JP2567562Y2 - シーブ組付けユニット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はシーブ組付けユニットに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４及び図５はクレーンブームの先端部
の一例を示し、１はパイプ等の部材により構成されたブ
ーム本体、２はブーム本体１の先端部下面に固着された
左右一対のブラケット、３は各ブラケット２に固着され
た筒状の軸受部材、４は両端部が軸受部材３に支持され
たシーブピン、５はシーブピン４に回転自在に支承され
た複数のシーブ、６は各シーブ５，５の間、並びにシー
ブ５と軸受部材３の間に位置するように前記シーブピン
４に外嵌されたシムであり、前記シーブピン４はボルト
等の係合手段により軸受部材３に固定されている。

【０００３】７は前記ブーム本体１の先端にブラケット
８を介して前記シーブピン４の前方Ａ側に位置するよう
に支持されたロープガイド支持ピン、９は前記シーブピ
ン４の後方Ｂ側の下側に位置するように前記各ブラケッ
ト２に支持されたロープガイド支持ピンである。

【０００４】１０はシーブ５の下方に位置し且つ該シー
ブ５の外周面に沿って湾曲した複数のロープガイド、１
１，１２は各ロープガイド１０の前端部及び後端部に固
着した取付け部材であり、各取付け部材１１，１２は前
記ロープガイド支持ピン７，９に外嵌され、ロープガイ
ド１０が隣接するシーブ５，５間、あるいは左右両端の
シーブ５の外側端部を下方から覆うようになっている。

【０００５】上述した構造を有するクレーンブームにお
いて、ブーム本体１にシーブ５を組付ける際には、シー
ブ組付け作業が効率よく行えるように、建設機械本体か
らブーム本体１を切り離し、該ブーム本体１を反転させ
てブラケット２が上側に位置するようにしておく。

【０００６】この状態で、一方の軸受部材３にシーブピ
ン４の先端部を挿入し、該シーブピン４にシム６及びシ
ーブ５を交互に外嵌させるとともに、シーブピン４を他
方の軸受部材３へ向って順次移動させ、シーブピン４の
先端部が他方の軸受部材３に嵌入した状態にする。

【０００７】更に、シーブ５の数に対応するように、ロ
ープガイド支持ピン７，９によってロープガイド１０を
ブーム本体１に取り付ける。

【０００８】また、クレーンのアタッチメントの種類を
変更するとき（たとえば、揚重作業用のフックブロック
を掘削用のクラムシェルに取り替える場合など）には、
ブーム本体１の先端部に装着されているシーブ５を取り
外し、装備すべきアタッチメントに適した数のシーブ５
を前述した手順によりブーム本体１に装着してシーブ組
付け作業を行う。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】ところが、シーブ組付
け作業を行う際には、シーブピン４に対するシーブ５、
シム６の位置合わせを箇々に行う必要があるため、短時
間でシーブ組付け作業を行うことができなかった。

【００１０】本考案は上述した実情に鑑みなしたもの
で、シーブの組付け作業を短時間で行うことが可能なシ
ーブ組付けユニットを提供することを目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本考案のシーブ組付けユ
ニットは、シーブを装着すべきブーム本体の左右ブラケ
ット間に配設可能な間隔を有する左右のカバー側板と、
前記シーブの半径よりもやや大きい半径で湾曲し且つ前
記両カバー側板を連結するロープガイド板と、前記両ブ
ラケットに設けた軸受部材に支持されるシーブピンと略
等しい外径を有し且つ両端部が前記カバー側板に設けた
仮軸受部材に着脱自在に支持された仮シーブピンと、該
仮シーブピンに着脱自在に支承されたシーブとを備えて
なるものである。

【００１２】

【作用】本考案のシーブ組付けユニットによりブーム本
体にシーブを組付ける際には、シーブを装着すべきブー
ム本体のブラケット間にシーブユニットを位置させ、仮
シーブピンとブーム本体の軸受部材とが略同軸になるよ
うにする。

【００１３】次いで、ブーム本体の一方の軸受部材にシ
ーブピンの先端部を挿入し、該シーブピンの先端部を仮
シーブピンの後端部に当接させ、前記シーブピンを他方
の軸受部材へ向って押圧する。

【００１４】シーブピンを押圧すると仮シーブピンも他
方の軸受部材へ向って移動し、仮シーブピンが他方の軸
受部材に嵌入するとともに、シーブピンにシーブが順次
外嵌される。

【００１５】更に、シーブピンの先端部が完全に他方の
軸受部材に嵌入すると、前記仮シーブピンは軸受部材の
外部へ押出され、シーブはシーブピンよってブーム本体
に支持される。

【００１６】

【実施例】以下本考案の実施例を図面を参照しつつ説明
する。

【００１７】図１から図３は本考案のシーブ組付けユニ
ットの一実施例を示し、１３は略下方にかなめ部２２を
設けた扇形状を有し且つ扇形上縁の円弧部１４の半径が
シーブ５の半径よりもやや大きい左右一対のカバー側
板、１５は前記円弧部１４に沿って湾曲し且つ左右縁部
が円弧部１４に固着されたロープガイド板、１６は各カ
バー側板１３の略中央部を貫通するように設けられた筒
状の仮軸受部材、１７は両端部が前記仮軸受部材１６に
着脱自在に支持され且つ複数のシーブ５を回転自在に支
承する仮シーブピン、２６は前記ロープガイド板１５の
上面に固着されたブラケットであり、前記カバー側板１
３、ロープガイド板１５、仮軸受部材１６によりシーブ
カバー１８を構成している。

【００１８】仮シーブピン１７には、各シーブ５，５の
間に位置するようにシム６が、また、シーブ５と仮軸受
部材１６の間に位置するようにスペーサ１９が外嵌され
ている。

【００１９】仮シーブピン１７の長さは、左右の仮軸受
部材１６，１６の外側端面間の距離と略等しく、仮シー
ブピン１７の両端部が仮軸受部材１６，１６から外部へ
突出しないようになっている。

【００２０】また、仮シーブピン１７の外径は、仮軸受
部材１６の内径よりもやや小さくなっている。

【００２１】２０は前記カバー側板１３の円弧部１４の
前方Ａ側端部に支持された前記仮シーブピン１７と略平
行なロープガイド支持ピン、２１は前記カバー側板１３
の扇形のかなめ部分２２に支持された前記仮シーブピン
１７と略平行なロープガイド支持ピンである。

【００２２】２３はシーブ５の下方に位置し且つ該シー
ブ５の外周面に沿って湾曲した複数のロープガイド、２
４，２５は各ロープガイド２３の前端部及び後端部に固
着した取付け部材であり、各取付け部材２４，２５は前
記ロープガイド支持ピン２０，２１に外嵌され、ロープ
ガイド２３が隣接するシーブ５，５間、あるいは左右両
端のシーブ５の外側端部を下方から覆うようになってい
る。

【００２３】２７はパイプ等の部材により構成されたブ
ーム本体、２８はブーム本体２７の先端部下面に固着さ
れた左右一対のブラケット、２９は各ブラケット２８に
固着された筒状の軸受部材であり、該軸受部材２９の内
径は前記シーブカバー１８の仮軸受部材１６の内径と略
同一になっている。

【００２４】３０は前記軸受部材１６，２９の内径に対
して嵌入可能な外径を有するシーブピンであり、該シー
ブピン３０の長さは、左右の軸受部材２９，２９の外側
端面間の距離と略等しく、シーブピン３０の両端部を軸
受部材２９に支持させた際に、シーブピン３０の端部が
軸受部材２９，２９から外側へ突出しないようになって
いる。

【００２５】以下、ブーム本体２７にシーブ５を組み付
ける手順を説明する。

【００２６】ブーム本体２７にシーブ５を組み付ける際
には、シーブカバー１８の一方の仮軸受部材１６に仮シ
ーブピン１７の先端部を挿入し、該仮シーブピン１７に
スペーサ１９、シーブ５、シム６を外嵌させるととも
に、仮シーブピン１７を他方の仮軸受部材１６へ向って
順次移動させ、仮シーブピン１７の先端部が他方の仮軸
受部材１６に嵌入した状態にする（図１等参照）。

【００２７】更に、シーブ５の数に対応するように、ロ
ープガイド支持ピン２０，２１によってロープガイド２
３をシーブカバー１８に取り付けておく（図２等参
照）。

【００２８】この状態で、シーブカバー１８をブーム本
体２７のブラケット２８，２８間に位置させ、シーブカ
バー１８を架台等により支持して仮軸受部材１６に挿通
された仮シーブピン１７とブーム本体２７の軸受部材２
９の軸心とを略同軸に位置させる。

【００２９】このとき、ブーム本体２７は建設機械本体
に支持されたままの状態でよい。

【００３０】次いで、ブーム本体２７の一方の軸受部材
２９にシーブピン３０の先端部を挿入し、該シーブピン
３０の先端部を仮シーブピン１７の後端部に当接させ、
前記シーブピン３０を他方の軸受部材２９へ向って押圧
する（図３参照）。

【００３１】シーブピン３０を押圧すると仮シーブピン
１７も他方の軸受部材２９へ向って移動し、仮シーブピ
ン１７が他方の軸受部材２９に嵌入するとともに、シー
ブピン３０にスペーサ１９、シーブ５、シム６が順次外
嵌される。

【００３２】更に、シーブピン３０の先端部が完全に他
方の軸受部材２９に嵌入すると、前記仮シーブピン１７
は軸受部材２９の外部へ押出され、シーブカバー１８、
シーブ５、シム６、スペーサ１９等は，シーブピン３０
よってブーム本体２７に支持される。

【００３３】シーブカバー１８、シーブ５等がシーブピ
ン３０によりブーム本体２７に支持されたならば、シー
ブカバー１８に固着されたブラケット２６をボルト等に
よりブーム本体２７に連結し、シーブカバー１８がシー
ブピン３０を中心に回動しないようにしておく。

【００３４】このように、本実施例のシーブ組付けユニ
ットでは、複数のシーブ５、シム６、スペーサ１９を同
一の仮シーブピン１７によりシーブカバー１８に支持す
るので、シーブ５等をブーム本体２７に組付ける際に、
ブーム本体２７の軸受部材２９に対して仮シーブピン１
７を同軸に位置させるだけで、前記軸受部材２９に対す
るシーブ５等の位置合わせを行うことができるので、シ
ーブ組付け作業を短時間で行うことが可能になる。

【００３５】また、ロープガイド板１５がシーブ５の半
径よりもやや大きい半径で湾曲しているので、ワイヤロ
ープをロープガイド板１５とシーブ５の間に形成される
空間に挿通すれば、ワイヤロープを簡単にシーブ５に巻
きかけることができる。

【００３６】なお、本考案のシーブ組付けユニットは、
上述した実施例にのみ限定されるものではなく、シーブ
本体に組付けるシーブの数を適宜増減すること、カバー
側板等の形状を変えること、その他、本考案の要旨を逸
脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論
である。

【００３７】

【考案の効果】以上述べたように、本考案のシーブ組付
けユニットによれば、下記のような種々の優れた効果を
奏し得る。

【００３８】（１）ブーム本体にシーブを組付ける際
に、ブーム本体の軸受部材に対して仮シーブピンを同軸
に位置させるだけで、前記軸受部材に対する複数のシー
ブの位置合わせを行うことができ、シーブの組付け作業
を短時間で行うことが可能になる。

【００３９】（２）ロープガイド板がシーブの半径より
もやや大きい半径で湾曲しているので、ワイヤロープを
ロープガイド板とシーブの間に形成される空間に挿通す
れば、ワイヤロープを簡単にシーブに巻きかけることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のシーブ組付けユニットの一実施例を示
す底面図である。

【図２】本考案のシーブ組付けユニットの一実施例を示
す側面図である。

【図３】本考案のシーブ組付けユニットによりシーブを
ブーム本体先端部に組付ける際の底面図である。

【図４】従来のブーム本体先端部の底面図である。

【図５】従来のブーム本体先端部の側面図である。

【符号の説明】

５ シーブ １３ カバー側板 １５ ロープガイド板 １６ 仮軸受部材 １７ 仮シーブピン ２７ ブーム本体 ２８ ブラケット ２９ 軸受部材 ３０ シーブピン

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シーブを装着すべきブーム本体の左右ブ
   ラケット間に配設可能な間隔を有する左右のカバー側板
   と、前記シーブの半径よりもやや大きい半径で湾曲し且
   つ前記両カバー側板を連結するロープガイド板と、前記
   両ブラケットに設けた軸受部材に支持されるシーブピン
   と略等しい外径を有し且つ両端部が前記カバー側板に設
   けた仮軸受部材に着脱自在に支持された仮シーブピン
   と、該仮シーブピンに着脱自在に支承されたシーブとを
   備えてなることを特徴とするシーブ組付けユニット。