JP2568961B2 - 水溶紙の製造方法 - Google Patents

水溶紙の製造方法

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信次 新井
節夫 豊島
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本州製紙株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、秘密文書や特殊な包装
材料、例えば洗濯洗剤等の各種包装材料に使用可能な水
溶紙、すなわち水に触れると速やかに溶解する水溶紙の
製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来より湿式抄紙法による水
溶紙は知られており、このものは、酸型のカルボキシメ
チルセルロース繊維(以下、CMC繊維という)を用
い、抄紙後に苛性ソーダなどを用いて水溶化するという
技術内容であった(特公昭48−27605号公報参
照)。しかし、この方法は、通常行われている湿式抄紙
法が利用できるという製造上の利点はあるが、耐水性に
乏しい繊維を均一に抄き上げることは技術上困難であ
り、製造工程が2工程にまたがるというコスト上の問
題、ならびに苛性ソーダによる製造環境の悪化など各種
の問題があった。また、この方法による水溶紙の品質に
ついても、十分な水溶性を保持するためには過剰の苛性
ソーダを使用しなければならないため、紙面のPHが高
く、また水溶後の溶解水のPHも高くなるという欠点が
あった。更に、水溶化の速度も十分な速さが得られてい
ない等、解決すべき問題点があった。
【0003】一方、CMC繊維とセルロースパルプ等を
混合抄紙した水解紙も知られている(特開平2−154
095号公報参照)が、この配合によるシートは、水中
へ投入しても完全には溶解せず、パルプ繊維等が懸濁し
た状態となるため、用途的にも不都合を生じる場合が多
かった。
【0004】
【問題点を解決するための手段】ここにおいて本発明
は、上記の問題点を解決すべく鋭意研究の結果、製造工
程が簡単であり、かつ製造環境等の問題もクリアできる
ような新規な水溶紙の製造方法を提供することを目的と
する。また、水溶紙の品質についても、従来よりも速や
かに、しかも完全に水溶化し得、しかも水溶化後も環境
的に問題の生じない製品を得るようにしたものである。
【0005】すなわち、本発明は、後記のような水溶性
繊維を単繊維に乾式状態で解繊し、該単繊維を空気によ
りウェブ形成装置に分散風送してウェブを形成した後、
ウェブ面に水または水とアルコール混合液を噴霧してウ
ェブ繊維の一部を溶融し繊維間接着を行うことによりシ
ート状とする方法を開発し、それによって前記の各問題
点を解消させたものである。
【0006】本発明で使用する水溶性繊維としては長繊
維形状を維持したまま、カルボキシメチル化した繊維を
使用することを特徴とするもので、その際、ウェブ形成
装置中のワイヤーに適した繊維長にカットして用いる。
現状では、少なくとも1mm〜15mm、好ましくは5
mm〜10mmにカットするが、ワイヤーが目詰まりし
なければ、この長さに限定する必要はない。
【0007】従来から知られているCMC繊維は、製造
工程中でセルロースパルプ等の繊維を所定の方法でカル
ボキシメチル化し、圧搾後、乾燥、粉砕するという工程
を繰り返し、目的とする繊維を得ていた。また、溶媒法
による乾燥CMC繊維は、ハンマークラッシュタイプの
粉砕機に連続投入して微粉末状とされていたもので、前
記何れの方法によるも、得られる繊維は、微粉末状のも
のであるから、本発明の繊維としては不適である。
【0008】これに対し、本発明のCMC繊維は、繊維
を粉砕等せずに、繊維形状をそのまま維持して、所定の
反応液を循環させることにより得られるものであって、
カルボキシメチル化の手段としては、水媒法または溶媒
法の何れを用いてもよい。
【0009】このような工程で得たCMC繊維は、本発
明の製造方法に適した繊維長、すなわち少なくとも3m
m以上にカットした上で、シート形成用原料として使用
することになるが、前記繊維長としては、使用するウ
ブ形成装置の種類および得られるシートの強度調整のた
めに適宜調整することになる。
【0010】本発明で使用するCMC繊維の原料として
は、レーヨン、麻、木綿等の天然繊維または再生繊維が
望ましい。
【0011】既に述べたように、本発明の方法は、水溶
紙を製造するに当って、乾式法を用いることを第一の特
徴とし、第二の特徴はシート形成用ワイヤー上に均一に
ウェブを形成した後、ウェブ上に水または水とアルコー
ルの混合液をスプレーし、繊維間を結合させて最終的な
シートを形成させるという一工程で水溶紙を製造出来る
点にある。
【0012】本発明の方法によれば、CMC繊維で形成
されたウェブの両面に、5〜20g/m の噴霧量で水
または水とアルコールの混合液を噴霧してCMC繊維の
一部を溶融させた後、乾燥炉であるドライヤーを通して
水分等を蒸発させて繊維相互間を結合させてシートを得
ることできる。
【0013】また、場合によっては、上記シートを熱カ
レンダーに通し、加熱、加圧することにより、密度及び
平滑性を調整することも可能であり、かくして各種用途
に適した水溶紙を得ることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例について具体的に説明
する。[参考例1] 既に水溶化されたCMC繊維[(繊維長5mm、レーヨ
ン繊維を水溶化したもの、(第一工業製薬製)]を原料
繊維に用い、乾式法により単繊維に離解し、該単繊維を
多量の空気中に分散させてウェブ形成装置(以下フォー
マーという)に風送する。このフォーマーはキャリヤー
シートとしてティッシュスパンボンドまたは不織布等を
用いるが、一般に通気抵抗の低い(110mmHO以
下)シートなら何を用いてもよい。
【0015】次に、前記キャリヤシート上に前記単繊維
を均一におとし、空気のみをサクションにより除去させ
てマットを形成させる。形成されたマットを水蒸気で満
たされたボックス内に導き、該ボックスを通過させるこ
とによって、CMC繊維の一部を溶解して繊維間を接着
させる。
【0016】さらに、プレスロールのニップ間を通過さ
せ、巻取リール手前で前記のキャリヤーシートを除き、
製品として巻き取る。このようにしてできた紙シートを
対象として、前記したプレス前とプレス後のシートの物
性を表1に示す。
【0017】プレス前では、引張り強さが弱いが、プレ
ス後は約2〜3倍の強さになっている。しかも、水溶化
時間は15秒と変わりない。
【0018】一方、次に述べるような通常の湿式法で製
造された水溶紙の物性は、表1のとおりで、水溶化時間
は本発明の製品に較べ、約20倍も長くかかっている。
すなわち、水不溶性状態のCMCとして、遊離酸の状態
のCMC−H[エーテル化度(DS=0.6)、ニチリ
ン化学製]を67重量%を離解・叩解し、これに活性白
土を33重量%混合し、高分子凝集剤で定着した後、ハ
イドロフォマーで抄紙し、シートを形成した。次に、該
シートにメチルアルコールを含有する水酸化ナトリウム
水溶液を含漫乾燥させた後、熱風乾燥し水溶紙を得た。
【0019】[実施例参考例1 と同様な方法でマットを形成させた後、形成さ
れたウェブの表面にアルコールの50%水溶液を噴霧
し、ウェブ繊維の一部を溶解させて繊維間接着を行なわ
せて紙シートを得る。その際、該シートの裏面まで水を
貫通させると前記繊維が溶けてしまうので、加工工程中
キヤリヤーシートを除去した時点で、裏面より水または
アルコールの水溶液を噴霧させることによって裏面側の
繊維の一部をも溶解させてシートを固着させる。こうし
てできたシートの物性を表1に示す。
【0020】 註〜 厚み計(不織布測定用)WALTHAM製、荷重20
g/cm。 JIS P 8113に準拠。 100ccの水に、30mm×30mmのテスト片を
入れ、スターラーで弱撹拌し完全に溶解するまでの時間
をいう。
【0021】
【発明の効果】従来の湿式法では、すでに水溶化された
CMC繊維は、水で分散することができないため、エタ
ノール等の溶剤中で分散抄造し、溶剤を揮散させること
によりシートを生産していたものであるが、このシート
は、繊維相互間が結合されていないため、そのままでは
シート強度がなく、その強度を得るためには再加工を不
可欠とする。これに対し本発明の製造法によれば乾式法
を採用しているので、水や溶剤を使用する必要がなく、
その上、製造環境上の問題もクリヤされ、しかも従来の
湿式法では酸工程の後に、苛性ソーダ処理工程を付帯さ
せねばならないという2段工程を不可欠としていたの
を、一工程でシート化することができるという利点を発
揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−51900(JP,A) 特開 昭60−162850(JP,A) 特開 平3−286727(JP,A) 特公 昭54−29638(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長繊維形状を維持しているCMC繊維を
    乾式法により単繊維に解繊し、該単繊維を空気によりウ
    ェブ形成装置に分散風送してウェブを形成した後、該ウ
    ェブ面に水または水とアルコールの混合液を噴霧してC
    MC繊維の一部を溶融して繊維間接着を行わせ、シート
    状とすることを特徴とする水溶紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記のCMC繊維が天然繊維又は再生繊
    維を、その繊維長を維持したまま水媒法又は溶媒法でカ
    ルボキシメチル化して得たものであることを特徴とする
    請求項1記載の水溶紙の製造方法。
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US4252761A (en) * 1978-07-14 1981-02-24 The Buckeye Cellulose Corporation Process for making spontaneously dispersible modified cellulosic fiber sheets
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