JPH06136655A - 水溶紙の製造方法 - Google Patents
水溶紙の製造方法Info
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- JPH06136655A JPH06136655A JP19745592A JP19745592A JPH06136655A JP H06136655 A JPH06136655 A JP H06136655A JP 19745592 A JP19745592 A JP 19745592A JP 19745592 A JP19745592 A JP 19745592A JP H06136655 A JPH06136655 A JP H06136655A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 乾式法により水溶紙を製造しようとしたもの
で、それによって従来の湿式抄紙法による難点、すなわ
ち製造上の不具合を解消させると共に苛性ソ−ダによる
製造環境の悪化などをも防止することを目的とし、同時
に従来法による水溶紙よりも水溶化の速度が早い製品を
得んとしたものである。 【構成】 水溶性繊維を乾式状態で単繊維に解繊し、該
単繊維を空気によりウェブ形成装置に分散風送してウェ
ブを形成した後、該ウェブを蒸気中に通し、水溶性繊維
の一部を溶融して繊維間を接着することによりシ−ト状
とする方法で、ウェブ形成後、該ウェブ面に水または水
とアルコ−ル、もしくはそれらに熱可塑性水溶性ポリマ
−を混在させたものを噴霧してウェブ繊維の一部を溶融
し、あるいは該ウェブをドライヤ内に通過させてシ−ト
状とする方法を含む。
で、それによって従来の湿式抄紙法による難点、すなわ
ち製造上の不具合を解消させると共に苛性ソ−ダによる
製造環境の悪化などをも防止することを目的とし、同時
に従来法による水溶紙よりも水溶化の速度が早い製品を
得んとしたものである。 【構成】 水溶性繊維を乾式状態で単繊維に解繊し、該
単繊維を空気によりウェブ形成装置に分散風送してウェ
ブを形成した後、該ウェブを蒸気中に通し、水溶性繊維
の一部を溶融して繊維間を接着することによりシ−ト状
とする方法で、ウェブ形成後、該ウェブ面に水または水
とアルコ−ル、もしくはそれらに熱可塑性水溶性ポリマ
−を混在させたものを噴霧してウェブ繊維の一部を溶融
し、あるいは該ウェブをドライヤ内に通過させてシ−ト
状とする方法を含む。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、秘密文書や特殊な包装
材料、例えば洗濯洗剤等の各種包装材料に使用可能な水
溶紙、すなわち水に触れると速やかに溶解する水溶紙の
製造方法に関する。
材料、例えば洗濯洗剤等の各種包装材料に使用可能な水
溶紙、すなわち水に触れると速やかに溶解する水溶紙の
製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来より湿式抄紙法による水
溶紙は知られており、このものは、酸型のカルボキシメ
チルセルロ−ス繊維(以下、CMC繊維という)を用
い、抄紙後に苛性ソ−ダなどを用いて水溶化するという
技術内容であった(特公昭48-27605号公報参照)。しか
し、この方法は、通常行われている湿式抄紙法が利用で
きるという製造上の利点はあるが、耐水性に乏しい繊維
を均一に抄き上げることは技術上困難であり、製造工程
が2工程にまたがるというコスト上の問題、ならびに苛
性ソ−ダによる製造環境の悪化など各種の問題があっ
た。また、この方法による水溶紙の品質についても、十
分な水溶性を保持するためには過剰の苛性ソ−ダを使用
しなければならないため、紙面のPHが高く、また水溶
後の溶解水のPHも高くなるという欠点があった。更
に、水溶化の速度も十分な速さが得られていない等、解
決すべき問題点があった。
溶紙は知られており、このものは、酸型のカルボキシメ
チルセルロ−ス繊維(以下、CMC繊維という)を用
い、抄紙後に苛性ソ−ダなどを用いて水溶化するという
技術内容であった(特公昭48-27605号公報参照)。しか
し、この方法は、通常行われている湿式抄紙法が利用で
きるという製造上の利点はあるが、耐水性に乏しい繊維
を均一に抄き上げることは技術上困難であり、製造工程
が2工程にまたがるというコスト上の問題、ならびに苛
性ソ−ダによる製造環境の悪化など各種の問題があっ
た。また、この方法による水溶紙の品質についても、十
分な水溶性を保持するためには過剰の苛性ソ−ダを使用
しなければならないため、紙面のPHが高く、また水溶
後の溶解水のPHも高くなるという欠点があった。更
に、水溶化の速度も十分な速さが得られていない等、解
決すべき問題点があった。
【0003】一方、CMC繊維とセルロ−ズパルプ等を
混合抄紙した水解紙も知られている(特開平2-154095号
公報参照)が、この配合によるシ−トは、水中へ投入し
ても完全には溶解せず、パルプ繊維等が懸濁した状態と
なるため、用途的にも不都合を生じる場合が多かった。
混合抄紙した水解紙も知られている(特開平2-154095号
公報参照)が、この配合によるシ−トは、水中へ投入し
ても完全には溶解せず、パルプ繊維等が懸濁した状態と
なるため、用途的にも不都合を生じる場合が多かった。
【0004】
【問題点を解決するための手段】ここにおいて本発明
は、上記の問題点を解決すべく鋭意研究の結果、製造工
程が簡単であり、かつ製造環境等の問題もクリアできる
ような新規な水溶紙の製造方法を提供することを目的と
する。また、水溶紙の品質についても、従来よりも速や
かに、しかも完全に水溶化し得、しかも水溶化後も環境
的に問題の生じない製品を得るようにしたものである。
は、上記の問題点を解決すべく鋭意研究の結果、製造工
程が簡単であり、かつ製造環境等の問題もクリアできる
ような新規な水溶紙の製造方法を提供することを目的と
する。また、水溶紙の品質についても、従来よりも速や
かに、しかも完全に水溶化し得、しかも水溶化後も環境
的に問題の生じない製品を得るようにしたものである。
【0005】すなわち、本発明は、後記のような水溶性
繊維を単繊維に乾式状態で解繊し、該単繊維を空気によ
りウェブ形成装置に分散風送してウェブを形成した後、
該ウェブを水蒸気中に通すことにより水溶性繊維の一部
を溶融して繊維間を接着してシ−ト状とするか、或い
は、前記のようにしてウェブ形成後に、水または水とア
ルコ−ル混合液を噴霧してウェブ繊維の一部を溶融し繊
維間接着を行うことによりシ−ト状とする方法を開発
し、それによって前記の各問題点を解消させたものであ
る。
繊維を単繊維に乾式状態で解繊し、該単繊維を空気によ
りウェブ形成装置に分散風送してウェブを形成した後、
該ウェブを水蒸気中に通すことにより水溶性繊維の一部
を溶融して繊維間を接着してシ−ト状とするか、或い
は、前記のようにしてウェブ形成後に、水または水とア
ルコ−ル混合液を噴霧してウェブ繊維の一部を溶融し繊
維間接着を行うことによりシ−ト状とする方法を開発
し、それによって前記の各問題点を解消させたものであ
る。
【0006】さらにまた、本発明は、水溶性繊維を単繊
維に解繊した後、該単繊維を粉末状の熱可塑性水溶性ポ
リマ−とともに空気によりウェブ形成装置に分散風送す
るかまたは、熱可塑性水溶性ポリマ−を混在させずに前
記した単繊維のみを対象にして空気によりウェブを形成
した後、該ウェブ上に熱可塑性水溶性ポリマ−を散布し
た上で、該ウェブをドライヤ内に通過させ、シ−ト状と
することを特徴とする水溶紙の製造方法を含むものであ
る。
維に解繊した後、該単繊維を粉末状の熱可塑性水溶性ポ
リマ−とともに空気によりウェブ形成装置に分散風送す
るかまたは、熱可塑性水溶性ポリマ−を混在させずに前
記した単繊維のみを対象にして空気によりウェブを形成
した後、該ウェブ上に熱可塑性水溶性ポリマ−を散布し
た上で、該ウェブをドライヤ内に通過させ、シ−ト状と
することを特徴とする水溶紙の製造方法を含むものであ
る。
【0007】ちなみに、本発明にあっては単繊維に解繊
した水溶性繊維を、熱可塑性水溶性ポリマ−と共に空気
によりウェブ形成装置に分散風送してウェブを形成した
後、該ウェブを水蒸気中に通し、水溶性繊維の一部およ
び前記熱可塑性水溶性ポリマ−の一部を溶融して繊維間
を接着するようにした方法を採用しても差し支えなく他
方、前記単繊維を空気によりウェブ化した後に、該ウェ
ブに水または水とアルコ−ルとの混合液に対して熱可塑
性水溶性ポリマ−を混在させたものを噴霧してウェブ繊
維の一部を溶融し、それによって繊維間接着を行わせて
シ−ト状とする方法を採用することもできる。
した水溶性繊維を、熱可塑性水溶性ポリマ−と共に空気
によりウェブ形成装置に分散風送してウェブを形成した
後、該ウェブを水蒸気中に通し、水溶性繊維の一部およ
び前記熱可塑性水溶性ポリマ−の一部を溶融して繊維間
を接着するようにした方法を採用しても差し支えなく他
方、前記単繊維を空気によりウェブ化した後に、該ウェ
ブに水または水とアルコ−ルとの混合液に対して熱可塑
性水溶性ポリマ−を混在させたものを噴霧してウェブ繊
維の一部を溶融し、それによって繊維間接着を行わせて
シ−ト状とする方法を採用することもできる。
【0008】本発明で使用する水溶性繊維としては長繊
維形状を維持したまま、カルボキシメチル化した繊維を
使用することを特徴とするもので、その際、ウェブ形成
装置中のワイヤ−に適した繊維長にカットして用いる。
現状では、少なくとも1mm〜15mm、好ましくは5mm〜
10mmにカットするが、ワイヤ−が目詰まりしなけれ
ば、この長さに限定する必要はない。
維形状を維持したまま、カルボキシメチル化した繊維を
使用することを特徴とするもので、その際、ウェブ形成
装置中のワイヤ−に適した繊維長にカットして用いる。
現状では、少なくとも1mm〜15mm、好ましくは5mm〜
10mmにカットするが、ワイヤ−が目詰まりしなけれ
ば、この長さに限定する必要はない。
【0009】従来から知られているCMC繊維は、製造
工程中でセルロ−スパルプ等の繊維を所定の方法でカル
ボキシメチル化し、圧搾後、乾燥、粉砕するという工程
を繰り返し、目的とする繊維を得ていた。
工程中でセルロ−スパルプ等の繊維を所定の方法でカル
ボキシメチル化し、圧搾後、乾燥、粉砕するという工程
を繰り返し、目的とする繊維を得ていた。
【0010】また、溶媒法による乾燥CMC繊維は、ハ
ンマ−クラッシュタイプの粉砕機に連続投入して微粉末
状とされていたもので、前記何れの方法によるも、得ら
れる繊維は、微粉末状のものであるから、本発明の繊維
としては不適である。
ンマ−クラッシュタイプの粉砕機に連続投入して微粉末
状とされていたもので、前記何れの方法によるも、得ら
れる繊維は、微粉末状のものであるから、本発明の繊維
としては不適である。
【0011】これに対し、本発明のCMC繊維は、繊維
を粉砕等せずに、繊維形状をそのまま維持して、所定の
反応液を循環させることにより得られるものであって、
カルボキシメチル化の手段としては、水媒法または溶媒
法の何れを用いてもよい。
を粉砕等せずに、繊維形状をそのまま維持して、所定の
反応液を循環させることにより得られるものであって、
カルボキシメチル化の手段としては、水媒法または溶媒
法の何れを用いてもよい。
【0012】このような工程で得たCMC繊維は、本発
明の製造方法に適した繊維長、すなわち少なくとも3mm
以上にカットした上で、シ−ト形成用原料として使用す
ることになるが、前記繊維長としては、使用するウエ ブ
形成装置の種類および得られるシ−トの強度調整のため
に適宜調整することになる。
明の製造方法に適した繊維長、すなわち少なくとも3mm
以上にカットした上で、シ−ト形成用原料として使用す
ることになるが、前記繊維長としては、使用するウエ ブ
形成装置の種類および得られるシ−トの強度調整のため
に適宜調整することになる。
【0013】本発明で使用する原料繊維としては、レ−
ヨン、麻、木綿等の天然繊維または再生繊維が望まし
い。
ヨン、麻、木綿等の天然繊維または再生繊維が望まし
い。
【0014】既に述べたように、本発明の水溶紙を製造
するに当っては、乾式法を用いることを第一の特徴と
し、第二の特徴はシ−ト形成用ワイヤ−上に均一にウェ
ブを形成した後、水蒸気中を通すか、あるいは、前記ウ
ェブ上に水またはアルコ−ルもしくは熱可塑性水溶性ポ
リマ−等をスプレ−し、繊維間を結合させて最終的なシ
−トを形成させるという一工程で製造することが出来る
点にある。
するに当っては、乾式法を用いることを第一の特徴と
し、第二の特徴はシ−ト形成用ワイヤ−上に均一にウェ
ブを形成した後、水蒸気中を通すか、あるいは、前記ウ
ェブ上に水またはアルコ−ルもしくは熱可塑性水溶性ポ
リマ−等をスプレ−し、繊維間を結合させて最終的なシ
−トを形成させるという一工程で製造することが出来る
点にある。
【0015】本発明における単繊維相互間の結合方法
は、蒸気中の水分により水溶性繊維を溶かして繊維相互
間を結合する方法、または形成したウェブに水または水
とアルコ−ルの混合液をシ−トに対し 5〜20g/m2 を
シ−ト両面に噴霧してシ−トの表面を一部溶融させた
後、乾燥炉であるドライヤ−を通して水分等を蒸発させ
て繊維相互間を固着させる方法も含む。
は、蒸気中の水分により水溶性繊維を溶かして繊維相互
間を結合する方法、または形成したウェブに水または水
とアルコ−ルの混合液をシ−トに対し 5〜20g/m2 を
シ−ト両面に噴霧してシ−トの表面を一部溶融させた
後、乾燥炉であるドライヤ−を通して水分等を蒸発させ
て繊維相互間を固着させる方法も含む。
【0016】また、場合によっては、上記シ−トを熱カ
レンダ−に通し、加熱、加圧することにより、密度及び
平滑性を調整することも可能であり、かくして各種用途
に適した水溶紙を得ることができる。
レンダ−に通し、加熱、加圧することにより、密度及び
平滑性を調整することも可能であり、かくして各種用途
に適した水溶紙を得ることができる。
【0017】さらにまた、本発明の水溶紙にあっては、
そのものにヒ−トシ−ル性を付与することができ、かゝ
る要請に対しては前記したウェブ中に、熱可塑性水溶性
ポリマ−等のバインダ−を混合したり、ウェブ表面に水
溶性のポリビニルアルコ−ル等を塗工すればよく、本発
明はかゝる手段を付加的に採用することも発明範囲に含
むものである。
そのものにヒ−トシ−ル性を付与することができ、かゝ
る要請に対しては前記したウェブ中に、熱可塑性水溶性
ポリマ−等のバインダ−を混合したり、ウェブ表面に水
溶性のポリビニルアルコ−ル等を塗工すればよく、本発
明はかゝる手段を付加的に採用することも発明範囲に含
むものである。
【0018】前記熱可塑性水溶性ポリマ−としては、水
溶性PVA、ポリアルキレンオキシド、カゼイン等が使
用でき、水溶性繊維に対し10〜50重量%使用する。
これにより片面または、両面ヒ−トシ−ル加工可能なシ
−トとすることができる。これらの加工を施した場合に
は、本発明による水溶紙を袋状の製品に仕上げて包装に
適した資材とするのに至便であり、その他、本発明によ
る水溶紙に対しては後加工としてエンボス加工、印刷、
ミシン掛けなども自由に施すことができる。
溶性PVA、ポリアルキレンオキシド、カゼイン等が使
用でき、水溶性繊維に対し10〜50重量%使用する。
これにより片面または、両面ヒ−トシ−ル加工可能なシ
−トとすることができる。これらの加工を施した場合に
は、本発明による水溶紙を袋状の製品に仕上げて包装に
適した資材とするのに至便であり、その他、本発明によ
る水溶紙に対しては後加工としてエンボス加工、印刷、
ミシン掛けなども自由に施すことができる。
【0019】
【実施態様】以下、本発明を実施例について具体的に説
明する。 [実施例1]既に水溶化されたCMC繊維[(繊維長5
mm、レ−ヨン繊維を水溶化したもの、(第一工業製薬
製)]を原料繊維に用い、乾式法により単繊維に離解
し、該単繊維を多量の空気中に分散させてウェブ形成装
置(以下フォ−マ−という)に風送する。このフォ−マ
−はキャリヤ−シ−トとしてティッシュスパンボンドま
たは不織布等を用いるが、一般に通気抵抗の低い(11
0mmH2O以下)シ−トなら何を用いてもよい。
明する。 [実施例1]既に水溶化されたCMC繊維[(繊維長5
mm、レ−ヨン繊維を水溶化したもの、(第一工業製薬
製)]を原料繊維に用い、乾式法により単繊維に離解
し、該単繊維を多量の空気中に分散させてウェブ形成装
置(以下フォ−マ−という)に風送する。このフォ−マ
−はキャリヤ−シ−トとしてティッシュスパンボンドま
たは不織布等を用いるが、一般に通気抵抗の低い(11
0mmH2O以下)シ−トなら何を用いてもよい。
【0020】次に、前記キャリヤシ−ト上に前記単繊維
を均一におとし、空気のみをサクションにより除去させ
てマットを形成させる。形成されたマットを水蒸気で満
たされたボックス内に導き、該ボックスを通過させるこ
とによって、CMC繊維の一部を溶解して繊維間を接着
させる。
を均一におとし、空気のみをサクションにより除去させ
てマットを形成させる。形成されたマットを水蒸気で満
たされたボックス内に導き、該ボックスを通過させるこ
とによって、CMC繊維の一部を溶解して繊維間を接着
させる。
【0021】さらに、プレスロ−ルのニップ間を通過さ
せ、巻取リ−ル手前で前記のキャリヤ−シ−トを除き、
製品として巻き取る。このようにしてできた紙シ−トを
対象として、前記したプレス前とプレス後のシ−トの物
性を表1に示す。
せ、巻取リ−ル手前で前記のキャリヤ−シ−トを除き、
製品として巻き取る。このようにしてできた紙シ−トを
対象として、前記したプレス前とプレス後のシ−トの物
性を表1に示す。
【0022】プレス前では、引張り強さが弱いが、プレ
ス後は約2〜3倍の強さになっている。しかも、水溶化
時間は15秒と変わりない。
ス後は約2〜3倍の強さになっている。しかも、水溶化
時間は15秒と変わりない。
【0023】一方、次に述べるような通常の湿式法で製
造された水溶紙の物性は、表1のとおりで、水溶化時間
は本発明の製品に較べ、約20倍も長くかかっている。
すなわち、水不溶性状態のCMCとして、遊離酸の状態
のCMC−H[エ−テル化度(DS=0.6)、ニチリン化
学製]を67重量%を離解・叩解し、これに活性白土を33
重量%混合し、高分子凝集剤で定着した後、ハイドロフ
ォマ−で抄紙し、シ−トを形成した。次に、該シ−トに
メチルアルコ−ルを含有する水酸化ナトリウム水溶液を
含漫乾燥させた後、熱風乾燥し水溶紙を得た。
造された水溶紙の物性は、表1のとおりで、水溶化時間
は本発明の製品に較べ、約20倍も長くかかっている。
すなわち、水不溶性状態のCMCとして、遊離酸の状態
のCMC−H[エ−テル化度(DS=0.6)、ニチリン化
学製]を67重量%を離解・叩解し、これに活性白土を33
重量%混合し、高分子凝集剤で定着した後、ハイドロフ
ォマ−で抄紙し、シ−トを形成した。次に、該シ−トに
メチルアルコ−ルを含有する水酸化ナトリウム水溶液を
含漫乾燥させた後、熱風乾燥し水溶紙を得た。
【0024】[実施例2]実施例1と同様な方法でマッ
トを形成させた後、形成されたウエブの表面にアルコ−
ルの50%水溶液を噴霧し、ウェブ繊維の一部を溶解させ
て繊維間接着を行なわせて紙シ−トを得る。その際、該
シ−トの裏面まで水を貫通させると前記繊維が溶けてし
まうので、加工工程中キャリヤ−シ−トを除去した時点
で、裏面より水またはアルコ−ルの水溶液を噴霧させる
ことによって裏面側の繊維の一部をも溶解させてシ−ト
を固着させる。こうしてできたシ−トの物性を表1に示
す。
トを形成させた後、形成されたウエブの表面にアルコ−
ルの50%水溶液を噴霧し、ウェブ繊維の一部を溶解させ
て繊維間接着を行なわせて紙シ−トを得る。その際、該
シ−トの裏面まで水を貫通させると前記繊維が溶けてし
まうので、加工工程中キャリヤ−シ−トを除去した時点
で、裏面より水またはアルコ−ルの水溶液を噴霧させる
ことによって裏面側の繊維の一部をも溶解させてシ−ト
を固着させる。こうしてできたシ−トの物性を表1に示
す。
【0025】[実施例3]実施例1と同様な方法でマッ
トを形成した後、該マット上に熱可塑性水溶性ポリマ−
(パオゲンPP-15 第一工業製薬製)を散布した後、該マ
ットをドライヤ−内に通過させ、前記のポリマ−粉末を
溶解させ繊維間接着を行わせてシ−ト化する。次に、熱
ロ−ルプレスにてプレスし、キャリヤ−シ−トを除去し
て巻取る。該シ−トの物性は表1記載のとおりである。
トを形成した後、該マット上に熱可塑性水溶性ポリマ−
(パオゲンPP-15 第一工業製薬製)を散布した後、該マ
ットをドライヤ−内に通過させ、前記のポリマ−粉末を
溶解させ繊維間接着を行わせてシ−ト化する。次に、熱
ロ−ルプレスにてプレスし、キャリヤ−シ−トを除去し
て巻取る。該シ−トの物性は表1記載のとおりである。
【0026】[実施例4]水溶性繊維を単繊維に解繊し
た後、この解繊された単繊維中に実施例3の熱可塑性水
溶性ポリマ−粉末を、繊維80対ポリマ−20の割合で
均一に混合した後このものを多量の空気中に分散させて
フォ−マ−に送風する。以下、実施例3と同様な方法で
シ−ト化し、ドライヤ−中を通過させることによって該
粉末を溶解させて繊維間結合を行わせ、紙シ−トを形成
させる。該シ−トの物性は、表1記載のとおりである。
た後、この解繊された単繊維中に実施例3の熱可塑性水
溶性ポリマ−粉末を、繊維80対ポリマ−20の割合で
均一に混合した後このものを多量の空気中に分散させて
フォ−マ−に送風する。以下、実施例3と同様な方法で
シ−ト化し、ドライヤ−中を通過させることによって該
粉末を溶解させて繊維間結合を行わせ、紙シ−トを形成
させる。該シ−トの物性は、表1記載のとおりである。
【0027】
【表1】 註〜 厚み計(不織布測定用)WALTHAM製、荷重20g/
cm2。 JIS P 8113に準拠。 100 ccの水に、30mm×30mmのテスト片を入れ、スタ−
ラ−で弱撹拌し完全に溶解するまでの時間をいう。 引張り試験器を使用し、180 度剥離でシ−ル強度を測
定する(引張り速度100mm/min ,幅50mm)。
cm2。 JIS P 8113に準拠。 100 ccの水に、30mm×30mmのテスト片を入れ、スタ−
ラ−で弱撹拌し完全に溶解するまでの時間をいう。 引張り試験器を使用し、180 度剥離でシ−ル強度を測
定する(引張り速度100mm/min ,幅50mm)。
【0028】
【発明の効果】従来の湿式法では、すでに水溶化された
CMC繊維は、水で分散することができないため、エタ
ノ−ル等の溶剤中で分散抄造し、溶剤を揮散させること
によりシ−トを生産していたものであるが、このシ−ト
は、繊維相互間が結合されていないため、そのままでは
シ−ト強度がなく、その強度を得るためには再加工を不
可欠とする。これに対し本発明の製造法によれば乾式法
を採用しているので、水や溶剤を使用する必要がなく、
その上、製造環境上の問題もクリヤされ、しかも従来の
湿式法では酸工程の後に、苛性ソ−ダ処理工程を付帯さ
せねばならないという2段工程を不可欠としていたの
を、一工程でシ−ト化することができるという利点を発
揮する。
CMC繊維は、水で分散することができないため、エタ
ノ−ル等の溶剤中で分散抄造し、溶剤を揮散させること
によりシ−トを生産していたものであるが、このシ−ト
は、繊維相互間が結合されていないため、そのままでは
シ−ト強度がなく、その強度を得るためには再加工を不
可欠とする。これに対し本発明の製造法によれば乾式法
を採用しているので、水や溶剤を使用する必要がなく、
その上、製造環境上の問題もクリヤされ、しかも従来の
湿式法では酸工程の後に、苛性ソ−ダ処理工程を付帯さ
せねばならないという2段工程を不可欠としていたの
を、一工程でシ−ト化することができるという利点を発
揮する。
Claims (4)
- 【請求項1】 水溶性繊維を乾式法により単繊維に解繊
し、該単繊維を空気によりウェブ形成装置に分散風送し
てウェブを形成した後、該ウェブを水蒸気中に通し、水
溶性繊維の一部を溶融して繊維間を接着することにより
シ−ト状とすることを特徴とする水溶紙の製造方法。 - 【請求項2】 ウェブ形成後、該ウェブ面に水または水
とアルコ−ル、もしくはそれらに熱可塑性水溶性ポリマ
−を溶解させたものを噴霧してウェブ繊維の一部を溶融
して繊維間接着を行わせ、シ−ト状とすることを特徴と
する請求項1記載の水溶紙の製造方法。 - 【請求項3】 水溶性繊維を乾式法により単繊維に解繊
し、該単繊維を空気によりウェブ形成装置に分散風送し
てウェブを形成した後、該ウェブ上に熱可塑性水溶性ポ
リマ−を散布した上で、該ウェブをドライヤ内に通過さ
せるか、或いは水蒸気中に通すことにより繊維間を接着
させ、シ−ト状とすることを特徴とする水溶紙の製造方
法。 - 【請求項4】 水溶性繊維を乾式法により単繊維に解繊
し、該単繊維を熱可塑性水溶性ポリマ−と共に、空気に
よりウェブ形成装置に分散風送してウェブを形成した
後、該ウェブを水蒸気中に通すか、或いは該ウェブをド
ライヤ内に通過させることにより繊維間を接着させ、シ
−ト状とすることを特徴とする水溶紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4197455A JP2568961B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 水溶紙の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4197455A JP2568961B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 水溶紙の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06136655A true JPH06136655A (ja) | 1994-05-17 |
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Patent Citations (4)
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