JP2570461B2 - ダイバーシティ受信装置 - Google Patents

ダイバーシティ受信装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、復調出力を切り換えて最適受信を行う検波
後選択ダイバーシティ受信方式のダイバースティ受信装
置に関する。
[従来の技術] 自動車などの移動体に送受信装置を搭載して通信を行
う移動体通信においては、通信品質を確保することが重
要な課題である。
例えば、移動体通信装置を搭載する自動車が市街地を
走行する場合、建築物などの影響により電波の伝搬路が
多重伝搬路になってしまい、受信信号がフェージングを
受け、通信品質が著しく劣化してしまう。
このような問題に対応して良好な通信品質を得ようと
する方法としては、ダイバーシティ受信方式がある。
ここで、ダイバーシティ受信方式とは、複数の受信ア
ンテナを装備し、いずれかの受信アンテナに受信された
信号を選択して出力する受信方式である。この選択は、
例えば受信レベルの高低にしたがって行われる。すなわ
ち、複数の受信アンテナには一般にそれぞれ異なった多
重伝搬路を経て信号が受信されるため、受信アンテナ毎
に受信レベルが異なることになる。受信レベルが高いほ
ど送信に係る信号を良好に再現できると見なせるため、
受信レベルが最も高い受信アンテナに係る受信信号を採
用する。
このように、従来においてはダイバーシティ受信方式
により比較的通信品質が良好な受信信号を得ることが可
能であった。
また、ダイバーシティ受信方式には、アンテナ切換ダ
イバーシティ受信方式と、検波後選択ダイバーシティ受
信方式と、の2種類がある。
前者は、例えば特開昭61−30137号公報に示されてお
り、複数設けられた受信アンテナを切り換えて後段の復
調器などに接続する方式である。一方、後者は受信アン
テナに加え復調器をも複数個設け、復調出力を選択出力
する方式である。
前者は、後者に比べ、復調器が1個ですむため装置構
成が小さく自動車への搭載スペースが小さくてすむとい
う利点がある。後者は、装置構成は前者よりも大きいも
のの、高周波数での出力切換を行わないため通信品質が
より良好である。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来におけるダイバーシティ受信方式
では、いずれの受信系統に係る信号を選択するかを受信
レベルの高低によって決定していたため、受信レベルと
通信品質が一致していない場合、最適な通信品質を得る
ことができない。
特に、近年検討されているディジタル移動通信(伝送
速度数10kbps以上)においては、建築物などによる反射
・屈折・回析により遅延時間τに伴った遅延波が存在
し、多重波伝搬となり、符号間干渉が生じる。
これにつき、第3図及び第4図を用いて説明する。第
3図には、フェージングの有無によるアイパタンの差
が、第4図には、符号間干渉が示されている。
ディジタル移動無線における復調出力は、先行する信
号(先行波)とこれに対し遅延する信号(遅延波)とが
含まれ、第3図に示されるアイパタンとして測定器画面
上に現すことができる。フェージング等が発生しておら
ず、すなわち前述の符号間干渉要因が発生していない場
合、第3図(a)に示されるように先行波のみの「目」
(アイ)状のパタン(アイパタン)となるが、フェージ
ング発生時には、第3図(b)に示されるように、先行
波の他、遅延波1、遅延波2等により、第3図(a)の
アイパタンを時間軸方向にずらして重ねたパタンとな
る。すなわち、第3図(b)においてはアイパタンに、
フェージングや雑音等の影響により、復調出力が本来の
タイミングに対し時間的に進むかまたは遅れる、つまり
時間ゆらぎが生じている。
今、フェージングにより受信に係る電波が2種類存在
している場合を考える。これらの電波のうち、一方の波
を先行波、先行波に対して時間的に遅れている他方の波
を遅延波というものとする。この場合、第4図に示され
るように、時間ゆらぎに係る遅延時間τの期間において
先行波と遅延波の示す符号の値が必ずしも一致しない。
従って、ビット長Tの符号を再生するうえで、この遅延
時間τにおいて符号誤りが発生しやすく、良好な誤り率
特性を得ることが困難となる。
かかる符号誤りは、受信レベルの高低にかかわらず発
生するため、従来のダイバーシティ受信装置によっては
排除することができない。
本発明は、この様な問題点を解決することを課題とし
てなされたものであり、良好な誤り率特性を確保でき良
好な通信品質を得ることができるダイバーシティ受信装
置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] このような目的を達成するために、本発明は、電波を
受信して復調する複数の受信系統と、それぞれ対応する
受信系統の復調出力における時間ゆらぎ量を検出する複
数の時間ゆらぎ量検出手段と、時間ゆらぎ量検出手段に
より検出された時間ゆらぎ量が最も小さい受信系統から
の出力を選択出力する切換手段と、を備えることを特徴
とする。
[作用] 本発明においては、時間ゆらぎ量検出手段により受信
系統毎にその復調出力に基づき時間ゆらぎ量が検出され
る。さらに切換手段により、時間ゆらぎ量が最も小さい
受信系統からの出力が選択され出力される。この結果、
フェージング等により遅延波が生じている場合にも、符
号間干渉による判別誤り等が低減され、良好な通信品質
が得られることになる。
[実施例] 以下、本発明の好適な実施例について図面に基づき説
明する。
第1図には、本発明の一実施例に係るダイバーシティ
受信装置の構成が示されている。
この図においては、n(n:整数)個の受信系統10−i
(i=1,2,…n)が示されている。
それぞれの受信系統10−iは、受信アンテナ12−i、
ダウンコンバータ14−i、復調部16−i、符号判別部18
−iが順次接続された構成を有している。また、符号判
別部18−iは、切換スイッチ20に接続されている。
すなわち、送信機(基地局)からそれぞれ異なる多重
伝搬路により送信される例えば1000MHz程度の電波は、
それぞれ受信アンテナ12−iに受信され、ダウンコンバ
ータ14−iを介して復調部16−iに供給される。復調部
16−iにおいては、受信された信号が復調され、符号判
別部18−iに出力される。符号判別部18−iは、復調部
16−iの復調出力に基づき、送信に係る符号を判別し、
判別の結果得られた符号(列)を出力する。
符号判別部18−iの出力は、それぞれ切換スイッチ20
に入力され、いずれか1個が選択・切換えられて後段に
出力される。
また、受信系統10−iは、それぞれクロック再生部22
−iを備えている。クロック再生部22−iは、復調部16
−iの復調出力に基づきクロックを再生し、この再生ク
ロックを符号判別部18−iに供給する。
クロック再生部22−iには、それぞれ積分部24−iが
供給されており、積分部24−iは比較部26、切換スイッ
チ20に順次接続されている。
本発明の特徴的機能である時間ゆらぎ量の検出及びそ
の結果による切換は、これらクロック再生部22−i、積
分部22−i、比較部26及び切換スイッチ20により実現さ
れる。
第2図には、この実施例におけるクロック再生部22−
iの構成が示されている。
この図に示されるクロック再生部22−iは、符号判別
部28−i、エッジ検出部30−i、位相比較器36−i、EO
R38−i、AND46−i、アップダウンカウンタ40−i、パ
ルス付加/除去回路42−i、分周器34−i及び同一符号
連続検出部48−iを備えている。
すなわち、復調部16−iの復調出力は、符号判別部28
−iにおいてしきい値により“0"“1"判別され、次にエ
ッジ検出部30−iにおいてエッジが検出される。エッジ
検出部30−iの出力は、位相比較器36−iに供給され
る。
位相比較器36−iの出力端はEOR38−iに接続され、E
OR38−iの出力端はAND46−iを介してアップダウンカ
ウンタ40−iのカウント可否入力に接続されている。ア
ップダウンカウンタ40−iは、パルス付加/除去回路42
−i及び分周器34−iに順次接続されている。分周器34
−iから出力される再生クロックは、位相比較器36−
i、EOR38−i及びアップダウンカウンタ40−iに供給
される。
すなわち、エッジ検出部30−iの出力は、位相比較器
36−iにおいて再生クロックと位相比較され、位相比較
結果についてはEOR38−iにより再生クロックとの排他
的論理和が求められる。EOR38−iはリプルキャンセレ
ーションのための素子であり、その出力は復調出力が示
す符号(データ)が変動する近傍時間において再生クロ
ックに対する復調出力の時間ゆらぎを含んでいる。
一方、符号判別部28−iの出力は、同一符号連続検出
部48−iに接続されており、この同一符号連続検出部48
−iの出力はAND46−iに接続されている。
すなわち、同一符号連続検出部48−iは、現在のデー
タと、1個前のタイミングのデータと、を比較し、相違
しているときに“1"を出力する。
同一符号連続検出部48−iの出力は、AND46−iに供
給される。AND46−iは、同一符号連続検出部48−iの
出力とEOR38−iの出力との論理積を求める。
ここで、EOR38−iの出力は、前述のように時間ゆら
ぎを含んでおり、データの変化に伴い“1"となる同一符
号連続検出部48−iの出力との論理積をとることで、デ
ータの変化に伴い顕在化する時間ゆらぎが検出され、時
間ゆらぎ量を“1"値の継続時間として示す時間ゆらぎ量
パルスとして出力されることになる。
この時間ゆらぎ量パルスは、積分部22−iに供給され
る。
積分部22−iは、CR積分回路により構成されており、
時間ゆらぎ量パルスを積分し、時間ゆらぎ量に比較した
電圧を出力する。比較部26は、積分部22−iの出力を電
圧比較する。切換スイッチ20は、最低電圧に係る積分部
22−iに対応する符号判別部18−iを選択し、その出力
である符号(列)を出力する。
従って、本実施例においては、リプルキャンセレーシ
ョン用のEOR38−i出力を用いて時間ゆらぎ量を求め、
その結果に応じて、時間ゆらぎ量が最も小さく従ってフ
ェージングの影響が最も少ない受信系統10−iを選択し
て符号出力することができる。
また、積分部24−iがCR積分回路として簡易な構成で
実現できる等、受信装置を簡易に構成することができ
る。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、時間ゆらぎ量
の検出及びこれに応じた切換により、最もフェージング
等の影響の少ない受信系統を選択でき、誤り率等の通信
品質を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係るダイバーシティ受信
装置の構成を示すブロック図、 第2図は、この実施例におけるクロック再生部の構成を
示すブロック図、 第3図は、ディジタル通信における受信側復調出力のア
イパタンを示す図であって、第3図(a)はフェージン
グが無い場合のパタンを示す図、第3図(b)はフェー
ジングがある場合のパタンを示す図、 第4図は、フェージングがある場合の符号間干渉を示す
図である。 10−1,10−2,…10−n……受信系統 16−1,16−2,…16−n……復調部 20……切換スイッチ 22−1,22−2,…22−n……クロック再生部 24−1,24−2,…24−n……積分部 26……比較部 46−i……AND

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電波を受信して復調する複数の受信系統
    と、 それぞれ対応する受信系統の復調出力に基づき時間ゆら
    ぎ量を検出する複数の時間ゆらぎ量検出手段と、 時間ゆらぎ量検出手段により検出された時間ゆらぎ量が
    最も小さい受信系統からの出力を選択出力する切換手段
    と、 を備えることを特徴とするダイバーシティ受信装置。
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