JP2566608B2 - タイルの貼着方法およびタイル貼着装置 - Google Patents

タイルの貼着方法およびタイル貼着装置

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JP2566608B2 JP63066419A JP6641988A JP2566608B2 JP 2566608 B2 JP2566608 B2 JP 2566608B2 JP 63066419 A JP63066419 A JP 63066419A JP 6641988 A JP6641988 A JP 6641988A JP 2566608 B2 JP2566608 B2 JP 2566608B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、床や壁等をタイル仕上げする場合やタイル
で化粧仕上げされたプレキャスト版を作製する場合など
におけるタイルの貼着方法、および、その方法に用いる
タイル貼着装置に関する。さらに詳しくは、コンクリー
トや下地モルタル等の下地またはタイルに接着材を塗布
する塗布工程と、タイルを下地にそれらの間に前記塗布
工程で塗布された接着材を介在させた状態で押し付けて
固定す押付工程とからなるタイルの貼着方法、および、
タイルに止め付けられてそのタイルを気密状態に覆うカ
バー体と、そのカバー体の内部を脱気するための脱気装
置とを備えたタイル貼着装置に関する。
なお、本明細書において、「タイル」なる語を、一般
的にタイルと呼ばれる陶磁器質タイルのほか、テラコッ
タや板石等の、小片状の内外装仕上材を総称する語とし
て定義する。
〔従来の技術〕
上述したタイルの貼着方法として、建物の建設現場に
おける貼着方法を例にとると、従来、大別して裏面に接
着材としての貼付モルタルを塗布したタイルを下地に押
し付けて固定するダンゴ貼りと呼ばれる方法と、下地に
一面に塗布された接着材としての貼付モルタルにタイル
を押し付けて固定する圧着貼りと呼ばれる方法との2つ
の方法が知られているが、それらの方法では、タイルを
固定する際の押付力で接着材中の気泡の除去を行うもの
であったから、その押付力や押付具合が場所毎或いは作
業者毎で異なることで接着材中に気泡が残ることがあ
り、その結果、接着材の所期の接着性能が充分発揮され
ずにタイルの剥落事故を招来する虞がある。そこで、四
周に覆板を固着した剛性板体を内装した剛体からなるカ
バー体としての気密ケーシングと脱気装置とを備えたタ
イル貼着装置を用い、例えば、作業者がこのタイル貼着
装置の気密ケーシングを手で持って、その気密ケーシン
グによってタイルを覆った状態で、前記脱気装置により
この気密ケーシング内を脱気することにより、前記剛性
板体を介してタイルに大気圧を作用させて接着材中の気
泡を除去しつつタイルを下地側に押し付けて固定する方
法が提案されている(例えば、特公昭63-5536号公報お
よび特公昭63-5537号公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上述した従来のタイル貼着装置を用いた従来
の貼着方法による場合には、次のような問題があった。
まず、大気圧を押付力としてタイルに作用させるため
の押付部材が剛性板体であり、しかも、その剛性板体を
保持するとともにタイルを気密状態に覆うカバー体とし
ての気密ケーシングが剛体であるから、装置が嵩高くて
重量のあるものとなる。その結果、施工時のタイル貼着
装置の取扱いが不便であり、施工現場に対する搬出入も
不便であった。特に、壁タイルの施工にあたっては、タ
イルに直接作用する部分が重量のあるものであるから、
気密ケーシング内を脱気するまでの未だ大気圧が押付力
として作用していない間、作業者が気密ケーシングを手
で持って所望位置に保持するようにした場合、気密ケー
シングが自身の重量で下方に移動して位置ズレを生じた
り、さらにはそれに伴ってタイルを所定位置から移動さ
せてしまう事態が生じる虞もある。一方、取扱面での上
述した不都合を少なくしようとすると、気密ケーシング
が被覆可能な面積を小さくせざるを得ず、1回の操作で
固定することのできるタイルの面積が小さくなり、その
結果、タイルの貼着作業を効率よく進めることがむつか
しくなる。
また、タイルに押し当てられる剛性板体や気密ケーシ
ングが剛体であって予め所定の形状に成形されたもので
あるから、建物の外壁等において出隅や窓台等の部分の
タイルを貼り付けるためにはその外壁の平面的な部分に
対する気密ケーシングとは別にその部分専用の気密ケー
シングを用意しなければならず、さらには、壁を曲面に
形成する場合にあっては異なる曲率毎にその曲率を見合
う異なる形状の気密ケーシングを用意するとともに施工
時に一々それら各種の気密ケーシングの中から最適なも
のを選択する必要があって、従来のタイル貼着装置を用
いた方法を複雑な曲面から構成される壁面をタイル仕上
げとする場合に適用することは、実際上、コスト面なら
びに施工面の何れにおいてもむつかしかった。
さらに、タイルに押し当てられる押付部材が剛性板体
であるから、たとえこの剛性板体のタイル側面となる面
に弾性体を付設したとしても表面をこぶ出し仕上げにし
た板石材のように表面に大きな凹凸があるタイルを貼り
付ける場合や、厚さの異なるタイルを用いて大きな凹凸
のある壁面を形成する場合には、気密ケーシング内を確
実に気密状態にすることがむつかしくなったり、大気圧
を全てのタイルに同じように押付力として作用させるこ
とがむつかしくなったりする。
本発明の目的は、上記実情に鑑み、取扱いが容易で、
しかも、適用対象となるタイル面の形状や凹凸等に拘ら
ず接着材からの確実な気泡の除去とタイルの確実な押付
け固定とが行えるタイルの貼着方法およびタイル貼着装
置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によるタイルの貼着方法の特徴は、タイルを下
地にそれらの間に塗布工程で下地またはタイルに塗布さ
れた接着材を介在させた状態で押し付けて固定する押付
工程において、前記下地に接着材を介して接着させたタ
イルを、そのタイルの表面よりも大なる大きさの可撓性
で気密性のシートで覆うとともに、そのシートのタイル
よりも外方にはみ出る外周部分が下地または隣接する貼
着隅タイルの表面に重なる状態にそのシートを保持し、
その後、シート内を脱気することにより大気圧でシート
をタイルの表面に押し付けてタイルを下地側に押圧し、
その押圧後、シートを取り外すことにある。
また、本発明によるタイル貼着装置の特徴構成は、タ
イルに止め付けられてそのタイルを気密状態に覆うカバ
ー体を、可撓性で気密性のシートから構成したことにあ
る。
〔作用〕
つまり、下地に貼付モルタル等の接着材を介して接着
させたタイルをそのタイルの表面よりも大なる大きさの
可撓性で気密性のシートで覆うとともに、そのシートの
タイルよりも外方にはみ出る外周部分を下地または隣接
する貼着済タイルの裏面に重なるように保持した状態
で、そのシート内を脱気するのに伴って、そのシート内
の圧力が次第に低下し、減圧されたシート内部の圧力と
大気圧との差圧によってシートがタイル面に押し付けら
れるとともに、そのシートの外周部分が下地または隣接
する貼着済タイルの表面に押し付けられることでそのシ
ート内を気密状態に維持でき、その状態で大気圧がタイ
ルを下地側に押し付ける大きな押付力として作用する。
従って、タイルを介して下地との間に位置する接着材に
押圧力が加えられた状態で引き続いて気密状態にあるシ
ート内からの脱気が行われることによって、接着材中に
存在する気泡や余剰水、或いは下地やタイルと接着材と
の間に存在する空気は、次第に外部に押し出されてシー
ト内部の空気とともに吸引除去されるとともに、前記押
付力によって、接着材が強固に締め固められる。
そして、大気圧を押圧力としてタイルに作用させるた
めの押付部材が可撓性で気密性のシートであって、しか
も、そのタイルを気密状態に覆うカバー体を兼ねるもの
であり、シートの有する可撓性によって、シート内の脱
気に伴ってその外周部分が大気圧によって下地或いは隣
接する貼着剤タイルの表面に押し付けられることでシー
トの内部が自と気密状態に維持されるようになるから、
剛体を用いていた従来にあってカバー体内部を気密状態
に維持するために必要であったカバー体の四周に付設の
覆板をなくすことができ、押付部材をカバー体に兼用さ
せることに加えて、上述のように余分な部材を設けなく
てもよいことと、さらにはカバー体自体を軽くできるこ
ととが相俟って、装置全体の軽量化を図ることができ
る。従って、例えば、壁タイルの施工にあたってそのシ
ート内を脱気するまでの未だ大気圧が押付力として作用
していない間そのシートを所望位置に保持することを、
例えば粘着テープでシートの外周部分を隣接する貼着剤
タイル等に貼り付けたり、作業者がシートの一部を軽く
押さえたりするだけの簡単な作業で行うことができる。
また、シートの有する可撓性によって、シートが面積
の大きいものであっても、施工現場に対する搬入搬出に
際しては、そのシートを折り畳むことによって嵩を小さ
くできる。
さらに、タイルを気密状態に覆うカバー体および大気
圧を押圧力としてタイルに作用させる押付部材としての
シートが有する可撓性によって、このカバー体を施工現
場において任意の形状に沿ったものに変形できるから、
建物の外壁等において、出隅や窓台等のように平面的な
拡がりのある部分とは異なる形状の部分のタイルを貼着
する場合や複雑な曲面から構成される壁面等をタイル仕
上げとする場合であっても、全ての部分について単一の
シートを用いて同じ方法で施工することができ、しか
も、カバー体の内部を確実に気密状態に維持することが
できるとともに、そのような場合に加えて、例えば厚さ
の異なるタイルを用いて大きな凹凸のある壁面を形成す
る場合であっても、大気圧を、全てのタイルに均等な押
付力として作用させることができる。
〔発明の効果〕
その結果、カバー体として可撓性で気密性のシートを
用いることでの装置の軽量化ならびにそのシートを折り
畳むことでのコンパクト化が可能になることによって、
施工時の作業性ならびに施工現場に対する搬出入の作業
性の何れをも向上できるようになった。また、たとえシ
ートの面積が大にしてもその重量が大幅に増加すること
がなく、かつ、そのシートを折り畳むことのでのコンパ
クト化が可能であるから、施工時ならびに搬出入時の作
業性を大きく損なうことなく、シートの面積を大にして
1回の作業で貼着することのできるタイルの面積を飛躍
的に増加させることが可能になった。しかも、カバー体
が軽量であることで、特に壁タイルの施工時にそれを所
望位置に保持させるにあたってカバー体がその自重で下
方に移動したり、その移動に伴ってタイルを所定位置か
らズラしてしまったりする事態を少なくでき、タイルの
貼着作業を、装置の現場への搬出入をも含めて作業性よ
く、かつ、効率よく、しかも、トラブル少なく実施でき
るようになった。
一方、シートの可撓性によって、施工部分が拡がりを
もった面部分であるか特殊形状の部分であるかに拘ら
ず、また、施工されるタイル面が平面であるか曲面であ
るか、或は凹凸であるかないかに拘らず、常に、単一の
装置を用いて同じ方法で、カバー体の内部を確実に気密
状態に維持して接着材からの気泡等の確実な除去を可能
にしつつ大気圧を全てのタイルに確実に作用させて、タ
イルを強固に押付け固定することができ、全体として、
タイルの施工を高い信頼性と作業性とをもって行えるよ
うになった。
〔実施例〕
以下、図面に基づいて、本発明の実施例を説明する。
本発明によるタイルの貼着方法は、建物の内外装等に
おいて、壁や床等をタイル仕上げするためのものであ
り、本発明によるタイル貼着装置はその方法を実施する
場合に用いられる装置である。以下では、外壁をタイル
仕上げする場合を例にとって、まずタイル貼着装置を、
次にタイルの貼着方法を説明する。
本発明によるタイル貼着装置は、第1図(ハ)および
第2図に示すように、タイル(3)に止め付けられてそ
のタイルを気密状態に覆うカバー体(C)である可撓性
で気密性のビニールシート(4)と、そのビニールシー
ト(4)の内部を脱気するための脱気装置(S)とから
構成されている。
前記脱気装置(S)は、前記ビニールシート(4)の
内部にロート(5)を介して連通する可撓性のサクショ
ンホース(6)、そのサクションホース(6)に介装さ
れた水分離槽(7)、ならびに、サクションホース
(6)が接続された真空ポンプ(8)等から構成されて
おり、地上に設置されている。そして、脱気装置(S)
のサクションホース(6)はロート(5)に対して抜挿
自在に連結されている。
このタイル貼着装置を用いてタイル(3)を貼着する
にあたっては、第1図(ハ)および第2図に示すよう
に、ビニールシート(4)として貼着対象となるタイル
(3)の表面よりも大なる大きさのものを用意し、下地
であるコンクリート製の躯体壁(1)に接着材(A)で
ある貼付モルタル(2)を介して接着させた複数のタイ
ル(3)を、そのビニールシート(4)で覆うととも
に、そのビニールシート(4)のタイル(3)よりも外
方にはみ出る外周部分が隣接する貼着済タイル(3′)
および下地であるコンクリート製の躯体壁(1)に重な
る状態に、粘着テープ(9)によるビニールシート
(4)の外周部分の止め付けで保持し、そのビニールシ
ート(4)内を前記脱気装置(S)を用いて脱気するこ
とにより大気圧でビニールシート(4)をタイル(3)
の表面に押し付けてタイル(3)を躯体壁(1)側に押
圧することで行なう。
前記脱気装置(S)の真空ポンプ(8)を作動させて
ビニールシート(4)内を脱気することでビニールシー
ト(4)とタイル面との間が次第に減圧され、その内部
圧力と大気圧との差圧によってビニールシート(4)が
タイル(3)に押し付けられるとともにそのビニールシ
ート(4)の外周部分が躯体壁(1)および貼着済タイ
ル(3′)の表面に押し付けられることでそのビニール
シート(4)内が気密状態に維持される。その状態で引
き続いて脱気が行われることで、前記差圧が、ビニール
シート(4)を介してタイル面に作用し、各タイル
(3)が下地である躯体壁(1)側に強い力で押し付け
られるとともに、貼付モルタル(2)中の気泡や余剰水
が目地部分等の外部に面する部分から吸引除去される。
その結果、タイル(3)が貼付モルタル(2)中に強固
に押し込まれるとともに、貼付モルタル(2)が硬化し
た状態で内部の空隙が少なくなり、タイル(3)と貼付
モルタル(2)、および、貼付モルタル(2)と下地
(1)との接着面積が設計どおりの充分大なるものにな
り、タイル(3)を下地(1)に強固に固定することが
できる。
そして、タイル(3)を覆うカバー体(C)として、
また、大気圧をタイル(3)に作用させる押付部材とし
て、可撓性で気密性のビニールシート(4)を用いてい
るから、軽量であることと折畳みが可能なことで施工時
ならびに施工現場に対する搬入時の取扱いが容易であ
る。また、ビニールシート(4)の被覆可能な面積を大
きくしてもさほど取扱面での大きな支障が生じないか
ら、一度貼着できるタイルの面積を増やして作業効率を
向上できる。
さらにまた、ビニールシート(4)の有する可撓性に
よって、例えば第3図に示す建物の外壁の出隅部分や図
示はしないが窓台の部分といった特殊な形状の部分、或
は、第4図に示す曲面の壁や第5図に示す凹凸の多い壁
においても、同じビニールシート(4)を用いて全く同
じ手順で作業を進めることができ、しかも、ビニールシ
ート(4)内を確実に気密状態にしての接着材(A)か
らの気泡や余剰水の確実な除去、ならびに、大気圧を各
タイル(3)全ての確実に作用させての全てのタイル
(3)に対する躯体壁(1)側への確実な押付けを実現
できる。
次に、本発明によるタイルの貼着方法を工程順に説明
する。
[1] まず、第1図(イ)に示すように、タイル仕上
げの下地となるコンクリート製の躯体壁(1)に、接着
材(A)となる貼付モルタル(2)を層状に塗布する。
この工程が塗布工程である。なお、貼付モルタル(2)
は、骨材とセメントに添加剤を加えて現場調合したもの
である。図中上方のタイル(3′)は、既に施工完了し
た貼着剤タイルである。
[2] 次に、第1図(ロ)に示すように、その貼付モ
ルタル(2)の上に、複数のタイル(3)を位置させ、
剥落しない程度に下地側に押し付けて仮固定する。この
工程が押付工程である。
[3] 上記[2]の工程により所定範囲にわたって複
数のタイル(3)を仮固定した後、第1図(ハ)および
第2図に示すように、その所定範囲のタイル(3)を、
可撓性で気密性のシートであるビニールシート(4)に
よって、そのタイル(3)の周囲の下地であるコンクリ
ート面又は貼着剤タイル(3′)にまで及ぶ状態に覆っ
て粘着テープ(9)によりビニールシート(4)を止め
付け、そのビニールシート(4)内から、脱気装置
(S)によって脱気する。この工程が脱気工程である。
なお、脱気にあたっては、例えば図示のように、ロー
ト(5)の吸収側の口が目地部分に掛かるようにセット
する。
[4] その後、真空ポンプ(8)の作動を停止してビ
ニールシート(4)の内部を外気圧まで戻し、ビニール
シート(4)をタイル施工面から外す。
[5] 以後、上述の[1]〜[4]の工程を順次繰り
返すことにより、外壁面全体のタイルの施工が完了す
る。
〔別実施例〕
次に、本発明の別の実施例を列記する。
〈1〉 先の実施例では、塗布工程において下地である
躯体壁(1)に貼付モルタル(2)を塗布するいわゆる
圧着貼りと呼ばれる方法に本発明によるタイルの貼着方
法を適用した例を説明したが、それに替えて、各タイル
(3)の裏面に貼付モルタル(2)をダンゴ状に盛り付
け、そのタイル(3)を下地である躯体壁(1)に押し
付けるダンゴ貼りと呼ばれる方法や、ダンゴ状に貼付モ
ルタル(2)を盛り付けたタイル(3)を、下地である
躯体壁(1)に塗布した貼付モルタル(2)に押し付け
る改良ダンゴ貼りと呼ばれる方法に、本発明によるタイ
ルの貼着方法を適用してもよい。
〈2〉 先の実施例では、可撓性で気密性のシートであ
るビニールシート(4)の保持を、粘着テープ(9)を
用いた止め付けで行なう方法を説明したが、それに替え
て、例えば第6図(イ)および(ロ)に示すように、タ
イルを上方から貼り下ろす場合、粘着剤タイル(3)の
目地に、目地棒(10)を用いてビニールシート(4)の
上端部分を押し込んで止め付ける方法や、第7図(イ)
および(ロ)に示すように、タイルを上方に貼り上げる
場合、下地である躯体壁(1)と棧木(11)との間にビ
ニールシート(4)の上端部分を挟んだ状態でコンクリ
ート釘(12)を用いて棧木(11)ごと止め付ける方法を
採用してもよい。なお、第6図(イ)において(13)は
分散配置した錘、第7図(イ)において(14)は一連に
設けた錘であって、何れも、脱気を開始するまでの間ビ
ニールシート(4)のバタツキを防止するために設けて
ある。
〈3〉 可撓性で気密性のシート(4)としては、ビニ
ールシートに替えてポリエチレンシート等の各種のシー
ト(4)を用いることができ、その素材は不問である。
また、そのシート(4)の外周部分のみを他の部分より
も薄くしたりして可撓性の高いものとし、大地(1)粘
着済タイル(3′)へのなじみがよくなるように構成し
てもよい。
〈4〉 先の実施例では、脱気工程を押付工程の後に行
う方法を説明したが、それに加えて、同様の脱気工程を
押付工程の前にも行ってもよい。例えば、第8図に示す
ように、下地であるコンクリート製の躯体壁(1)に接
着材(A)である貼付モルタル(2)を塗布した後、そ
の貼付モルタル(2)に先の実施例と同一構成のビニー
ルシート(4)を覆せるとともに脱気装置(S)をセッ
トし、このビニールシート(4)内から脱気すること
で、貼付モルタル(2)の内部の気泡や余剰水を吸引除
去することができる。脱気工程を押付工程の前にも行う
場合、脱気の対象となる接着材(A)は、圧着貼りの場
合は第8図に示すように下地(1)に塗布されたものと
なり、ダンゴ貼りの場合は図示はしないがタイル(3)
に塗布されたものとなる。さらに、改良ダンゴ貼りの場
合、脱気対象の接着材(A)は下地(1)またはタイル
(3)に塗布されたものの何れか一方であってもよく或
いは両方であってもよい。
〈5〉 先の実施例では、現場施工における実施例を説
明したが、本発明によるタイルの貼着方法およびタイル
貼着装置は、プレキャスト版のように工場製作されるタ
イル仕上付建築部材の製作にも適用できる。その実施の
形態の一例を説明すると、第10図に示すように、カーテ
ンウォール成形用のベッド(9)に複数のタイル(3)
を敷き並べ、その上にコンクリート(10)を流し込み、
さらにその上に先の実施例と同様の構成のビニールシー
ト(4)を覆せるとともに脱気装置(S)をセットし、
このビニールシート(4)内から脱気することでコンク
リート(10)内の気泡および余剰水を吸引除去する。こ
の場合、従って、接着材(A)はコンクリートとなる。
なお、このようにして製作したプレキャスト板を下地で
あるコンクリート製の躯体壁(1)に貼付モルタル等の
接着材(A)を用いて固定する場合、先の実施例で説明
した方法により脱気工程を行ってもよい。すなわち、こ
の場合、複数のタイル(3)をパネル化したプレキャス
ト板も、本発明におけるタイル(3)の一例である。
〈6〉 タイル(3)の素材、形態は適宜変更自在で、
陶磁器タイル、引き金物を必要としない程度の小片の板
石、テラコッタ等をすべてタイル(3)と称する。ま
た、それらタイル(3)は単体であってもよく、或い
は、上述の〈3〉のように、複数個からパネル化された
ものであってもよい。さらに、脱気工程において、可撓
性で気密性のカバー体(C)としてのシート(4)で覆
われるタイル(3)の数は、単体の場合もパネル化した
ものの場合も、何れも不問である。
〈7〉 可撓性で気密性のシート(4)からなるカバー
体(C)および脱気装置(S)の具体的構成は適宜変更
自在である。例えば、可撓性で気密性のシート(4)か
らなるカバー(C)については、例えば、第9図(イ)
および(ロ)に示すように、ビニールシート(4)の内
側に、目地のピッチに合わせて硬質プラスチック製の突
起(4a)付細片(4A)を付設し、このビニールシート
(4)をタイル面に覆せた状態でその突起(4a)が目地
の交点に嵌まり込むようにセットすることで、脱気工程
において目地合わせも同時に行うことができるように構
成してもよい。
また、図示はしないが、脱気装置(S)を複数個の脱
気具の集合として構成し、それら複数個の脱気具を可撓
性で気密性のシートに分散して付設してもよい。
〈8〉 図示はしないが、先の実施例で説明した構成に
おいて、脱気装置(S)による脱気をタイル面から行う
ことに替えて、貼付モルタル(2)の側面の外部に面す
る部分から脱気したり、或いは、躯体壁(1)に細孔を
形成して下地である躯体壁(1)側から脱気したりして
もよい。
〈9〉 接着材(A)は、貼付モルタル(2)やコンク
リート(10)に替えて、合成ゴム系やエポキシ樹脂系の
有機質の接着剤であってもよい。
〈10〉 本発明は、壁を仕上げるタイル(3)のほか、
床や天井を仕上げるタイル(3)を施工する場合にも適
用することができる。
〈11〉 尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図
面の構造および方法に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は本発明に係るタイルの貼着方法お
よびタイル貼着装置の実施例を示し、第1図(イ)ない
し(ハ)は工程を示す断面図、第2図は第1図(ハ)に
おける正面図、第3図ないし第5図は何れも施工状態の
断面図である。第6図ないし第10図はそれぞれ別の実施
例を示し、第6図(イ)および第7図(イ)は第2図に
対応する正面図、第6図(ロ)は第6図(イ)における
VI-VI線断面図、第7図(ロ)は第7図(イ)におけるV
II-VII線断面図、第8図および第9図(イ)は断面図、
第9図(ロ)は第9図(イ)におけるIX-IX線矢視図、
第10図は断面図である。 (1)……下地、(3)……タイル、(4)……シー
ト、(A)……接着材、(C)……カバー体、(S)…
…脱気装置。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下地(1)またはタイル(3)に接着材
    (A)を塗布する塗布工程と、タイル(3)を下地
    (1)にそれらの間に前記塗布工程で塗布された接着材
    (A)を介在させた状態で押し付けて固定する押付工程
    とからなるタイルの貼着方法であって、前記押付工程に
    おいて、前記下地(1)に接着材(A)を介して接着さ
    せたタイル(3)を、そのタイル(3)の表面よりも大
    なる大きさの可撓性で気密性のシート(4)で覆うとと
    もに、そのシート(4)のタイル(3)よりも外方には
    み出る外周部分が下地(1)または隣接する貼着済タイ
    ル(3′)の表面に重なる状態にそのシート(4)を保
    持し、その後、シート(4)内を脱気することにより大
    気圧でシート(4)をタイル(3)の表面に押し付けて
    タイル(3)を下地(1)側に押圧し、その押圧後、シ
    ート(4)を取り外すタイルの貼着方法。
  2. 【請求項2】タイル(3)に止め付けられてそのタイル
    (3)を気密状態に覆うカバー体(C)と、そのカバー
    体(C)の内部を脱気するための脱気装置(S)とを備
    えたタイル貼着装置であって、前記カバー体(C)を、
    可撓性で気密性のシート(4)から構成してあるタイル
    貼着装置。
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