) C=C0+KV・Kθ・C0′・KM ・・・(1)′ ただし、ΔC=KV・Kθ・K0′・KM ΔC:補正補助設定値 KV:車速補正係数 Kθ:操舵角補正係数 KM:モード設定補正係数 C0:キャスタ補助設定値 C0′:補正補助定数値 とすることができる。
このうち、車速補正係数KVは車速Vの増加に対応して
増加する係数でありマップとして与えられる。操舵角補
正係数Kθは操舵角θの増加に応じて減少する係数であ
りマップとして与えられる。モード設定補正係数KMは、
スポーツモードなら大きな値KM1、ソフトモードなら小
さな値KM3、ミディアムモードなら中間的な値KM2とす
る。
このように、キャスタ角の値Cをマップから直接設定
するのでなく、種々の制御ファクタに応じた補正係数
(この例では、KV,Kθ,KM)をマップで読み取るか又は
算出するかして、これらの補正係数から算出するように
して設定してもよい。この場合、種々のファクタから決
定されたキャスタ角の値C又は補正補助設定値ΔCに、
スポーツモードなら大きな係数値KM1を、ソフトモード
なら小さな係数値KM3、ミディアムモードなら中間的な
係数値KM2(=1でもよい)を積算してモード補正を施
すようにするという手法でもよい。
また、モード設定については、3種類の設定でなく、
2種類のモードに設定したり又は4種類以上の数のモー
ドを設定してもよい。2種類のモードに設定する場合、
直進走行の安定性及び操舵剛性を重視する方のモード
(キャスタ角の大きいモード)を第1モードとしてのス
ポーツモードとし、操舵の容易性、即ち、より小さな操
作力で操舵を行なえるようにすることを重視するモード
(キャスタ角の小さいモード)を第2モードとしての通
常モード(ミディアムモード)又は第2モードとしての
ソフトモードとする。
なお、本キャスタ角制御装置の適用は、この実施例の
ような構成のサスペンションやキャスタ角調整機構(ス
ライド機構)12に限るものではなく、他の構成のものに
も広く適用可能である。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明の車両用キャスタ角制御
装置によれば、車両のサスペンションにおいて、該サス
ペンションの構成要素を駆動することによりキャスタ角
を調整しうるキャスタ角調整機構と、該車両の車速に応
じてキャスタ角を設定しうるキャスタ角設定手段と、車
両のキャスタ角が該キャスタ角設定手段で設定されたキ
ャスタ角をとるように該キャスタ角調整機構を制御する
制御手段とをそなえるとともに、該車両の操舵力低減よ
りも該車両の直進安定性及び操舵剛性の確保をより重視
した第1モードと、該車両の操舵力低減と該車両の直進
安定性及び操舵剛性の確保とをバランスさせるか又は該
車両の直進安定性及び操舵剛性の確保よりも該車両の操
舵力低減をより重視した第2モードとのいずれかを選択
的に設定することができるモード設定手段をそなえ、該
キャスタ角設定手段が、該モード設定手段のモード設定
に応じて該第1モード設定時には該第2モード設定時よ
りも大きな値を該キャスタ角として設定するように構成
されるという構成により、ドライバが好みの走行モード
に適したキャスタ角を設定できるようになり、特に、第
1モードを設定することで、キャスタ角が大きくなり、
これにより、操舵操作力は増加するが直進安定性や操舵
剛性が高まることになり、また、第2モードを設定する
ことで、キャスタ角が小さく又は普通になって、比較的
小さな操舵力で容易にステアリング操作を行なえるよう
になって、各ドライバにとって好ましい運転フィーリン
グを得られるようになる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1〜7図は本発明の一実施例としての車両用キャスタ
角制御装置を示すもので、第1図はそのキャスタ角制御
の内容を示すフローチャート、第2図はその要部構成を
示すブロック図、第3図はいずれもそのキャスタ角を設
定するためのマップ、第4図はその操作類等の取付位置
を示す車室内の斜視図、第5図はそのキャスタ角調整機
構を示す分解斜視図、第6図はそのキャスタ角調整機構
をそなえたサスペンションを示す斜視図、第7図はその
アクチュエータの油圧回路構成図であり、第8図は従来
の操舵力制御を行ないうるパワーステアリングの構成図
である。 1……ストラット、1A……ストラット1の頭部、1a……
インシュレータ部分、2……ショックアブソーバ、3…
…コイルスプリング、4……車体、5……ナックル、6
……ハブ、7……前輪、8……ロアアーム、9……クロ
スメンバー、10……センターメンバ、11……ディスクブ
レーキ、12……キャスタ角調整機構(スライド機構)、
13……スライド板、13a……開口、14……スライドベー
ス、15……板部材、16……貫通孔、17……レール部、17
a……レール部、18……板部材、19……摺動壁部、20…
…ニードルローラベアリング、22……固定孔、23……取
付ボルト、24……ナット、25……アクチェータ(駆動装
置)、25A……油圧給排系、25B……油圧シリンダ、25a
……タンク、25b……ポンプ、25c……ポンプアキュムレ
ータ、25d,25e……メインアキュムレータ、25f……フィ
ルタ、25g……リリーフバルブ、25h……チェックバル
ブ、25i,25j,25k,25l……コントロールバルブ、25m,25n
……ポジションセンサ、26……コントローラ、26a……
制御マップ、26b……キャスタ角設定部(キャスタ角設
定手段)、26c……キャスタ角制御部(制御手段)、27
……駆動シャフト、28……スタビライザー、29……各種
センサ(車速センサなど)、32……モード設定手段とし
てのモード切換スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 隆夫 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭58−192774(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のサスペンションにおいて、 該サスペンションの構成要素を駆動することによりキャ
    スタ角を調整しうるキャスタ角調整機構と、 該車両の車速に応じてキャスタ角を設定しうるキャスタ
    角設定手段と、 車両のキャスタ角が該キャスタ角設定手段で設定された
    キャスタ角をとるように該キャスタ角調整機構を制御す
    る制御手段とをそなえるとともに、 該車両の操舵力低減よりも該車両の直進安定性及び操舵
    剛性の確保をより重視した第1モードと、該車両の操舵
    力低減と該車両の直進安定性及び操舵剛性の確保とをバ
    ランスさせるか又は該車両の直進安定性及び操舵剛性の
    確保よりも該車両の操舵力低減をより重視した第2モー
    ドとのいずれかを選択的に設定することができるモード
    設定手段をそなえ、 該キャスタ角設定手段が、該モード設定手段のモード設
    定に応じて該第1モード設定時には該第2モード設定時
    よりも大きな値を該キャスタ角として設定するように構
    成されている ことを特徴とする、車両用キャスタ角制御装置。
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