JP2570221B2 - 液晶配向膜用組成物 - Google Patents

液晶配向膜用組成物

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JP2570221B2
JP2570221B2 JP6774588A JP6774588A JP2570221B2 JP 2570221 B2 JP2570221 B2 JP 2570221B2 JP 6774588 A JP6774588 A JP 6774588A JP 6774588 A JP6774588 A JP 6774588A JP 2570221 B2 JP2570221 B2 JP 2570221B2
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泰明 横山
修 藤井
幸宏 保坂
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日本合成ゴム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、液晶表示素子の製造に用いる液晶配向膜用
組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来、正の誘電異方性を有するネマチック型液晶を、
液晶配向膜を塗布した透明電極でサンドイッチし、液晶
分子長軸が上下の基板間で90度連続的に捩いれるように
したTN配列セルを有する表示素子(TN型表示素子)が知
られている。
このような液晶の配向状態は、透明電極上に塗布され
たポリイミドなどからなる液晶配向膜を、合成繊維から
なる布を巻きつけたロールなどで一方向にラビングし、
上下の基板上の配向膜をラビング方向がお互いに直交し
た状態となるように組み込むことにより発現させること
ができる。
しかし、このTN型表示素子は、コントラストおよび視
角依存性に問題があり、最近、コントラストおよび視角
依存性の向上した液晶表示素子としてSBE(Super twist
ed Birefringency Effect)表示素子が知られるように
なった。このSBE表示素子は、液晶としてネマチック型
液晶に光学活性物質であるカイラル剤をブレンドしたも
のを用い、液晶分子長軸を上下の基板間で180度以上に
連続的に捻ることにより生じる複屈折効果を利用した表
示素子である。
従来、SBE表示素子は、液晶を配向させるために二酸
化ケイ素を斜方蒸着した基板を用いることにより作製さ
れているが、この方法は表示の再現性および製造工程の
面から問題がある。
また、前記したようなポリイミドなどを液晶配向膜と
して用いて、このSBE表示素子を作製した場合、配向し
た液晶分子長軸と液晶配向膜とのプレチルト角が小さい
ために、液晶を180度以上捻ることができず、目的とす
る表示機能を発現しにくい問題点を有している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、かかる従来の技術的課題を背景になされた
もので、プレチルト角の大きい液晶表示素子、特にSBE
表示素子の製造に有用な液晶配向膜用組成物を提供する
ことを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、ポリアミド誘導体および/またはイミド系
ポリマーならびに多価アルコール誘導体を含有する液晶
配向膜用組成物を提供するものである。
本発明においては、例えばポリアミド酸、ポリアミド
酸エステルなどのポリアミド誘導体、および例えばポリ
イミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミドなどの
イミド系ポリマーが用いられ、これらのうち好ましくは
ポリアミド酸およびポリイミドが用いられる。
ここで、本発明で用いられるポリアミド酸およびポリ
アミド酸エステル(以下、これらを単に「ポリアミド酸
類」という)は、例えば脂肪族、脂環族または芳香族テ
トラカルボン酸類とジアミンとを有機溶媒中で反応させ
ることにより得られる。
なお、本発明において、テトラカルボン酸類とは、テ
トラカルボン酸、テトラカルボン酸一無水物、テトラカ
ルボン酸二無水物、テトラカルボン酸モノアルキルエス
テル、テトラカルボン酸ジアルキルエステル、テトラカ
ルボン酸トリアルキルエステルおよびテトラカルボン酸
テトラアルキルエステルを表すものである。
かかるテトラカルボン酸類としては、ブタンテトラカ
ルボン酸類、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸
類、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸類、2,
3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸類、3,5,6−ト
リカルボキシ−ノルボルナン−2−酢酸類、5−(2,5
−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−シクロ
ヘキセンジカルボン酸類、ビシクロ〔2,2,2〕−オクト
−7−エン−テトラカルボン酸類、1,2,3,4−フランテ
トラカルボン酸類、3,3′,4,4′−パーフルオロイソプ
ロピリデンテトラカルボン酸類などの脂肪族または脂環
族テトラカルボン酸;4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)ジフェニルスルフィド類、4,4′−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン
類、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフ
ェニルプロパン類、3,3′,4,4′−パーフルオロイソプ
ロピリデンテトラカルボン酸類、3,3′,4,4′−ビフェ
ニルエーテルテトラカルボン酸類、ビス(フタル酸)フ
ェニルホスフィンオキサイド類、p−フェニレン−ビス
−(トリフェニルフタル酸)類、m−フェニレン−ビス
−(トリフェニルフタル酸)類、ビス(トリフェニルフ
タル酸)−4,4′−ジフェニルエーテル類、ビス(トリ
フェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルメタン類、ピ
ロメリット酸類、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸類、3,3′,4,4′−ビフェニルスルホンテト
ラカルボン酸類、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸類、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸類、3,
3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸類、
3,3′,4,4′−ジメチルジフェニルシランテトラカルボ
ン酸類、3,3′,4,4′−テトラフェニルシランテトラカ
ルボン酸類などの芳香族テトラカルボン酸類を挙げるこ
とができる。
これらのテトラカルボン酸類のうち、好ましいものと
しては、脂肪族または脂環族テトラカルボン酸類、特に
好ましいものとしては、2,3,5−トリカルボキシシクロ
ペンチル酢酸類、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカル
ボン酸類であり、これらをテトラカルボン酸類として好
ましくは50重量%以上、特に好ましくは75重量%以上有
するポリアミド酸類が最も好適である。
また、前記テトラカルボン酸類と反応させるジアミン
としては、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジ
アミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジ
アミノジフェニルエタン、ベンチジン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニル
スルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−
ジアミノナフタレン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミ
ノビフェニル、3,4′−ジアミノベンズアニリド、3,4′
−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノベン
ゾフェノン、3,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−
ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、1,4−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−
アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ
フェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)−10−ヒドロ−アントラセン、9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)フルオレン、4,4′−メチレン−ビス
(2−クロロアニリン)、2,2′,5,5′−テトラクロロ
−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジクロロ−4,4
−ジアミノ−5,5′−ジメトキシビフェニル、3,3−ジメ
トキシ−4,4′−ジアミノビフェニルなどの芳香族ジア
ミン、1,1′−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパン
ジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジア
ミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミ
ン、4,4′−ジメチルヘプタメチレンジアミン、1,4−ジ
アキノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒ
ドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ
−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリ
シクロ〔6,2,1,02.7〕−ウンデシレンジメチルジアミン
などの脂肪族または脂環族ジアミン、および (式中、Rは炭素数1〜12のメチル基、エチル基、プロ
ピル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などの脂環
族基、またはフェニル基などの芳香族基、mは1〜3の
整数、nは1〜20の整数を示す)などで示されるジアミ
ノオルガノシロキサンを挙げることができる。
これらのテトラカルボン酸類およびジアミンは、それ
ぞれ1種単独でも、2種以上を組み合わせても使用する
ことができる。
ポリアミド酸類の製造に用いられるジアミンの使用割
合は、テトラカルボン酸類1モルに対して、通常、0.5
〜2.0モル、好ましくは0.8〜1.3モルである。
また、ポリアミド酸類の製造に用いることのできる有
機溶媒としては、得られるポリアミド酸類を溶解させる
ものであればよく、例えばN−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、
テトラメチル尿素、ヘキサメチルフスホルトリアミドな
どの非プロトン系極性溶媒、m−クレゾール、キシレノ
ール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノ
ール系溶媒を挙げることができる。
この有機溶媒の使用量は特に制限はないが、固形分濃
度が、通常、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%
となるような量である。
ポリアミド酸類を合成する際の反応温度は、例えばテ
トラカルボン酸類がテトラカルボン酸および該酸のモノ
アルキルエステル、ジアルキルエステル、トリアルキル
エステル、テトラアルキルエステルおよび一無水物であ
る場合には、通常、50〜250℃、好ましくは70〜230℃で
ある。
また、テトラカルボン酸類がテトラカルボン酸二無水
物である場合には、通常、0〜100℃で反応を行う。
また、ポリイミドとしては、前記ポリアミド酸類を、
通常、50〜300℃、好ましくは80〜160℃で加熱して脱水
閉環させることにより得られるポリイミドが好ましい
が、そのほかポリアミド酸類の一部が脱水閉環されたポ
リアミドユニットおよびポリイミドユニットが共存する
ポリイミド、すなわち脱水閉環反応が部分的に行われた
ポリ(アミド−イミド)であってもよい。
ポリアミド酸類からポリイミドを合成するための反応
は、通常は有機溶媒中で反応触媒、例えばトリエチルア
ミン、ピリジン、ルチジン、コリジンなどの有機アミン
化合物;無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオ
ロ酢酸などの酸無水物の存在下で行う。
さらに、ポリイミドは、前述のポリアミド酸類から合
成されるポリイミドのほかに、ジイソシアネートとテト
ラカルボン酸類とから合成されるポリイミドも含まれ
る。
ここで、ジイソシアネートとしては、例えば2,4−ト
リレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネ
ート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレ
ンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネ
ート、4,4′−ジフェニルスルホンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルスルフィドジイソシアネート、1,5−
ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソ
シアネート、トリジンイソシアネート、4,4′−ビフェ
ニルジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネー
ト、m−キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイ
ソシアネート;イソホロンジイソシアネート、1,3−ビ
ス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビ
ス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4′−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4′−ジ
シクロヘキシルエーテルジイソシアネートなどの脂環族
ジイソシアネート;ブタンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネ
ート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートを
挙げることができる。
これらは、単独であるいは混合して用いることができ
る。
このジイソシアネートとテトラカルボン酸類とは、前
記有機溶媒中で、通常、温度50〜250℃、0.5〜20時間反
応を行う。
この有機溶媒は特に制限はないが、固形分濃度が、通
常、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%となるよ
うな量である。
さらに、ポリアミドイミドは、トリメリット酸類とジ
アミンから合成される。このトリメリット酸類として
は、トリメリット酸無水物、トリメリット酸無水物のハ
ロゲン化物などが挙げられる。
一方、ポリアミドイミドを合成するためのジアミンと
しては、前記ポリアミド酸の合成に用いることのできる
ジアミンを挙げることができる。
さらに、ポリエステルイミドは、トリメリット酸類、
ジアミンおよびジヒドロキシ化合物から合成される。こ
こで、トリメリット酸およびジアミンは、前述のポリア
ミドイミドの合成に用いられるものと同様のものを挙げ
ることができる。
また、ジヒドロキシ化合物としては、例えばヒドロキ
ノン、カテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾル
シノール、ビスフェノールA、ジクロルビスフェノール
A、テトラクロルビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS、4,4′−ジヒドロフェノールエ
ーテル、1,5−ジヒドロナフタレン、1,4−ジヒドロナフ
タレン、2,2′−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4′−
ジヒドロキシベンゾフェノンなどを挙げることができ
る。
これらのポリアミドイミドおよびポリエステルイミド
は、前述のポリアミド酸類あるいはポリイミドの合成と
同様にして有機溶媒中で加熱することにより合成され
る。
以上の本発明に用いられるポリアミド誘導体および/
またはイミド系ポリマー(以下、これらを単に「イミド
系ポリマー」という)の固有粘度〔ηinh=ln(ηrel/
c)、c=0.5g/dl、30℃、N,N−ジメチルアセトアミド
中〕は、通常、0.05〜10dl/g、好ましくは0.05〜5dl/g
である。
次に、本発明に使用される多価アルコール誘導体とし
ては、例えば一般式(I)で表されるグリセリン誘導
体、一般式(II)で表されるジオール誘導体などが挙げ
られる。
(式中、R1〜R3は同一または異なり、水素原子、炭素数
5〜30のアルキル基、炭素数5〜30のアルケニル基、炭
素数6〜18のアリール基を示し、かつ少なくとも一つは
アルキル基、アルケニル基またはアリール基である。) R4−(OR6−OR5 ・・・・(II) 〔式中、R4およびR5は同一または異なり、前記一般式
(I)のR1〜R3と同じであり、R6は炭素数1〜6の2価
のアルキレン基、nは1〜20の整数を示す。〕 この一般式(I)で表されるグリセリン誘導体の−OR
1、−OR2または−OR3としては、例えばペンタノイル、
ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイ
ル、デカノイル、ウンダカノイル、ドデカノイル、トリ
デカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘ
キサデカノイル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイ
ル、ノナデカノイル、エイコサノイル、ヘネイコサノイ
ル、ドコサノイル、トリコサノイル、テトラコサノイル
などの飽和脂肪族基;ペンテノイル、ヘキセノイル、ヘ
プテノイル、オクテノイル、ノネノイル、デセノイル、
ウンデセノイル、ドデセノイル、トリデセノイル、テト
ラデセノイル、ペンタデセノイル、ヘプタデセノイル、
オクタデセノイル、ノナデセノイル、エイコセノイル、
ヘネイコセノイル、デコセノイル、トリコセノイル、テ
トラコセノイルなどの不飽和脂肪族基を挙げることがで
きる。
この一般式(I)で表されるグリセリン誘導体の具体
例としては、グリセリンモノオクタデカン酸エステル、
グリセリントリオクタデカン酸エステル、グリセリンモ
ノオクタデセン酸エステル、グリセリントリオクタデセ
ン酸エステル、グリセリンモノペンタノイック酸エステ
ル、グリセリントリペンタノイック酸エステル、グリセ
リンモノデカン酸エステル、グリセリントリデカン酸エ
ステル、グリセリンモノヘキサデカン酸エステル、グリ
セリントリヘキサデカン酸エステルなどを挙げることが
できる。
また、前記一般式(II)で表されるジオール誘導体の
R4およびR5としては、前記一般式(I)で表されるR1
R3と同様であり、R6としては、例えばエチレン基、1,2
−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン
基、1,1−ジクロロメチルエチレン基などの炭素数1〜
6の2価のアルキレン基である。
この一般式(II)で表されるジオール誘導体の具体例
としては、エチレングリコール−n−デシルエーテル、
エチレングリコール−ジ−n−デシルエーテル、エチレ
ングリコール−n−ヘキサデシルエーテル、エチレング
リコール−ジ−n−ヘキサデシルエーテル、エチレング
リコール−n−オクタデシルエーテル、エチレングリコ
ール−ジ−n−オクタデシルエーテル、ジエチレングリ
コール−n−オクタデシルエーテル、トリエチレングリ
コール−n−オクタデシルエーテル、プロピレングリコ
ール−n−オクタデシルエーテルなどを挙げることがで
きる。
以上のグリセリン誘導体およびジオール誘導体は、単
独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、イミド系ポリマー100重量部に対する多価アル
コール誘導体の添加量は、通常、0.05〜300重量部、好
ましくは0.1〜100重量部であり、0.05重量部未満では液
晶配向膜として使用する際に必要とされるプレチルト角
が得られず、一方300重量部を超えると組成物から作成
される液晶配向膜の熱安定性が低下し、液晶表示素子の
安定な表示特性が得られない場合がある。
なお、この多価アルコール誘導体の添加量は、使用さ
れる液晶表示素子の構造によって必要とされるプレチル
ト角が変わるため、該プレチルト角に応じて前記範囲内
で任意に選択される。
本発明の組成物は、通常、前記イミド系ポリマーおよ
び多価アルコール誘導体を有機溶媒に溶解し、固形分濃
度0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の溶液に調
製する。
このとき、前記組成物の5重量%溶液の溶液粘度は、
通常、10〜100cpsである。
この有機溶媒としては、前記ポリアミド酸類の製造に
用いる溶媒と同様の有機溶媒を挙げることができる。な
お、この場合の有機溶媒には、一般的有機溶媒であるア
ルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロ
ゲン化炭化水素類、炭化水素類、例えばメチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シク
ロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエ
ーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレン
グリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−
プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピル
エーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロルメタ
ン、1,2−ジクロルエタン、1,4−ジクロルブタン、トリ
クロルエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどを、イミド系ポリマーを析出させない
程度に混合することもできる。
本発明の組成物を液晶配向膜として用いた液晶表示素
子は、例えば次の方法によって製造することができる。
まず、透明電極を有する基板に、前記組成物溶液をロ
ールコーター法、スピンナー法、印刷法などで塗布し、
塗膜を形成させ、この塗膜を80〜200℃、好ましくは120
℃〜200℃の温度で5〜180分間、好ましくは30〜90分
間、乾燥する。
この塗膜の乾燥後の厚さは、通常、0.01〜1μm、好
ましくは0.01〜0.5μmである。
なお、基板と液晶配向膜との接着性をさらに良好にす
るために、基板上にあらかじめシランカップリング剤、
チタンカップリング剤などを塗布することもできる。
このシランカップリング剤の具体例としては、3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル
トリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノ−プロピルトリメト
キシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ−
プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノ−プロピルメチルジメトキシシラン、
3−ウレイド−プロピルトリメトキシシラン、3−ウレ
イド−プロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカル
ボニル−3−アミノ−プロピルトリメトキシシラン、N
−エトキシカルボニル−3−アミノ−プロピルトリエト
キシシラン、N−トリメトキシシリルプロピル−トリエ
チレントリアミン、N−トリエトキシシリルプロピル−
トリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,
4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−
ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,
6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミ
ノ−プロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−
アミノ−プロピルトリエトキシシラン、N−フェノール
−3−アミノ−プロピルトリメトキシシラン、N−フェ
ノール−3−アミノ−プロピルトリエトキシシラン、N
−ビス(オキシエチレン)−3−アミノ−プロピルトリ
メトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−ア
ミノ−プロピルトリエトキシシランなどを挙げることが
できる。
また、チタンカップリング剤としては、例えばイソプ
ロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピル
トリラウリルチタネート、イソプロピルトリミリスチル
チタネート、イソプロピルジメタクリロイルイソステア
ロイルチタネート、イソプロピルトリ(ドデシルベンゼ
ンスルフォニル)チタネート、イソプロピルイソステア
ロイルジアクリロイルチタネート、イソプロピルトリ
(ジイソオクチルフォスファト)チタネート、イソプロ
ピルトリメタクリロイルチタネート、イソプロピルトリ
(ジオクチルピロフォスファト)チタネート、イソプロ
ピルトリアクロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジ
オクチルフォスファト)チタネート、ブチルトリイソス
テアロイルチタネート、エチルイソステアロイルチタネ
ートなどのモノアルキルチタネート;ビス(トリエタノ
ールアミン)ジイソプロピルチタネート、ビス(トリエ
タノールアミン)ジブチルチタネート、ビス(トリエタ
ノールアミン)ジエチルチタネート、ビス(トリエタノ
ールアミン)ジメチルチタネート、ジイソプロピルジラ
ウリルチタネート、ジイソプロピルラウリルミリスチル
チタネート、ジイソプロピルジステアロイルチタネー
ト、ジイソプロピルステアロイルメタクリロイルチタネ
ート、ジイソプロピルジアクリロイルチタネート、ジイ
ソプロピルジドデシルベンゼンスルフォニルチタネー
ト、ジイソプロピルイソステアロイル−4−アミノベン
ゾイルチタネート、トリイソプロピルアクリロイルチタ
ネート、トリエチルメタクリロイルチタネート、トリイ
ソプロピルミリスチルチタネート、トリブチルドデシル
ベンゼンスルフォニルチタネート、トリイソプロピルス
テアロイルチタネート、トリイソプロピルイソステアロ
イルチタネートなどのジまたはトリアルキルチタネート
を挙げることができる。
前記シランカップリング剤またはチタンカップリング
剤は、前記イミド系ポリマーと多価アルコール誘導体を
含有する組成物に混合して使用することもできる。
また、液晶表示素子に用いられる基板としては、フロ
ートガラス、ソーダガラスや可撓性のポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエ
ステルフィルム、さらにはポリエーテルスルホン、ポリ
カーボネート、その他のプラスチックフィルムなどから
なる透明基板を用いることができ、透明電極としては、
SnO2からなるNESA膜、In2O3−SnO2からなるITO膜を用い
ることができ、これらの透明電極のパターニングには、
フォト・エッチング法や、あらかじめマスクを用いる方
法が用いられる。
かくして得られる塗膜は、ナイロンなどの合成繊維か
らなる布を巻きつけたロールでラビングを行い、液晶配
向処理が施される。
次いで、前述の処理された一対基板を、ラビング方向
が直交または逆平行になるように一定の間隔をもたせた
状態で周辺部をシール剤でシールし、2枚の基板間に液
晶を充填し、充填口を封止剤で封止して液晶セルとし、
その両面に直交または平行した偏光板を圧着することに
より液晶表示素子とする。
前記シール剤としては、例えば硬化剤およびスペーサ
ーとしての酸化アルミニウム球を含有したエポキシ樹脂
などを用いることができる。
また、液晶表示素子に用いる液晶としては、正の誘電
異方性を持つ液晶であれば特に限定されないが、ネマチ
ック型液晶を形成させるものが好ましく、例えばシッフ
ベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フ
ェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフ
ェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリ
ミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系
液晶、キュバン系液晶を挙げることができる。
これらの液晶は、通常、混合物として使用されるが、
単独で使用してもよい。
さらに、これらの液晶に対して、コレスチルクロリ
ド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネー
トなどのコレステリック液晶や商品名C−15、CB−15
(ブリティッシュドラックハウス社製)として販売され
ているようなカイラル剤などを添加して使用することも
できる。
また、p−デシロキシベンジリデン−p′−アミノ−
2−メチルブチルシンナメート(DOBAMBC)などの強誘
電性液晶も使用することができる。
また、封止剤としては、有機系封止剤と無機系封止剤
とがあり、特に有機系封止剤が低温で操作できるので好
ましい。
液晶セルの外側に使用される偏光板としては、ポリビ
ニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させ
たH膜と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟ん
だ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板などを挙げ
ることができる。
本発明の組成物を液晶配向膜として用いた液晶表示素
子は、使用する液晶を選択することにより、SBE表示素
子、TN型表示素子、あるいは強誘電液晶表示素子のいず
れの液晶表示にも使用することができる。
例えば、前述のイミド系ポリマーと多価アルコール誘
導体を含有する組成物を用いた液晶配向膜と液晶間のプ
レチルト角は、従来のポリイミド膜では3゜以下である
が、本発明では3゜〜90゜程度であり、組成物中の多価
アルコール誘導体の割合を変えることによって任意に選
択することができ、SBE表示素子に特に優れている。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に制限されるものではな
い。
なお、実施例中、プレチルト角の測定は、文献〔T.J.
Scheffer,et.al.,J.Appl.Phys.,48,1783(1977),F.Nak
ano,et.al.,JPN,J.Appl.Phys.,19,2013(1980)〕記載
の方法に従い、レーザー光(He−Ne)を用いる結晶回転
法により測定した。
実施例1 (1)4,4′−ジアミノジフェニルメタン19.84g(0.1モ
ル)をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)380.2gに溶
解し、かきまぜながら2,3,5−トリカルボキシシクロペ
ンチル酢酸二無水物22.4g(0.1モル)を加え、室温で6
時間反応させてポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸の固有粘度〔ηinh=ln(ηrel
/c)、c=0.5g/dl、30℃、DMAC中〕は、1.83dl/gであ
った。
(2)前記(1)で得られたポリアミド酸溶液中の該ポ
リアミド酸100gに対して、グリセリンモノオクタデカン
酸エステル25gを溶解させ、さらにDMACを添加し、ポリ
アミド酸とグリセリンモノオクタデカン酸エステルの固
形分濃度が5重量%の組成物溶液を調製した。このよう
にして得られた組成物溶液を、孔径0.22μmのフィルタ
ーでろ過し、不溶分を除去した。
この組成物溶液を、ITOからなる透明電極付きガラス
基板上の透明電極面に、スピンナーを用い回転数3,000r
pmで3分間塗布した。
さらに、180℃で3時間乾燥させ、膜厚0.1μmの塗膜
を得た。
次いで、この塗膜を、ナイロン製の布を巻きつけたロ
ールを有するラビングマシーンにより、ロールの回転数
500rpm、ステージ移動速度1cm/秒でラビング処理を行っ
た。
次いで、前述の処理された一対の基板に直径17μmの
スペーサー入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷し
たのち、上下基板をラビング方向が逆平行になるように
圧着した。
次に、カイラル剤の添加されたネマチック型液晶(メ
ルク社製、ZLI−1565)を注入したのち、注入口を封止
して液晶表示素子を作製した。
この液晶表示素子の配向は良好で、プレチルト角を測
定したところ、3.8゜であった。
実施例2 (1)実施例1の(1)で得たポリアミド酸溶液にDMAC
422gを添加し、さらにピリジン14.2gと無水酢酸18.4gを
添加し、130℃で5時間反応させ、ポリイミドを得た。
このようにして得られたポリイミドを、メタノール中
で沈澱させ、メタノールで洗浄し、減圧乾燥したのち、
再びDMAC中に溶解させ、10重量%のポリイミド溶液を調
製した。
このようにして得られたポリイミドの固有粘度〔η
inh=ln(ηrel/c)、c=0.5g/dl、30℃、DMAC中〕
は、0.98dl/gであった。また、核磁気共鳴スペクトル
(NMR)を用いて分析したところ、このものは、90%の
ポリイミドユニットと10%のポリアミド酸ユニットを有
することが判明した。
(2)前記(1)で調製したポリイミド溶液中のポリイ
ミド100gに対して、グリセリンモノオクタデカン酸エス
テル25gを溶解させ、さらにDMACを添加し、ポリイミド
とグリセリンモノオクタデカン酸エステルの固形分濃度
5重量%の組成物溶液を調製し、孔径0.22μmのフィル
ターでろ過した。
この組成物溶液を用いて、実施例1の(2)と同様に
して液晶表示素子を作製し、プレチルト角を測定したと
ころ、4.6゜であった。
実施例3 (1)実施例の(1)で得たポリアミド酸溶液に、DMAC
422gを添加し、さらにピリジン39.6gと無水酢酸30.6gを
添加し、130℃で5時間反応させ、ポリイミド溶液を得
た。
このようにして得られたポリイミドを、メタノール中
で沈澱させ、メタノールで洗浄し、減圧乾燥したのち、
再びDMAC中に溶解させ、10重量%のポリイミド溶液を調
製した。
このようにして得られたポリイミドの固有粘度〔η
inh=ln(ηrel/c)、c=0.5g/dl、30℃、DMAC中〕
は、1.02dl/gであった。
また、核磁気共鳴スペクトル(NMR)を用いて分析し
たところ、このものは99%以上のポリイミドユニットか
らなるポリイミドであった。
(2)前記(1)で得られたポリイミド溶液中のポリイ
ミド100gに対して、グリセリンモノオクタデカン酸エス
テル25gを溶解させ、さらにDMACを添加し、ポリイミド
とグリセリンモノオクタデカン酸エステルの固形分濃度
が5重量%の組成物溶液を調製し、孔径0.22μmのフィ
ルターでろ過した。
この組成物溶液を用いて、実施例1の(2)と同様に
して液晶表示素子を作製し、プレチルト角を測定したと
ころ、4.8゜であった。
比較例1 実施例1の(2)において、組成物溶液を調製する際
に、グリセリンモノオクタデカン酸エステルを添加しな
い以外は、実施例1の(2)と同様にして液晶表示素子
を作製し、プレチルト角を測定したところ、0.64゜であ
った。
実施例4〜10 実施例1〜2と同様な方法を用い、第1表に示した割
合でポリアミド酸およびポリイミドを合成し、さらに得
られたイミド系ポリマーと第1表に示したグリセリン誘
導体とを、DMAC中に溶解させ、固形分濃度5重量%の組
成物溶液を調製し、孔径0.22μmのフィルターでろ過し
た。
この組成物溶液を用いて、実施例1の(2)と同様に
して、液晶表示素子を作製し、プレチルト角を測定し
た。結果を第1表に示す。
タン *3)DDE=4,4′−ジアミノジフェニルエーテル *4)BTDA=3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物 *5)PMDA=ピロメリット酸二無水物 **)イミド系ポリマー100gに対する添加量(g) 〔発明の効果〕 本発明の組成物を液晶配向膜として用いた液晶表示素
子は、イミド系ポリマーと多価アルコール誘導体とを含
有する組成物を基板および/または透明電極のパターン
上に塗布し、ラビングして液晶配向膜とすることによ
り、コントラストおよび視界依存性の優れたプレチルト
角の大きい、特にSBE表示素子として有用な液晶表示素
子である。
さらに、本発明の組成物を液晶配向膜として用いた液
晶表示素子は、優れた配向性と信頼性を有し、直線偏光
板、円偏光板などの偏光板とを組み合わせることによ
り、種々の装置に有効に使用でき、例えば卓上計算機、
腕時計、置時計、係数表示板、ワードプロセッサー、パ
ーソナルコンピューター、液晶テレビなどの表示装置に
用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 79/08 LRC C08L 79/08 LRC (56)参考文献 特開 昭59−112805(JP,A) 特開 昭58−156307(JP,A) 特開 昭58−49407(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミド誘導体および/またはイミド系
    ポリマーならびに多価アルコール誘導体を含有する液晶
    配向膜用組成物。
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