JPH1020235A - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

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JPH1020235A
JPH1020235A JP19010196A JP19010196A JPH1020235A JP H1020235 A JPH1020235 A JP H1020235A JP 19010196 A JP19010196 A JP 19010196A JP 19010196 A JP19010196 A JP 19010196A JP H1020235 A JPH1020235 A JP H1020235A
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JP
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light beam
scanning
reflecting surface
lens
scanning direction
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JP19010196A
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Tama Takada
球 高田
Nozomi Inoue
望 井上
高志 ▲はま▼
Takashi Hama
Yujiro Nomura
雄二郎 野村
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二度偏向型の光走査装置において、被走査面
上の走査線を直線として良好な画像を形成することがで
きる小型化した二度偏向型の光走査装置を提供する。 【解決手段】 光ビームを発生する光源1と、上記光源
からの光ビームを偏向させる少なくとも二面以上の反射
面を有する走査器3と、上記走査器の第1反射面4によ
り偏向された光ビームbを伝達光学系7,8,9,1
0,11により再度上記第1反射面とは異なる走査器の
第2反射面5に入射させ,偏向した光ビームを被走査面
14上にビームスポットを形成させて走査する光走査装
置において、上記走査器3の第1反射面4から反射され
偏向した光ビームbを伝達光学系を介して副走査方向に
おいて角度を有して第2反射面5に入射させ、この第2
反射面で反射され偏向した光ビームcを、走査光学系1
2,13を走査器の第2反射面5と被走査面14とが副
走査方向において幾何光学的にほぼ共役関係になるよう
に構成した光走査装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はレーザビームプリ
ンタ等に用いられる光走査装置に係り、特に偏向手段で
ある走査器で光ビームを二度偏向させ、被走査面上に結
像させて走査する光走査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザビームプリンタ等に用いら
れる光走査装置は、一般的に半導体レーザ等の光源から
射出した光ビームを整形光学系を経て偏向手段である回
転多面鏡などの走査器で1回だけ偏向させ、この偏向さ
れた光ビームをf・θレンズである結像レンズ系によっ
て被走査面上にビームスポットを形成して走査するよう
に構成している。このような走査器による1回だけの偏
向では、走査器の反射面上で主走査方向の光ビームの大
きさは大きく、走査器が回転したときに光ビーム全体を
二度目の反射面に入れようとすると反射面を大きく形成
しなければならず、走査器の反射面数をあまり多く形成
することができない。そこで、最近、回転多面鏡などの
走査器の第1反射面で偏向した光ビームを伝達光学系を
介して再度回転多面鏡などの走査器の第2反射面に導
き、二度目の偏向した光ビームの偏向角を増大させ、こ
れを走査光学系により被走査面上を走査するように構成
した光走査装置が、その装置を小型化して高速化するこ
とができるなどの点から種々提案がなされている。
【0003】例えば、特開昭53−97448号公報に
記載された自己増幅偏向走査光学系では、走査器の第1
反射面で反射された光ビームを該走査器の第1反射面と
は異なる第2の反射面に入射させ、アフォーカルな伝達
光学系を配し、走査器の第2反射面に入射する光ビーム
を第1反射面に入射する光ビームと平行にして再び第2
反射面に入射させて偏向を行い、走査器の回転または回
動方向に対して逆方向に移動するように伝達光学系を設
けて構成するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この二度偏向方式のも
のは走査角度を大きくできる点で優れたものであるが、
走査器の走査面と角度を有する光ビームを入射させて偏
向させているので、被走査線上で走査線が直線となら
ず、湾曲してしまう不具合がある。
【0005】この発明はこのような点に鑑みてなされた
もので、走査光学系により回転多面鏡の第2反射面と被
走査面が幾何光学的にほぼ共役関係にすることにより、
被走査面上の走査線が湾曲することがなく直線で走査で
きるように補正することができることを見いだした。こ
の発明の目的は、簡単な手段ながら被走査面上の走査線
が直線となり良好な画像を形成することができる小型化
した二度偏向型の光走査装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、光ビームを
発生する光源と、上記光源からの光ビームを偏向させる
少なくとも二面以上の反射面を有する走査器と、上記走
査器の第1反射面により偏向された光ビームを伝達光学
系により上記第1反射面とは異なる走査器の第2反射面
に再度入射させ、偏向した光ビームを被走査面上にビー
ムスポットを形成させて走査する光走査装置において、
上記走査器の第1反射面から反射されて偏向した光ビー
ムを伝達光学系を介して副走査方向において角度を有し
て第2反射面に入射させ、この第2反射面で反射されて
偏向した光ビームを、走査器の第2反射面と被走査面と
が副走査方向において幾何光学的にほぼ共役関係になる
ように構成した走査光学系により被走査面上にビームス
ポットを形成することを特徴とする光走査装置である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいてこの発明の
実施の形態を説明する。図1は一実施例の光走査装置の
構成を示す斜視図である。以下、この発明では、走査器
として回転多面鏡を用い、走査器の回動軸である回転多
面鏡の回転軸に直交する方向を主走査方向とし、回転多
面鏡の回転軸と平行な方向を副走査方向と定義する。ま
た、光源1から回転多面鏡の一度目の偏向を行う第1反
射面との間に設ける光学系を整形光学系と呼び、回転多
面鏡の一度目の偏向を行う第1反射面と二度目の偏向を
行う第2反射面との間に設けられる光学系を伝達光学
系、第2反射面と被走査面との間に設けられる光学系を
走査光学系と呼ぶことにし、同一の走査器に光ビームを
二度入射させて偏向を行うことを二度偏向と定義する。
【0008】図1において、光源としての半導体レーザ
ー1から射出した光ビームaは第1整形レンズ2を透過
して整形され、走査器としての回転多面鏡3の第1反射
面4に副走査方向において下方から角度を有して入射し
一度目の偏向がなされる。この第1反射面4から副走査
方向において上方に角度を有して反射された光ビームb
は第1伝達レンズ7を透過して第1伝達ミラー8で反射
され、第2伝達レンズ9および第3伝達レンズ10を透
過して第2伝達ミラー11で反射され、再び回転多面鏡
3の第2反射面5に副走査方向において上方から角度を
有して入射し二度目の偏向がなされる。この第2反射面
5から副走査方向において下方に角度を有して偏向され
た光ビームcは第1走査レンズ12およびプラスチック
製の第2走査レンズ13により被走査面14にビームス
ポットとして結像されて走査するように構成される。な
お、光ビームdは水平同期信号用のもので、光ビームc
の走査端において分離され、水平同期ミラー81,水平
同期レンズ82を介して水平同期センサー83に導入す
るように形成されている。
【0009】上記整形レンズ2と第1伝達レンズ7は、
光軸の回りに回転対称な非球面レンズであり、第2伝達
レンズ9は副走査方向にのみパワーを有するシリンドリ
カルレンズで、第3伝達レンズ10は主走査方向にのみ
パワーを有するシリンドリカルレンズである。また、第
1走査レンズ12は球面レンズである。そして、第2走
査レンズ13はプラスチックス製レンズであり、その入
射面は主走査方向で曲率半径の大きな凹形状となってお
り、副走査方向は曲率半径の小さな凸形状となってい
る。また、主走査方向の断面曲線を入射面よりも被走査
面14側にある主走査方向に平行な軸の回りに回転させ
ることにより形成される面である。このような面は通常
鞍型トーリック面と呼ばれる。また、射出面は主走査方
向で曲率半径の大きな凸形状の非円弧(主走査方向のみ
非球面なので、非円弧と呼ぶ。)である。副走査方向の
断面は直線である。このような面は非円弧シリンドリカ
ル面あるいは非円柱面とも呼ばれることがある。
【0010】走査器である回転多面鏡3の第1反射面4
および第2反射面5に入射する光ビームaおよび光ビー
ムbは、主走査方向で第1反射面4および第2反射面5
にそれぞれ垂直に入射するように構成されている。従来
の回転多面鏡の反射面で一度だけ偏向を行う光走査装置
では、回転多面鏡の反射面上で主走査方向の入射する光
ビームの大きさは、この発明の目的とする二度偏向の光
走査装置の場合に比べて大きく、必要な走査角を得るた
めの角度だけ回転多面鏡が回転したときに、常に光ビー
ム全体を同一反射面に入れようとすると、反射面の大き
さはある程度以上の大きさが必要であり、回転多面鏡の
反射面の面数をあまり多く形成することができないこと
になる。これに対し、本発明の二度偏向方式の光走査装
置では、一度目の偏向を行う第1反射面4の付近に主,
副走査両方向で光ビームを結像させ、第1反射面4での
光ビームaの大きさが一度偏向の光走査装置に比べて極
めて小さいため、回転多面鏡3の第1反射面4の主走査
方向の大きさが小さくても、必要な走査角を得るための
角度だけ回転多面鏡3が回転したときに常に光ビーム全
体を第1反射面に入れることができる。従って、回転多
面鏡3の反射面が小さくて済むことになる。また、二度
目の偏向では、回転多面鏡3の第2反射面5へ入射する
光ビームbの主走査方向の大きさは大きいものの、回転
多面鏡3が回転したときの光ビームbの移動と第2反射
面の移動が一致する。このことを面追従という。このた
め、第2反射面5の主走査方向の大きさは入射する光ビ
ームbの大きさと同じだけあればよく、やはり第2反射
面5も小さくて済むことになる。従って、一度偏向方式
の光走査装置に比べて回転多面鏡3の反射面の大きさを
小さくすることが可能なため、反射面数を多く形成でき
ることになり、それだけ走査速度を上げることができ
る。
【0011】また、回転多面鏡3の第1反射面4および
第2反射面5に入射する光ビームaおよび光ビームb
と、これらの第1反射面4および第2反射面5から偏向
された光ビームbおよび光ビームcをそれぞれ立体的に
分離させるため、光ビームaおよび光ビームbはそれぞ
れ副走査方向においてある角度をもって回転多面鏡3の
第1反射面4および第2反射面5に入射させるようにし
ている。これにより、整形光学系(第1整形レンズ2)
と伝達光学系(第1伝達レンズ7,第2伝達レンズ9お
よび第3伝達レンズ10)が、また、伝達光学系と走査
光学系(第1走査レンズ12および第2走査レンズ1
3)が回転多面鏡3の回転軸6方向においてそれぞれ
上,下方向に離隔して配置することができ、それぞれの
光ビームa,b,cは相互に干渉することがなく分離す
ることができ、光学系の配置を自由に選択することが可
能となる。
【0012】次に、このように構成された光走査装置の
具体的な数値例を表1に示す。この表では、アナモフィ
ック面は副走査方向,主走査方向の曲率半径をそれぞれ
rix,riyとしている。また、非球面である面につ
いては、曲率半径は光軸上の値を示している。
【表1】
【0013】第1整形レンズ2および第1伝達レンズ7
の非球面の数式は次の数1に示すとおりであり、その非
球面係数を次の表2に示す。
【数1】
【表2】
【0014】上記表1に示す実施例では、1走査の走査
開始から走査終了までの回転多面鏡3の回転角は2ω=
24°である。また、回転多面鏡3への光ビームaの第
1反射面4での副走査方向の入射角αと光ビームbの第
2反射面5での副走査方向の入射角βはともに6°であ
り、回転多面鏡3の面数は12面、回転多面鏡3の内接
円半径は17mm、第1反射面4と第2反射面5のなす
角度は90°、光源1の光ビームであるレーザー光の波
長は670nmである。
【0015】この実施例において、光ビームaは、副走
査方向では回転多面鏡3の第1反射面4の近傍と、回転
多面鏡3の第2反射面5の近傍においてそれぞれ結像す
るように構成している。言い換えれば、伝達光学系(第
1伝達レンズ7,第2伝達レンズ9および第3伝達レン
ズ10)により第1反射面4と第2反射面5が幾何光学
的にほぼ共役関係にあり、また、走査光学系(第1走査
レンズ12および第2走査レンズ13)により第2反射
面5と被走査面14がほぼ共役関係にあるように構成さ
れる。従って、回転多面鏡3の第1反射面4および第2
反射面5の面倒れが良く補正され、しかも副走査方向の
走査位置が一定となる。以下、この点を図面を参照して
さらに詳細に説明する。
【0016】図2(a)〜(e)は、回転多面鏡3の第
1反射面4と第2反射面5との間の副走査方向における
展開図である。本実施例の場合は、回転多面鏡3の第1
反射面4の近傍の結像点Pは、図2(a)に示すように
厳密には第1反射面4から僅かにずれており、第1反射
面4と第1伝達レンズ7aとの間に存在する。ここでは
光源1からの光ビームaの主走査方向,副走査方向とも
にこの結像点Pに結像させるように構成されている。
【0017】回転多面鏡3の第1反射面4からの結像点
Pのずれの量lが大きすぎると、第1反射面4の面倒れ
による被走査面14上の走査線のずれが大きくなり問題
となる。逆に、このずれの量lが小さいと、第1反射面
4上での光ビームaの大きさが小さすぎて回転多面鏡3
の第1反射面4に存在する傷,埃の影響を受けて光ビー
ムaが散乱され、被走査面14上に小さなビームスポッ
トを形成することができない。従って、この結像点Pの
ずれの量lは適正な値が存在する。この例では、このず
れの量lを11mmとしている。これは回転多面鏡3の
第1反射面4から第2反射面5までの伝達光学系の光路
長300mmに比べれば十分に小さい値であるため、面
倒れの補正の効果は十分に得られる。
【0018】次に、具体的な計算例を示す。即ち、整形
光学系による結像点Pの回転多面鏡3の第1反射面4か
らのずれの量l=11mm、伝達光学系の副走査方向の
光学倍率βd=1.57、走査光学系の副走査方向の光
学倍率βs=0.418である。これは、回転多面鏡3
の第1反射面4の面倒れθ=3e−4〔rad〕(0.
0172°)とすると、被走査面14上での走査線のず
れδ=2・l・θ・βd・βs=0.00433〔m
m〕であり、この程度なら問題ない。また、本実施例で
の第1反射面4に入射する光ビームaの直径は、主走査
方向で0.84mm,副走査方向で0.13mmであ
る。従って、第1反射面4での光ビームaの大きさが十
分に大きく、第1反射面4による傷や埃の影響を受ける
ことがない。一般に、主走査方向,副走査方向の少なく
とも一方向の光ビームの直径が0.5mm程度あれば回
転多面鏡3の反射面での傷や埃の影響を受けることがな
い。
【0019】この実施例では、第2反射面5の近傍の結
像点Qは、丁度第2反射面5上に位置させている。ただ
し、これは第2反射面5からずれていても有効である。
このことについてさらに詳しく説明する。図2(a)の
伝達光学系7aは仮の存在であるが、第1反射面4と第
2反射面5が共役となる屈折力を有している。第1反射
面4からlだけずれた位置Pに結像する光ビームaが、
光ビームbとして仮の伝達光学系7aにより第2反射面
5の近傍に再び結像する位置をQとする。実際の第2反
射面5近傍の結像点は第2反射面5と再び結像する位置
Qを含め、これらの間に存在することが望ましい。
【0020】まず、第2反射面5近傍の光ビームbの結
像点Qが、上記の範囲の両端にある場合について説明す
る。図2(b),(c)は、伝達光学系7bにより第1
反射面4と第2反射面5とが完全に共役で、伝達光学系
7bによる結像点がQに一致し、これに続く走査光学系
12aによる第2反射面5と被走査面14との関係は若
干共役からずれており、光ビームcが被走査面14に結
像する場合である。この場合は、図2(c)に示すよう
に第1反射面4の面倒れ4´は完全に補正され、第2反
射面5の面倒れ5´によるずれが被走査面14にΔとし
て生じる。図2(d),(e)は、伝達光学系7cによ
る第1反射面4と第2反射面5との関係は若干共役から
ずれて構成されている場合で、伝達光学系7cによる結
像点が第2反射面5に一致し、走査光学系12bにより
第2反射面5と被走査面14とが完全に共役で、光ビー
ムbが光ビームcとして被走査面14上に結像する場合
である。この場合は、図2(e)に示すように、逆に第
2反射面5の面倒れ5´は完全に補正され、第1反射面
4による面倒れ4´が被走査面14上にずれΔ´として
生じる。なお、主光線を破線で示している。従って、第
2反射面5近傍の結像点が第2反射面5と結像点Qとの
間にあれば第1反射面4と第2反射面5の面倒れ4´,
5´が逆方向の場合、面倒れ4´,5´によるずれが打
ち消されて被走査面14上の走査線の位置ずれが小さく
なる。例え同方向であっても、このずれ量は図2
(c),(e)に示す場合と同じか良くなるわけで、少
なくとも悪くなることはない。
【0021】次に、伝達光学系の構成について説明す
る。光ビームの主走査方向において、伝達光学系に必要
な機能は、第1反射面4近傍のP点に結像する光ビーム
aを、平行ビームにして第2反射面5に導くこと、回転
多面鏡3の回転に伴って第2反射面5上を移動する光ビ
ームbの移動が第2反射面5の移動に追従することの二
つである。
【0022】図3は、伝達光学系の一例を示す主走査方
向の断面展開図で、この発明の実施例を示す図ではない
が、光ビームの主走査方向の機能からすれば、この図に
示すように近軸的には伝達光学系のレンズ枚数はレンズ
201の1枚だけあればよい。しかし、1枚のレンズ2
01で伝達光学系を構成すると、レンズ201の口径が
大きくなりすぎ実用的ではない。そのため、図4の主走
査方向の断面展開図に示すように、2枚のレンズ20
2,203で伝達光学系を構成すればレンズ口径を小さ
くすることができて実用的である。従って、伝達光学系
に主走査方向の機能を持たせるためには、主走査方向に
屈折力を有するレンズを2枚以上で構成することが望ま
しいことになる。一方、副走査方向おいて伝達光学系に
必要な機能は、第1反射面4近傍の結像点Qに結像する
光ビームaを光ビームbとして第2反射面5の近傍に結
像させることのみである。図5に伝達光学系の副走査方
向の断面展開図を示す。副走査方向の機能からすれば、
伝達光学系のレンズ枚数はレンズ204の1枚あればよ
い。以上のことから、伝達光学系に主走査方向の機能と
副走査方向の機能を両方持たせるためには、3枚のレン
ズで構成することがよいことになる。また、この伝達光
学系は、副走査方向に屈折力を有するレンズと、主走査
方向に屈折力を有するレンズを組み合わせて1枚にすれ
ば、伝達光学系のレンズ枚数を2枚にすることも可能で
ある。この実施例では以上のことから第1伝達レンズ
7,第2伝達レンズ9および第3伝達レンズ10の3枚
のレンズで伝達光学系を構成している。
【0023】次に、図6を参照して光ビームの光軸との
交差について説明する。図6は実施例の伝達光学系の主
走査方向の断面展開図であり、第1伝達ミラー8および
第2伝達ミラー11について展開した断面図である(図
1参照)。即ち、回転多面鏡3は走査の期間、図示の位
置を中心にして角度θ1 だけ回転する。従って、回転多
面鏡3の第1反射面4では角度θ1 の2倍の2θ1 だけ
光ビームaは偏向される。偏向された光ビームbは伝達
光学系である第1伝達レンズ7,第2伝達レンズ9およ
び第3伝達レンズ10を通過して、角度θ2 だけ偏向さ
れる。この光ビームbは点Rで光軸Oと交差する。そし
て、交差した後に回転多面鏡3の第2反射面5に入射す
る位置において、偏向された光ビームbと光軸Oとの距
離は回転多面鏡3が角度θ1 だけ回転したときの反射面
の移動量δに等しくなる。
【0024】このとき、偏向された光ビームbは回転多
面鏡3の第2反射面5に対して角度θ2 だけ入射角度が
増大する側に偏向されるので、第2反射面5で反射され
た光ビームcは2・θ1 +θ2 だけ偏向されることにな
る。即ち、通常の一度きり回転多面鏡に入射させて偏向
する方式の光走査装置に比べて光ビームの偏向角度をθ
2 だけ増大させることができる。従って、伝達光学系で
走査領域の走査端を走査する光ビームbが光軸Oと交差
すると、第2反射面5で偏向した光ビームcの偏向角を
2・θ1 +θ2 だけ増大させることができる。
【0025】次に、図7および図8に基づいて伝達光学
系のミラー枚数と光ビームの光軸との交差回数の関係を
説明する。伝達光学系のミラー枚数から、走査端の光ビ
ームが光軸と交差する回数を引いた数が奇数である。即
ち、図7(a)に示す場合は、ミラー枚数,交差回数に
関して本実施例と同じ構成である。伝達光学系に使用さ
れるミラー枚数は第1伝達ミラー8と第2伝達ミラー1
1の2枚である。図8(a)にその展開図を示すよう
に、この場合には光軸Oとの交差回数は破線の主光線で
示されるように1回である。また、図7(b)で示す例
では、ミラー枚数は第1伝達ミラー8,第2伝達ミラー
11および第3伝達ミラー15の3枚である。図8
(b)に示すその展開図から分かるように、この場合の
光軸Oとの交差回数は2回である。従って、図7(a)
に示す本実施例においては、二度目の偏向で回転多面鏡
3が回転したときの第2反射面5上での光ビームbの移
動方向δと、第2反射面5の移動方向が同じ方向にな
り、第2反射面5に入射する光ビームbを第2反射面5
に確実に面追従させることができる。
【0026】次に、図9から図15に基づいてこの発明
の特徴である伝達光学系で発生する光ビームの回転の補
正について詳しく説明する。整形光学系を介して光源1
からの光ビームaが副走査方向に角度を持って下方から
回転多面鏡3の第1反射面4に入射され、一度目の偏向
が行われる。この一度目の偏向から光ビームbとして二
度目の偏向の間の光路が副走査方向に角度を持っている
ため、第2反射面5上の光ビームbの座標系が回転して
しまう。即ち、主走査方向をy,副走査方向をx,光軸
方向をzとする座標系を有する光ビームaが、副走査方
向に角度をもって第1反射面4で反射され、さらに、第
1伝達ミラー8で反射されると、図9に示されるように
反射後の光ビームbの座標系が回転してしまう。この光
ビームbはさらに第2伝達ミラー11で反射され、回転
多面鏡3の第2反射面5に入射されるときには、図10
に示されるように光ビームbの座標系が回転してしま
う。即ち、光ビームbのy方向と主走査方向や、光ビー
ムbのx方向と副走査方向が所定の角度θだけずれてし
まうことになる。
【0027】このように、光ビームbが回転多面鏡5で
二度目の偏向が行われ光ビームcとなるときには、図1
1に示されるように偏向された光ビームcの座標系は常
に角度θ傾いている。角度θ傾いた光ビームcは、アナ
モルフィックな走査光学系で被走査面14上に結像させ
ても一点に結像されず、ビームスポットの形状が崩れて
しまう。このような場合、図12に示すように副走査方
向に屈折力を有するシリンドリカルレンズ211を光ビ
ームcの傾きθに沿ように傾けて配置すれば、被走査面
14上に結像する光ビームcの結像特性は良好となる
が、シリンドリカルレンズ211の副走査方向の有効径
を大きくする必要がある。また、被走査面14上での走
査線がシリンドリカルレンズ211の傾きに応じて傾い
てしまうという問題点を有する。
【0028】図13は伝達光学系の光路を主走査方向に
投影した図である。回転多面鏡3の第1反射面4による
一度目の偏向後の光軸O1 と回転多面鏡3の第2反射面
5による二度目の偏向前の光軸O2 とのなす角度をγと
する。第1反射面4および第2反射面5への光ビームa
および光ビームbの副走査方向の入射角をそれぞれα,
βとする。図14に光ビームbの回転角度を計算した結
果を示す。回転角度θは反時計回りが正である。ただ
し、次の条件に基づく。 回転多面鏡3の大きさに対して、第1反射面4から
第2反射面5までの光路長が十分に大きい。 1度目の偏向後の光軸O1 と2度目の偏向前の光軸
2 の2等分線に関して、第1反射面4から第2反射面
5までの光路が対称である。図14に示されるように、
副走査方向における第1反射面4および第2反射面5へ
の入射角αおよび入射角βが同じ場合と、γが180°
の場合に回転角度θがゼロになる。なお、上記条件,
とは異なり、光路長に対して回転多面鏡3の大きさが
無視できない場合には、第1反射面4および第2反射面
5への入射角αおよび入射角βが異なれば、回転角度θ
の値は回転多面鏡3の大きさに若干依存する。また、光
路が対称でない場合にも、入射角αと入射角βが異なれ
ば回転角度θの値は若干変動する。ただし、入射角α=
入射角βであれば、常に回転角度θ=0となる。
【0029】本実施例において、第1反射面4および第
2反射面5への光ビームaの入射角αおよび光ビームb
の入射角βのみを変更し、仮に光ビームaの第1反射面
4への入射角α=3°,光ビームbの第2反射面への入
射角β=6°とすると、走査端の光ビームcによるビー
ムスポット形状は、図15に示すように崩れた形状とな
る。この図はビームスポットの等強度線図である。な
お、ビームスポットの形状の崩れはビームスポットの大
きさに依存し、より小さいビームスポットを形成しよう
とすると形状の崩れはいっそう悪くなってしまう。
【0030】そこで、入射角α=入射角βとすれば、図
14に示されるように回転角度θ=0となり、ビームス
ポットの形状が良好となる。本実施例では入射角α=入
射角β=6°であり、走査端の光ビームc 1,c 2によ
るビームスポット形状は図16に示すようになり良好で
ある。また、γ=180°であっても回転角度θ=0と
なるので、この場合にもビームスポット形状は良好とな
る。
【0031】次に、γ=180°、即ち、第1反射面4
と第2反射面5が平行な場合について説明する。図13
において、光軸O1 と光軸O2 のなす角度がγである
が、この角度は第1反射面4と第2反射面5とのなす角
度に等しい。本実施例の場合、γ=90°であるが、本
実施例とは別に、第1反射面4と第2反射面5が平行で
ある場合には、γ=180°となり、図14のグラフか
ら光ビームの回転角度θ=0となる。この場合の光路図
を図25に示す。即ち、回転多面鏡3の第1反射面4で
上方に偏向された光ビームbは第1伝達ミラー8で反射
され、回転多面鏡3の直上を通過し回転軸6と交差し、
第2伝達ミラー11で反射されて回転多面鏡3の第2反
射面5に上方から入射し、ここで下方に偏向されて光ビ
ームcとなる。
【0032】次に、偏向で発生する光ビームの回転補正
について図17から図22に基づいて説明する。副走査
方向において角度を有して走査器の反射面に入射させる
タイプの光走査装置では、図17(a)に示すように主
走査方向y,副走査方向x,光軸方向zの座標系を有す
る光ビームbが副走査方向に角度をもって回転多面鏡3
の第2反射面5に入射すると、ここで偏向された光ビー
ムcは湾曲し、光ビームcの座標系が回転してしまう。
このとき、走査中心の光ビームc0 は回転しないが、走
査端のビームc1 ,c2 は図17(b)に示すように両
走査端で互いに異なる方向に回転される。この走査端の
傾いた光ビームc1 ,c2 は、アナモルフィックな走査
光学系で被走査面14上に結像しても一点に結像され
ず、ビームスポット形状が崩れてしまい、被走査面14
上での走査線が良好な結像とはならない。
【0033】本実施例においては、第2走査レンズ13
を偏心させて配置しているが、例えば、第2走査レンズ
13の偏心量をゼロに変更して配置し偏心していない状
態にすると、走査端の光ビームc1 ,c2 によるビーム
スポット形状は図18に示すような崩れた形状となる。
なお、上述したと同様に、ビームスポットの形状の崩れ
は光ビームの大きさに依存し、より小さいビームスポッ
トを形成しようとすると、形状の崩れはいっそう悪くな
る。なお、本実施例においては整形光学系の第1整形レ
ンズ2は光軸回りに回転対称なレンズなので、回転多面
鏡3の第1反射面4に入射する光ビームaの結像は、主
走査方向,副走査方向とで区別がない。従って、第1反
射面4により偏向された光ビームbの回転は問題となら
ない。
【0034】上述したとおり本実施例においては、第2
走査レンズ13を副走査方向に偏心させて配置して補正
している。ここで、第2走査レンズ13の入射面は副走
査方向において凸であり、主走査方向の曲率半径は極め
て大きいのでシリンドリカル面とみなして、図20に図
示する。図20に示すように走査端を走査する光ビーム
cは、第2走査レンズ13の光軸に対して斜めに入射す
る。そして、第2走査レンズ13が偏心して配置されて
いるため、光ビームcは副走査方向においても斜めに入
射することになる。
【0035】第2走査レンズ13に入射する光ビームc
の主光線に垂直なあらゆる方向のうち、入射面により最
も強い屈折力を受ける方向は入射面の周方向Lでなく、
周方向Lに対して角度φを持った方向Mである。図20
に示す場合には、周方向Lに対する方向Mの回転方向は
光ビームcの進行方向に向かって見て時計回りである。
第2走査レンズ13の副走査方向への偏心方向が逆の場
合、あるいは主走査方向の入射位置が光軸Oに関し反対
側の場合、あるいは入射面が副走査方向において凹であ
る場合には、周方向Lに対する回転方向Mの方向は図2
0とは逆の反時計回りとなる。
【0036】周方向Lに対する角度φの大きさは、副走
査方向の偏心量,主走査方向の入射角,入射面の曲率半
径に依存する。それぞれの偏向角において、図17
(b)に示した偏向された光ビームcの回転方向と図2
0に示した周方向Lに対する方向Mの回転方向が一致す
れば、ビームスポット形状が良好となる。従って、図1
9に矢印Bで示される方向に第2走査レンズ13を偏心
して配置すれば良い。本実施例の第2走査レンズ13は
副走査方向において、伝達光学系の存在する側に向かっ
て2.67mm偏心させて配置している。この第2走査
レンズ13は入射面が屈折力を有するが、射出面が凸の
正の屈折力を有するレンズであっても、同様の方向に偏
心させれば同様の効果が得られる。さらに、副走査方向
において負の屈折力を有するレンズであれば、逆方向の
に偏心させれば同様の効果が得られる。なお、走査中心
の光ビームc0 は偏向による座標系の回転が生じていな
いため、元々ビームスポット形状が崩れるという問題を
生ぜず、第2走査レンズ13が偏心しても周方向Lと方
向が一致するため、ビームスポット形状に影響を及ぼさ
ない。従って、ビームスポット形状はやはり良好であ
る。また、偏心により若干の球面収差が生じるが、これ
は実質的に問題とならない。
【0037】本実施例では、上記のように第2走査レン
ズ13が偏心して配置しているため、走査端の光ビーム
1 ,c2 によるビームスポット形状は図16に示すよ
うに良好である。また、この補正は第2走査レンズ13
が主走査方向に平行な軸を中心にして傾いているように
配置して構成してもよい。即ち、図21に示すように第
2走査レンズ13aを主走査方向に平行な軸の回りに傾
けて配置すれば、副走査方向に偏心させた場合と同様に
副走査方向においても斜めに光ビームcが入射するため
同様の効果が得られる。さらに、別の解決手段として第
2走査レンズ13が副走査方向に湾曲したものを形成し
配置してもよい。即ち、図22に示すように第2走査レ
ンズ13bを副走査方向に湾曲させ、湾曲した中心線N
に光ビームcをこの湾曲に沿うように入射するように配
置すれば、それぞれの偏向角における回転した光ビーム
cの座標系とレンズの局所的な位置での主軸方向と副軸
方向の座標系とが一致し、ビームスポットの形状が良好
なものとなる。
【0038】次に、走査線の湾曲補正について説明す
る。図26に示すすように回転多面鏡3の第2反射面5
に副走査方向に角度を有して光ビームbが入射すると、
反射されて偏向した光ビームcは湾曲し、走査中心では
実線のような光ビームc 0となるが、走査端 では破線の
ような光ビームc 1,c 2となる。ところが、副走査方
向において、回転多面鏡3の第2反射面5と被走査面1
4が幾何光学的に共役関係にあると、走査中心の光ビー
ムc 0も走査端の光ビームc 1,c 2も被走査面14上
では副走査方向において同じ位置に到達し、被走査面1
4上での走査線は直線となる。
【0039】また、この実施例では、第1伝達レンズ7
および第1走査レンズ12に主走査方向の長さに対して
副走査方向の長さが短い形状のレンズを使用している。
これらのレンズは、副走査方向の長さが極めて短く、光
ビームが透過するために必要な最小限の長さとなってい
る。従って、回転多面鏡3へ入射する光ビームaは第1
伝導レンズ7に干渉せず、光ビームbも第1走査レンズ
12に干渉しない。また、光ビームとレンズが干渉しな
いため、回転多面鏡3への光ビームaおよび光ビームb
の副走査方向の入射角を小さくすることができ、それぞ
れの反射面で偏向された光ビームbおよび光ビームcの
湾曲が小さくなり、第2伝達レンズ9,第3伝達レンズ
10,第2走査レンズ13の副走査方向の口径を小さく
することが可能である。さらに、本実施例では、第1伝
達レンズ7および第1走査レンズ12の入射面の副走査
方向の口径が、それぞれの反射面の位置における回転多
面鏡3へ入射する光ビームaおよび光ビームbと偏向さ
れた光ビームbおよび光ビームcとの距離が一致する。
図23において、実線は、ずれのない走査中心の光ビー
ムb0 ,c0 であり、破線で示された副走査方向のずれ
が最大となる走査端の光ビームb1 ,c1 とb2 ,c2
について、レンズ口径がこれより大きいと入射光ビーム
bおよび光ビームcがレンズと干渉してしまう。逆にレ
ンズ口径がこれより小さいと反射光ビームbおよび光ビ
ームcがレンズ外側を通過してしまう。従って、上記構
成にすると、光ビームbおよび光ビームcの副走査方向
へのずれの許容値が最大になる。
【0040】次に、図24に基づいて走査領域のシフト
について説明する。従来の光走査装置においては、走査
光学系の光軸に関して走査開始位置と走査終了位置が対
称であり、水平同期信号検出位置はその外側に設けられ
る。このような構成であると、走査レンズ系の利用領域
を水平同期信号検出側にのみ大きくとる必要があるが、
製造上では一般的にレンズは光軸に関して対称であるこ
とが望ましいため、このような場合にはレンズの口径を
大きく形成しなければならなかった。特に走査レンズの
ような正レンズでは、口径が大きくなるとレンズ外周の
厚みを確保するために光軸方向のレンズの厚さもそれだ
け大きくしなければならない。本発明では、水平同期信
号検出位置と走査終了位置が走査光学系の光軸に関して
対称であるように配置している。従って、第1走査レン
ズ12の主走査方向の口径を小さくすることができる。
【0041】次に、水平同期レンズを傾けることについ
て説明する。上述した偏向で発生する光ビームの回転補
正で説明したとおり、副走査方向に角度を有して入射さ
せる光走査装置においては、主走査方向y,副走査方向
x,光軸方向zの座標系を有する光ビームbが副走査方
向に角度をもって回転多面鏡3の第2反射面5に入射
し、偏向された光ビームcは湾曲して偏向され、そのた
め光ビームcの座標系が回転してしまう(図17参
照)。回転多面鏡3の第2反射面5の偏向により光ビー
ムdが回転すると、水平同期信号光ビームdによるビー
ムスポットが一点に結像されず、そのビームスポット形
状が崩れ、検出精度が悪くなる。このため、この実施例
では図1に示されるように水平同期レンズ82がビーム
進行方向に向かって見て、光軸を回転軸として矢印Cで
示すように時計回りに2.4°傾けて配置している。従
って、回転した光ビームdの座標系と水平同期レンズ8
2の母線方向、周方向の座標系とが一致し、ビームスポ
ットの形状が良好となって水平同期センサー83に導入
され、検出精度が向上したものとなる。
【0042】次に、水平同期センサー83を傾けること
について説明する。この実施例では、上記水平同期レン
ズ82を傾けると同時に、水平同期センサー83も水平
同期レンズ82と同じ角度2.4°だけ矢印D方向に傾
けて配置している。従って、水平同期レンズ82が傾い
ている場合、水平同期センサー83上をビームスポット
が走査する方向も同じ角度だけ傾くことになる。そこ
で、水平同期センサー83上を水平同期信号光ビームd
が垂直に走査するため、さらに、検出感度が向上したも
のとなる。
【0043】この実施例では、走査器として回転多面鏡
を使用するものについて説明したが、これは回転多面鏡
に限らず少なくとも2面以上の反射面を有すればよく、
回転多面鏡の他に回転2面鏡、回動軸を中心に正弦振動
を行なうガルバノミラーの表裏両面を使用するものでも
よい。また、レーザープリンタに用いられると特に有効
であるが、その他デジタル複写機,ファクシミリ、レー
ザー走査ディスプレイなどの画像形成装置や、スキャナ
などの画像入力装置、あるいは光学マーク読取用レーザ
ー装置、表面検査用レーザー走査装置などにも適用する
ことができることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明の光走査
装置によれば、面倒れを良く補正することができるとと
もに、二度偏向させる整形光学系,伝達光学系および走
査光学系の配置が比較的に自由である。そして、面追従
を良く行うことができるとともに、光ビームの湾曲を補
正して走査線を直線とし、画像の良好な光走査装置を提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の光走査装置の構成を示す斜視図、
【図2】(a),(b),(c),(d),(e)は、
副走査方向の面倒れと走査位置が一定となることを説明
するための展開図、
【図3】伝達光学系の主走査方向の展開図、
【図4】伝達光学系の副走査方向の展開図、
【図5】伝達光学系の副走査方向の展開図、
【図6】光ビームの交差を説明するための伝達光学系の
主走査方向の展開図、
【図7】(a),(b)は、伝達光学系のミラー枚数と
光ビームの交差を説明するための平面図、
【図8】(a),(b)は、図7の伝達光学系の主走査
方向の展開図、
【図9】伝達光学系で発生する光ビームの回転を説明す
るための側面図、
【図10】光ビームの回転を説明するための回転多面鏡
の側面図、
【図11】光ビームの回転を説明するための回転多面鏡
の側面図、
【図12】走査光学系の偏心を説明するためのシリンド
リカルレンズの正面図、
【図13】伝達光学系の光路を主走査方向に投影した光
路図、
【図14】回転角度と第1反射面と第2反射面の光軸の
なす角との関係を示すグラフ、
【図15】ビームスポットの等強度線図、
【図16】ビームスポットの等強度線図、
【図17】(a),(b)は、第2反射面での光ビーム
の回転を説明するための斜視図、および座標系を示す説
明図、
【図18】ビームスポットの等強度線図、
【図19】走査レンズの偏心を説明するための第2走査
レンズの正面図、
【図20】走査レンズの偏心を説明するための第2走査
レンズの一部の斜視図、
【図21】走査レンズの偏心を説明するための第2走査
レンズの側面図、
【図22】走査レンズの偏心を説明するための第2走査
レンズの正面図、
【図23】走査線の湾曲補正を説明するための説明図、
【図24】走査領域のシフトを説明するための説明図、
【図25】反射面のなす角度を説明するための光走査器
の側面図である。
【図26】走査線の湾曲補正を説明するための説明図で
ある。
【符号の説明】
1 光源(半導体レーザー) 2 整形レンズ 3 回転多面鏡 4 第1反射面 5 第2反射面 6 回転軸 7 第1伝達レンズ 8 第1伝達ミラー 9 第2伝達レンズ 10 第3伝達レンズ 11 第2伝達ミラー 12 第1走査レンズ 13 第2走査レンズ 14 被走査面 81 水平同期ミラー 82 水平同期レンズ 83 水平同期センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 雄二郎 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを発生する光源と、上記光源か
    らの光ビームを偏向させる少なくとも二面以上の反射面
    を有する走査器と、上記走査器の第1反射面により偏向
    された光ビームを伝達光学系により上記第1反射面とは
    異なる走査器の第2反射面に再度入射させて偏向した光
    ビームを被走査面上にビームスポットを形成させて走査
    する光走査装置において、 上記走査器の第1反射面から反射されて偏向した光ビー
    ムを伝達光学系を介して副走査方向において角度を有し
    て第2反射面に入射させ、この第2反射面で反射されて
    偏向した光ビームを、走査器の第2反射面と被走査面と
    を副走査方向において幾何光学的にほぼ共役関係になる
    ように構成した走査光学系により被走査面上にビームス
    ポットを形成することを特徴とする光走査装置。
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