JP2566904Y2 - 歯車の潤滑機構 - Google Patents

歯車の潤滑機構

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JP2566904Y2
JP2566904Y2 JP1991107709U JP10770991U JP2566904Y2 JP 2566904 Y2 JP2566904 Y2 JP 2566904Y2 JP 1991107709 U JP1991107709 U JP 1991107709U JP 10770991 U JP10770991 U JP 10770991U JP 2566904 Y2 JP2566904 Y2 JP 2566904Y2
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勉 羽場
徹 西田
雄二 金山
俊 山田
正史 森本
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Kawasaki Motors Ltd
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ロボットの関節部等の
揺動部をはじめ機械の歯車装置に設けられた歯車(歯車
対あるいは歯車機構)の噛合部分の潤滑機構に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、低速条件下で使用されるロボッ
トの関節部等の歯車の噛合部は、保守の簡便さに起因し
て、グリースによる潤滑が多用されている。ところが、
最近の高負荷化により、その噛合する歯車全体あるいは
噛合部分全体をケーシングで覆って、該ケーシング内に
グリースを充填し、そのグリースによって潤滑するよう
な改良が図られている(この種の先行技術として、実開
平3-73798 号がある)。
【0003】このような改良により、それぞれの歯車が
360度以上の回転を繰り返す場合には、上記噛合部はさ
ほど問題なくグリースにより潤滑される。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに噛合する歯車全体あるいは噛合部分全体をケーシン
グで覆ってその内にグリースを充填するよう構成する
と、ケーシングが不必要に嵩張るとともに、組立時に非
常に大量のグリースが必要となり、且つグリース補給時
やグリース交換時にも大量のグリースが必要になり、イ
ニシアルコストおよびランニングコストを増加させるこ
ととなっていた。
【0005】また、一方において、本考案者の研究によ
れば、グリースは液状の潤滑油と異なり流動性の劣る粘
塑性体であるため、ロボットの関節部のように、噛合す
る歯車の一方の歯車が2〜3度程度からせいぜい 180度
以下の範囲内で回動( 360度以内で正逆転する動作をい
う) する場合には、歯車の噛合部近傍に位置する一部の
グリースのみが(入れ替わることなく)歯車の回動に伴
って噛合部前後に移動して潤滑に寄与するのみで、上記
ケーシング内の大部分のグリースはほぼその位置から移
動せず潤滑には全く寄与していないことが判明した。即
ち、グリースの給油 (補充あるいは交換) の間隔を長く
するため、グリースを充填するケーシングの容積をいく
ら大きく形成しておいても、その容積の大きさには関係
なく、歯車噛合部近傍の極一部のグリースのみが潤滑に
寄与していることが判明した。
【0006】本考案は、上述のような課題と現象に着目
し、グリース消費量において無駄のない且つ簡単な構成
の歯車の潤滑機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本願第一の考案にかか
る歯車の潤滑機構は、対峙して噛合する歯車の噛合部を
潤滑する歯車の潤滑機構であって、上記噛合するいずれ
か一つの歯車を、該歯車の噛合部を除く周囲をケーシン
グで密閉状態に覆うとともに、該ケーシングの歯車噛合
部側の開口端を、噛合する相手の歯車の歯先円および側
面に略接触する程度に近接して位置せしめるとともに、
前記相手の歯車の側面に対向する前記開口端部分にシー
ル部材を配設したことを特徴とする。本願第二の考案に
かかる歯車の潤滑機構は、対峙して噛合する歯車の噛合
部を潤滑する歯車の潤滑機構であって、上記噛合するい
ずれか一つの歯車を、該歯車の噛合部を除く周囲をケー
シングで密閉状態に覆うとともに、該ケーシングの歯車
噛合部側の開口端を、噛合する相手の歯車の歯先円およ
び側面に略接触する程度に近接して位置せしめるととも
に、前記相手の歯車の側面に対向する前記開口端部分に
シール部材を配設し、且つ開口端部分に前記相手の歯車
の外周に沿う鍔部を形成したことを特徴とする。
【0008】
【作用】 しかして、本考案にかかる歯車の潤滑機構に
よれば、ケーシング内にグリースを一杯に充填しておけ
ば、初期状態ではケーシングからグリースが多少出てゆ
くが、相手の歯車(ケーシングで覆われていない側の歯
車)の各歯溝にグリースが付着した定常状態では、ケー
シングの開口端を噛合する相手の歯車の歯先円および側
面に略接触する程度に近接して位置せしめた構成によ
り、ケーシング内のグリースは無用に漏出することはな
い。即ち、ケーシングで覆われていない相手の歯車の回
動によって、上記相手の歯車の歯溝および上記開口端と
の隙間から出てゆくグリースと同じく入ってくるグリー
スが略バランスするため、またケーシング内のグリース
は、上記開口端の隙間からケーシングの密閉されている
側に作用する大気圧により、ケーシング内に留まろうと
するため、簡単な構成にかかわらず、所定期間にわたっ
て、歯車の噛合部を有効に潤滑することができる。言い
換えれば、上記隙間からグリースが漏出しようとして
も、ケーシング内が外気圧に対して負圧になるため、漏
出が防止される。しかも、開口端部分にシール部材が配
設されていることにより、きわめて高い漏出防止効果が
発揮される。また、上記構成に加えて、開口端部分に鍔
部が形成されているものにあっては、たとえグリースが
漏出しようとしても流路抵抗が大きいため、漏出防止効
果が向上する。
【0009】しかも、ケーシングの容積が従来の歯車対
全てを覆う形式のものに比べて非常に小さいため、組立
時および補充時もしくは交換時のグリースの量が少なく
なり、グリースの消費量が少なくなる。
【0010】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0011】図1は本考案の実施例にかかる歯車の潤滑
機構を関節部の一つに具備した多関節型のロボットの概
略構成を示す要部を切り欠いた全体側面図、図2は図1
のロボットの関節部に使用されている歯車の潤滑機構の
構成を示す部分拡大正面図、図3は同じく歯車の潤滑機
構の構成を示す図2のI−I矢視図である。
【0012】図1において、Aはロボットのロータトラ
ンク部、Bはロータトランク部Aに枢支された下部アー
ム、Cは上部アームである。この下部アームBは、三つ
のリンク部材B1,2,3 から構成され、この下部アー
ムBと上記上部アームCで四節リンク機構を構成してい
る。
【0013】そして、上部アームCは、上記下部アーム
Bのリンク部材B1 の軸O1 を中心とする揺動(矢印X
参照)により平行移動動作をし、また上記下部アームB
のリンク部材B2 が軸O1 を中心とする揺動により、O
2 を中心とする揺動(矢印Y参照)をすることが可能と
なっている。
【0014】そして、低速状態で高負荷(重荷重)の作
用する、上記下部アームBのリンク部材B1 とロータト
ランク部Aの関節部分Fには、本考案にかかる歯車の潤
滑機構が配設されている。即ち、この関節部分Fでは、
リンク部材B1 に歯車1が固着されるとともに、上記ロ
ータトランク部A側には、上記歯車1に噛合する歯車2
が取着されている。そして、上記歯車2は、ロータトラ
ンク部Aに取着された図示しない駆動モータの駆動軸に
取着され、駆動モータにより回転可能に構成されてい
る。
【0015】従って、この構成においては、駆動モータ
が回転すると、歯車2が歯車1を回動させ、下部アーム
Bのリンク部材B1 をロータトランク部A側に対して揺
動させることとなる。
【0016】そして、図2に図示するように、上記歯車
1に噛合する歯車2の周囲は、ケーシング4で覆われ、
このケーシング4は歯車1との噛合部5側を除いて歯車
2の周囲を密閉状に覆っている。そして、ケーシング4
の歯車1との噛合部5側の開口端4aは、図2に図示する
ように歯車1の歯先円1aに略接触する程度に近接して位
置するよう設けられるとともに、又、図3に図示するよ
うに歯車1の側面1bに接触する程度に近接して設けられ
る。そして、さらに、歯車1の側面1bとケーシング4の
開口端4aとの間には、ケーシング4の密閉程度を向上さ
せるためのシール部材7が介装されている。
【0017】また、ケーシング4の上面には、グリース
Gを充填するための周知の構造の給油用のグリースニッ
プル6が取着されている。
【0018】しかして、このように構成された歯車の潤
滑機構は以下のように動作して円滑に潤滑する。即ち、
歯車2が駆動モータにより回転し、歯車1が歯車2に噛
合して所定角度(例えば、60度) 回動すると、最初の回
動では、歯車1の歯溝にグリースGが付着するためケー
シング4内のグリースGは多少減少するが、回動範囲の
歯車1の各歯溝全てにグリースGが付着した後は、回動
によりケーシング4の開口端4aから出てゆくグリースG
の量と、続く反対方向の回動によりケーシング4内に戻
ってくるグリースGの量が略バランスする。
【0019】また、ケーシング4は、多少の隙間のある
開口端4aを除いて周囲が密閉状に構成されているため、
開口端4aから作用する大気圧により、ケーシング4内の
グリースGは該ケーシング内に留まろうとする。
【0020】このため、小さいケーシング4内の少ない
量のグリースGでもって、従来の大きなケーシングを具
備する潤滑機構と略同じ期間にわたって、歯車1,2の
噛合部5を有効に潤滑することができる。
【0021】しかも、ケーシングの容積が従来のものに
比べて非常に小さいため、組立時および補充時もしくは
交換時のグリースの量が少なくなり、グリースの消費量
が少なくなる。
【0022】また、ケーシング4内では、歯車2は通常
360度以上あるいはこれに近い角度の回転をおこなうた
め、グリースGは循環し、ケーシング内の略全てのグリ
ースは歯車1,2の噛合部の潤滑に寄与することとな
る。
【0023】ところで、上記実施例において、図2の二
点鎖線に示すように、ケーシング4の開口端4aに歯車1
の外周にそった鍔部4a′を設けると、さらにケーシング
4内のグリースGの無用な漏出が防止できる。
【0024】また、上記実施例では、噛合する歯車の小
さい方の歯車(歯車2)をケーシングで覆っているが、
これに代えて、大きい方の歯車(歯車1)をケーシング
で覆っても同様の効果を得ることができることは言うま
でもない。
【0025】また、上記実施例は噛合する歯車が上下に
対峙していたが、図4に図示するように噛合する歯車が
左右に対峙していてもよい。かかる場合には、図4に図
示するように、歯車2の上側面2bとケーシング4との隙
間が、下側面2b′とケーシング4との隙間より小さくな
るよう形成して歯車2の下方の隙間の圧力が上方の圧力
より低くなるようするとともに、ケーシング4を歯車2
の噛合部5と反対側で上方に延設して密閉状のグリース
溜め8を形成し、噛合する歯車が上下に対峙して配置す
る場合に比べて粘性の高いグリースを使用することが望
ましい。
【0026】
【考案の効果】本考案にかかる歯車の潤滑機構によれ
ば、従来に比べて飛躍的に少ない量のグリースでもっ
て、有効に歯車の噛合部を潤滑させることができる。
【0027】従って、組立時,補給時あるいは交換時に
も必要最小限のグリースを消費するだけとなる。この結
果、潤滑油のイニシアルコストおよびランニングコスト
を低減させることができる。
【0028】また、ケーシングの構造が簡単になり、上
記効果とあいまって潤滑機構を従来に比べて安価に提供
できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の実施例にかかる歯車の潤滑機構を関
節部の一つに具備した多関節型のロボットの概略構成を
示す要部を切り欠いた全体側面図である。
【図2】 図1のロボットの関節部に使用されている歯
車の潤滑機構の構成を示す部分拡大正面図である。
【図3】 図2と同じく歯車の潤滑機構の構成を示す図
2のI−I矢視図である。
【図4】 別の実施例にかかる歯車の潤滑機構の構成を
示す部分拡大側面図である。
【符号の説明】 1…歯車(相手の歯車) 1a…歯先円 1b…側面 2…歯車 4…ケーシング 4a…開口端 5…噛合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 山田 俊 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)考案者 森本 正史 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (56)参考文献 特開 平3−56052(JP,A) 特開 昭51−87656(JP,A) 実開 昭54−1782(JP,U) 実開 昭52−8784(JP,U)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対峙して噛合する歯車の噛合部を潤滑す
    る歯車の潤滑機構であって、 上記噛合するいずれか一つの歯車を、該歯車の噛合部を
    除く周囲をケーシングで密閉状態に覆うとともに、該ケ
    ーシングの歯車噛合部側の開口端を、噛合する相手の歯
    車の歯先円および側面に略接触する程度に近接して位置
    せしめるとともに、前記相手の歯車の側面に対向する前
    記開口端部分にシール部材を配設したことを特徴とする
    歯車の潤滑機構。
  2. 【請求項2】 対峙して噛合する歯車の噛合部を潤滑す
    る歯車の潤滑機構であって、 上記噛合するいずれか一つの歯車を、該歯車の噛合部を
    除く周囲をケーシングで密閉状態に覆うとともに、該ケ
    ーシングの歯車噛合部側の開口端を、噛合する相手の歯
    車の歯先円および側面に略接触する程度に近接して位置
    せしめるとともに、前記相手の歯車の側面に対向する前
    記開口端部分にシール部材を配設し、且つ開口端部分に
    前記相手の歯車の外周に沿う鍔部を形成したことを特徴
    とする歯車の潤滑機構。
JP1991107709U 1991-12-27 1991-12-27 歯車の潤滑機構 Expired - Lifetime JP2566904Y2 (ja)

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JPH0554858U JPH0554858U (ja) 1993-07-23
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5187656A (ja) * 1975-01-23 1976-07-31 Caterpillar Tractor Co Hagurumakudokiko
JPS528784U (ja) * 1975-07-08 1977-01-21
JPS541782U (ja) * 1977-06-08 1979-01-08
JPH0356052A (ja) * 1989-07-21 1991-03-11 Fuji Electric Co Ltd 歯車装置の軸封装置

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