JP2569407B2 - アルギン系繊維交絡体及びその製造方法 - Google Patents

アルギン系繊維交絡体及びその製造方法

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JP2569407B2 JP1077363A JP7736389A JP2569407B2 JP 2569407 B2 JP2569407 B2 JP 2569407B2 JP 1077363 A JP1077363 A JP 1077363A JP 7736389 A JP7736389 A JP 7736389A JP 2569407 B2 JP2569407 B2 JP 2569407B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、抄造用バインダー及びその製造方法、さら
に詳しくいえば、特殊な形状のアルギン繊維から成る抄
造用バインダー及びその製造方法に関するものである。
従来の技術 アルギンすなわちアルギン酸、その塩、そのエステル
誘導体は、海藻、特に褐藻類の細胞膜や細胞間隔隙物質
として、天然に広く存在している。したがって、このア
ルギンは、食品分野においては、アイスクリームの安定
剤、増粘剤、乳化安定剤、ビールの泡持安定剤など、繊
維分野においては紡糸剤、捺染剤、仕上糊など、製紙分
野においてはバインダー、サイズ剤などの比較的安価な
工業用原料として利用されている。
また、アルギン酸及びその塩については、それらが相
互に接着してシートを形成しうること[「ポリマー・サ
イエンス(Polymer Sci.)」、第31巻、第1735ページ
(1986)]、常温で外の繊維を接着しうること(特開昭
63−12718号公報)、これで接着されたシートは水中で
簡単に分解すること(「化学と工業」、第39巻、第7
号、第521ページ)などが知られている。
ところで、これまで、アルギン酸やその塩をバインダ
ーとして用いる場合は、比較的高粘度のアルギン酸塩水
溶液を凝固浴中に紡出して繊維を形成させ、次いでこの
繊維を切断解繊したのち、抄造してシートとする方法が
行われている(特開昭61−174499号公報)。
しかしながら、この方法では、原液濃度を3重量%よ
りも低くすると、紡糸過程において繊維の切断を生じ紡
糸不能になるため、紡糸原液を3〜5重量%という比較
的高濃度にしなければならず取り扱いにくい上に、この
方法で得られる単繊維は、断面が均一なため、叩解によ
るフィブリル化が困難で繊維同士の間で強固な結合を行
わせにくいという欠点がある。
発明が解決しようとする課題 本発明はこのような従来のアルギンを原料とした抄造
用バインダーのもつ欠点を克服し、水中での分散性がよ
く、異種繊維と容易に混抄でき、常温においても異種繊
維を強固に接着しうる、アルギンを原料とした抄造用バ
インダーを提供することを目的としてなされたものであ
る。
課題を解決するための手段 本発明者らは、アルギンを原料として用いる抄造用バ
インダーについて種々研究を重ねた結果、急速にかきま
ぜている凝固浴中に、ノズルを通してアルギン水溶液を
吐出させ、凝固することにより、異種繊維とよく混抄
し、これらを強固に接着しうる不規則断面をもったアル
ギン繊維交絡体が得られることを見出し、この知見に基
づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、水溶性アルギンの水溶液を、40
0〜20,000rpmでかきまぜられて高流速状態とされている
凝固浴中に、ノズルを通して吐出し、凝固させて得た、
不規則な三次元形状を有する長さ0.1〜100mmの水不溶性
アルギン繊維交絡体から成る抄造用バインダーを提供す
るものである。
この抄造用バインダーは、水溶性アルギンの水溶液
を、400〜20,000rpmでかきまぜられて高流速状態とされ
ている凝固浴中に、ノズルを通して吐出し、凝固させる
ことにより製造することができる。
この方法において原料として用いる水溶性アルギンと
しては、アルギン酸、アルギン酸の水溶性塩例えばナト
リウム塩、カリウム塩、アルギン酸の水溶性エステル例
えばプロピレングリコールエステルなどがある。
この水溶性アルギンは、通常10重量%以下、好ましく
は0.1〜5重量%の水溶液として用いられる。
本発明のバインダーを製造するには、例えば上記の水
溶液を加圧可能な容器に投入し、常圧以上の圧力でノズ
ル、好ましくは小径ノズルを通して、凝固浴中に吐出さ
せる。凝固浴としては、例えば濃度0.1〜30重量%の塩
化カルシウム水溶液が用いられ、これは400〜20,000rpm
でかきまぜられて高流速状態に保たれる。このように高
流速状態の凝固浴中にノズルを通して水溶性アルギン水
溶液を吐出させ、導入することによって、アルギンは繊
維状に凝固すると同時に延伸作用を受け、分子配向した
水溶性アルギン繊維の交絡体を生じる。
そして、吐出時の圧力を調節することによって分子配
向性を制御するとともに、かきまぜ速度を制御すること
によって、バインダーとして必要な強度を得ることがで
きる。
このようにして得られる水不溶性アルギン繊維の交絡
体は、0.1〜100mmの広範囲の長さをもち、不規則な三次
元形状を有する。このものはそのままでも抄造用バイン
ダーとして用いることができるが、所望に応じこれを叩
解などにより解絡し、さらに切断処理して、異種繊維例
えばレーヨン繊維のような自己接着性のない繊維と混抄
し、シート化することができる。
次に、添付図面に従って、本発明方法に用いる装置の
一例を説明する。
第1図は、本発明方法を行うのに好適な装置のフロー
シートであって、原液の水溶性アルギン水溶液は原料タ
ンク1に貯蔵され、圧入ポンプ6で加圧され経路2を経
てノズル3に送られる。そして、このノズル3から吐出
された原液は、凝固浴槽4の中に満たされた凝固浴に導
入される。この凝固浴はかきまぜ機5によって高流速に
かきまぜられている。
このようにして、凝固浴中で形成されたアルギン繊維
交絡体は適宜回収され、後続の処理に供される。
第2図は、この際使用されるノズルの好ましい形状を
示すもので、(a)は断面図、(b)は平面図である。
実施例 次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明す
る。
実施例1 アルギン酸ナトリウムに水を加えてニーダーで4重量
%の溶液(ドープ)を調製した。このドープをさらに水
で希釈して1重量%ドープを精製した。さらに、未溶解
物等の異物を除くために150メッシュのナイロン布でろ
過して均質なアルギン酸ナトリウムドープを得た。この
ドープを原料タンクに入れた。また、別に内径30cmの凝
固浴槽中塩化カルシウム10重量%溶液を満たし、これを
かきまぜ機で3000rpmでかきまぜた。原料タンクを密閉
して圧縮ポンプで4〜5kg/cm2に加圧すると、ドープは
経路を通ってノズルに達し、ノズルから凝固浴に向けて
噴出した。ドープは凝固浴に到達した瞬間に反応して延
伸され、不定形の三次元形状を有するアルギン酸カルシ
ウム繊維交絡体が形成された。得られた繊維交絡体は約
0.1mm〜10cm長のものであった。これを随時採取してナ
イヤガラビータで濃度約1%で1分間通常の叩解と切断
を行ったところ、最長数mm程度に切断されフィブリル化
した繊維状交絡体が得られた。さらに、これを10/1000
インチカットスクリーンにかけ、異常な塊状のものを除
去した。得られた繊維状交絡体のカナディアンスタンダ
ードフリーネスは、770ccであり、水中に懸濁した状態
での分散性は良好であった。また、この繊維状体をJIS
P 8207に準じるふるい分け試験で測定した結果、12メッ
シュ残19.3重量%、24メッシュ残37.7重量%、42メッシ
ュ残23.5重量%、150メッシュ残8.4重量%、150メッシ
ュ通過分11.1重量%であり、長繊維フラクションが多い
という特徴を有することが分った。
実施例2 繊維長5mmの1.5デニールの製糸用レーヨン80、70、5
0、30重量部に対し、実施例1で得られたアルギン系繊
維状交絡体を、それぞれ20、30、50、70重量部添加して
タッピースタンダードシートマシンでJIS P 8209に準じ
て抄造したのち、プレス脱水し、乾燥してレーヨンシー
トを得た。このレーヨンシートの物性は次表に示すとお
りであった。
ちなみに100%レーヨンでは自己接着性がないためシ
ートの形成は不可能であった。また、このシートは水に
浸せきして軽く振動を与えることによって元の繊維状に
容易に分散した。
発明の効果 本発明方法によれば、不規則な三次元形状を有する所
定長の水不溶性アルギン繊維交絡体から成るアルギン系
抄造用バインダーを簡単な工程で製造することができ
る。
この水不溶性アルギン繊維交絡体、及びこれを叩解な
どにより解絡し、所望により切断処理して形成した繊維
状体は、異種繊維、例えばレーヨン繊維のように自己接
着性のない繊維などと容易に混抄しうる上に、長繊維の
抄造に通常必要とされる粘着剤を要することなく、常温
でも異種繊維との結合を生じるという顕著な効果を奏す
る。
したがって、この水不溶性アルギン繊維交絡体及びそ
れから形成された繊維状体は、抄造用バインダーとして
有用であり、異種繊維との混合体、特にシートの形成に
適している。このシートは、他のバインダー添加による
シートに比べて低密度であるという特徴を有する。この
ようなバインダーを用いた混抄シートは乾燥時にはシー
トに要求される高強度という基本的な性能を示すととも
に、水中に投入すると容易に解繊してほぐれシートが元
の繊維状に分散して分解あるいは崩壊されるなど種々の
利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いるアルギン系バインダーの製造装
置の1例のフローシート、第2図(a)はノズルの1例
を示す断面図、(b)はその平面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 良生 香川県高松市花ノ宮町2丁目3番3号 工業技術院四国工業技術試験所内 (56)参考文献 特開 昭62−141121(JP,A) 特開 昭50−111294(JP,A) 特開 昭56−169809(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性アルギンの水溶液を、400〜20,000r
    pmでかきまぜられて高流速状態とされている凝固浴中
    に、ノズルを通して吐出し、凝固させて得た、不規則な
    三次元形状を有する長さ0.1〜100mmの水不溶性アルギン
    繊維交絡体から成る抄造用バインダー。
  2. 【請求項2】水溶性アルギンの水溶液を、400〜20,000r
    pmでかきまぜられて高流速状態とされている凝固浴中
    に、ノズルを通して吐出し、凝固させることを特徴とす
    る抄造用バインダーの製造方法。
JP1077363A 1989-03-29 1989-03-29 アルギン系繊維交絡体及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2569407B2 (ja)

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