JP2570457Y2 - Ｏａ機器の二軸式チルトヒンジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、ワードプロセッサー
やパソコン等のＯＡ機器のディスプレー体を装置本体に
対して上下方向の多方向に動かす際に用いて好適な、Ｏ
Ａ機器用の二軸式チルトヒンジに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ラップトップ型或は卓上型のＯＡ
機器のディスプレー体を装置本体に対して上下方向に開
閉させるチルトヒンジとしては、ディスプレー体を装置
本体に対し、その使用開成角度（９０゜〜１３５゜）に
おいて任意の位置で安定停止保持することを要し、その
ための構成として、装置本体に取り付けられる取付ベー
スと軸受プレートを直角方向に折り曲げて断面アングル
形に構成した取付部材の該軸受プレートに軸受孔を設
け、この軸受孔に鍔部を有する回転シャフトを水平方向
に挿通させ、軸受プレートを挟んで左右にスライダーワ
ッシャーとスプリングワッシャーをその中心部にそれぞ
れ回転シャフトを挿通させつつ介在させ、回転シャフト
の端部をかしめることにより軸受プレートの両側に摩擦
力を生じさせ、回転シャフトを所定のトルクによっての
み回転するようにして、この回転固定シャフトに固着さ
せたディスプレー体を上下方向における使用開成角度の
任意の位置で停止保持できるようにしたものが公知であ
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】この従来のＯＡ機器の
チルトヒンジは、摩擦力だけによってディスプレー体を
その上下方向の中間開成角度で保持することができるも
のであったが、ディスプレー体を装置本体に対し上下方
向に開閉させる以外に、水平方向にも揺動させるように
することが要求されるようになった。

【０００４】この考案の目的は、ディスプレー体を装置
本体に対して上下方向に回動させて任意の位置で停止保
持できる以外に、ディスプレー体を左右方向にも揺動さ
せて任意の位置で停止保持できるように構成した、とく
にＯＡ機器の二軸式チルトヒンジを提供せんとするにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ためにこの考案は、装置本体側に取りつけられる第１取
付部材に設けた軸受孔に垂直方向より大径部と小径部を
有する第１支持部材を兼ねる回転シャフトの小径部を回
転可能に軸受けさせ、前記第１取付部材の一側面と前記
回転シャフトの大径部との間に中心部に小径部を挿通さ
せつつフリクションワッシャーを介在させ、前記第１取
付部材の他側面側にスラストワッシャー、スプリングワ
ッシャー、及び押え用ワッシャーの順でそれぞれの中心
部に前記回転シャフトの前記小径部を挿通させつつ介在
させ、この小径部の端部をかしめることにより前記回転
シャフトが所定の回転トルクを加えられた時にのみ水平
方向へ回転するように構成すると共に、前記回転シャフ
トに第２取付部材を取り付け、この第２取付部材の両側
板に設けた取付孔に第１固定シャフトと第２固定シャフ
トを水平方向へ同軸状態で取り付け、前記第１固定シャ
フトにはディスプレー体を支持する一方の支持部材を上
下方向へ回転可能に軸着させ、前記第２固定シャフトの
小径部にはディスプレー体を支持するもう一方の支持部
材を軸着させ、この第２固定シャフト側の支持部材の一
側面と前記第２固定シャフトの大径部との間に中心部に
小径部を挿通させつつフリクションワッシャーを介在さ
せ、前記第２固定シャフト側の支持部材の他側面側にそ
れぞれの中心部に小径部を挿通させつつスラストワッシ
ャー、スプリングワッシャー、及び押え用ワッシャーの
順で介在させ、前記小径部の端部をかしめることにより
前記第２固定シャフト側の前記支持部材が所定の回転ト
ルクを加えられた時にのみ上下方向へ回転するように構
成したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】支持部材に取り付けたディスプレー体を上下方
向へ一定の力を加えて回動させると、該支持部材は第２
取付部材に水平方向に固定させた固定シャフトに一定の
回転トルクが加わった時にのみ回動するように取り付け
られているので、支持部材と共に上下方向へ回動し、摩
擦力によって任意の位置で安定停止保持される。

【０００７】また、ディスプレー体を水平方向左右へ一
定の力を加えて回動させると、第２取付部材が第１取付
部材に回転シャフトを介して一定の回転トルクが加わっ
た時にのみ回動するように取り付けられているので、回
転シャフトと共に水平方向左右へ回動し、摩擦力によっ
て任意の位置で停止させることができる。

【０００８】

【実施例】図面はこの考案の一実施例を示し、図１乃至
図３において、１は例えばワードプロセッサーの装置本
体、２はキーボード、３は液晶を用いたディスプレー体
であり、装置本体１の一側にアーム４によって旋回可能
に取り付けられている。ディスプレー体３それ自身を上
下方向及び水平方向左右へ回動させる二軸式チルトヒン
ジは、アーム４のＡ視の部分に設置されており、その構
造は図４以下に示されている。以下詳述する。

【０００９】図面によれば５は第１取付部材であり、ア
ーム４の上部先端に取り付けられている。この第１取付
部材５は取付板５ａ、５ａと軸受プレート５ｂを正面略
異形コの字形を呈するように折り曲げて成り、軸受プレ
ート５ｂには軸受孔６が設けられている。この軸受孔６
には支持部材を兼ねる回転シャフト７が垂直方向からそ
の小径部７ｃを軸受けさせている。この回転シャフト７
は小径部７ｃに続いて大径部７ｄを有し、さらにこの大
径部７ｄの一側部を削り取ることによって構成した取付
部７ａには、そこに設けた取付孔７ｅ、７ｅを介してビ
ス７ｂ、７ｂで第２取付部材８がその取付板８ａを固着
させている。大径部７ｄの外周には、ストッパーピン９
が突設され、このストッパーピン９は軸受プレート５ｂ
より突設させた一対の突片５ｃ、５ｃと所定角度範囲に
おいて当接し、回転シャフト７の回転を一定の範囲でと
どめる機能を営む。

【００１０】大径部７ｄと軸受プレート５ｂの一側面と
の間には、その中心部に設けた挿通孔１０ａに小径部７
ｃを挿通させつつナイロン等の合成樹脂製のフリクショ
ンワッシャー１０が介在されている。軸受プレート５ｂ
の他側面側には、燐青銅製のスラストワッシャー１１、
スプリングワッシャー１２、及び押え用ワッシャー１３
が、それぞれ中心部に設けた挿通孔１１ａ、１２ａ、１
３ａに小径部７ｃを挿通させつつ介在させられており、
小径部７ｃの端部をかしめることにより、フリクション
ワッシャー１０は大径部７ｄと軸受プレート５ｂに、ス
プリングワッシャー１２はスラストワッシャー１１に、
それぞれ圧接状態となり、摩擦力によって回転シャフト
７に一定の回転トルクが加えられた時にのみ回転するよ
うになっている。

【００１１】上述した第２取付部材８は取付板８ａの両
側より折曲げて構成した一対の支持板８ｂ、８ｂを有
し、この支持板８ｂ、８ｂ間に固定シャフト１４が水平
に固定させられている。この固定シャフト１４は、軸方
向に分離された第１固定シャフト１５と第２固定シャフ
ト１６から成り、第２固定シャフト１６の中心部軸方向
より挿入された取付ビス１７により相互に固着されてい
る。第１固定シャフト１５は矩形状の取付部１５ａと大
径部１５ｂと小径部１５ｃを有し、取付部１５ａを第２
取付部材８の支持板８ａに設けた矩形状の取付孔８ｃへ
係合固着させている。小径部１５ｃには支持部材１９が
回動可能に軸着されており、この支持部材１９の一側面
側と大径部１５ｂとの間には、その中心部に設けた挿通
孔２０ａに小径部１５ｃを挿通させつつ、例えばナイロ
ンのような合成樹脂製のフリクションワッシャー２０が
介在されている。支持部材１９の他側面側には、燐青銅
製のスラストワッシャー２１、スプリングワッシャー２
２、及び押え用ワッシャー２３の順で、それぞれの中心
部に設けた挿通孔２１ａ、２２ａ、２３ａに小径部１５
ｃを挿通させつつ介在されており、小径部１５ｃの端部
をかしめることにより、フリクションワッシャー２０は
大径部１５ｂと支持部材１９の間に、スプリングワッシ
ャー２２はスラストワッシャー２１と押え用ワッシャー
２３の間にそれぞれ圧接され、支持部材１９が一定の回
転トルクを与えられた時にのみ回動を許容するようにな
っている。

【００１２】第２固定シャフト１６の小径部１６ａに
は、もう一方の支持部材２４が回動自在に軸着されてお
り、中心部に設けた挿通孔２５ａ、２６ａに取付ビス１
７を挿通させたワッシャー２５、２６によって抜け出な
いように係止されている。この支持部材２４は摩擦手段
が設けられていず自在に回転する。尚、２７はナイロン
ワッシャーである。そして、支持部材１９、２４にはデ
ィスプレー体３の一部が固着されている。

【００１３】したがって、ディスプレー体３はアーム４
によって大きく旋回可能であり、同時に上述した二軸式
のチルトヒンジによって所定の力を加えることによりそ
れ自身が水平方向へ回動し、かつ、上下方向にも回動可
能である。

【００１４】尚、各スプリングワッシャー１２、２２
は、放射状かつ交互にそれぞれ３個の凹凸１２ｂ、１２
ｃ・２２ｂ、２２ｃを等間隔に配置させて成り、この各
凹凸の表面をいずれも平坦に構成してある。このことに
より、スプリングワッシャー１２、２２は、これと略同
一の外径を有する押え用ワッシャー１３、２３によって
スラストワッシャー１１、２１側へ均等に押圧されるこ
とになり、スラストワッシャー１１、２１との間で大き
な安定した摩擦力が得られる要因となるものである。

【００１５】各スラストワッシャー１１、２１はそれぞ
れに突設した係止片１１ｂ、２１ｂを軸受プレート５ｂ
ト支持部材１９に設けた係止孔５ｄ、１９ａへ係止さ
せ、それ自身は独自で回転しないようになっている。

【００１６】

【考案の効果】この考案は以上のように構成したので、
簡単な構成で安価に製造できると共に、ディスプレー体
を装置本体に対し水平方向及び上下方向に自在に回動さ
せることができ、さらに任意の位置で安定停止保持させ
ることができるという作用効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案を実施したワードプロセッサーの斜視
図である。

【図２】図１の一部平面図である。

【図３】図１の一部側面図である。

【図４】この考案に係る二軸式チルトヒンジの平面図で
ある。

【図５】図４のＡ−Ａ線断面図である。

【図６】図４のＢ−Ｂ線断面図である。

【図７】この考案に係る二軸式チルトヒンジの分解斜視
図である。

【符号の説明】

１ 装置本体 ３ ディスプレー体 ５ 第１取付部材 ５ａ 取付板 ５ｂ 軸受プレート ５ｃ 突片 ６ 軸受孔 ７ 回転シャフト ７ａ 取付部 ７ｂ ビス ７ｃ 小径部 ７ｄ 大径部 ７ｅ 取付孔 ８ 第２取付部材 １０ フリクションワッシャー １１ スラストワッシャー １２ スプリングワッシャー １３ 押え用ワッシャー １４ 固定シャフト １５ 第２固定シャフト １６ 第１個定シャフト １９ 支持部材 ２０ フリクションワッシャー ２１ スラストワッシャー ２２ スプリングワッシャー ２３ 押え用ワッシャー ２４ 支持部材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 装置本体側に取りつけられる第１取付部
   材に設けた軸受孔に垂直方向より大径部と小径部を有す
   る第１支持部材を兼ねる回転シャフトの小径部を回転可
   能に軸受けさせ、前記第１取付部材の一側面と前記回転
   シャフトの大径部との間に中心部に小径部を挿通させつ
   つフリクションワッシャーを介在させ、前記第１取付部
   材の他側面側にスラストワッシャー、スプリングワッシ
   ャー、及び押え用ワッシャーの順でそれぞれの中心部に
   前記回転シャフトの前記小径部を挿通させつつ介在さ
   せ、この小径部の端部をかしめることにより前記回転シ
   ャフトが所定の回転トルクを加えられた時にのみ水平方
   向へ回転するように構成すると共に、前記回転シャフト
   に第２取付部材を取り付け、この第２取付部材の両側板
   に設けた取付孔に第１固定シャフトと第２固定シャフト
   を水平方向へ同軸状態で取り付け、前記第１固定シャフ
   トにはディスプレー体を支持する一方の支持部材を上下
   方向へ回転可能に軸着させ、前記第２固定シャフトの小
   径部にはディスプレー体を支持するもう一方の支持部材
   を軸着させ、この第２固定シャフト側の支持部材の一側
   面と前記第２固定シャフトの大径部との間に中心部に小
   径部を挿通させつつフリクションワッシャーを介在さ
   せ、前記第２固定シャフト側の支持部材の他側面側にそ
   れぞれの中心部に小径部を挿通させつつスラストワッシ
   ャー、スプリングワッシャー、及び押え用ワッシャーの
   順で介在させ、前記小径部の端部をかしめることにより
   前記第２固定シャフト側の前記支持部材が所定の回転ト
   ルクを加えられた時にのみ上下方向へ回転するように構
   成したことを特徴とする、ＯＡ機器の二軸式チルトヒン
   ジ。