JP2567008Y2 - 局部洗浄装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、用便者の局部を界面活
性剤で洗浄する局部洗浄装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、此種の洗浄装置として、用便者の
局部へ向けて洗浄水（水道水）を吐出するものが知られ
ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記したような従来の
手段によれば、用便者の局部へ向けて洗浄水を勢いよく
吐出することで所望の洗浄力を得るもの、即ち洗浄水自
体が所望の洗浄力を持つのではないので、その洗浄力に
限界があった。本考案は、上述したような従来事情に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、用
便者の局部を洗浄するための所望な洗浄力を備えた洗浄
剤を吐出可能で、且つ洗浄剤の無駄な消費を防止できる
局部洗浄装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の局部洗浄装置は、用便者の局部へ向けて界
面活性剤を吐出する局部洗浄装置であって、前記界面活
性剤に空気を混入させる空気供給経路を備えたことを特
徴とする。

【０００５】

【作用】以上の構成によれば、界面活性剤は空気が混入
された泡状となって用便者の局部へ向けて吐出され、該
界面活性剤の洗浄力によって局部洗浄を行う。また界面
活性剤を泡状にして吐出することから、局部に当たって
飛び散ったり流れ落ちたりすることを防止すると共に、
少量の界面活性剤を効率的に使用することができる。

【０００６】

【実施例】以下、本考案吐出装置の一実施例を図面を参
照して説明する。図１において、Ａは液状界面活性剤の
泡状吐出手段、Ｂは便器を示し、便器Ｂのボール部Ｂ１
後部には洗浄ノズル２が出没自在に設けられている。泡
状吐出手段Ａは、液状界面活性剤（本実施例においては
局部洗浄用の洗浄液）ａ１と洗浄水（水又は湯）ａ２を
各別に収容するタンク１、液状界面活性剤供給経路３、
空気供給経路４、洗浄水供給経路５、加圧装置６、制御
部７、スイッチ部８を備えている。タンク１・加圧装置
６・制御部７などは便器Ｂの後部に取り付けたケーシン
グＢ２内に収容されている。

【０００７】タンク１は、その底壁から適宜高さまで立
ち上がる仕切り壁１１により、内部を液状界面活性剤の
収容室１２・洗浄水の収容室１３と、該両室１２・１３
に連通する加圧室１４とに区画してなる耐圧タンクで、
その上壁には前記収容室１２の直上に位置する開閉自在
な補給口１２ａを、底壁には前記各収容室１２・１３に
連通する取出し口１２ｂ・１３ｂを、夫々設ける。洗浄
水の収容室１３には、図示しないが、給水管に連絡する
給水口、該給水管を開閉するボールタップ、収容室１３
内の水（洗浄水）を適宜温度に加熱するためのヒーター
等が設けられる。また、タンク１上部には加圧室１４に
連通する圧縮空気の供給口１４ａと取出し口１４ｂを開
設する。前記供給口１４ａは空気配管１５を介して加圧
装置６に連絡する。加圧室１４内には不図示の圧力セン
サを設けてあり、該圧力センサは制御部７に電気的に連
絡している。前記圧力センサは周知のストレインゲージ
又は磁気抵抗素子を用いた圧力スイッチからなり、加圧
室１４内圧力の変化に伴う電気抵抗の変化を利用して加
圧室１４内圧力を電気信号として制御部７に発信する。

【０００８】洗浄ノズル２は、その先端部に、用便者の
局部へ向けて開口する界面活性剤噴出口２ａと洗浄水噴
出口２ｂを夫々開設する。また図２に示す如く、内部に
は、前記噴出口２ａに連絡する流路２ｃ・２ｄ、前記噴
出口２ｂに連絡する流路２ｅを、各別に設けると共に、
界面活性剤噴出口２ａ内には複数枚の網体９を装着し
て、液状界面活性剤ａ１と空気を攪拌する攪拌室１０を
形成する。

【０００９】上記流路２ｃは配管３´で取り出し口１２
ｂに、流路２ｄは配管４´で取り出し口１４ｂに、流路
２ｅは配管５´で取り出し口１３ｂに、夫々接続され、
これにより、収容室１２と噴出口２ａを連絡する液状界
面活性剤供給経路３、加圧室１４と噴出口２ａを連絡す
る空気供給経路４、収容室１３と噴出口２ｂを連絡する
洗浄水供給経路５が形成される。

【００１０】夫々の供給経路３〜５の中途部には、各々
電動弁ｂ１〜ｂ３が設けられる。各々の電動弁ｂ１〜ｂ
３は制御部７に電気的に連絡している。

【００１１】加圧装置６は、空気配管１５を介して加圧
室１４内に圧縮空気を送ることにより、各収容室１２・
１３内の液状界面活性剤ａ１・洗浄水ａ２と、加圧室１
４内の空気を洗浄ノズル２に圧送するもの、例えばコン
プレッサー，油圧（水圧）シリンダー，加圧ボンベ等
で、制御部７に電気的に連絡している。

【００１２】制御部７は上記圧力センサからの検出信号
を入力して、加圧室１４内が所定の圧力以下になったと
きに出力を発生し、所定圧力より高くなると出力を消滅
するように構成されるもので、加圧装置６は上記の出力
を受けると作動して加圧室１４内に圧縮空気を供給し、
加圧室１４内を所定圧に加圧する。尚、加圧装置６を加
圧ボンベで構成する場合は、空気配管１５の中途部に電
動弁を設け且つその電動弁の作動を制御部７により制御
して、前記の如くタンク１内を所定圧に加圧する。

【００１３】また、制御部７はスイッチ部８に電気的に
連絡していて、そのスイッチ部８のボタン８ａの操作で
対応する電動弁ｂ１とｂ２を、ボタン８ｂの操作で対応
する電動弁ｂ３を、夫々作動させるよう構成される。ス
イッチ部８は図示の如くケーシングｂ２上に設けるか、
若しくは便器Ｂに近接する壁面に設ける。

【００１４】以上の構成によれば、加圧装置６の作動を
制御部７により制御して加圧室１４内を常に所定圧に加
圧する。夫々の収容室１２・１３内の液状界面活性剤ａ
１・洗浄水ａ２と、加圧室１４内の空気はその加圧によ
り液状界面活性剤供給経路３・洗浄水供給経路５・空気
供給経路４へと格別に圧送される。この状態で、スイッ
チ部８のボタン８ａを操作すると、前記液状界面活性剤
ａ１は噴出口２ａへと圧送され、同時に空気供給経路４
を介して供給される圧縮空気と混合し、かつ攪拌室１０
内の網体９で攪拌される。よって、前記液状界面活性剤
ａ１は泡状態で噴出し、用便者の局部を洗浄する。

【００１５】このように液状界面活性剤を泡状にして吐
出させることは、タンク１内圧による液状界面活性剤の
吐出勢いが強すぎて用便者の局部に当って飛び散った
り、流れ落ちたりすることを防止するだけでなく、少量
の液状界面活性剤を効率的に使用することができ液状界
面活性剤の節約にも有効である。

【００１６】また、ボタン８ｂを操作すると、前記洗浄
水ａ２が噴出口２ｂから噴出し、用便者の局部に付着し
た泡状の界面活性剤を洗い落とす。

【００１７】尚、本考案において、洗浄水ａ２の噴出は
必ずしも行う必要はなく、即ち洗浄水用の収容室１３・
供給経路５・噴出口２ｂ等を設けずに、泡状の界面活性
剤のみを吐出するようにしても構わない。また、その場
合、用便者の局部に付着した泡状の界面活性剤をトイレ
ットペーパーで拭き落とすことは、言うまでもない。。

【００１８】また、上記の実施例において、配管３´，
４´，５´の中途部に流量調整弁などを設けるか、若し
くは加圧装置６の出力を調整可能とし、これにより液状
界面活性剤ａ１・洗浄水ａ２・空気の供給量を任意に調
整できるようにして、泡状吐出される界面活性剤の形状
（きめの細かさ），洗浄水ａ２の噴出圧等を使用者の好
みに応じて調整可能とすることもできる。

【００１９】さらに、上述した以外の所望の機能、例え
ば、タンク１内の液状界面活性剤ａ１の残量を表示する
機能、液状界面活性剤ａ１の補給時に収容室１２内から
のオーバーフローを防止するための警告機能、タンク１
・洗浄ノズル２・配管３´〜５´等の破損により液状界
面活性剤・洗浄水や空気の漏れがあった場合に異常を表
示する機能等を付加することは勿論任意である。

【００２０】

【考案の効果】本考案の局部洗浄装置は以上説明したよ
うに構成したので、用便者の局部を洗浄するための所望
な洗浄力を備えた洗浄剤、即ち界面活性剤を吐出するこ
とで前記局部の洗浄力を向上できる。しかも液状界面活
性剤を適宜補給すれば、一般家庭内或いはオフィスなど
のトイレ内に永続的な使用を目的として設置できる。さ
らに、界面活性剤を泡状に吐出するようにしたので、界
面活性剤が局部に当たって飛び散ったり流れ落ちたりす
ることを防止すると共に、界面活性剤を効率的に使用す
るようにして、界面活性剤の消費量を節約し得る等の効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案局部洗浄装置の一実施例を示す模式
図。

【図２】 図１における洗浄ノズル先端の拡大断面図。

【図３】 図１の斜視図。

【符号の説明】

Ａ：液状界面活性剤の泡状吐出手段 Ｂ：便器 １：タンク ２：洗浄ノズル ２ａ：界面活性剤噴出口 ２ｂ：洗浄水噴出
口 ３：液状界面活性剤供給経路 ４：空気供給経
路 ５：洗浄水供給経路 ６：加圧装置 ７：制御部 ８：スイッチ部 ９：網体 １０：攪拌室

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】用便者の局部へ向けて界面活性剤を吐出す
   る局部洗浄装置であって、前記界面活性剤に空気を混入
   させる空気供給経路を備えたことを特徴とする局部洗浄
   装置。