JP2568290B2 - 可変消音器 - Google Patents

可変消音器

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JP2568290B2
JP2568290B2 JP2005544A JP554490A JP2568290B2 JP 2568290 B2 JP2568290 B2 JP 2568290B2 JP 2005544 A JP2005544 A JP 2005544A JP 554490 A JP554490 A JP 554490A JP 2568290 B2 JP2568290 B2 JP 2568290B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関の吸気または排気騒音を低減する
ために吸気管または排気管の途中に設けられる可変消音
器に関する。
[従来の技術] 広い範囲にわたるエンジン回転数の吸気または排気騒
音を低減させるために、従来は、固有共鳴周波数が異な
る複数の共鳴型消音器を吸気管または排気管の途中に設
けて対応してきた。しかしながら、このような対応には
大きな取り付け空間が必要なので、自動車のように限ら
れた取り付け空間しか許容されない場合、かかる対応は
困難であった。
そこで、第4図に示すような構成の共鳴型消音器が利
用されている。この従来の共鳴型消音器の共鳴室600
は、連通管700によって、エンジン回転数に応じて流量
が変化する流体が流れるダクト800と連通している。ま
た、この共鳴室600は堤状部601と弁602によって、第1
共鳴室610と第2共鳴室620に区画されている。この共鳴
型消音器においては、エンジン回転数に応じて弁602を
開閉することによって、共鳴室600の容積を変化させ、
これによって固有共鳴周波数を変化させている。
[発明が解決しようとする課題] また、上記の従来の共鳴型消音器を改良するものとし
て、実開昭61−41816号公報に記載されているような共
鳴型消音器が提案されている。このものは、第4図に示
すような従来の共鳴型消音器の共鳴室600を3以上の複
数個に分割したものである。これによって、広い範囲に
わたるエンジン回転数の吸気または排気騒音を低減しよ
うとするものである。しかしながら、この共鳴型消音器
においては、複数の共鳴室を設けるため大きな取り付け
空間が必要である。また、複数の弁および制御機器が必
要なため、複雑な構成となり製造原価も高くなってしま
う。さらにまた、それぞれの共鳴室の容積によって定ま
る共鳴周波数の吸気または排気騒音のみが著しく低減さ
れるため、加速時または減速時に吸気または排気騒音の
音圧が大きく上下するため、不快な音に聞こえてしまう
という問題がある。加えて、エンジン回転数に応じた周
波数の吸気または排気騒音をフーリエ分解した成分正弦
波のn次高調波(以下、エンジン回転数の高次成分の吸
気または排気騒音という。)を同時に低減することがで
きないため、吸気または排気騒音を全体的に低減する効
果が小さいという問題もある。
したがって、本発明は、小型でかつ簡単な構成の車両
搭載性が良い可変消音器であって、かつ、エンジン回転
数の高次成分の音を同時に良好に低減する騒音低減特性
を有する可変消音器を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の可変消音器は、エンジンの回転数に応じて流
量が変化する流体が流れるダクトと連通する開口を有す
る第1共鳴室と、該第1共鳴室とは独立して設けられた
第2共鳴室と、該第1共鳴室内と該第2共鳴室内との両
方に突出して配設され、該第2共鳴室内に突出するより
も該第1共鳴室内により長く突出し、一端が該第1共鳴
室に開口し他端が該第2共鳴室に開口し、該第1共鳴室
に開口する一端はダクトと連通する該第1共鳴室の開口
から離れた位置において該第1共鳴室に開口する、該第
1共鳴室と該第2共鳴室を連通するシリンダ状の連通路
と、該連通路の該第2共鳴室側の開口端部を開閉する封
止部材と、エンジンの回転数が低い時には、該連通路を
開放するように該封止部材を駆動し、エンジンの回転数
が高い時には、該連通路を閉止するように該封止部材を
駆動する弁機構と、からなることを特徴とする可変消音
器である。
第1共鳴室は、エンジンの回転数に応じて流量が変化
する流体が流れるダクト、すなわち、吸気管や排気管と
連通する開口を有しており、以下にのべる連通路が開い
た状態になっている場合、および、連通路が以下に述べ
る封止部材と弁機構によって閉じられた状態になってい
る場合、吸気または排気騒音をその内部で多方向に反射
させ、これらを共鳴させて打ち消す作用、および、吸気
または排気管の断面積がこの第1共鳴室で変化すること
により吸気または排気流体を膨脹収縮させて吸気または
排気騒音を減衰させる作用をするものである。この第1
共鳴室は、樹脂などによりダクトと一体的に成形された
もの、または、鉄板などからなりダクトに一体的に溶接
されたものであってもよい。
第2共鳴室は、第1共鳴室とは独立して設けられた共
鳴室であり、以下にのべる連通路が開いた状態になって
いる場合、吸気または排気騒音をその内部で多方向に反
射させ、これらを共鳴させて打ち消す作用をするもので
ある。この第2共鳴室は、隔壁などによって第1共鳴室
から分割して設けてあれば、樹脂などにより第1共鳴室
と一体的に成形されたもの、または、鉄板などからなり
第1共鳴室に一体的に溶接されたものであってもよい。
連通路は、第1共鳴室と第2共鳴室を連通するシリン
ダ状部材であり、その一端が第1共鳴室側に開口し他端
が第2共鳴室側に開口している。そして、以下に述べる
封止部材と弁機構によってその第2共鳴室側の開口が閉
じられた状態になっている場合、サイドブランチとして
機能して吸気または排気騒音を低減するものである。ま
た、その第2共鳴室側の開口が開いた状態になっている
場合、第2共鳴室の連通路となり、吸気または排気騒音
を第2共鳴室に導入し、第2共鳴室の内部で多方向に反
射させ、これらを共鳴させて打ち消す作用をするもので
ある。この連通路は、樹脂などにより第1共鳴室と第2
共鳴室を分割する隔壁などと一体的に成形されたもの、
または、鉄板などからなり隔壁に一体的に溶接されたも
のであってもよい。
封支部材は、連通路の第2共鳴室側の開口端部を開閉
し、本発明の可変消音器の固有共鳴周波数を可変とする
部材である。この封止部材は、上記連通路の第2共鳴室
側の開口端部を開閉するものであれば、その形状は問わ
ない。たとえば、以下にのべるように円盤状、一端開口
の筒状、または、升状などとしてもよい。
弁機構は、エンジンの回転数に応じて封止部材を駆動
して連通路を開閉するものである。この弁機構は、たと
えば、駆動軸と、ばねなどの付勢部材と、負圧源と、負
圧のオン、オフを切替えるソレノドなどのアクチュエー
タと、エンジンの回転数に応じてアクチュエータへの通
電を制御するマイクロプロセッサから構成される。
[発明の作用および効果] 上記のように構成された本発明の可変消音器の作用お
よび効果について以下説明する。
連通路の第2共鳴室側の開口端部が開いている状態
で、ダクトからエンジンの回転数に応じて流量が変化す
る流体が第1および第2共鳴室に導入すると、エンジン
の回転に伴なって発生した吸気または排気騒音のうち、
下記の式によって表される周波数の騒音が共鳴効果によ
って打ち消される。
f=(c/2π)(S/VL)1/2 … ここで、cは音速、Sは連通路の断面積、Vは共鳴室
の容積、Lは連通路の長さである。
第1共鳴室においては、式のSにダクトと第1共鳴
室を連通する開口の断面積S1、Lにダクトの肉厚l、V
に第1共鳴室の容積V1を代入して得られる周波数f1なる
吸気または排気騒音、および、ダクトの断面積が第1共
鳴室によって変化し吸気または排気流体が膨脹収縮する
ことにより減衰するf1′なる高周波数の吸気または排気
騒音が、同時に打ち消される。
さらに、第2共鳴室においては、式のSに連通路の
断面積S2、Lに連通路の長さL、Vに第2共鳴室の容積
V2を代入して得られるf2なる周波数の吸気または排気騒
音が打ち消される。
なお、第1共鳴室と第2共鳴室の共鳴効果が互いに影
響し合うので、上記式に第1共鳴室と第2共鳴室のそ
れぞれの諸元を代入して得た理論共鳴周波数は、実際に
効果のある共鳴周波数とは若干異なる。また、第1共鳴
室と第2共鳴室の共鳴効果が影響する度合いは、連通路
の径や長さによっても変化するので、要求される共鳴周
波数特性を満足するように第1共鳴室、第2共鳴室およ
び連通路の諸元を実験的に設定することが好ましい。
一方、エンジン回転数が所定の範囲において、封止部
材が連通路の第2共鳴室側の開口端部を閉じる。この状
態では、ダクトからエンジンの回転数に応じて流量が変
化する流体は第1共鳴室だけに導入される。すると、第
1共鳴室においては、エンジン回転に伴なって発生した
吸気または排気騒音のうち上記の周波数f1なる周波数と
同時に、連通路がサイドブランチとして機能するので、
下記の式で表される周波数fsなる高周波、高次数(た
とえば、エンジン回転数の9次、12次成分。)の吸気ま
たは排気騒音が打ち消される。
fs=c(2n−1)/4L … ここで、cは音速、nは1以上の整数、Lは連通路の
長さである。
したがって、連通路が開いた状態になっている場合に
は、第1共鳴室が吸気または排気騒音を共鳴させて打ち
消しかつ吸気または排気流体を膨脹収縮させて吸気また
は排気騒音を減衰し、加えて、第2共鳴室が吸気または
排気騒音を共鳴させて打ち消す。
一方、連通路が封止部材によって閉じられた状態にな
っている場合には、第1共鳴室において吸気または排気
騒音を共鳴させて打ち消しかつ吸気または排気流体を膨
脹収縮させて吸気または排気騒音を減衰し、加えて、こ
の場合、連通路がサイドブランチとして機能するので、
さらに高周波の吸気または排気騒音を低減することがで
きる。以上のように本発明の可変消音器によって、複合
的な消音効果が得られる。
このように、本発明の可変消音器は、エンジン回転数
の広い範囲にわたって、その高次成分までも含んだ吸気
または排気騒音を低減することができる。また、簡単か
つ嵩張らない構成なので、従来の共鳴型消音器のように
大きな取り付け空間を必要とすることはない。
また、本発明の可変消音器による消音は、従来の共鳴
型消音器のように特定の周波数で消音効果が著しく大き
すぎるということもなく、音圧の変化も滑らかで、消音
の結果、不快な音が聞こえるということもない。
[実施例] 以下、図面を参照しながら、本発明の可変消音器の実
施例について説明する。
(第1実施例) 第1図に、本発明の可変消音器の第1実施例の断面図
を示す。第1共鳴室1は、鉄板製の筒状部材11から構成
され、エンジンの回転数に応じて流量が変化する吸気ガ
スが流れる吸気管6とは溶接などによって一体的に形成
され、かつ、開口12によって連通している。なお、この
第1共鳴室1の容積V1は3である。
第2共鳴室2は、鉄板製の椀状部材21から構成され、
以下に述べる連通路3を一体的に形成した隔壁31によっ
て、第1共鳴室1と区画され、それと独立に設けられて
いる。なお、この第2共鳴室2の容積V2は、1であ
る。
連通路3は、第1共鳴室1と第2共鳴室2を区画する
隔壁31の中央に一体的に形成された鉄板製の筒状部材で
ある。連通路3の両端は開口しており、その一端が第1
共鳴室1側に開口し、その他端は第2共鳴室2側に開口
している。
第1共鳴室1と第2共鳴室2は、連通路3を一体的に
形成した隔壁31を間に挟み、吸気ガスが内部から漏れな
いように溶接またはボルトなどによって固定されてい
る。
封止部材4は、以下に述べる弁機構5によって上下に
駆動され、連通路3の第2共鳴室2側の開口を開閉する
鉄板製の円盤状部材である。
弁機構5は、封止部材4の中心に取り付けられた駆動
軸51とスプリング53などからなり封止部材4を上下に駆
動するバキュームアクチュエータ52と、負圧源54(負圧
リザーバなど)と、負圧のオン、オフを切り替えるソレ
ノイド56と、エンジン回転数のパルス信号によってソレ
ノイド56への通電を制御するECU57(マイクロプロセッ
サ)からなる。
所定のエンジンの回転数において、ECU57がソレノイ
ド56にパルス信号を入力すると、ソレノイド56が起動し
負圧源54の負圧がバキュームアクチュエータ52に印加さ
れる。すると、バキュームアクチュエータ52が起動し、
駆動軸54が下降する。これによって、封止部材4が下方
に駆動され、連通路3の第2共鳴室2側の開口端部を開
き、第1共鳴室1と第2共鳴室2が連通する。
一方、所定外のエンジン回転数においては、ソレノイ
ド56は停止状態であり、負圧源54の負圧がバキュームア
クチュエータ52に印加されなくなる。すると、スプリン
グ53の付勢力によって、駆動軸51が上昇する。これによ
って、封止部材4が上方に駆動され、連通路3の第2共
鳴室2側の開口端部を閉じ、第1共鳴室1と第2共鳴室
2が非連通状態となる。
上記のように構成した第1実施例の可変消音器の作用
および効果について、以下、説明する。
第1実施例の可変消音器を吸気口と6気筒エンジンの
間に取り付けて、吸気口からこの消音器を経由してエン
ジンに吸気ガスを流し、この消音器の消音効果を評価し
た。第2図および第3図にこの評価結果を示す。第2図
はエンジン回転数の3次成分(6000rpmが300Hzに相
当。)の吸気騒音に対するこの消音器の消音効果を示
し、第3図はエンジン回転数の6次成分(6000rpmが600
Hzに相当。)の吸気騒音に対するこの消音器の消音効果
を示す。なお、第2図および第3図において一点鎖線
は、弁機構5を駆動し封止部材4を下方に駆動して連通
路3を常時開いた状態でのこの消音器の消音効果を示
し、点線は、弁機構5を駆動せず封止部材4によって連
通路3を常時閉じた状態のこの消音器の消音効果を示
す。
以上の結果から、エンジン回転数の3次成分とエンジ
ン回転数の6次成分の両方の吸気騒音に対して、最大の
消音効果を得るには、エンジン回転数3000rpm以下にお
いては、連通路3を開いた状態でこの消音器を使用し、
エンジン回転数3000rpm以上においては、封止部材4に
よって連通路3を閉じた状態でこの消音器を使用すれば
よいことがわかる。このように第1実施例の可変消音器
を使用することによって得られる消音効果を第2図およ
び第3図に実線で示す。
第1実施例の可変消音器を上記のように使用したとき
のエンジン回転数の3次成分の吸気騒音に対する消音効
果、すなわち、第2図の実線において、120Hz付近の谷
部が第2共鳴室2による消音効果(連通路3開時)であ
り、200Hz付近の谷部が第1共鳴室1による消音効果
(連通路3閉時)である。第2図から明らかなように、
この可変消音器によって、エンジン回転数の3次成分の
吸気騒音を消音すると、目標の音圧レベルを満足し、か
つ、音圧が滑らかに変化する消音効果が得られたことが
わかる。
また、第1実施例の可変消音器を上記のように使用し
たときのエンジン回転数の6次成分の吸気騒音に対する
消音効果、すなわち、第3図の実線において、120Hz付
近の谷部が第2共鳴室2による消音効果(連通路3開
時)であり、200Hz付近の谷部が第1共鳴室1による消
音効果(連通路3開時)である。また、この場合、300H
z以上の吸気騒音に対しても、目標の音圧レベルを満足
する消音効果が得られた。これは、連通路3を閉じた状
態において、第1共鳴室1による消音効果に加えて、吸
気管6の断面積が第1共鳴室1によって変化し吸気ガス
が膨脹収縮することにより減衰し、さらに高周波数の吸
気騒音が消音される効果(連通路3閉時の380〜390Hz付
近の谷部)、および連通路3がサイドブランチとして機
能しさらに高周波の吸気騒音が消音される効果が複合し
たことによって得られたものである。第3図から明らか
なように、この可変消音器によって、エンジン回転数の
6次成分の吸気騒音も、目標の音圧レベルを満足し、か
つ、音圧が非常に滑らかに変化するように消音されたこ
とがわかる。
以上の説明から明らかなように、第1実施例の可変消
音器による消音は、特定の周波数で消音効果が大きすぎ
るということもなく、音圧の変化も滑らかであり、その
聴感もよい。さらに、第1実施例の可変消音器は、エン
ジン回転数の高次成分の吸気騒音も同時に消音する能力
を有する優れた可変消音器である。
(従来例) 比較のため、第4図に示す従来の共鳴型消音器600の
第1共鳴室610の容積を1.5、第2共鳴室620の容積を
2.5、総容積を第1実施例の可変消音器と同一の4.0
としたものを準備した。この従来の消音器600を上記の
第1実施例で詳述したのと同一の方法で評価した。
この結果を第5図および第6図に示す。第1実施例と
同様に、第5図はエンジン回転数の3次成分の吸気騒音
に対する従来の消音器600の消音効果を示し、第6図は
エンジン回転数の6次成分の吸気騒音に対する従来の消
音器600の消音効果を示す。なお、第1実施例と同様
に、第5図および第6図において、一点鎖線は、弁602
を常時開いた状態での従来の消音器600の消音効果を示
し、点線は、弁602を常時閉じた状態での従来の消音器6
00の消音効果を示す。
第5図から、エンジン回転数の3次成分の吸気騒音に
対して、最大の消音効果を得るには、エンジン回転数32
00rpm以下において、弁602を開いた状態で従来の消音器
600を使用し、エンジン回転数3200rpm以上において、弁
602を閉じた状態で従来の消音器602を使用すればよいこ
とがわかる。従来の消音器600をこのように使用するこ
とによって得られる消音効果を、第5図および第6図に
実線で示す。しかしながら、第6図に示すように、従来
の消音器600をこのように使用しても、エンジン回転数
の6次成分の吸気騒音に対しては良好な消音効果が得ら
れなかった。
従来の消音器600を上記のように使用したときのエン
ジン回転数の3次成分の吸気騒音に対する消音効果、す
なわち、第5図の実線において、120Hz付近の谷部が第
1共鳴室610と第2共鳴室620による消音効果(弁602開
時)であり、200Hz付近の谷部が第1共鳴室610による消
音効果(弁602閉時)である。第5図から明らかなよう
に、従来の消音器600は、エンジン回転数の3次成分の
吸気騒音のうち特定周波数の吸気騒音だけにしか効果が
なく、かつ、音圧が著しく上下する消音効果しか得られ
ないことがわかる。
また、従来の消音器600を上記のように使用したとき
のエンジン回転数の6次成分の吸気騒音に対する消音効
果、すなわち、第6図の実線において、120Hz付近の谷
部が第1共鳴室610と第2共鳴室620による消音効果(弁
602開時)であるが、これ以外に顕著な消音効果はなか
った。また、200〜320Hzの周波数の吸気騒音については
目標レベルを越えてしまい(斜線部)、320Hz以上の周
波数の吸気騒音については、特に400Hz以上の高周波数
で、目標レベルを大幅に越えてしまい(斜線部)、なん
らの消音効果もなかった。
上記のように、従来の消音器600は、エンジン回転数
の高次成分の吸気騒音を同時に消音することができない
だけでなく、特定の周波数だけにおいて音圧が著しく変
化する消音効果があるだけで、その聴感もよくない。た
とえ、共鳴室600をさらに分割し、より多数の共鳴室を
設け、これらを複数の弁602によって開閉して、共鳴室6
00の容積を種々に変化させても、第1実施例の可変消音
器と同様の消音効果を生み出すことはない。
(第2実施例) 第7図に、本発明の可変消音器の第2実施例の断面図
を示す。第2実施例の可変消音器は、第1実施例の変形
例であり、自動車のエンジンルームにおけるその搭載条
件、たとえば、取り付け空間を低減するなどの条件を考
慮したものである。
すなわち、第2実施例においては、共鳴室1a内に吸気
管6aを挿通し、その吸気管6aに形成した開口12aと連通
路3aを対向するように配置し、連通路3aの下方に第2共
鳴室2a、封止部材4aやバキュームアクチュエータ52aを
配置した構成である。
この第2実施例の可変消音器も、第1実施例と同様の
作用および効果を有する。
(第3実施例) 第8図に、本発明の可変消音器の第3実施例の断面図
を示す。第3実施例の可変消音器も第2実施例と同様
に、第1実施例の変形例であり、自動車のエンジンルー
ムにおけるその搭載条件を考慮したものである。
この第3実施例においては、連通路3bを吸気管6bと平
行に配置し、連通路3bの横に第2共鳴室2b、封止部材4b
やバキュームアクチュエータ52bを配置した構成であ
る。すなわち、第1実施例と第2実施例においては、隔
壁31、31aと吸気管6、6aが平行に配置されており、第
1共鳴室1、1aの下方に第2共鳴室2、2aが配置されて
いるのに対し、第3実施例においては、隔壁31bと吸気
管6bが垂直に配置されており、第1共鳴室1bの横に第2
共鳴室2bが配置されている。
この第3実施例の可変消音器も、第1実施例と同様の
作用および効果を有する。
(第4実施例) 本発明の可変消音器の第4実施例は、連通路3cの第2
共鳴室2c側の開口端部が封止部材4cによって閉じられた
ときの、そのサイドブランチ効果を積極的に利用しよう
とする実施例である。
連通路3cの第2共鳴室2c側の開口端部が開いた状態の
第4実施例の可変消音器を第9図に、連通路3cの第2共
鳴室2c側の開口端部を封止部材4cが閉じた状態の第4実
施例の可変消音器を第10図に示す。
この第4実施例の封止部材4cは、一端が開口し、他端
が閉塞した筒状部材である。第10図に示すように、封止
部材4cが、第2共鳴室2c側の隔壁31cの面とほぼ面一に
設けられた連通路3cの開口端部を閉じたときのサイドブ
ランチの長さLsは、連通路3cの長さLと封止部材4cの内
のりの長さL4の和となる。すなわち、サイドブランチの
長さを上記のように設定した筒状封止部材4cによって、
Ls=L+L4とし、これによって、前述の式に基づいて
所望の周波数の吸気騒音を消音しようとするものであ
る。
(第5実施例) 第11図および第12図に、本発明の可変消音器の第5実
施例の断面図を示す。第5実施例の可変消音器は、封止
部材4dを升状に形成したものである。封止部材4cが連通
路3dの第2共鳴室2d側の開口端部を閉じたときに、その
内部に小容量の第3共鳴室41dを形成し、これによっ
て、高周波数の吸気騒音を消音しようとするものであ
る。
第12図に示すように、升状の封止部材4dが、第2共鳴
室2d側の隔壁31dの面とほぼ面一に設けられた連通路3d
の開口端部を閉じたときに、小容量の第3共鳴室41dが
形成される。この第3共鳴室41dの共鳴効果によって、
高周波数の吸気騒音が消音される。
(第6実施例) 第13図および第14図に示す本発明の可変消音器の第6
実施例の断面図から明らかなように、第6実施例の可変
消音器は、第5実施例の可変消音器の変形例である。
すなわち、隔壁31eの第2共鳴室2e側の面から第2共
鳴室2eの底部に向かって垂直に突出し、そして、軸心に
向かって水平にのびる付属隔壁32eが、隔壁31eと一体的
に形成してある。なお、この付属隔壁32eの底部には、
連通路3eの内径よりも大きい直径の開口33eが形成され
ている。
第14図に示すように、開口34eの直径よりも大きい直
径の封止部材4eが、付属隔壁32eの開口33eを閉じたとき
に、付属隔壁32eの内部に小容量の第3共鳴室34eが形成
される。この第3共鳴室34eの共鳴効果によって、高周
波数の吸気騒音が消音される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1実施例の可変消音器の断面図で
ある。第2図は、第1実施例の可変消音器のエンジン回
転数の3次成分の吸気騒音に対する消音効果を示す線図
である。第3図は、第1実施例の可変消音器のエンジン
回転数の6次成分の吸気騒音に対する消音効果を示す線
図である。第4図は、従来の共鳴型消音器の断面図であ
る。第5図は、従来の共鳴型消音器のエンジン回転数の
3次成分の吸気騒音に対する消音効果を示す線図であ
る。第6図は、従来の共鳴型消音器のエンジン回転数の
6次成分の吸気騒音に対する消音効果を示す線図であ
る。第7図は、本発明の第2実施例の可変消音器の断面
図である。第8図は、本発明の第3実施例の可変消音器
の断面図である。第9図は、本発明の第4実施例の可変
消音器の断面図である。第10図は、本発明の第4実施例
の可変消音器の断面図である。第11図は、本発明の第5
実施例の可変消音器の断面図である。第12図は、本発明
の第5実施例の可変消音器の断面図である。第13図は、
本発明の第6実施例の可変消音器の断面図である。第14
図は、本発明の第6実施例の可変消音器の断面図であ
る。 1……第1共鳴室、2……第2共鳴室、3……連通路 4……封止部材、5……弁機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小浜 時男 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 黒田 修 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 清水 光一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−300050(JP,A) 特開 昭59−215913(JP,A) 特開 昭59−168215(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの回転数に応じて流量が変化する
    流体が流れるダクトと連通する開口を有する第1共鳴室
    と、 該第1共鳴室とは独立して設けられた第2共鳴室と、 該第1共鳴室内と該第2共鳴室内との両方に突出して配
    設され、該第2共鳴室内に突出するよりも該第1共鳴室
    内により長く突出し、一端が該第1共鳴室に開口し他端
    が該第2共鳴室に開口し、該第1共鳴室に開口する一端
    はダクトと連通する該第1共鳴室の開口から離れた位置
    において該第1共鳴室に開口する、該第1共鳴室と該第
    2共鳴室を連通するシリンダ状の連通路と、 該連通路の該第2共鳴室側の開口端部を開閉する封止部
    材と、 エンジンの回転数が低い時には、該連通路を開放するよ
    うに該封止部材を駆動し、エンジンの回転数が高い時に
    は、該連通路を閉止するように該封止部材を駆動する弁
    機構と、からなることを特徴とする可変消音器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS59168215A (ja) * 1983-03-14 1984-09-21 Nippon Denso Co Ltd 共鳴器
JPS59215913A (ja) * 1983-05-20 1984-12-05 Nippon Denso Co Ltd 共鳴器
JPH01300050A (ja) * 1988-05-28 1989-12-04 Toyoda Gosei Co Ltd レゾネータ

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