JP2564977B2

JP2564977B2 - 情報記録媒体及び情報記録／再生装置

Info

Publication number: JP2564977B2
Application number: JP2196738A
Authority: JP
Inventors: 稜雄高梨; 新太郎中垣; 伝浅倉; 正人古屋; 剛久小山; 裕治内山
Original assignee: Victor Company of Japan Ltd
Current assignee: Victor Company of Japan Ltd
Priority date: 1990-07-24
Filing date: 1990-07-24
Publication date: 1996-12-18
Anticipated expiration: 2011-12-18
Also published as: JPH0481713A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、不透明状態と透明状態とを段階的に保持す
る散乱モード光変調部材を含んで構成された情報記録媒
体及びこの情報記録媒体上に情報信号を高精細度の画像
情報として形成する情報記録／再生装置に関する。

（従来の技術）近年になって、記録の対象となる情報信号を散乱モー
ド光変調部材を含んで構成された情報記録媒体上に高精
細度の画像情報として記録し、かつ記録された画像情報
を再生する情報記録／再生装置が脚光を浴びつつある。
また、上記散乱モード光変調部材における散乱モードと
は、情報記録媒体の消去，記録，再生動作時に、光を散
乱する状態（不透明な状態）と、光を透過する状態（透
明な状態）との二つの態様をとるものである。

この種の情報記録／再生装置は、記録すべき情報信号
を情報記録媒体上に与えて記録し、必要に応じてこれを
消去し、あるいは書き替えることができるものである。

尚、ここでの情報は画像，文字等を含んだ画像情報を
電磁波情報としたものであり、以下の説明において、情
報を電磁波情報，情報信号を電磁波情報信号とも記載す
る。

すなわち、上記情報記録／再生装置は、例えば加熱
により情報記録媒体上に記録された画像情報を消去し、
電界を印加し画像情報を記録する方法、また逆に電界
を印加して情報記録媒体上に記録された画像情報を消去
し、加熱により画像情報を記録する方法、からなる原理
を用いて散乱モード光変調部材を含んで構成された情報
記録媒体上に画像情報を記録および消去するものであ
る。

また、情報記録媒体上に記録された画像情報をOHP
（投射型プロジェクタ）等を用いて拡大して再生し、大
勢の人が見ることができるように構成したものである。

そして、この種の情報記録／再生装置は、コンピュー
タグラフイクスを記録したり，もしくは熱転写型プリン
タの記録紙に印刷する前のチエック画像を記録したり、
その他各種のオフィスオートメーションに採用されるよ
うに開発が進行している最中である。

（発明が解決しようとする課題）上記したような散乱モード光変調部材を含んで構成さ
れた情報記録媒体を用いた情報記録／再生装置は、情報
記録媒体上に電磁波情報を高精細度の画像情報として形
成することができる。

しかしながら、情報記録媒体上に電磁波情報を記録す
る際、カラー化された画像情報を形成する方法が遅れて
いる。従来、カラー化の方法としては、色ストライプ状
に対応した白黒像を記録媒体に記録し、再生時色ストラ
イプフイルタを通して再生することでカラー画像を得る
ものが提案されていた。また、色ストライプフイルタを
有した記録媒体も提案されていたが、記録情報と色スト
ライプフイルタの合わせが問題であった。

また、例えばサーマルヘッドの発熱体を用いて熱で記
録を行う場合、記録媒体の特性から良好な階調性が得ら
れない問題があった。

これに対して、本発明は散乱モード光変調部材を含ん
で構成された情報記録媒体に、電界を印加すると共にカ
ラー化が可能な情報記録／再生装置、および電界と熱と
を同時に印加して電磁波情報信号を高精細度の画像情報
として形成する情報記録／再生装置を提案するものであ
り、これによって装置の画像品質および信頼性に大いに
貢献できるものである。

（課題を解決するための手段）本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第１
の発明は、不透明状態と透明状態とを段階的に保持する
散乱モード光変調部材と、記録の対象となる情報信号の
分解された複数の色信号に対応して複数の色を有したフ
イルタ細条を１組として繰り返し配設した色ストライプ
フイルタと、各色の前記フイルタ細条に対応して各色ご
とに配設し且つ各色ごとに配線パターンで共通に結線し
たストライプ状の電極とを重ね合わせて構成した情報記
録媒体である。

また、第２の発明は、不透明状態と透明状態とを段階
的に保持する散乱モード光変調部材と、記録の対象とな
る情報信号の分解された複数の色信号に対応して複数の
色を有したフイルタ細条を１組として繰り返し配設した
色ストライプフイルタと、各色の前記フイルタ細条に対
応して各色ごとに配設し且つ各色ごとに配線パターンで
共通に結線したストライプ状の電極とを重ね合わせて構
成した情報記録媒体を用いて、前記情報信号を記録ヘッ
ドにより該情報記録媒体に記録して画像情報を形成する
情報記録／再生装置であって、前記記録ヘッドが前記フイルタ細条の各色位置に至っ
た際に、各色位置と対応する前記色信号を該記録ヘッド
に選択的に供給すると共に、各色ごとに共通に結線した
前記ストライプ状の電極に直流電圧を色ごとに順次印加
するように構成したことを特徴とする情報記録／再生装
置である。

（実施例）以下に本発明に係わる情報記録／再生装置の一実施例
を第１図乃至第12図を参照して順を追って詳細に説明す
る。

第１図および第２図は本発明に係わる情報記録／再生
装置に用いられる情報記録媒体の構成を示した図、第３
図は第２図に示した情報記録媒体の電極構造を示した
図、第４図および第５図は本発明に係わる情報記録／再
生装置に用いられる記録ヘッドの構成を示した図、第６
図および第７図は本発明に係わる情報記録／再生装置の
構成を示した構成図、第８図および第９図は情報記録媒
体の電界変化特性を示した図、第10図および第11図は第
７図に示した情報記録／再生装置での記録動作を説明す
るための図、第12図は情報記録媒体の再生動作を説明す
るための図である。

＜情報記録媒体＞まず始めに、第１図乃至第３図を併用して本発明に係
わる情報記録／再生装置20（第６図）および情報記録／
再生装置30（第７図）に用いられる情報記録媒体1Aおよ
び情報記録媒体1Bについて説明する。尚、後述するよう
に情報記録／再生装置20で情報記録媒体1Bが用いられ、
情報記録／再生装置30では情報記録媒体1A,1Bが用いら
れる。

情報記録媒体1Aおよび情報記録媒体1Bは、基板２と、
電極３と、散乱モード光変調部材４とを基本構成とし、
更には色ストライプフイルタ５を加えた構成となし、か
つ電極の構造を一部変形させた電極3a,3bを後述するよ
うに組み合せて構成したものである。

ここで、情報記録媒体1A,1Bの組み合せ構成を説明す
る前に、それぞれの構成部材の特徴について説明する。

上記基板２は、透明なPET（ポリエチレンテレフタレ
ート）材等を用いて平坦な面に形成されている。

上記電極３は、透明なITO（酸化インジウム）膜等を
用いて、基板２上に膜付け形成されている。この電極３
は、後述するように平坦な一様面に形成された電極3a形
状の場合と、複数の色信号に分解した電磁波情報信号に
対応して分割されたストライプ状の電極3b形状の場合と
がある。

上記散乱モード光変調部材４は、加熱によって光を散
乱させる状態に光学特性が変化し、かつ上記の状態が冷
却後においても保持されるような散乱型の光変調部材を
含んで構成されており、更に電界の印加によって透明状
態となり、電界を除去しても透明状態が保持されるもの
である。

すなわち、この散乱モード光変調部材４は、例えば高
分子−液晶複合膜，液晶膜，強誘電性液晶膜等の液晶を
含んだ材料、あるいはPLZTのようなセラミックス、また
はBaTiO₃,LiNiO₃等の無機強誘電性結晶、更にポリ弗化
ビニリデン，三弗化エチレン共重合体等の有機強誘電材
料等のいずれか一つの材料を用いている。

そして、上記散乱モード光変調部材４を用いた情報記
録媒体1A,1Bにおいて、散乱モードとは後述する情報記
録媒体1A,1Bの消去，記録，再生動作時に、前述したよ
うに光を散乱する状態（不透明な状態）と、光を透過す
る状態（透明な状態）との二つの態様をとるものであ
る。

また、以下の説明においては、散乱モード光変調部材
４として、上記した数ある材料の中から高分子−液晶複
合膜を用いた実施例について説明する。尚、説明の都合
上、以下の説明においては、散乱モード光変調部材４を
高分子−液晶複合膜４とも記載する。

上記高分子−液晶複合膜４は、メタクリル樹脂，ポリ
エステル樹脂，ポリカーボネート樹脂，塩化ビニール樹
脂，ポリアミド樹脂，ポリエチレン樹脂，ポリプロピレ
ン樹脂，ポリスチレン樹脂，シリコン樹脂等のいずれか
一つの材料で、かつ体積抵抗率が10¹⁴Ωcm以上の多孔質
の高分子材料膜を用い、多孔質の高分子材料膜中のラン
ダムに分布している無数の微小な細孔4aにネマティック
液晶が封入されているもの、あるいはアクリル樹脂を高
分子材とし、スメクティック液晶をランダムに混合した
ものである。

また、液晶が封入されている無数の微小な細孔4aは、
例えば0.5ミクロン程度以下の径のものであり、このた
め後述する電磁波情報を記録した際、高精細度の画像を
形成することが可能となる。そして、後述するように高
分子−液晶複合膜４は、加熱後冷却することによって光
を散乱させる状態，電界によって光を透過させる状態に
光学特性が変化するものである。

また、高分子−液晶複合膜４は、電極3a上に積層され
る場合と、下記する色ストライプフイルタ５上に積層さ
れる場合とがある。

更に、上記色ストライプフイルタ５は、後述する第２
の情報記録媒体1Bに用いられる構成部材の一つであり、
この色ストライプフイルタ５は電極3bと高分子−液晶複
合膜４との間に通常は積層されているものであるが、積
層順はこれに限定されず、色ストライプフイルタ５を最
上層とし、この下に高分子−液晶複合膜４を形成する構
造であってもよい。

また、色ストライプフイルタ５は、第４図および第５
図に示した記録ヘッド10A,10Bに供給する複数の色に分
解した電磁波情報信号に対応した複数の色を有したフイ
ルタ細条を１組として繰り返して情報記録媒体1Bの長さ
Ｌ方向に複数配列形成されている。

また、色ストライプフイルタ５の１組のフイルタ細条
の色は、記録ヘッド10A,10Bに供給する複数の色に分解
した電磁波情報信号（色信号成分）が、例えば赤の信号
成分R,緑の信号成分G,青の信号成分Ｂならば、色ストラ
イプフイルタ５の１組のフイルタ細条の色は、それぞれ
赤のフイルタ細条R,緑のフイルタ細条C,青のフイルタ細
条Ｂとで形成されている。これらのフイルタ細条R,G,B
は、情報記録媒体1Bの巾Ｗ方向に沿って直線的に図示の
如く形成されている。また、このフイルタ細条R,G,Bは
記録ヘッド10Aの分割電極12（第４図）もしくは記録ヘ
ッド10Bの発熱抵抗体17（第５図）の配列された主走査
方向に沿って形成されており、すなわち、フイルタ細条
R,G,Bの長手方向は記録ヘッド10A,10Bの長手方向と同一
方向となるよう形成されている。

また、フイルタ細条R,G,Bの間隔（１つのフイルタ細
条の巾）は、記録ヘッド10Aの分割電極12もしくは記録
ヘッド10Bの発熱抵抗体17の大きさと同程度のフイルタ
細条間隔Ｋとなっている。すなわち、分割電極12もしく
は発熱抵抗体17の大きさは、一般的に８ドット/mm〜16
ドット/mm程度に形成されている。尚、色ストライプフ
イルタ５の色は、R,G,Bの特定な３原色に限定されるも
のでなく、他の色を用いることも可能である。

次に、情報記録媒体1Aおよび情報記録媒体1Bの組み合
せ構成および構造について説明する。

第１図において、第１の情報記録媒体1Aは、平坦な基
板２上に沿って一様に平坦な電極3aが極く薄く膜付け形
成され、更に電極3a上に高分子−液晶複合膜４が膜付け
形成されたものであり、この第１の情報記録媒体1Aは一
番単純な構成および構造に形成されており、すなわち、
散乱モード光変調部材（高分子−液晶複合膜）４を用い
た情報記録媒体のうちでは基本構成されたものである。

第２図において、第２の情報記録媒体1Bは、平坦な基
板２上にストライプ状の電極3bが積層され、この電極3b
上に色ストライプフイルタ５が積層され、更に色ストラ
イプフイルタ５上に高分子−液晶複合膜４が膜付け形成
されたものである。すなわち、第２の情報記録媒体1B
は、電極3bを基板２上に一様に平坦に膜付け形成するこ
となく、色ストライプフイルタ５のフイルタ細条R,G,B
に対応して、第３図に示した如く、分割された電極3b₁
〜3b₃がストライプ状に複数群をなしてパターン化され
て繰り返し形成されている。この電極3bは、例えば電極
3b₁が赤のフイルタ細状Ｒに対応し、電極3b₂が緑のフイ
ルタ細状G,電極3b₃が青のフイルタ細条Ｂにそれぞれ対
応し、これらの電極3b₁〜3b₃は選択電極としての機能を
有している。また、第３図に示した如く、赤のフイルタ
細条Ｒに対応した電極3b₁,緑のフイルタ細条Ｇに対応し
た電極3b₂,青のフイルタ細条Ｂに対応した電極3b₃は、
それぞれ各色ごとに配線パターンで共通に結線されてい
る。

この第２の情報記録媒体1Bを用いて記録する際、記録
ヘッド10A,10B（第４図および第５図）に例えば色信号
成分R,G,Bを順次繰り返し供給すると、電極3b₁〜3b₃に
より選択された色に対応したフイルタ細条R,G,B上の高
分子−液晶複合膜４のみに順次選択記録される。すなわ
ち、上記電極3b（3b₁〜3b₃）は、後述する装置20,30の
記録動作において記録ヘッド10A,10Bに供給した色信号
成分の各色に対応して記録する際、選択電界供給手段と
なるものである。このため、例えば色信号成分R,G,B
が、これらの色信号成分に対応した電極3b₁〜3b₃により
選択され、かつそれぞれのフイルタ細条R,G,Bの色の位
置に正確に記録され、情報記録媒体1B上には記録位置精
度が確保されたカラー画像情報が得られる。この場合、
記録ヘッド10A,10Bの巾（分割電極12あるいは発熱抵抗
体17の大きさ）を、色ストライプフイルタ５のフイルタ
細条の巾（間隔Ｋ）よりも大きくしておくと、記録ヘッ
ド10A,10Bと色ストライプフイルタ５のフイルタ細条の
平行がずれても、色ストライプフイルタ５のそれぞれの
フイルタ細条の色位置に適確に記録できる。

＜記録ヘッド＞上記構成による情報記録媒体1A,1Bに電磁波情報信号
を供給する記録ヘッド10Aおよび記録ヘッド10Bについて
第４図および第５図を用いて説明する。

第４図において、第１の記録ヘッド10Aは、“電界”
を印加して記録する電界発生ヘッドであり、以下電界発
生ヘッド10Aと呼称する。この電界発生ヘッド10Aは、断
面図示にてセラミックス等の材料を用いた基板11の下
に、主走査方向に沿って複数の分割電極12が積層されて
いる。また、必要に応じて分割電極12を保護するオーバ
コート13（二点鎖線図示）が施される場合もある。そし
て、複数の分割電極12は記録すべき電磁波情報信号の画
素になり、これらの分割電極12に電磁波情報信号を電圧
として供給することにより、後述するように情報記録媒
体1Bに“電界”が印加されてカラー画像情報が記録がで
きる。また、分割電極12によって記録されるドットの大
きさは、一般的に８ドット/mm〜16ドット/mm程度に形成
されている。

尚、電界発生ヘッド10Aを用いて情報記録媒体1A上に
記録することは可能であるが、これについては先に本出
願人が提案済みなためここでは詳述を省略する。

第５図において、第２の記録ヘッド10Bは、通常では
“熱”を印加して記録するサーマルヘッドであり、以下
第２の記録ヘッド10Bをサーマルヘッド10Bと呼称する。

サーマルヘッド10Bは、下面から見てセラミックス等
の材料を用いた基板14上に、主走査方向に沿って複数の
電極15と、これらの電極15に対向するコモン電極16との
間に接続された複数の発熱抵抗体17とが配列されてい
る。そして、複数の電極15は記録すべき電磁波情報信号
の画素になり、これらの電極15に電磁波情報信号を提供
することにより、発熱抵抗体17の熱が情報記録媒体1A,1
Bに加えられて記録ができる。また、発熱抵抗体17によ
って記録されるドットの大きさは、一般的に電界発生ヘ
ッド10Aの分割電極12とほぼ同程度の大きさとなる。

＜情報記録／再生装置20＞本発明に係わる情報記録／再生装置20について、第２
図乃至第４図，第６図，第８図および第12図を併用して
説明する。

本発明に係わる情報記録／再生装置20は、先に説明し
た第４図に示した電界発生ヘッド（第１の記録ヘッド）
10Aを用いて、第２図に示した情報記録媒体1B上に“電
界”を印加してカラー画像情報を得ることが可能な情報
記録／再生装置20である。

まず、第６図において、本発明に係わる情報記録／再
生装置20の構成は、情報記録媒体1Bを平坦な載置台21の
上に搭載させ、載置台21を移動しなが電界発生ヘッド10
Aに複数の色に分解した電磁波情報信号の例えば信号成
分R,G,Bを図示の如く順次繰り返し供給し、この電磁波
情報信号を分割電極12により“電界”として情報記録媒
体1B上に印加させるものである。尚、この際、載置台21
を固定し、電界発生ヘッド10Aを移動しながら記録する
ことも可能である。

すなわち、載置台21に搭載された情報記録媒体1Bは、
前述したように散乱モード光変調部材（高分子−液晶複
合膜）４を主構成としたものであり、ここでは一部箇所
のみ細部図示してある。

また、載置台21は金属材料により上面21aが平坦に形
成されており、その下方に左右一対のガイドレール22,2
3が摺動自在に嵌入されている。また、載置台21は周知
の伝達機構，例えば歯車，ベルト，プーリ等によりドラ
イブモータ24の軸24aと連結され、ドライブモータ21を
回転制御することにより、載置台21が矢印C1,C2方向に
直線的に摺動制御される構造である。

また、載置台21上に搭載された情報記録媒体1Bの第３
図に示した選択電極となる電極3b₁〜3b₃は電極切換え手
段28aの一端側に接続され、且つ、電極切換え手段28aの
他端側が接地されている。従って、電極切換え手段28a
は、電界発生ヘッド10Aと電極3b₁〜3b₂との間に電磁波
情報信号の信号成分RGBによる電圧（電界）が印加され
ることにより、電極3b₁〜3b₃を接地に対して直流電圧が
色ごとに順次印加されるように記録時選択切換え制御す
るようになっている。

また、載置台21に搭載された情報記録媒体1Bの上方に
は、消去用の消去ヘッド25および記録用の電界発生ヘッ
ド10Aが図示しない押圧手段により押圧状態に固定され
ており、載置台21を矢印C1方向（副走査方向）に移動さ
せて電界発生ヘッド10Aにより記録が可能となる。

また、上記消去ヘッド25は、スイッチ26を介して電源
27と接続されており、かつ電源は接地されている。

また、上記消去ヘッド25は、記録前に情報記録媒体1B
上を散乱状態に戻しておくものである。この消去ヘッド
25は主走査方向に沿って図示しない発熱体が設けられて
いるものならばよく、先に説明したサーマルヘッド10B
の発熱抵抗体17を用いて熱で消去し、冷却後散乱状態に
する構成でも何等の支障も生じない。

また、消去ヘッド25は、記録時の載置台21の移動方向
が矢印C1方向（サーマルヘッド副走査方向）に設定され
ている時には、消去ヘッド25は図示の位置関係に配設さ
れており、すなわち、記録時進行方向に対して電界発生
ヘッド10Aより先行して配設され、消去しながら記録可
能となっている。尚、記録終了後、矢印C2方向に載置台
21を戻す時でも消去は可能となっている。

ここで上記構成による情報記録／再生装置20の消去，
記録，再生動作について説明する。

まず、消去動作は、スイッチ26を閉じて消去ヘッド25
の発熱体に電源27を供給すると、発熱体の熱により情報
記録媒体1B上が消去される。すなわち、消去ヘッド25に
熱を加え、その後情報記録媒体1Bが自然冷却されると、
第８図に示した電界変化特性における散乱状態（不透明
な状態）となる。この散乱状態が消去された状態であ
る。

また、第８図に示した電界変化特性は、しきい値V0以
上の電界を印加すると透明状態に移行することも示して
いるものであり、所定な電界を加えると完全に透明状態
となるものであり、図示の如く“S"の字状の特性曲線を
有しており、従って電界印加条件を制御することによ
り、散乱状態（不透明な状態）と透明状態との間を段階
的に制御でき、階調性のある記録が可能となるものであ
る。従って、情報記録／再生装置20はこの電界変化特性
により、熱…消去，電界…記録を行い、かつ色ストライ
プフイルタ５のフイルタ細条に選択記録するものであ
る。

そして、複数の色に分解した電磁波情報信号の例えば
信号成分R,G,Bを電界発生ヘッド10Aの分割電極12に“電
界”として順次繰り返し供給すると、散乱状態となされ
た情報記録媒体1B上には、印加された信号成分R,G,Bに
応じた階調性のあるカラー画像情報が記録される。

すなわち、電界発生ヘッド10Aがストライプフイルタ
５のフイルタ細条R,G,Bのそれぞれの色の位置に至った
際に、各色位置と対応する色信号を電界発生ヘッド10A
に選択的に供給すると共に、電極切換え手段28aにより
各色ごとに共通に結線したストライプ状の電極3b₁〜3b₃
に直流電圧を色ごとに順次印加する。そして、信号成分
Ｒの時には電極3b₁が選択されてフイルタ細条Ｒの位置
に記録され、次に信号成分Ｇの時には電極3b₂が選択さ
れてフイルタ細条Ｇの位置に記録され、更に信号成分Ｂ
の時には電極3b₃が選択されてフイルタ細条Ｂの位置に
記録され、以下順次繰り返えされる。また、電極3b₁〜3
b₃を電極切換え手段28aにより切換えす時には、それぞ
れの電極3b₁〜3b₃が電極切換え手段28aを介して図示の
如く接地されているため、電界発生ヘッド10Aと電極3b₁
〜3b₃との間には電磁波情報信号の信号成分RGBによる電
圧（電界）が印加され、これにより電極3b₁〜3b₃は接地
に対して直流電圧が色ごとに順次印加されることになる
ので、電界発生ヘッド10Aにより信号成分R,G,Bがこれら
と対応したフイルタ細条R,B,Gの位置に正確に記録され
て、混色のない記録が可能となるものである。

次に、情報記録媒体1Bに記録されたカラー画像情報を
再生する動作は、例えば第12図に示すようなOHP表示手
段（再生手段）40による構成である。OHP表示手段40
は、筐体41、レンズ42、ミラー43からなる再生手段を有
しており、筐体41の上面には記録された情報記録媒体1B
が載置され、筐体41の内部に収納されている図示しない
光源からの照射光によって情報記録媒体1Bのカラー画像
情報がレンズ42、ミラー43を介して図示しないスクリー
ン上に所望の大きさに拡大し再生投写されるものであ
る。

＜情報記録／再生装置30＞本発明に係わる変形例の情報記録／再生装置40につい
て、第１図乃至第３図，第５図，第７図，第９図乃至第
11図を併用して説明する。

本発明に係わる変形例の情報記録／再生装置30は、先
に説明した第５図に示したサーマルヘッド（第２の記録
ヘッド）10Bを用いて、第１図に示した情報記録媒体1A
または第２図に示した情報記録媒体1B上に“電界および
熱”を同時に印加して画像情報を形成する装置である。
尚、ここでは前述した情報記録／再生装置20と異なる構
成および動作についてのみ詳述する。

まず、第７図において、本発明に係わる情報記録／再
生装置30の平坦な載置台21の上には、情報記録媒体1Aあ
るいは情報記録媒体1Bが搭載される。

また、載置台21に搭載された情報記録媒体1A,1Bの上
方には、記録用のサーマルヘッド10Bが固定されてい
る。このサーマルヘッド10Bは、情報記録媒体1A,1B上に
図示しない押圧手段により押圧されており、載置台21を
矢印C1方向（副走査方向）に移動させることにより記録
が可能となる。

また、情報記録媒体1A,1Bが搭載されている時には、
情報記録媒体1Aの電極3aおよび情報記録媒体1Bの電極3b
は、電極切換え手段28aおよび切換えスイッチ28bと接続
され、更に切換えスイッチ28bは、電源29と接続された
りあるいは接地される構造になっている。

また、情報記録／再生装置20で説明したように情報記
録媒体1A,1Bは、消去ヘッド25により消去されて散乱状
態（不透明な状態）になっている。

ここで上記構成による情報記録／再生装置30の記録動
作について説明する。尚、消去，再生動作は情報記録／
再生装置20と同様なためここでは説明を省略すが、消去
時情報記録媒体1Aの電極3aおよび情報記録媒体1Bの電極
3bは、電極切換え手段28aおよび切換えスイッチ28bを介
して接地されるよう電極切換え制御される。

上記散乱状態となされた情報記録媒体1A,1Bに“電界
および熱”を同時に印加して記録する方法が本発明の情
報記録／再生装置30の特徴であり、以下この方法につい
て説明する。

情報記録媒体1A,1Bとして散乱モード光変調部材（高
分子−液晶複合膜）４を用いて各種の実験を行ったとこ
ろ第９図に示す電界変化特性が得られた。すなわち、第
９図において、散乱状態となされた情報記録媒体1A,1B
を電界により透過方向に記録するもので、一定温度で電
界を変化させるとのような電界変化特性曲線となる
が、このの特性曲線は温度依存性を有している。従っ
て、逆に電界を所定な値，すなわち、一定な値E₀に設定
すると、の特性曲線に対応した低い温度では散乱状態
に移行し、一方、の特性曲線に対応した高い温度では
透過状態に移行する。また、の特性曲線に対応した中
間の温度では散乱状態と透過状態との中間の状態とな
る。このように電界を印加して熱制御し、すなわち“電
界および熱”を同時に印加することにより、情報記録媒
体1A,1B上に容易に記録が可能となると共に、階調性の
ある高精細度の画像情報が得られる。尚、この時、電界
E₀が印加されていないと、温度を制御しても散乱状態の
ままとなり、情報記録媒体1A,1B上には記録されない。

上記の記録原理を利用して、電源29およびサーマルヘ
ッド10Bを用いた記録動作を第10図および第11図に示し
てある。

第10図に示した構造は、情報記録媒体1Bを用いた場合
を示している。尚、情報記録媒体1Aを用いた場合につい
ては、カラー化されない電磁波情報信号が供給されるも
のであり、記録された画像情報はモノクロ画像となる
が、ここではあえて詳述を省略する。

第10図中、情報記録媒体1Bの電極3b（3b₁〜3b₃）は、
電極切換え手段28aおよび切換えスイッチ28bを介して一
定な電界E₀を供給する電源29と接続されている。また、
サーマルヘッド10Bの発熱抵抗体17には、分割電極15,コ
モン電極16を介して複数の色に分解された電磁波情報信
号の例えば信号成分R,G,Bが順次繰り返し供給されるよ
うになっており、この信号成分R,G,Bに対応して発生す
る発熱抵抗体17の熱が情報記録媒体1Bに加えらる。この
ように、記録媒体1Bには電源29による“電界”と、サー
マルヘッド10Bの発熱抵抗体17による“熱”とが同時に
印加されているものである。“電界と熱""とにより記録
された情報記録媒体1Bは信号成分R,G,Bに応じて散乱状
態と透明状態との間で段階的に記録され、階調性のある
高精細度なカラー画像情報が得られるものである。

また、第11図に示した構造は、サーマルヘッド10Bを
端面型電極形状にし、この分割電極15と情報記録媒体1B
の電極3b（3b₁〜3b₃）とを、一定な電界E₀を供給する電
源29,切換えスイッチ28b,電極切換え手段28aを介して接
続したものである。この場合、情報記録媒体1Bのインピ
ーダンスに対してサーマルヘッド10Bの発熱抵抗体17の
インピーダンスは無視し得るため、情報記録媒体1Bとサ
ーマルヘッド10Bとの間に有効に電界が印加されるもの
である。また、サーマルヘッド10Bの発熱抵抗体17に
は、分割電極15,コモン電極16を介して複数の色に分解
された電磁波情報信号の例えば信号成分R,G,Bが順次繰
り返し供給されるようになっており、以下、第10図に示
したと同様な記録動作となる。尚、記録時には、サーマ
ルヘッド10Bは数Ｖの電圧で駆動され、情報記録媒体1A
の電極3aあるいは情報記録媒体1Bの電極3bには数十もし
くは数百Ｖの電圧が印加される。

尚、情報記録／再生装置30において、記録の対象とな
る複数の色に分解された電磁波情報信号の例えば信号成
分R,G,Bとフイルタ細条R,G,Bの対応する位置関係、情報
記録媒体1Bの電極3bの電極選択方法については前述した
情報記録／再生装置20と同一であり、ここでは省略す
る。

このように上記した情報記録／再生装置30で“電界お
よび熱”によって情報記録媒体1Aに電磁波情報を記録し
た場合、階調性のある高精細度なモノクロ画像情報が容
易に得られ、一方、情報記録媒体1Bに電磁波情報を記録
した場合、階調性のある高精細度なカラー画像情報が得
られる。

（発明の効果）以上詳述したように、本願発明に係わる情報記録媒体
及び情報記録装置において、請求項１記載の情報記録媒
体によると、とくに、ストライプ状の電極は、各色のフ
イルタ細条に対応して各色ごとに配設し且つ各色ごとに
配線パターンで共通に結線しているので、ストライプ状
の電極に直流電圧を各色ごとに順次印加することができ
ると共に、ストライプ状の電極に電界を印加する構造が
非常に簡単となる。

また、請求項２記載の情報記録／再生装置によると、
とくに、記録ヘッドがフイルタ細条の各色位置に至った
際に、各色位置と対応する色信号を記録ヘッドに選択的
に供給すると共に、各色ごとに共通に結線したストライ
プ状の電極に直流電圧を色ごとに順次印加しているの
で、ストライプ状の電極に直流電圧を印加する回路が簡
単となると共に、記録しようとする色以外には色信号及
び直流電圧が印加されないため、混色のない記録が可能
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明に係わる情報記録／再生装
置に用いられる情報記録媒体の構成を示した図、第３図
は第２図に示した情報記録媒体の電極構造を示した図、
第４図および第５図は本発明に係わる情報記録／再生装
置に用いられる記録ヘッドの構成を示した図、第６図お
よび第７図は本発明に係わる情報記録／再生装置の構成
を示した構成図、第８図および第９図は情報記録媒体の
電界変化特性を示した図、第10図および第11図は第７図
に示した情報記録／再生装置での記録動作を説明するた
めの図、第12図は情報記録媒体の再生動作を説明するた
めの図である。 1A……第１の情報記録媒体、 1B……第２の情報記録媒体、２……基板、３（3a,3b）……電極、 3b₁〜3b₃……電極（ストライプ状の選択電極）４……散乱モード光変調部材（高分子−液晶複合膜）５……色ストライプフイルタ、 10A……第１の記録ヘッド（電界発生ヘッド）、 10B……第２の記録ヘッド（サーマルヘッド）、 20……情報記録／再生装置、21……載置台。 28a……電極切換え手段、29……電源、 30……情報記録／再生装置、 40……OHP表示手段。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者小山剛久神奈川県横浜市神奈川区守屋町３丁目12 番地日本ビクター株式会社内 (72)発明者内山裕治神奈川県横浜市神奈川区守屋町３丁目12 番地日本ビクター株式会社内審査官河原正 (56)参考文献特開昭63−293069（ＪＰ，Ａ) 特開昭63−170485（ＪＰ，Ａ) 特開昭62−212621（ＪＰ，Ａ) 特開昭63−124024（ＪＰ，Ａ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】不透明状態と透明状態とを段階的に保持す
る散乱モード光変調部材と、記録の対象となる情報信号
の分解された複数の色信号に対応して複数の色を有した
フイルタ細条を１組として繰り返し配設した色ストライ
プフイルタと、各色の前記フイルタ細条に対応して各色
ごとに配設し且つ各色ごとに配線パターンで共通に結線
したストライプ状の電極とを重ね合わせて構成した情報
記録媒体。
【請求項２】不透明状態と透明状態とを段階的に保持す
る散乱モード光変調部材と、記録の対象となる情報信号
の分解された複数の色信号に対応して複数の色を有した
フイルタ細条を１組として繰り返し配設した色ストライ
プフイルタと、各色の前記フイルタ細条に対応して各色
ごとに配設し且つ各色ごとに配線パターンで共通に結線
したストライプ状の電極とを重ね合わせて構成した情報
記録媒体を用いて前記情報信号を記録ヘッドにより該情
報記録媒体に記録して画像情報を形成する情報記録／再
生装置であって、前記記録ヘッドが前記フイルタ細条の各色位置に至った
際に、各色位置と対応する前記色信号を該記録ヘッドに
選択的に供給すると共に、各色ごとに共通に結線した前
記スライプ状の電極に直流電圧を色ごとに順次印加する
ように構成したことを特徴とする情報記録／再生装置。