JP2570267Y2 - シャワー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、浴室の壁面に設置する
本体パネルに、ハンドシャワーやボディーシャワー等の
シャワー吐水部と、それら吐水部から適温の混合水を吐
水させるための設備を一括して備えたシャワー装置の改
良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、実開昭63-69914号公報や特開
平3-286725号公報等に記載されるように、複数のシャワ
ー吐水部、それら吐水部から吐水される混合水を設定温
度に調整する混合機能部、該機能部を制御する制御部等
を装備してなるシャワー装置が知られている。

【０００３】これらシャワー装置は、浴室の壁面に設置
する本体パネルの裏面側（室外側）に、給湯，給水源か
ら供給される湯，水を設定温度に混合する混合機能部、
該機能部の作動を制御する制御部等を取付けると共に、
ハンドシャワーやボディシャワー等のシャワー吐水部、
各シャワー吐水部からの吐出水温度の設定スイッチや吐
水／止水の切換えスイッチ等を備えた操作部を本体パネ
ル表面側（室内側）に装設してなる。

【０００４】また、本体パネル適宜位置には、前記混合
機能部や制御部に近接せしめて点検口を開設すると共
に、該点検口を点検蓋で開閉可能に被蓋し、該点検蓋を
外して混合機能部や制御部の保守点検を行うようになっ
ている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかし乍ら、上記従来
のシャワー装置によれば、混合機能部や制御部の保守点
検を点検口に手を入れて本体パネル裏側で行うようにな
り、それら機能部，制御部が構造複雑であることと相俟
って、作業性が悪いと共に、細かい部分を修理する場合
等は、本体パネルごと取り外す必要があった。

【０００６】本考案はこのような従来事情に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、上記混合機
能部，制御部等を、その保守点検が極めて作業性良く行
えるよう本体パネルに装備せしめて、シャワー装置を構
成することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本考案に係るシャワー装置は、上記本体パネルに
前記混合機能部の収納部を凹設すると共に、該収納部を
開閉可能に被蓋する点検蓋に、上記混合機能部、制御
部、シャワー吐水部を一括して取り付けたことを特徴と
する。

【０００８】

【作用】以上の構成によれば、混合機能部と給水，給湯
管との連結部分を外せば、点検蓋と一体に混合機能部，
制御部を外すことができる。しかも、シャワー吐水部を
点検蓋側に設けたことから、混合機能部とシャワー吐水
部の連結部分を外す事なく、点検蓋を取り外せる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案に係るシャワー装置の一実施例
を図１〜６を参照して説明する。本実施例のシャワー装
置Ａは、ユニットバスルームやユニットシャワールーム
の周壁を構成する壁パネル、さらに詳しくは、該周壁の
コーナー部を構成するコーナーパネルを本体パネル１と
し、該本体パネル１に、ハンドシャワー３、混合機能部
７、制御部8a等を具備せしめてなるもので、本体パネル
１を床パンＰの壁載せ面P1上に設置し、且つ本体パネル
１の左右側縁を隣り合わせる壁パネルＷ，Ｗに連結する
をもって、前記ユニットルームの周壁に一体的に組み込
まれる。

【００１０】本体パネル１は、所定高さの縦長矩形状な
幅広面部11と幅狭面部12とを連設した平面Ｌ字形に形成
すると共に、前記各面部11，12の上端、下端夫々に鉛直
面部11a,12a 、11b,12b を残して、パネル表面方向（床
パンＰの洗い場面方向）に平面視三角形状に膨出する膨
出部13を一体に設けてなる。

【００１１】本体パネル１の左，右側縁には、壁パネル
Ｗ，Ｗとの連結部となる折返し面1aを、下縁には上記壁
載せ面P1に当接する折返し面1bを、上縁には不図示の天
井パネルとの連結部となる折返し面1cを、夫々一体に形
成する。

【００１２】上記幅広面部11の下端側の鉛直面部11b に
は取付け孔14を開穿し、該取付け孔14に捨て水用ノズル
２を装着する。

【００１３】捨て水用ノズル２は、取付け孔14より大径
なヘッド部21を備え、該ヘッド部21の側周面下半部位に
円弧状の放水口22を開穿してなる。そうして、ヘッド部
21が鉛直面部11b 表面側に係止されるよう、取付け孔14
に嵌挿着する。

【００１４】上記本体パネル１の膨出部13には、パネル
裏面方向（室外方向）へ突出する凹部15を凹設し、該凹
部15は内部を多段状、本実施例では三段に区画する。膨
出部13の側縁部位にはハンドシャワー３を着脱自在に掛
止する。ハンドシャワー３の給水ホース3a基端は、後述
するシャワー給水金具6aに連結する。

【００１５】凹部15の上段はシャンプーや石鹸等の小物
収納部15a として鏡扉16で開閉自在に塞ぐ。さらに、凹
部15下段は止水栓収納部15c とすると共に、その上段は
混合機能部７を収納するメイン収納部15b とする。

【００１６】止水栓収納部15c には給湯管用，給水管用
夫々の止水栓4a，4bが収納状に設置され、その前面開口
部はカバー５で着脱可能に覆う。各止水栓4a，4bの一次
側には、給湯管ｈ，給水管ｃが、各々連結される。給湯
管ｈ，給水管ｃは、止水栓収納部15c の背面を貫通し
て、本体パネル１裏面側に延出する。

【００１７】メイン収納部15b は、点検蓋６で着脱可能
に覆われ、該蓋６裏面に取り付けた混合機能部７，制御
部8aを、取り出し可能に収納する。

【００１８】上記止水栓収納部15c ，メイン収納部15b
における前面開口部の左右側縁には、弾性体からなる係
止金具30，30を夫々取り付ける。また、それら前面開口
部を被蓋するカバー５，点検蓋６の左右側縁は、前記係
止金具30の先端係止部30a に係脱自在に差し込み可能な
折曲形状とし、これにより、カバー５，点検蓋６の着脱
が極めて容易に行えるようになる。

【００１９】点検蓋６には、端部を点検蓋６裏面に螺着
して収納部15b 方向へ膨出する支持枠7aを取り付け、該
支持枠7aを介して、混合機能部７を点検蓋６裏面に取り
付ける。また点検蓋６には、混合機能部７の各種制御と
操作を行うための制御パネル８を一体的に組み込み、該
制御パネル８の裏面側に制御部8aを、表面側に操作部8b
を、夫々設ける。操作部8bは、制御部8aによる後述の各
制御を選択的に実行する各種操作スイッチや表示パネル
等を備える。

【００２０】混合機能部７は、各止水栓4a，4bの二次側
に着脱可能に連結する連絡管71a,71b 各連絡管71a,71b
の二次側に設ける湯側，水側の流調弁72a,72b 、該両流
調弁72a,72b の二次側に連絡する湯水混合部73、該混合
部73内の混合水の温度を検出する温度検出部74、湯水混
合部73の二次側に各別に設けたシャワー連絡口75、捨て
水連絡口76、それら各口75，76の一次側に設けた各電磁
弁77，78等を備えてなり、これら各構成部を一括して点
検蓋６に固定するをもって、点検蓋６と一体化する。

【００２１】制御部8aについては詳述しないが、シャワ
ー連絡口75に供給される混合水温度を設定温度にするた
めに各流調弁72a,72b の開度を調整する温度制御機能、
設定温度に調整された混合水のハンドシャワー３からの
吐水／止水を制御するためにシャワー側電磁弁77を作動
させる吐水制御機能、給湯系配管内の残留水を捨て水用
配管９から排出するために捨て水側電磁弁78を作動させ
る捨て水機能等を備え、図６に示すように、上記混合機
能部７の各構成部に電気的に連絡して、操作部8bで選択
された機能を実行するようになっている。

【００２２】上記混合機能部７のシャワー連絡口75は、
点検蓋６表面に設けたシャワー給水金具6aを介して、ハ
ンドシャワー３の給水ホース3aに連絡する。

【００２３】混合機能部７の捨て水連絡口76には、捨て
水用配管９の基端部9aを連結する。捨て水用配管９は本
体パネル１裏面にからパネル１下端に向けて配管し、そ
の末端部9bは、上記捨て水用ノズル２に連結する。

【００２４】以上の構成からなる本実施例のシャワー装
置Ａによれば、カバー５を外して止水栓収納部15c を開
口し、連絡管71a,71b と止水栓4a，4bとの連結部分、捨
て水用配管９の中継連結部分を外せば、混合機能部７と
シャワー給水金具6aの連結を外す事なく、点検蓋６と一
体に混合機能部７，制御パネル８，シャワー給水金具6a
を一括して本体パネル１から外すことができる。

【００２５】よって、混合機能部７における各構成部や
連絡用配管，制御パネル８表裏の制御部8a，操作部8bの
修理や部品の交換等を、収納部15b の外側空間、即ち、
室内空間にて効率良く行えると共に、点検蓋６，混合機
能部７の本体パネル１側への着脱も極めて容易に行え、
保守点検に係る作業性を大幅に向上できる。

【００２６】洗身やシャワー浴を行う際は、操作部8bの
温度設定スイッチの操作で流調弁72a,72b を作動させて
混合水温度を所望温度に調整した後、吐水スイッチの操
作でシャワー側電磁弁77を作動させてハンドシャワー３
からの吐水を行う。その際、温度検出部74が設定温度以
下、或いは設定温度以上を検出すれば、捨て水側電磁弁
78が開動して捨て水が実行され、温度検出部74が設定温
度以上を検出した時点で同電磁弁78が閉動して捨て水が
終了し、且つ、シャワー側電磁弁77が開動してハンドシ
ャワーからの吐水が行われる。使用後は止水スイッチの
操作で同電磁弁77が閉動して、吐水が終了する。

【００２７】尚、本実施例においては、本体パネル１を
ユニットルームを構築するための壁パネルから形成した
が、本考案シャワー装置はこれに限定されず、湿式工法
からなる一般的な浴室の壁面を構成する壁構成体で本体
パネルを形成しても、同様の効果を得ることができる。

【００２８】また、本実施例では、本体パネル１に設け
るシャワー吐水口をハンドシャワー３のみとしたが、本
装置はこれに限定されず、本体パネル１にボディシャワ
ー，ミストシャワー，うたせシャワー，マッサージシャ
ワー等の各種吐水口を任意に設け、これに伴って混合機
能部７や制御部8a，操作部8b等を適宜に変更することも
可能である。

【００２９】さらに、本実施例では捨て水機構を備えた
シャワー装置について説明したが、本発明が捨て水機構
を設けない装置にも対応可能であることはいうまでもな
い。

【００３０】

【考案の効果】本考案に係るシャワー装置は以上説明し
たよう構成したので、混合機能部とシャワー吐水部の連
結部分は外す事なく、混合機能部と給水，給湯管との連
結部分を外すだけで、点検蓋と一体に混合機能部，制御
部を本体パネルから取り外すことができる。

【００３１】従って、混合機能部，制御部の修理や部品
の交換を収納部の外側空間（室内空間）にて効率良く行
えると共に、点検蓋，混合機能部，制御部の本体パネル
に対する着脱も極めて容易なものとして、点検口裏側の
狭い空間内での作業を強いられる従来品の欠点を解消
し、保守点検に係る作業性を大幅に向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案シャワー装置の一実施例を示す斜視図
で、点検蓋の取外し状態を表す。

【図２】設置状態における横断平面図。

【図３】設置状態における縦断側面図。

【図４】点検蓋の取外し状態を表す縦断側面図。

【図５】混合機能部、制御部、点検蓋等の分解斜視図。

【図６】装置の要部を表すブロック図。

【符号の説明】

Ａ：シャワー装置 １：本体パネル 15b:収
納部 ３：ハンドシャワー 4a：給湯管 4b：給
水管 ６：点検蓋 ７：混合機能部 8a：制
御部 8b：操作部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴室の壁面に設置する本体パネルに、シ
   ャワー吐水部、供給源からの湯，水を設定温度に混合し
   てシャワー吐水部に供給する混合機能部，該混合機能部
   を制御する制御部等を装備してなるシャワー装置におい
   て、上記本体パネルに前記混合機能部の収納部を凹設す
   ると共に、該収納部を開閉可能に被蓋する点検蓋に、上
   記混合機能部、制御部、シャワー吐水部を一括して取り
   付けたことを特徴とするシャワー装置。