JP3680877B2 - 光走査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はレーザビームプリンタ等に用いられる光走査装置に係り、特に偏向手段である走査器に光ビームを二度入射させ偏向させ、走査光学系により被走査面上を走査するように構成された光走査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザビームプリンタ等に用いられる光走査装置は、一般的に半導体レーザ等の光源から射出した光ビームを整形光学系を経て偏向手段である回転多面鏡などの走査器の反射面で1回だけ偏向させ、この偏向された光ビームをf・θレンズである結像レンズ系によって被走査面上にビームスポットを形成して走査するように構成している。このような走査器の反射面による1回だけの偏向では、走査器の反射面上で主走査方向の光ビームの大きさは大きく、必要とする走査角を得るための角度だけ走査器が回転したとき、光ビーム全体を反射面に入れようとすると反射面を大きく形成しなければならず、走査器の反射面数をあまり多く形成することができない。そこで、最近、回転多面鏡などの走査器の第1反射面で偏向した光ビームを伝達光学系を介して再度回転多面鏡などの走査器の第2反射面に導いて偏向させ、この二度目の偏向した光ビームの偏向角を増大させ、これを走査光学系により被走査面上を走査するように構成した光走査装置が、その装置を小型化して高速化することができるなどの点から種々提案がなされている。
【0003】
例えば、特開昭53−97448号公報に記載された自己増幅偏向走査光学系では、走査器の第1反射面で反射され偏向された光ビームを、アフォーカルな伝達光学系を配し、該走査器の第1反射面とは異なる第2反射面に入射させて偏向させ、このとき走査器の第2反射面に入射する光ビームを第1反射面に入射する光ビームと平行にして再び第2反射面に入射させるように構成し、走査器の回転または回動方向に対して逆方向に移動するように伝達光学系を設けて構成するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この二度偏向方式の光走査装置は、走査角度を大きくできる点で優れたものである。ところで、走査器である回転多面鏡の反射面の面倒れの原因には、回転多面鏡の回転軸の倒れと回転多面鏡の反射面の加工で生じる反射面ごとの倒れとがある。ところで、上記自己増幅偏向走査光学系では、走査器である回転多面鏡の回転軸の倒れは補正することができるが、回転多面鏡の反射面ごとの倒れは補正することはできない不具合がある。
【0005】
また、上記自己増幅偏向走査光学系では、走査器の第1反射面と第2反射面とを対向させる必要があり、伝達光学系の光路が長くなってしまう。そのため、伝達光学系の光路を配置する自由度が小さくなる。その上、伝達光学系にアフォーカル光学系を使用しなければならず、そのために最低2枚のレンズが必要となり、構造が複雑で装置が大型化し、コスト的にも不利になる。
【0006】
この発明はこのような点に鑑みてなされたもので、二度偏向方式の光走査装置において、伝達光学系により回転多面鏡の第1反射面と第2反射面とが幾何光学的にほぼ共役関係に構成することにより、回転多面鏡の回転軸の倒れと回転多面鏡の反射面ごとの面倒れとも良く補正できることを見いだした。この発明の目的は、簡単な手段ながら走査器である回転多面鏡の反射面ごとの面倒れをも良く補正し、良好な画像を形成することができる小型化した二度偏向型の光走査装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、光ビームを発生する光源と、上記光源からの光ビームを偏向する走査器と、上記走査器の第1反射面により偏向された光ビームを伝達光学系により上記第1反射面とは異なる上記走査器の第2反射面に再度入射させて偏向した光ビームを被走査面上にビームスポットを形成させて走査する光走査装置において、上記伝達光学系が、上記走査器の上記第1反射面と上記第2反射面が、副走査方向において幾何光学的にほぼ共役関係で、かつ上記光源からの上記光ビームの上記第1反射面近傍への結像点Pの共役点を結像点Qとすると、上記第2反射面近傍に位置する副走査方向の結像点が、上記第2反射面と上記結像点Qとの間に位置するように形成されていて、上記第1反射面による面倒れと上記第2反射面による面倒れとが逆方向の場合に、上記各面倒れによる走査線の位置ずれが打ち消されるように構成した光走査装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。図1は一実施例の光走査装置の構成を示す斜視図である。以下、この発明では、走査器として回転多面鏡を用い、走査器の回動軸である回転多面鏡の回転軸に直交する方向を主走査方向とし、回転多面鏡の回転軸と平行な方向を副走査方向と定義する。また、光源1から回転多面鏡の一度目の偏向を行う第1反射面との間に設ける光学系を整形光学系と呼び、回転多面鏡の一度目の偏向を行う第1反射面と二度目の偏向を行う第2反射面との間に設けられる光学系を伝達光学系、第2反射面と被走査面との間に設けられる光学系を走査光学系と呼ぶことにし、同一の走査器に光ビームを二度入射させて偏向を行うことを二度偏向と定義する。
【0009】
図1において、光源としての半導体レーザー1から射出した光ビームaは第1整形レンズ2を透過して整形され、走査器としての回転多面鏡3の第1反射面4に副走査方向において下方から角度を有して入射し一度目の偏向がなされる。この第1反射面4から副走査方向において上方に角度を有して反射された光ビームbは第1伝達レンズ7を透過して第1伝達ミラー8で反射され、第2伝達レンズ9および第3伝達レンズ10を透過して第2伝達ミラー11で反射され、再び回転多面鏡3の第2反射面5に副走査方向において上方から角度を有して入射し二度目の偏向がなされる。この第2反射面5から副走査方向において下方に角度を有して偏向された光ビームcは第1走査レンズ12およびプラスチック製の第2走査レンズ13により被走査面14にビームスポットとして結像されて走査するように構成される。なお、光ビームdは水平同期信号用のもので、光ビームcの走査端において分離され、水平同期ミラー81,水平同期レンズ82を介して水平同期センサー83に導入するように形成されている。
【0010】
上記整形レンズ2と第1伝達レンズ7は、光軸の回りに回転対称な非球面レンズであり、第2伝達レンズ9は副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズで、第3伝達レンズ10は主走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズである。また、第1走査レンズ12は球面レンズである。そして、第2走査レンズ13はプラスチックス製レンズであり、その入射面は主走査方向で曲率半径の大きな凹形状となっており、副走査方向は曲率半径の小さな凸形状となっている。また、主走査方向の断面曲線を入射面よりも被走査面14側にある主走査方向に平行な軸の回りに回転させることにより形成される面である。このような面は通常鞍型トーリック面と呼ばれる。また、射出面は主走査方向で曲率半径の大きな凸形状の非円弧(主走査方向のみ非球面なので、非円弧と呼ぶ。)である。副走査方向の断面は直線である。このような面は非円弧シリンドリカル面あるいは非円柱面とも呼ばれることがある。
【0011】
走査器である回転多面鏡3の第1反射面4および第2反射面5に入射する光ビームaおよび光ビームbは、主走査方向で第1反射面4および第2反射面5にそれぞれ垂直に入射するように構成されている。従来の回転多面鏡の反射面で一度だけ偏向を行う光走査装置では、回転多面鏡の反射面上で主走査方向の入射する光ビームの大きさは、この発明の目的とする二度偏向の光走査装置の場合に比べて大きく、必要な走査角を得るための角度だけ回転多面鏡が回転したときに、常に光ビーム全体を同一反射面に入れようとすると、反射面の大きさはある程度以上の大きさが必要であり、回転多面鏡の反射面の面数をあまり多く形成することができないことになる。これに対し、本発明の二度偏向方式の光走査装置では、一度目の偏向を行う第1反射面4の付近に主,副走査両方向で光ビームを結像させ、第1反射面4での光ビームaの大きさが一度偏向の光走査装置に比べて極めて小さいため、回転多面鏡3の第1反射面4の主走査方向の大きさが小さくても、必要な走査角を得るための角度だけ回転多面鏡3が回転したときに常に光ビーム全体を第1反射面に入れることができる。従って、回転多面鏡3の反射面が小さくて済むことになる。また、二度目の偏向では、回転多面鏡3の第2反射面5へ入射する光ビームbの主走査方向の大きさは大きいものの、回転多面鏡3が回転したときの光ビームbの移動と第2反射面の移動が一致する。このことを面追従という。このため、第2反射面5の主走査方向の大きさは入射する光ビームbの大きさと同じだけあればよく、やはり第2反射面5も小さくて済むことになる。従って、一度偏向方式の光走査装置に比べて回転多面鏡3の反射面の大きさを小さくすることが可能なため、反射面数を多く形成できることになり、それだけ走査速度を上げることができる。
【0012】
また、回転多面鏡3の第1反射面4および第2反射面5に入射する光ビームaおよび光ビームbと、これらの第1反射面4および第2反射面5から偏向された光ビームbおよび光ビームcをそれぞれ立体的に分離させるため、光ビームaおよび光ビームbはそれぞれ副走査方向においてある角度をもって回転多面鏡3の第1反射面4および第2反射面5に入射させるようにしている。これにより、整形光学系(第1整形レンズ2)と伝達光学系(第1伝達レンズ7,第2伝達レンズ9および第3伝達レンズ10)が、また、伝達光学系と走査光学系(第1走査レンズ12および第2走査レンズ13)が回転多面鏡3の回転軸6方向においてそれぞれ上,下方向に離隔して配置することができ、それぞれの光ビームa,b,cは相互に干渉することがなく分離することができ、光学系の配置を自由に選択することが可能となる。
【0013】
次に、このように構成された光走査装置の具体的な数値例を表1に示す。この表では、アナモフィック面は副走査方向,主走査方向の曲率半径をそれぞれrix,riyとしている。また、非球面である面については、曲率半径は光軸上の値を示している。
【表1】
Figure 0003680877
【0014】
第1整形レンズ2および第1伝達レンズ7の非球面の数式は次の数1に示すとおりであり、その非球面係数を次の表2に示す。
【数1】
Figure 0003680877
【表2】
Figure 0003680877
【0015】
上記表1に示す実施例では、1走査の走査開始から走査終了までの回転多面鏡3の回転角は2ω=24°である。また、回転多面鏡3への光ビームaの第1反射面4での副走査方向の入射角αと光ビームbの第2反射面5での副走査方向の入射角βはともに6°であり、回転多面鏡3の面数は12面、回転多面鏡3の内接円半径は17mm、第1反射面4と第2反射面5のなす角度は90°、光源1の光ビームであるレーザー光の波長は670nmである。
【0016】
この実施例において、光ビームaは、副走査方向では回転多面鏡3の第1反射面4の近傍と、回転多面鏡3の第2反射面5の近傍においてそれぞれ結像するように構成している。言い換えれば、伝達光学系(第1伝達レンズ7,第2伝達レンズ9および第3伝達レンズ10)により第1反射面4と第2反射面5が幾何光学的にほぼ共役関係にあり、また、走査光学系(第1走査レンズ12および第2走査レンズ13)により第2反射面5と被走査面14がほぼ共役関係にあるように構成される。従って、回転多面鏡3の第1反射面4および第2反射面5の面倒れが良く補正され、しかも副走査方向の走査位置が一定となる。以下、この点を図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0017】
図2(a)〜(e)は、回転多面鏡3の第1反射面4と第2反射面5との間の副走査方向における展開図である。本実施例の場合は、回転多面鏡3の第1反射面4の近傍の結像点Pは、図2(a)に示すように厳密には第1反射面4から僅かにずれており、第1反射面4と第1伝達レンズ7aとの間に存在する。ここでは光源1からの光ビームaの主走査方向,副走査方向ともにこの結像点Pに結像させるように構成されている。
【0018】
回転多面鏡3の第1反射面4からの結像点Pのずれの量lが大きすぎると、第1反射面4の面倒れによる被走査面14上の走査線のずれが大きくなり問題となる。逆に、このずれの量lが小さいと、第1反射面4上での光ビームaの大きさが小さすぎて回転多面鏡3の第1反射面4に存在する傷,埃の影響を受けて光ビームaが散乱され、被走査面14上に小さなビームスポットを形成することができない。従って、この結像点Pのずれの量lは適正な値が存在する。この例では、このずれの量lを11mmとしている。これは回転多面鏡3の第1反射面4から第2反射面5までの伝達光学系の光路長300mmに比べれば十分に小さい値であるため、面倒れの補正の効果は十分に得られる。
【0019】
次に、具体的な計算例を示す。即ち、整形光学系による結像点Pの回転多面鏡3の第1反射面4からのずれの量l=11mm、伝達光学系の副走査方向の光学倍率βd=1.57、走査光学系の副走査方向の光学倍率βs=0.418である。これは、回転多面鏡3の第1反射面4の面倒れθ=3e−4〔rad〕(0.0172°)とすると、被走査面14上での走査線のずれδ=2・l・θ・βd・βs=0.00433〔mm〕であり、この程度なら問題ない。また、本実施例での第1反射面4に入射する光ビームaの直径は、主走査方向で0.84mm,副走査方向で0.13mmである。従って、第1反射面4での光ビームaの大きさが十分に大きく、第1反射面4による傷や埃の影響を受けることがない。一般に、主走査方向,副走査方向の少なくとも一方向の光ビームの直径が0.5mm程度あれば回転多面鏡3の反射面での傷や埃の影響を受けることがない。
【0020】
この実施例では、第2反射面5の近傍の結像点Qは、丁度第2反射面5上に位置させている。ただし、これは第2反射面5からずれていても有効である。このことについてさらに詳しく説明する。図2(a)の伝達光学系7aは仮の存在であるが、第1反射面4と第2反射面5が共役となる屈折力を有している。第1反射面4からlだけずれた位置Pに結像する光ビームaが、光ビームbとして仮の伝達光学系7aにより第2反射面5の近傍に再び結像する位置をQとする。実際の第2反射面5近傍の結像点は第2反射面5と再び結像する位置Qを含め、これらの間に存在することが望ましい。
【0021】
まず、第2反射面5近傍の光ビームbの結像点Qが、上記の範囲の両端にある場合について説明する。図2(b),(c)は、伝達光学系7bにより第1反射面4と第2反射面5とが完全に共役で、伝達光学系7bによる結像点がQに一致し、これに続く走査光学系12aによる第2反射面5と被走査面14との関係は若干共役からずれており、光ビームcが被走査面14に結像する場合である。この場合は、図2(c)に示すように第1反射面4の面倒れ4´は完全に補正され、第2反射面5の面倒れ5´によるずれが被走査面14にΔとして生じる。図2(d),(e)は、伝達光学系7cによる第1反射面4と第2反射面5との関係は若干共役からずれて構成されている場合で、伝達光学系7cによる結像点が第2反射面5に一致し、走査光学系12bにより第2反射面5と被走査面14とが完全に共役で、光ビームbが光ビームcとして被走査面14上に結像する場合である。この場合は、図2(e)に示すように、逆に第2反射面5の面倒れ5´は完全に補正され、第1反射面4による面倒れ4´が被走査面14上にずれΔ´として生じる。なお、主光線を破線で示している。従って、第2反射面5近傍の結像点が第2反射面5と結像点Qとの間にあれば第1反射面4と第2反射面5の面倒れ4´,5´が逆方向の場合、面倒れ4´,5´によるずれが打ち消されて被走査面14上の走査線の位置ずれが小さくなる。例え同方向であっても、このずれ量は図2(c),(e)に示す場合と同じか良くなるわけで、少なくとも悪くなることはない。
【0022】
次に、伝達光学系の構成について説明する。光ビームの主走査方向において、伝達光学系に必要な機能は、第1反射面4近傍のP点に結像する光ビームaを、平行ビームにして第2反射面5に導くこと、回転多面鏡3の回転に伴って第2反射面5上を移動する光ビームbの移動が第2反射面5の移動に追従することの二つである。
【0023】
図3は、伝達光学系の一例を示す主走査方向の断面展開図で、この発明の実施例を示す図ではないが、光ビームの主走査方向の機能からすれば、この図に示すように近軸的には伝達光学系のレンズ枚数はレンズ201の1枚だけあればよい。しかし、1枚のレンズ201で伝達光学系を構成すると、レンズ201の口径が大きくなりすぎ実用的ではない。そのため、図4の主走査方向の断面展開図に示すように、2枚のレンズ202,203で伝達光学系を構成すればレンズ口径を小さくすることができて実用的である。従って、伝達光学系に主走査方向の機能を持たせるためには、主走査方向に屈折力を有するレンズを2枚以上で構成することが望ましいことになる。一方、副走査方向おいて伝達光学系に必要な機能は、第1反射面4近傍の結像点Qに結像する光ビームaを光ビームbとして第2反射面5の近傍に結像させることのみである。図5に伝達光学系の副走査方向の断面展開図を示す。副走査方向の機能からすれば、伝達光学系のレンズ枚数はレンズ204の1枚あればよい。以上のことから、伝達光学系に主走査方向の機能と副走査方向の機能を両方持たせるためには、3枚のレンズで構成することがよいことになる。また、この伝達光学系は、副走査方向に屈折力を有するレンズと、主走査方向に屈折力を有するレンズを組み合わせて1枚にすれば、伝達光学系のレンズ枚数を2枚にすることも可能である。この実施例では以上のことから第1伝達レンズ7,第2伝達レンズ9および第3伝達レンズ10の3枚のレンズで伝達光学系を構成している。
【0024】
次に、図6を参照して光ビームの光軸との交差について説明する。図6は実施例の伝達光学系の主走査方向の断面展開図であり、第1伝達ミラー8および第2伝達ミラー11について展開した断面図である(図1参照)。即ち、回転多面鏡3は走査の期間、図示の位置を中心にして角度θ1 だけ回転する。従って、回転多面鏡3の第1反射面4では角度θ1 の2倍の2θ1 だけ光ビームaは偏向される。偏向された光ビームbは伝達光学系である第1伝達レンズ7,第2伝達レンズ9および第3伝達レンズ10を通過して、角度θ2 だけ偏向される。この光ビームbは点Rで光軸Oと交差する。そして、交差した後に回転多面鏡3の第2反射面5に入射する位置において、偏向された光ビームbと光軸Oとの距離は回転多面鏡3が角度θ1 だけ回転したときの反射面の移動量δに等しくなる。
【0025】
このとき、偏向された光ビームbは回転多面鏡3の第2反射面5に対して角度θ2 だけ入射角度が増大する側に偏向されるので、第2反射面5で反射された光ビームcは2・θ1 +θ2 だけ偏向されることになる。即ち、通常の一度きり回転多面鏡に入射させて偏向する方式の光走査装置に比べて光ビームの偏向角度をθ2 だけ増大させることができる。従って、伝達光学系で走査領域の走査端を走査する光ビームbが光軸Oと交差すると、第2反射面5で偏向した光ビームcの偏向角を2・θ1 +θ2 だけ増大させることができる。
【0026】
次に、図7および図8に基づいて伝達光学系のミラー枚数と光ビームの光軸との交差回数の関係を説明する。伝達光学系のミラー枚数から、走査端の光ビームが光軸と交差する回数を引いた数が奇数である。即ち、図7(a)に示す場合は、ミラー枚数,交差回数に関して本実施例と同じ構成である。伝達光学系に使用されるミラー枚数は第1伝達ミラー8と第2伝達ミラー11の2枚である。図8(a)にその展開図を示すように、この場合には光軸Oとの交差回数は破線の主光線で示されるように1回である。また、図7(b)で示す例では、ミラー枚数は第1伝達ミラー8,第2伝達ミラー11および第3伝達ミラー15の3枚である。図8(b)に示すその展開図から分かるように、この場合の光軸Oとの交差回数は2回である。従って、図7(a)に示す本実施例においては、二度目の偏向で回転多面鏡3が回転したときの第2反射面5上での光ビームbの移動方向δと、第2反射面5の移動方向が同じ方向になり、第2反射面5に入射する光ビームbを第2反射面5に確実に面追従させることができる。
【0027】
次に、図9から図15に基づいてこの発明の特徴である伝達光学系で発生する光ビームの回転の補正について詳しく説明する。整形光学系を介して光源1からの光ビームaが副走査方向に角度を持って下方から回転多面鏡3の第1反射面4に入射され、一度目の偏向が行われる。この一度目の偏向から光ビームbとして二度目の偏向の間の光路が副走査方向に角度を持っているため、第2反射面5上の光ビームbの座標系が回転してしまう。即ち、主走査方向をy,副走査方向をx,光軸方向をzとする座標系を有する光ビームaが、副走査方向に角度をもって第1反射面4で反射され、さらに、第1伝達ミラー8で反射されると、図9に示されるように反射後の光ビームbの座標系が回転してしまう。この光ビームbはさらに第2伝達ミラー11で反射され、回転多面鏡3の第2反射面5に入射されるときには、図10に示されるように光ビームbの座標系が回転してしまう。即ち、光ビームbのy方向と主走査方向や、光ビームbのx方向と副走査方向が所定の角度θだけずれてしまうことになる。
【0028】
このように、光ビームbが回転多面鏡5で二度目の偏向が行われ光ビームcとなるときには、図11に示されるように偏向された光ビームcの座標系は常に角度θ傾いている。角度θ傾いた光ビームcは、アナモルフィックな走査光学系で被走査面14上に結像させても一点に結像されず、ビームスポットの形状が崩れてしまう。このような場合、図12に示すように副走査方向に屈折力を有するシリンドリカルレンズ211を光ビームcの傾きθに沿ように傾けて配置すれば、被走査面14上に結像する光ビームcの結像特性は良好となるが、シリンドリカルレンズ211の副走査方向の有効径を大きくする必要がある。また、被走査面14上での走査線がシリンドリカルレンズ211の傾きに応じて傾いてしまうという問題点を有する。
【0029】
図13は伝達光学系の光路を主走査方向に投影した図である。回転多面鏡3の第1反射面4による一度目の偏向後の光軸O1 と回転多面鏡3の第2反射面5による二度目の偏向前の光軸O2 とのなす角度をγとする。第1反射面4および第2反射面5への光ビームaおよび光ビームbの副走査方向の入射角をそれぞれα,βとする。図14に光ビームbの回転角度を計算した結果を示す。回転角度θは反時計回りが正である。ただし、次の条件に基づく。
▲1▼ 回転多面鏡3の大きさに対して、第1反射面4から第2反射面5までの光路長が十分に大きい。
▲2▼ 1度目の偏向後の光軸O1 と2度目の偏向前の光軸O2 の2等分線に関して、第1反射面4から第2反射面5までの光路が対称である。
図14に示されるように、副走査方向における第1反射面4および第2反射面5への入射角αおよび入射角βが同じ場合と、γが180°の場合に回転角度θがゼロになる。なお、上記条件▲1▼,▲2▼とは異なり、光路長に対して回転多面鏡3の大きさが無視できない場合には、第1反射面4および第2反射面5への入射角αおよび入射角βが異なれば、回転角度θの値は回転多面鏡3の大きさに若干依存する。また、光路が対称でない場合にも、入射角αと入射角βが異なれば回転角度θの値は若干変動する。ただし、入射角α=入射角βであれば、常に回転角度θ=0となる。
【0030】
本実施例において、第1反射面4および第2反射面5への光ビームaの入射角αおよび光ビームbの入射角βのみを変更し、仮に光ビームaの第1反射面4への入射角α=3°,光ビームbの第2反射面への入射角β=6°とすると、走査端の光ビームcによるビームスポット形状は、図15に示すように崩れた形状となる。この図はビームスポットの等強度線図である。なお、ビームスポットの形状の崩れはビームスポットの大きさに依存し、より小さいビームスポットを形成しようとすると形状の崩れはいっそう悪くなってしまう。
【0031】
そこで、入射角α=入射角βとすれば、図14に示されるように回転角度θ=0となり、ビームスポットの形状が良好となる。本実施例では入射角α=入射角β=6°であり、走査端の光ビームc1,c2によるビームスポット形状は図16に示すようになり良好である。また、γ=180°であっても回転角度θ=0となるので、この場合にもビームスポット形状は良好となる。
【0032】
次に、γ=180°、即ち、第1反射面4と第2反射面5が平行な場合について説明する。図13において、光軸O1 と光軸O2 のなす角度がγであるが、この角度は第1反射面4と第2反射面5とのなす角度に等しい。本実施例の場合、γ=90°であるが、本実施例とは別に、第1反射面4と第2反射面5が平行である場合には、γ=180°となり、図14のグラフから光ビームの回転角度θ=0となる。この場合の光路図を図25に示す。即ち、回転多面鏡3の第1反射面4で上方に偏向された光ビームbは第1伝達ミラー8で反射され、回転多面鏡3の直上を通過し回転軸6と交差し、第2伝達ミラー11で反射されて回転多面鏡3の第2反射面5に上方から入射し、ここで下方に偏向されて光ビームcとなる。
【0033】
次に、偏向で発生する光ビームの回転補正について図17から図22に基づいて説明する。副走査方向において角度を有して走査器の反射面に入射させるタイプの光走査装置では、図17(a)に示すように主走査方向y,副走査方向x,光軸方向zの座標系を有する光ビームbが副走査方向に角度をもって回転多面鏡3の第2反射面5に入射すると、ここで偏向された光ビームcは湾曲し、光ビームcの座標系が回転してしまう。このとき、走査中心の光ビームc0 は回転しないが、走査端のビームc1 ,c2 は図17(b)に示すように両走査端で互いに異なる方向に回転される。この走査端の傾いた光ビームc1 ,c2 は、アナモルフィックな走査光学系で被走査面14上に結像しても一点に結像されず、ビームスポット形状が崩れてしまい、被走査面14上での走査線が良好な結像とはならない。
【0034】
本実施例においては、第2走査レンズ13を偏心させて配置しているが、例えば、第2走査レンズ13の偏心量をゼロに変更して配置し偏心していない状態にすると、走査端の光ビームc1 ,c2 によるビームスポット形状は図18に示すような崩れた形状となる。なお、上述したと同様に、ビームスポットの形状の崩れは光ビームの大きさに依存し、より小さいビームスポットを形成しようとすると、形状の崩れはいっそう悪くなる。なお、本実施例においては整形光学系の第1整形レンズ2は光軸回りに回転対称なレンズなので、回転多面鏡3の第1反射面4に入射する光ビームaの結像は、主走査方向,副走査方向とで区別がない。従って、第1反射面4により偏向された光ビームbの回転は問題とならない。
【0035】
上述したとおり本実施例においては、第2走査レンズ13を副走査方向に偏心させて配置して補正している。ここで、第2走査レンズ13の入射面は副走査方向において凸であり、主走査方向の曲率半径は極めて大きいのでシリンドリカル面とみなして、図20に図示する。図20に示すように走査端を走査する光ビームcは、第2走査レンズ13の光軸に対して斜めに入射する。そして、第2走査レンズ13が偏心して配置されているため、光ビームcは副走査方向においても斜めに入射することになる。
【0036】
第2走査レンズ13に入射する光ビームcの主光線に垂直なあらゆる方向のうち、入射面により最も強い屈折力を受ける方向は入射面の周方向Lでなく、周方向Lに対して角度φを持った方向Mである。図20に示す場合には、周方向Lに対する方向Mの回転方向は光ビームcの進行方向に向かって見て時計回りである。第2走査レンズ13の副走査方向への偏心方向が逆の場合、あるいは主走査方向の入射位置が光軸Oに関し反対側の場合、あるいは入射面が副走査方向において凹である場合には、周方向Lに対する回転方向Mの方向は図20とは逆の反時計回りとなる。
【0037】
周方向Lに対する角度φの大きさは、副走査方向の偏心量,主走査方向の入射角,入射面の曲率半径に依存する。それぞれの偏向角において、図17(b)に示した偏向された光ビームcの回転方向と図20に示した周方向Lに対する方向Mの回転方向が一致すれば、ビームスポット形状が良好となる。従って、図19に矢印Bで示される方向に第2走査レンズ13を偏心して配置すれば良い。本実施例の第2走査レンズ13は副走査方向において、伝達光学系の存在する側に向かって2.67mm偏心させて配置している。この第2走査レンズ13は入射面が屈折力を有するが、射出面が凸の正の屈折力を有するレンズであっても、同様の方向に偏心させれば同様の効果が得られる。さらに、副走査方向において負の屈折力を有するレンズであれば、逆方向のに偏心させれば同様の効果が得られる。なお、走査中心の光ビームc0 は偏向による座標系の回転が生じていないため、元々ビームスポット形状が崩れるという問題を生ぜず、第2走査レンズ13が偏心しても周方向Lと方向が一致するため、ビームスポット形状に影響を及ぼさない。従って、ビームスポット形状はやはり良好である。また、偏心により若干の球面収差が生じるが、これは実質的に問題とならない。
【0038】
本実施例では、上記のように第2走査レンズ13が偏心して配置しているため、走査端の光ビームc1 ,c2 によるビームスポット形状は図16に示すように良好である。また、この補正は第2走査レンズ13が主走査方向に平行な軸を中心にして傾いているように配置して構成してもよい。即ち、図21に示すように第2走査レンズ13aを主走査方向に平行な軸の回りに傾けて配置すれば、副走査方向に偏心させた場合と同様に副走査方向においても斜めに光ビームcが入射するため同様の効果が得られる。さらに、別の解決手段として第2走査レンズ13が副走査方向に湾曲したものを形成し配置してもよい。即ち、図22に示すように第2走査レンズ13bを副走査方向に湾曲させ、湾曲した中心線Nに光ビームcをこの湾曲に沿うように入射するように配置すれば、それぞれの偏向角における回転した光ビームcの座標系とレンズの局所的な位置での主軸方向と副軸方向の座標系とが一致し、ビームスポットの形状が良好なものとなる。
【0039】
次に、走査線の湾曲補正について説明する。図26に示すすように回転多面鏡3の第2反射面5に副走査方向に角度を有して光ビームbが入射すると、反射されて偏向した光ビームcは湾曲し、走査中心では実線のような光ビームc0となるが、走査端では破線のような光ビームc1,c2となる。ところが、副走査方向において、回転多面鏡3の第2反射面5と被走査面14が幾何光学的に共役関係にあると、走査中心の光ビームc0も走査端の光ビームc1,c2も被走査面14上では副走査方向において同じ位置に到達し、被走査面14上での走査線は直線となる。
【0040】
また、この実施例では、第1伝達レンズ7および第1走査レンズ12に主走査方向の長さに対して副走査方向の長さが短い形状のレンズを使用している。これらのレンズは、副走査方向の長さが極めて短く、光ビームが透過するために必要な最小限の長さとなっている。従って、回転多面鏡3へ入射する光ビームaは第1伝導レンズ7に干渉せず、光ビームbも第1走査レンズ12に干渉しない。また、光ビームとレンズが干渉しないため、回転多面鏡3への光ビームaおよび光ビームbの副走査方向の入射角を小さくすることができ、それぞれの反射面で偏向された光ビームbおよび光ビームcの湾曲が小さくなり、第2伝達レンズ9,第3伝達レンズ10,第2走査レンズ13の副走査方向の口径を小さくすることが可能である。さらに、本実施例では、第1伝達レンズ7および第1走査レンズ12の入射面の副走査方向の口径が、それぞれの反射面の位置における回転多面鏡3へ入射する光ビームaおよび光ビームbと偏向された光ビームbおよび光ビームcとの距離が一致する。図23において、実線は、ずれのない走査中心の光ビームb0 ,c0 であり、破線で示された副走査方向のずれが最大となる走査端の光ビームb1 ,c1 とb2 ,c2 について、レンズ口径がこれより大きいと入射光ビームbおよび光ビームcがレンズと干渉してしまう。逆にレンズ口径がこれより小さいと反射光ビームbおよび光ビームcがレンズ外側を通過してしまう。従って、上記構成にすると、光ビームbおよび光ビームcの副走査方向へのずれの許容値が最大になる。
【0041】
次に、図24に基づいて走査領域のシフトについて説明する。従来の光走査装置においては、走査光学系の光軸に関して走査開始位置と走査終了位置が対称であり、水平同期信号検出位置はその外側に設けられる。このような構成であると、走査レンズ系の利用領域を水平同期信号検出側にのみ大きくとる必要があるが、製造上では一般的にレンズは光軸に関して対称であることが望ましいため、このような場合にはレンズの口径を大きく形成しなければならなかった。特に走査レンズのような正レンズでは、口径が大きくなるとレンズ外周の厚みを確保するために光軸方向のレンズの厚さもそれだけ大きくしなければならない。本発明では、水平同期信号検出位置と走査終了位置が走査光学系の光軸に関して対称であるように配置している。従って、第1走査レンズ12の主走査方向の口径を小さくすることができる。
【0042】
次に、水平同期レンズを傾けることについて説明する。上述した偏向で発生する光ビームの回転補正で説明したとおり、副走査方向に角度を有して入射させる光走査装置においては、主走査方向y,副走査方向x,光軸方向zの座標系を有する光ビームbが副走査方向に角度をもって回転多面鏡3の第2反射面5に入射し、偏向された光ビームcは湾曲して偏向され、そのため光ビームcの座標系が回転してしまう(図17参照)。回転多面鏡3の第2反射面5の偏向により光ビームdが回転すると、水平同期信号光ビームdによるビームスポットが一点に結像されず、そのビームスポット形状が崩れ、検出精度が悪くなる。このため、この実施例では図1に示されるように水平同期レンズ82がビーム進行方向に向かって見て、光軸を回転軸として矢印Cで示すように時計回りに2.4°傾けて配置している。従って、回転した光ビームdの座標系と水平同期レンズ82の母線方向、周方向の座標系とが一致し、ビームスポットの形状が良好となって水平同期センサー83に導入され、検出精度が向上したものとなる。
【0043】
次に、水平同期センサー83を傾けることについて説明する。この実施例では、上記水平同期レンズ82を傾けると同時に、水平同期センサー83も水平同期レンズ82と同じ角度2.4°だけ矢印D方向に傾けて配置している。従って、水平同期レンズ82が傾いている場合、水平同期センサー83上をビームスポットが走査する方向も同じ角度だけ傾くことになる。そこで、水平同期センサー83上を水平同期信号光ビームdが垂直に走査するため、さらに、検出感度が向上したものとなる。
【0044】
続いて、この発明の第2実施例を図面に基づいて説明する。図27は光走査装置の構成を示す斜視図である。上述した実施例と同様に、半導体レーザー1からの光ビームaは第1整形レンズ2を透過して整形され、走査器としての回転多面鏡3の第1反射面4に副走査方向において下方から斜めに入射して最初の偏向がなされる。この第1反射面4から上方に斜めに反射されたビームbは第1伝達レンズ7を透過して第1伝達ミラー8で反射され、第2伝達レンズ9および第3伝達レンズ10を透過して第2伝達ミラー11で反射され、再び回転多面鏡3の第2反射面5に上方から斜めに入射して二度目の偏向がなされる。この第2反射面5から反射され偏向された光ビームcは、第1走査レンズ12およびプラスチック製の第2走査レンズ13により被走査面14にビームスポットとして結像されて走査するように構成される。
【0045】
上記整形レンズ2と第1伝達レンズ7は、光軸の回りに回転対象な非球面レンズであり、第2伝達レンズ9は副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズで、第3伝達レンズ10は主走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズである。また、第1走査レンズ12は球面レンズである。そして、第2走査レンズ13はプラスチックス製レンズであり、その入射面は主走査方向で曲率半径の大きな凹形状となっており、副走査方向は曲率半径の小さな凸形状となっている。また、主走査方向の断面曲線を入射面よりも被走査側にある主走査方向に平行な軸の回りに回転させることにより形成される鞍型トーリック面である。その射出面は、主走査方向で曲率半径の大きな凸形状の非円弧であり、副走査方向の断面は直線であり、非円弧シリンドリカル面である。
【0046】
この実施例では、光ビームa,光びーむb,光ビームcおよび光ビームdのいずれも、回転多面鏡3の回転軸6に垂直な面である走査面内に含まれている。回転多面鏡3の第1反射面4、第2反射面5に入射する光ビームaおよび光ビームbは、いずれもそれぞれの反射面に主走査方向で斜めに入射する。整形光学系、伝達光学系および走査光学系はいずれも走査面内に配置されているが、互いに干渉しないように隔離されて配置されている。
【0047】
次に、このように構成された第2実施例の具体的な数値例を表3に示し、第1整形レンズ2および第1伝達レンズ7の非球面係数を表4に示す。
【0048】
【表3】
Figure 0003680877
【表4】
Figure 0003680877
【0049】
1走査の走査開始から走査終了までの回転多面鏡3の回転角2ωは24°であり、回転多面鏡3の面数は8面、回転多面鏡3の内接円半径は17.32mm、レーザー光の波長は670nmである。
【0050】
この実施例においても、第1伝達レンズ7,第2伝達レンズ9および第3伝達レンズ10から構成される伝達光学系は、回転多面鏡3の第1反射面4と第2反射面5が副走査方向において幾何光学的にほぼ共役関係になるように構成されて配置される。そして、副走査方向において回転多面鏡3の第1反射面4の近傍の11mm離れた位置にに結像した光ビームaを、光ビームbとして伝達光学系により回転多面鏡3の第2反射面5の近傍に結像させる。従って、この例の場合も先の例と同様に回転多面鏡3の第1反射面4および回転多面鏡3の第2反射面5の面倒れが良好に補正することができ、副走査方向の走査位置が一定となる。
【0051】
これらの実施例では、走査器として回転多面鏡を使用するものについて説明したが、これは回転多面鏡に限らず少なくとも2面以上の反射面を有するものであればよく、回転多面鏡の他に回転2面鏡,回動軸を中心に正弦振動を行なうガルバノメータの表裏面を使用するものであってもよいことは勿論である。また、レーザープリンタに使用すると有効であるが、その他デジタル複写機,ファクシミリ,レーザー走査ディスプレイなどの画像形成装置やスキャナなどの画像入力装置、あるいは光学マーク読取用レーザー装置,表面検査用レーザー装置などにも適用できる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、回転多面鏡の第1反射面および回転多面鏡の第2反射面5の面倒れを良く補正することができ、副走査方向の走査位置が一定とすることが可能になり、良好な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の光走査装置の構成を示す斜視図、
【図2】(a),(b),(c),(d),(e)は、副走査方向の面倒れと走査位置が一定となることを説明するための展開図、
【図3】伝達光学系の主走査方向の展開図、
【図4】伝達光学系の副走査方向の展開図、
【図5】伝達光学系の副走査方向の展開図、
【図6】光ビームの交差を説明するための伝達光学系の主走査方向の展開図、
【図7】(a),(b)は、伝達光学系のミラー枚数と光ビームの交差を説明するための平面図、
【図8】(a),(b)は、図7の伝達光学系の主走査方向の展開図、
【図9】伝達光学系で発生する光ビームの回転を説明するための側面図、
【図10】光ビームの回転を説明するための回転多面鏡の側面図、
【図11】光ビームの回転を説明するための回転多面鏡の側面図、
【図12】走査光学系の偏心を説明するためのシリンドリカルレンズの正面図、
【図13】伝達光学系の光路を主走査方向に投影した光路図、
【図14】回転角度と第1反射面と第2反射面の光軸のなす角との関係を示すグラフ、
【図15】ビームスポットの等強度線図、
【図16】ビームスポットの等強度線図、
【図17】(a),(b)は、第2反射面での光ビームの回転を説明するための斜視図、および座標系を示す説明図、
【図18】ビームスポットの等強度線図、
【図19】走査レンズの偏心を説明するための第2走査レンズの正面図、
【図20】走査レンズの偏心を説明するための第2走査レンズの一部の斜視図、
【図21】走査レンズの偏心を説明するための第2走査レンズの側面図、
【図22】走査レンズの偏心を説明するための第2走査レンズの正面図、
【図23】走査線の湾曲補正を説明するための説明図、
【図24】走査領域のシフトを説明するための説明図、
【図25】変形例の光路を示す光走査装置の側面図、
【図26】走査線の湾曲補正を説明するための説明図、
【図27】第二実施例の光走査装置の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 光源(半導体レーザー)
2 整形レンズ
3 回転多面鏡
4 第1反射面
5 第2反射面
6 回転軸
7 第1伝達レンズ
8 第1伝達ミラー
9 第2伝達レンズ
10 第3伝達レンズ
11 第2伝達ミラー
12 第1走査レンズ
13 第2走査レンズ
14 被走査面
81,91 水平同期ミラー
82,92 水平同期レンズ
83,93 水平同期センサー

Claims (1)

  1. 光ビームを発生する光源と、上記光源からの光ビームを偏向する走査器と、上記走査器の第1反射面により偏向された光ビームを伝達光学系により上記第1反射面とは異なる上記走査器の第2反射面に再度入射させて偏向した光ビームを被走査面上にビームスポットを形成させて走査する光走査装置において、
    上記伝達光学系が、上記走査器の上記第1反射面と上記第2反射面とが、副走査方向において幾何光学的にほぼ共役関係で、かつ上記光源からの上記光ビームの上記第1反射面近傍への結像点Pの共役点を結像点Qとすると、上記第2反射面近傍に位置する副走査方向の結像点が、上記第2反射面と上記結像点Qとの間に位置するように形成されていて、
    上記第1反射面による面倒れと上記第2反射面による面倒れとが逆方向の場合に、上記各面倒れによる走査線の位置ずれが打ち消されるように構成したことを特徴とする光走査装置。
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