JP2565944B2 - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

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【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、光走査装置に関する。
(従来技術) 光走査装置は、光束の走査により情報の書き込みや、
読み取りを行う装置として知られている。このような光
走査装置のうち、光源からの光束を線状に結像させ、そ
の線状の結像位置の近傍に反射面を有する回転多面鏡に
より、上記光束を等角速度的に偏向し、この偏向光束を
結像レンズ系により走査面上にスポット状に結像させて
走査面を光走査する方式の装置がある。
このような光走査装置で、画素密度を変えるときに
は、走査面上において主走査方向と副走査方向の両方向
に対し、走査スポット径を同じ割合で変化させる必要が
ある。このスポット径の変化の内、主走査方向の変化
は、これを走査スポットの1ドットの基準となる変調時
間間隔を変化させることで実現できる。しかし、副走査
方向の変化は変調時間の変化では実現できず、副走査方
向でのスポット径の変化は専らこれを光学的に行わなけ
ればならない。かかる光学的なスポット径変化を実現す
る方法としては、従来、特開昭60−249116号公報開示の
方法が知られている。この方法は、光源と回転多面鏡の
間に配備される、正負2枚のシリンドリカルレンズのレ
ンズ間隔とレンズ群配置位置をかえることにより副走査
方向のスポット径を変化させる方法であるが、シリンド
リカルレンズのズーミングのための取り付け精度が厳し
くなり、調整が困難になるという問題がある。
(目的) 本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであっ
て、その目的とするところは、簡易な構成で画素密度を
変換しうる新規な光走査装置の提供にある。
(構成) 以下、本発明を説明する。
本発明の光走査装置は、光源と、光源からの光束を線
状に結像させる第1の結像光学系と、この第1の結像光
学系による線状の結像位置の近傍に反射面を有し、上記
光束を等角速度的に偏向する回転多面鏡と、この回転多
面鏡による偏向光束を走査面上にスポット状に結像させ
る第2の結像光学系とを有する。
第1の結像光学系は、平面とシリンダー面とをレンズ
面とする、2以上の切換え可能なシリンドリカルレンズ
である。
第2の結像光学系は、副走査方向に関して、回転多面
鏡の反射位置と走査面とを略共役関係に結び付ける機能
を有する。
第1の結像光学系を構成する2以上のシリドリカルレ
ンズは互いに異なる所定の焦点距離を有し、使用位置が
互いに異なり、且つ使用態位においてはシリンダー面が
光源側になるように使用される。
これらシリンドリカルレンズの切換え使用により、走
査面上のスポット状の結像形状を変え得るようにした。
(実施例) 以下、図面を参照しながら具体的な実施例に即して説
明する。なお以下の説明に於いて、走査面上のスポット
状の結像を結像スポットと言う。
第1図は本発明の光走査装置の1実施例を要部のみ略
示している。。
第2図は、光学系を光路に沿って展開した状態を主走
査方向から見た状態を示している。
以下の説明に於いて、偏向面とは、回転多面鏡により
偏向する理想的な偏向光束の光軸が掃引する面として定
義され、副走査方向は、従って、この偏向面に対し直交
する。
さて、第1図に於いて、光源としての光源装置1は、
発光源もしくは発光源と集光装置とからなり、光源装置
1からの平行光束は、第1の結像光学系2のシリンダー
レンズ2aにより、回転多面鏡3の反射面4の近傍に偏向
面に平行な線像として結像する。
回転多面鏡3により反射された光束は、第2の結像光
学系50を構成するレンズ5,6により、走査面7上にスポ
ット状に結像され、回転多面鏡3の矢印方向へ等速回転
に従い、走査面7を等速に走査する。この走査による走
査方向が主走査方向である。
第2の結像光学系50は、所謂fθ機能を有する。偏向
面内で見ると結像光学系50は光源側の無限遠と走査面7
の位置とを共役関係に結び付けている。これに対し、偏
向面に直交する面内で見るとこのレンズ系50は回転多面
鏡3の反射位置と走査面7とを略共役関係に結び付けて
いる。即ち、第2の結像光学系50は副走査方向に関して
回転多面鏡3の反射位置と走査面とを略共役関係に結び
付けている。従って、回転多面鏡の反射面に面倒れを生
じても結像光学系50による、走査面7上の結像位置は、
副走査方向には殆ど移動しない。従って面倒れは補正さ
れる。
なお、第2の結像光学系は主走査方向に関しては合成
焦点距離fMを有し、副走査方向には結像横倍率βを有
する。
さて、第1図の装置において、第1の結像光学系2
は、前述のシリンドリカルレンズ2aとシリンドリカルレ
ンズ2bとにより構成される。これらシリンドリカルレン
ズ2a,2bはともに、一方のレンズ面が平面、他方のレン
ズ面がシリンダー面であり、選択的に切り替えて使用で
きるようになっている。すなわち、画素密度に応じて選
択されたシリンドリカルレンズは光源装置1と回転多面
鏡3との間の光路中に配備され、このとき使用されない
シリンドリカルレンズ(第1図ではシリンドリカルレン
ズ2b)は上記光路外に退避させられている。光路中に配
備された状態をシリンドリカルレンズの使用態位と称す
る。各シリンドリカルレンズはその使用態位に於いて、
その平面状のレンズ面が回転多面鏡3の側を向き、シリ
ンダー面が光源装置1の方を向くように態位を定められ
る。
さて、光源装置1から放射される平行光束は、主走査
方向においてW1M、副走査方向に於いてはW1Sのビーム半
径を持つものとする。特に光源装置の発光源が半導体レ
ーザーである場合には、その集光装置、例えばコリメー
トレンズのN.AによりW1M,W1Sの大きさが異なる。
このとき、第1の結像光学系は主走査方向に関しては
光ビームに影響を与えないから、走査面7上における結
像スポットの主走査方向の径2WMは、光ビームの波長を
λとして、 2WM=2λ・fM/(π・W1M) (1) で与えられる。
一方、副走査方向では、シリンドリカルレンズ2aを使
用態位にあるものとし、その焦点距離を、f2aとする
と、シリンドリカルレンズ2aによる一方向性の集束光束
の集束位置は反射面4の近傍であるから、その結像半径
をW4aとすると、 W4a=λ・f2a/(π・W1S) (2) で与えられる。
さらに、第2の結像光学系の横倍率βにより、走査
面7上における結像スポットの副走査方向の径2W2aは、 2W2a=2W4a・β となり、上記(2)より、 2W2a=2(λ・f2a)/(π・W1S) =2・λ・f2a/(π・W1S) =k・f2a (3) となる。ここでk=2λ/(π・W1S)である。
(3)式から明らかなように結像スポットの副走査方
向の径はシリンドリカルレンズの焦点距離に比例する。
従って、画素密度を変えるときは、第1図の第1の結像
光学系のシリンドリカルレンズ2aに変えて、シリンドリ
カルレンズ2bを使用態位としこれを反射位置から、その
焦点距離f2bの所へ配備すれば(第2図参照)、走査面
7上での結像スポットの副走査方向の径2W2bは、 2W2b=k・f2b (4) となる。
従って、 (W2a/W2a)=(f2a/f2b) (5) となり、走査面7上における結像スポットの副走査方向
の径は、第1の結像光学系50のシリンドリカルレンズの
焦点距離により定まってしまう。
第3図(A)にシリドリカルレンズ2aを用いたときの
結像スポットの状態を、また、同図(B)には、シリン
ドリカルレンズ2bを用いたときの結像スポットの状態を
示す。なお、結像スポット径の変動を小さくするため
に、シリンドリカルレンズ2a,2bの使用位置は、これら
による線像の結像位置が回転多面鏡3の反斜面4の近傍
となる様に定められる。
上記(5)式から明らかなように、例えば画素密度を
240dpiと300dpiとの2通りに切り替えるのであれば、シ
リンドリカルレンズ2aとして焦点距離f2aのものを240dp
i用に用いた場合、300dpi用のシリンドリカルレンズ2b
としては(4/5)・f2aの焦点距離を持ったものを用いれ
ば良い。
以下、第1図に示す構成の場合につき、第1及び第2
の結像光学系の具体例を挙げる。この具体例において、
fMは上述の通り第2の結像光学系の偏向面内における合
成焦点距離を表すが、この価は100に規格化される。ま
た、2θは最大偏向角、αは入射角(回転多面鏡へ入射
する光束の光軸と、第2の結像光学系の光軸とのなす
角)、Rは回転多面鏡の内接円半径、Fnoは第2の結像
光学系の偏向面内のF値、βは第2の結像光学系の副
走査方向の横倍率を示す。
第2の結像光学系に関して、iを1〜4としてRixは
回転多面鏡の側から数えてi番目のレンズ面の、偏向面
内の曲率半径、Riyはi番目のレンズ面の偏向面に直交
する面内の曲率半径、また、iを1〜3としてdiはi番
目のレンズ面間距離を、また、iを1〜2としてniはi
番目のレンズの、波長780nmの光に対する屈折率を示
す。
先ず、第2の結像光学系の具体的実施例を挙げる。
レンズ5は球面とシリンダー面よりなり、レンズ6は
シリンダー面とトーリック面よりなり、何れも単レンズ
である。
具体例(第2の結像光学系) fM=100,β=−3.72,2θ=65゜,α=60゜ R/fM=0.151,Fno=54.7,fS=22.135, i Rix Riy di ni 1 −107.774 −107.774 5.672 1.71221 2 ∞ 58.623 10.966 1.675 3 ∞ − 58.623 6.807 4 − 45.569 − 11.728 なお、fSはこの結像光学系の副走査方向の合成焦点距
離を示す。
次に、この結像光学系を第2の結像光学系として用い
る場合の第1の結像光学系の具体例を挙げる。
シリンドリカルレンズ2aに関し、i=5,6としてRixは
光源装置側から数えて順次のレンズ面の偏向面内の曲率
半径、Riyは同レンズ面の偏向面に直交する面内の曲率
半径、また、dはシリンドリカルレンズ2aの光軸上の厚
さを、またnは同レンズの、波長780nmの光に対する屈
折率を示す。また、シリンドリカルレンズ2bに関し、i
=7,8としてRixは光源装置側から数えて順次のレンズ面
の、偏向面内の曲率半径、Riyは同レンズ面の偏向面に
直交する面内の曲率半径、また、dはシリンドリカルレ
ンズ2bの光軸上の厚さを、またnは同レンズの、波長78
0nmの光に対する屈折率を示す。
(シリンドリカルレンズ2a) i Rix Riy d n 5 ∞ 14.425 3.027 1.51118 6 ∞ ∞ このときf2a=28.219である。
(シリンドリカルレンズ2b) i Rix Riy d n 7 ∞ 11.54 3.027 1.51118 8 ∞ ∞ このときf2b=22.575である。
(効果) 以上、本発明によれば、新規な光走査装置を提供でき
る。この光走査装置は、上記の如き構成となっているの
で、簡単な構成でありながら、光走査の画素密度を容易
且つ確実に変換する事ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の光走査装置の1実施例を示す図、第
2図及び第3図は、本発明を説明するための図である。 1……光源としての光源装置、2……第1の結像光学
系、3……回転多面鏡、4……反射面、50……第2の結
像光学系、7……走査面

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、光源からの光束を線状に結像させ
    る第1の結像光学系と、この第1の結像光学系による線
    状の結像位置の近傍に反射面を有し、上記光束を等角速
    度的に偏向する回転多面鏡と、この回転多面鏡による偏
    向光束を走査面上にスポット状に結像させる第2の結像
    光学系とを有し、 上記第1の結像光学系は、平面とシリンダー面とをレン
    ズ面とする、2以上の切換え可能なシリンドリカルレン
    ズであり、 上記第2の結像光学系は、副走査方向に関して、回転多
    面鏡の反射位置と走査面とを略共役関係に結び付ける機
    能を有し、 上記第1の結像光学系を構成する2以上のシリンドリカ
    ルレンズは互いに異なる所定の焦点距離を有し、使用位
    置が互いに異なり、且つ使用態位においてはシリンダー
    面が光源側になるように使用され、 これらシリンドリカルレンズの切換え使用により、走査
    面上のスポット状の結像形状を変え得るようにしたこと
    を特徴とする、光走査装置。
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