JPH022800Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はシールド式トンネル掘削機におけるセ
グメント組立用エレクタ装置に係るものである。

（従来の技術） 矩形等の断面形のシールド式トンネル掘削機に
おけるセグメント組立用エレクタ装置として、セ
グメント掴み装置を旋回自在でラジアル方向に移
動自在であり、且つ円周方向並にスラスト方向に
も移動可能に配設し、同掴み装置に少なくとも２
組のセグメント吊り装置と少くとも２組の伸縮自
在のセグメントサポートとを取付けたエレクタ装
置が実開昭57−105399号公報に提案されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら前記エレクタ装置においては、す
べての動作が行なわれる装置で高価であり、旋回
構造体をもとに他の動作用装置が附設されている
ため、一辺が長い矩形断面、或いは楕円形断面の
シールド本体においては限度があり、実用に適し
ない場合がある。

（問題点を解決するための手段） 本考案はこのような問題点を解決するために提
案されたものであつて、シールド本体内に左右及
び前後方向にスライド可能で且つ俯仰自在なセグ
メント吊込み用ウインチ装置と、上下及び左右方
向にスライド可能なセグメント受枠を配設してな
ることを特徴とするシールド式トンネル掘削機の
エレクタ装置に係るものである。

（作用） 本考案は前記したように構成されているので、
シールド本体内に配設された前記セグメント吊込
み用ウインチ装置を所定位置に移動してセグメン
トを吊上げ、同ウインチ装置を左右、前後方向に
移動し、俯仰せしめ、セグメントを吊下ろして、
シールド本体内に配設された前記セグメント受枠
に載架支持せしめ、同セグメント受枠を上下、左
右にスライドして同受枠に支持されたセグメント
を所定位置に移動して組付けたのち、セグメント
受枠になる次のセグメントの組込みを行なうもの
である。

（考案の効果） 本考案においては前記したようにエレクタ旋回
装置が設けられることなく、セグメント組付用の
主体を構成する前記セグメント受枠が上下方向及
び左右方向にスライドして、前記セグメント吊込
用ウインチ装置によつて吊下ろされたセグメント
を組付けるようにしたので、幅方向または上下方
向の一方のみが長尺の矩形断面や楕円形断面等の
シールドに対するセグメントの組付が可能になる
ものである。

また本考案においてはエレクタ主体を構成する
セグメント受枠の他に、左右及び前後方向にスラ
イド可能で、且つ俯仰自在なセグメント吊込み用
ウインチ装置が配設され、同ウインチ装置によつ
てセグメント受枠にセグメントを吊下ろして取付
けることができるようにしたので、従来より必ら
ず必要とされた旋回装置が不要となり、構成が簡
略化されるものである。

（実施例） 以下本考案を図示の実施例について説明する。

１はシールド本体、２はシールドジヤツキ、３
は横梁で、同横梁３に後述のセグメント受枠が装
架されている。

４は横梁３に片持状に固定された固定ガイド
で、その内腔部に昇降部材５が上下動自在に嵌挿
され、同昇降部材５と固定ガイド４との間に１本
または複数本の昇降用ジヤツキ６が連結されてい
る。前記昇降部材５の上端に配設された上下内腔
部に左側スライド内筒７及び右側スライド内筒８
が夫々緊密に、しかも可摺動的に嵌装され、前記
各内筒７，８には左右スライドジヤツキ９，１０
が夫々取付けられている。更に前記各スライド内
筒７，８の先端に夫々セグメント受枠１１，１２
が固定されている。

なお図示の実施例では、前記内筒７，８、先端
にセグメント受枠１１，１２を具えた左右のスラ
イドジヤツキ９，１０は昇降部材５の上端にのみ
配設されているが、同部材５の下端に取付けても
よい。

また前記横梁３上に固定された取付台１３上に
垂直の固定柱１４が立設され、同固定柱１４にウ
インチ回転柱１５が回転自在に嵌装され、同回転
柱１５にスライドウインチ外筒１６がピン１７を
介して枢着され、同外筒１６とシールド本体１及
びウインチ回転柱１５との間に夫々旋回用ジヤツ
キ１８及び俯仰用ジヤツキ１９が介装され、同各
ジヤツキ１８，１９の伸縮作動によつて前記外筒
１６が旋回並に俯仰するように構成されている。

なお前記外筒１６を俯仰させる必要のない場合
には俯仰用ジヤツキ１９の代りに固定連結棒を使
用してもよい。

前記ウインチ外筒１６にはスライドウインチ内
筒２０が可摺動的に嵌装され、同内筒２０と前記
外筒１６との間にスライドジヤツキ２１が介装さ
れ、同ジヤツキ２１の伸縮によつて前記内筒２０
が伸縮するようになつている。

前記外筒１６には回転式ウインチ２２及び回転
ドラム２３が装着され、同ドラム２３に捲装され
たワイヤ２４が、前記内筒２０の先端金物２５に
装架された案内滑車２６，２７を経由して、先端
にセグメント吊上治具２８が連結されている。

なお前記部材１３乃至２８が前記セグメント吊
込み用ウインチ装置を構成するものである。

図示の実施例は前記したように構成されている
ので、前記ジヤツキ２１を伸長してスライドウイ
ンチ内筒２０の先端金物２５を第１図のａに示す
位置まで移動させ、セグメント吊上治具２８を下
降しこれにセグメントＡを取付けてウインチ２２
で巻上げ、更に左右、旋回、後退、俯仰せしめ、
ワイヤ２４を巻下ろしてセグメントＡを前記セグ
メント受枠１１，１２上に載架してボルト等で固
定するとともに、セグメント吊上治具２８をセグ
メントＡより外し、前記昇降部材５が昇降しても
セグメント吊上治具２８に接触しない位置にスラ
イドウインチ吊込み装置をセツトする。

前記セグメント受枠１１，１２にセツトされた
セグメントＡは昇降部材５を上下し、また前記内
筒７，８を左右にスライドすることによつて所定
の位置に移動され、前のリングのセグメント及び
隣の分割されているセグメント等にボルト等で接
合されると、セグメントＡとセグメント受枠１１
または１２とを取外し、前記同様の操作を反覆し
て次のセグメントの組込みを行なう。

なお図示の実施例では、セグメント受枠１１，
１２が前後方向にスライドする装置が省略されて
いるが、前後方向スライド装置を設けることも可
能である。

このように図示の実施例によればエレクタ旋回
装置がなく、同エレクタ装置の主体を構成するセ
グメント受枠は上下、左右に移動するように構成
されているので、幅方向または上下方向の片方の
みが長尺の矩形断面のシールドや、楕円形断面の
シールドにセグメントを効率よく取付けることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシールド式トンネル掘削
機のエレクタ装置の一実施例を示す縦断側面図、
第２図は第１図の矢視図である。 １……シールド本体、４……固定ガイド、５…
…昇降部材、６……昇降用ジヤツキ、７……左側
スライド内筒、８……右側スライド内筒、９，１
０……スライドジヤツキ、１１，１２……セグメ
ント受枠、１３……取付台、１４……固定柱、１
５……ウインチ回転柱、１６……スライドウイン
チ外筒、１８……旋回用ジヤツキ、１９……俯仰
用ジヤツキ、２０……スライドウインチ内筒、２
１……スライドジヤツキ、２２……回転式ウイン
チ、２３……回転ドラム、２４……ワイヤ、２５
……先端金物、２６，２７……案内滑車、２８…
…セグメント吊上治具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シールド本体内に左右及び前後方向にスライド
   可能で且つ俯仰自在なセグメント吊込み用ウイン
   チ装置と、上下及び左右方向にスライド可能なセ
   グメント受枠を配設してなることを特徴とするシ
   ールド式トンネル掘削機のエレクタ装置。