JP2566053Y2 - トイレ用薬液排出器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本案はトイレに設置される手洗い
兼用の水洗用タンク上ヘ載置するためのトイレ用薬液排
出器に係る。

【０００２】

【従来の技術】上記トイレ用薬液排出器として、例えば
実開昭61−206777号公報の考案が知られている。該考案
の薬液排出器は、上記タンク上面の蓋板上へ載置させ
る、排水孔付き底壁外周から周壁をテーパ状に上外方へ
拡開する受皿と、上記周壁の上部内面へ外周部下面を接
して載置させた薬液収納容器と、該容器の底壁中央部に
穿設した弁孔に弁棒を遊挿させ、かつ弁棒上端の弁体下
面を弁孔上面側周縁が形成する弁座に着座させて弁棒下
端に空気封入部を付設した吊下げ式のフロート部材とか
らなり、上記空気封入部を側面凸字形状としてその頂面
中心から上記弁棒を起立すると共にその空気封入部外周
上面から計量筒を起立し、かつその計量筒と空気封入部
中央の起立筒部分外面との間に上記容器の底壁から垂下
する外気吸入制限筒を該筒下端と空気封入部の外周上面
との間に間隙をおいて垂下するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記従来例の薬液排出
器は、水洗用タンク内水の排水によって手洗用水が上記
容器上面へ注水されると、該手洗水全体が容器周壁と受
皿周壁の上端との間を通って受皿内へ入り、するとフロ
ート部材が上昇して弁孔が開き、よって該弁孔を通って
流出した容器内薬液は計量筒内を満たした後、受皿内へ
入って上記水と混合し、排水孔からタンク内へ流入する
もので、又受皿内の水減少につれてフロート部材が下降
し、弁体が弁孔を閉塞するものである。

【０００４】しかし上記薬液排出器は、容器外径より受
皿外径を大としていたから、容器上面へ注出された手洗
用水全体が容器周壁外面に沿って受皿内へ入り、そのた
め受皿内へは大量の水が流入することで上記フロート部
材が揺れ易く、すると薬液の流出が不安定となると共
に、又その大量水の流入を可能とするため受皿が、従っ
て薬液排出器全体が大形化することとなる欠点があっ
た。

【０００５】本案は、受皿よりも該受皿上へ載置させる
薬液収納壜の外径を大とすることで手洗水の一部が受皿
内へ入るよう設けることで上記欠点を除去すると共に、
薬液収納壜の交換ないし分解状態での輸送およびその組
付けが容易であるよう設けたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】複数脚片２を下面に付設
した排水孔３付き底壁４の外周から、内面に複数のガイ
ド板５を縦設した周壁６を起立する受皿１と、頂壁外周
から垂下する、上記周壁６よりも大径の胴部８下端を下
内方へ弯曲して該弯曲部内周に付設した第１内向きフラ
ンジ９を、上記ガイド板５の内方部上面へ載置させる共
に、第１内向きフランジの内周縁から垂下する短筒部10
外面をガイド板５の上部内面へ係合させ、更に短筒部下
端に付設した第２内向きフランジ11内周から口頸部12を
垂下する薬液収納壜７と、上記口頸部内面へ嵌合させた
外筒部14下端の第１外向きフランジ15を口頸部下端面へ
係合させると共に、外筒上端に付設した第３内向きフラ
ンジ16内周から、上記第１外向きフランジ15下方まで内
筒17を垂下する支持筒13と、上記内筒17に遊挿させた上
面閉塞筒19上端の第２外向きフランジ20を、上記第３内
向きフランジ16上面へ水密に接し、かつ内筒17下方まで
垂下する上面閉塞筒下端の第３外向きフランジ21外周か
ら内筒17よりも大径の短筒22を内筒よりも高く起立し
て、該短筒上端から、上記第１外向きフランジ15下面へ
水密に当接可能な第４外向きフランジ23を突設し、第４
外向きフランジ外周から、上記ガイド板５内面へ摺動自
在に当接させて周壁24を垂下するフロート18とで形成し
た。

【０００７】

【作用】図１が示すように、水洗タンクの蓋板28上へ薬
液排出器を載置させた状態から上記タンク内の水を排出
すると、該タンク内への注出と同時にタンク上方の蛇口
30から手洗水が薬液収納壜７の頂壁上へ放水される。該
水はその壜の胴部８外面に沿って流下し、その多くはそ
のまゝ上記蓋板28上へ落下するが、上記壜胴部下端が下
内方へ弯曲してあるため、上記水の一部はその弯曲面に
沿って上記胴部よりも小径とした受皿１内へ入り、フロ
ート18を浮上させる。該浮上で、支持筒13の第３内向き
フランジ16と、フロートの上面閉塞筒19上端の第２外向
きフランジ20とが形成する弁が開き、かつ上面閉塞筒19
上部が壜７内へ入ることでの壜内高圧化で壜内薬液27
は、フロート18の上面閉塞筒19と支持筒13の内筒17との
間および該内筒とフロートの短筒22との間を通り、更に
第４外向きフランジ23および周壁24に沿って流下し、受
皿１内の水と混合する。更にフロートが上昇すると図２
が示すように上記第４外向きフランジ23が支持筒13の第
１外向きフランジ15下面へ圧接して上記薬液の流出は停
止する。受皿１内の混合水は排水孔３を通って、更にタ
ンク蓋板28の流入孔29を通ってタンク内へ入り、やがて
減少する。するとフロート18は下降し、上記第４外向き
フランジ23は第１外向きフランジ15から離れるが、この
とき上面閉塞筒19は下降して壜内を負圧化するため、フ
ロートが更に下降して内筒17下端よりも該内筒と短筒22
との間の水面が下降してその隙間から壜内へ外気が流入
するまで壜内薬液は流出せず、又該流出で上記水面が上
昇し、上記隙間を閉じると外気の壜内流入が停止し、よ
って上記薬液の流出も停止する。

【０００８】

【実施例】本案トイレ用薬液排出器は、受皿と薬液収納
壜と支持筒とフロートとからなる。

【０００９】受皿１は、複数脚片２をほゞ等間隔に円周
方向へ配設した排水孔３付き底壁４を有し、該底壁外周
から内面に複数のガイド板５を縦設した周壁６を起立し
ている。ガイド板５は周壁の高さと等しくする。

【００１０】薬液収納壜７は頂壁外周から垂下する、上
記受皿１の周壁６よりも大径の胴部８下端を下内方へ弯
曲して、該弯曲部内周に付設した第１内向きフランジ９
を、その弯曲部と周壁６上端との間に隙間を設けて上記
ガイド板５の内方部上面へ載置させ、又該第１内向きフ
ランジ９の内周縁から短筒部10を垂下して該短筒部外面
をガイド板５の上部内面へ係合させ、更に短筒部10下端
に付設した第２内向きフランジ11内周から、外面に螺条
を有する口頸部12を垂下する。

【００１１】支持筒13は、上記口頸部内面へ嵌合させた
外筒14下端の第１外向きフランジ15を口頸部12の下端面
へ係合させ、又外筒14上端に第３内向きフランジ16を有
し、該フランジ内周から上記第１外向きフランジ15より
も下方まで内筒17を垂下する。上記第３内向きフランジ
16は後述フロートの第２外向きフランジとで弁を形成す
るものであり、下内方へテーパ状に下降させるとよい。

【００１２】フロート18は、上記内筒17に遊挿させた上
面閉塞筒19上端に、内筒19よりも大径の第２外向きフラ
ンジ20を付設して、上記第３内向きフランジ16上面へ水
密に接するよう設けている。上面閉塞筒19は、内筒17よ
りも下方まで垂下し、該筒下端に第３外向きフランジ21
を有し、該フランジ外周から既述内筒17よりも大径の短
筒22を内筒下端よりも高く起立し、更に該短筒上端から
上記第１外向きフランジ15下面へ水密に当接可能な第４
外向きフランジ23を突設し、該第４外向きフランジ外周
から周壁24を垂下し、該周壁下端面を底板25で閉塞して
いる。該底板はなくともよい。周壁24はその外面をガイ
ド板５内面へ摺動自在に当接する。既述上面閉塞筒19下
部と第３外向きフランジ21と短筒22とは溝26を形成し、
該溝上部内に既述内筒17下部が位置するよう設ける。

【００１３】上記各部材は、受皿１と、薬液収納壜７
と、支持筒13付きのフロート18との三部材からなるもの
とし、薬液収納壜７は、口頸部を上方に位置させた正立
状態でその内部に薬液27を入れ、かつ口頸部にキャップ
を螺合させて密閉しておく。

【００１４】尚28は水洗用タンクの蓋板、29はその中央
部に穿設した、タンク内への流入孔、30は手洗用の蛇口
である。

【００１５】

【考案の効果】本案は既述構成とするもので、受皿１上
へ載置させる薬液収納壜７の胴部８を、受皿１の周壁６
よりも大径とし、かつその胴部下端を下内方へ弯曲して
該弯曲部内周に付設した第１内向きフランジ９を、受皿
周壁の内面に複数縦設したガイド板５の上部内面へ載置
させたから、上記壜の頂壁上へ落ちて胴部８外面に沿っ
て流下する手洗水の一部だけを、上記弯曲面に沿って受
皿１内へ静かに入れることが出来、よって従来のように
大量の水が急に受皿内へ入ることでフロートが揺動して
そのため壜内薬液が多量に流出することがなく、又上記
第１内向きフランジ９の内周から垂下する短筒10外面を
ガイド板５の上部内面へ係合させたから、上記手洗水が
壜頂壁に当る等の衝撃で、受皿１に対して壜７が移動す
るようなこともない。更にフロート18に組付けた支持筒
13を上記壜の口頸部に嵌合させてその壜を倒立させ、受
皿１上へ上記のように載置するだけで薬液排出器を容易
に組付け出来るから、それ等三部材組付けを消費者等が
行うようにすることで三部材分解状態での輸送を可能と
することが出来る便利がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案薬液排出器の断面図である。

【図２】フロート上昇状態で示す、図１排出器の断面図
である。

【図３】上記排出器の底面図である。

【符号の説明】

１ 受皿 ７ 薬液収納壜 13 支持筒 18 フロート

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数脚片２を下面に付設した排水孔３付
   き底壁４の外周から、内面に複数のガイド板５を縦設し
   た周壁６を起立する受皿１と、頂壁外周から垂下する、
   上記周壁６よりも大径の胴部８下端を下内方へ弯曲して
   該弯曲部内周に付設した第１内向きフランジ９を、上記
   ガイド板５の内方部上面へ載置させる共に、第１内向き
   フランジの内周縁から垂下する短筒部10外面をガイド板
   ５の上部内面へ係合させ、更に短筒部下端に付設した第
   ２内向きフランジ11内周から口頸部12を垂下する薬液収
   納壜７と、上記口頸部内面へ嵌合させた外筒部14下端の
   第１外向きフランジ15を口頸部下端面へ係合させると共
   に、外筒上端に付設した第３内向きフランジ16内周か
   ら、上記第１外向きフランジ15下方まで内筒17を垂下す
   る支持筒13と、上記内筒17に遊挿させた上面閉塞筒19上
   端の第２外向きフランジ20を、上記第３内向きフランジ
   16上面へ水密に接し、かつ内筒17下方まで垂下する上面
   閉塞筒下端の第３外向きフランジ21外周から内筒17より
   も大径の短筒22を内筒よりも高く起立して、該短筒上端
   から、上記第１外向きフランジ15下面へ水密に当接可能
   な第４外向きフランジ23を突設し、第４外向きフランジ
   外周から、上記ガイド板５内面へ摺動自在に当接させて
   周壁24を垂下するフロート18とで形成したことを特徴と
   するトイレ用薬液排出器。