JP2563803Y2 - コンパクトディスク収納用書籍 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、コンパクトディスク
（以下、ＣＤと略称する）を収納できるコンパクトディ
スク収納用書籍に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ＣＤの普及により書籍にも対応で
きるようなＣＤを収納した電子ブックと呼ばれる書籍が
広く知られている。このような電子ブックと呼ばれるＣ
Ｄ収納用書籍は、開閉可能なプラスチックケース（射出
成型品）の内側の一方の面に、真空成形された凹部を有
するトレイが嵌め込まれており、このトレイの凹部にＣ
Ｄを収納できる構造となっている。また、上記ケースの
内側の他方の面には、ＣＤの内容に関連した記事を掲載
したブックレットを収めることができる係止用部材が設
けられている。

【０００３】しかしながら、このようなＣＤ収納用書籍
は、全体がプラスチックのケースで構成されたプラスチ
ック成形品であり、成形に使用される樹脂の素材によっ
ても異なるが、例えばケースがポリスチレン樹脂で成形
されたものでは、その樹脂量が約９７ｇを要するのに対
し、トレイだけの樹脂量は、その素材によっても異なる
が、約６〜１３ｇという少量であるため、上記のような
ケースを用いた場合、多大な樹脂量を要するので、省エ
ネが叫ばれている現在では樹脂の削減にはつながらない
という不利がある。また、全体が厚手のプラスチックケ
ースで覆われているため通常の書籍に比べて重く、取り
扱いが悪いという欠点がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】このような不利を解決
するために、最近、プラスチックケースに代えて板紙を
二つ折りにして、その内側の一方の面に真空成形された
薄いプラスチック製の軽いＣＤ用トレイを貼着したＣＤ
収納用書籍が開発されている。このようなトレイは、通
常、その周縁に板紙に貼着するための耳部を有するた
め、トレーと書籍の背表紙の間に、耳部分の間隙が生じ
る。それ故、書籍を閉じたとき、書籍の背幅の部分が斜
めに倒れてしまうという問題があった。

【０００５】本考案は上記従来の問題点を解決するもの
で、書籍の背幅部分の倒れを防止できる軽量かつ丈夫
で、安価なＣＤ収納用書籍を提供することを課題とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案者らは、上記課題
を解決するために種々検討を重ねた結果、上記課題を解
決することのできるＣＤ収納用書籍を開発した。

【０００７】すなわち、本考案は、板紙を二つ折りにし
て、その内側の一方の面にはコンパクトディスクを嵌め
込む凹部を有するプラスチック製トレイが貼着され、内
側の他方の面にはそのディスクの内容に関連した説明書
ないし解説書を掲載したブックレットを収納したコンパ
クトディスク収納用書籍であって、前記トレイの周縁に
は、前記板紙に接する耳部を有し、その耳部の内側にほ
ぼ垂直に立ち上がった側面が形成され、前記書籍ののど
側の立ち上がり側面には、少なくとも二個の外側へ突出
した、ほぼ垂直に立ち上がったリブを、その突出先端部
が書籍の背表紙の内側面に当接するように形成させたこ
とを特徴とするコンパクトディスク収納用書籍を要旨と
するものである。

【０００８】以下、本考案のＣＤ収納用書籍について詳
細に説明する。本考案に用いられるＣＤ収納用書籍は、
二つ折りの板紙、その板紙の一方の内側に取り付けられ
るプラスチック製トレイ、他方の内側に収められるブッ
クレットから構成されるもので、前記トレイに特異な形
状を施したことに技術的な特徴がある。

【０００９】本考案のＣＤ収納用書籍に用いられるトレ
イは、コンパクトディスクを保持する強度を有する可及
的薄肉のプラスチック製のもので形成される。したがっ
て、薄肉トレイは、通常真空成形によって成形される。
このトレイの形成に用いられる樹脂としては、スチレン
樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン等が挙げられ、
特にスチレン樹脂が好ましく採用される。

【００１０】このトレイには、ＣＤを収納する円形凹部
と、その中央部に設けられたＣＤ係止用突起と周辺部に
設けられた複数個のＣＤ取り出し用小くぼみが設けられ
ている。また、トレイの周縁には、前記板紙に接する耳
部が形成され、さらにこの耳部の内側には、ほぼ垂直な
立ち上がり状の側面が形成されている。

【００１１】また、このトレイののど側の立ち上がり側
面には、外側へ突出したリブが形成されている。このリ
ブは、リブの突出先端部が書籍の背表紙の内側面に当接
するように形成することが重要である。また、このリブ
はトレーののど側側面に、少なくとも二個適当な間隔を
開けて設ける必要がある。このリブが一個では、板紙を
閉じたときの背幅部分の倒れ防止効果が弱い。このリブ
を二個以上形成すると、背幅部分の完全な倒れ防止効果
が得られる。このリブは、通常２〜３個設けられる。こ
のリブは、板紙を閉じたときの背幅部分の斜め倒れを防
止すると共に、トレー自体の強度を高める。また、この
リブの形状は、通常半円筒状の突起で形成されるが、特
にこの形状には限定されない。

【００１２】トレーのその他の立ち上がり側面に、トレ
ー自体の強度を上げるため、例えば半円筒状の凸又は凹
形リブを形成させることが好ましい。これらのリブは、
それらの位置をトレーごとに多少ずらすように成形すれ
ば、トレーの重なりを防止できるので、書籍を製作する
過程で、トレーを台紙に貼着する際、積み重ねられたト
レーを一枚ずつ機械によって自動的に、台紙の所定位置
移動することができ、作業の能率化が図れる。

【００１３】上記トレーは、その全周縁に形成された耳
部を板紙へ貼着して取り付けられるが、耳部の全周にわ
たって貼り付けてもよいし、小口側、のど側と、それら
と平行な中央線上をのり付けしてもよい。この場合、中
央線上の天面側及び地面側側面に半円筒状の凹形リブを
設けると、この凹形底面積分のり付け面積が広くなって
接着力が増大する。

【００１４】また、上記トレイの周縁に形成される耳部
は、約４ｍｍ程度の幅が好ましい。この幅が４ｍｍより
長いと貼着される板紙の隅の部分の強度が弱く、書籍の
天面側、地面側、小口側のコーナ部が、折れ曲がった
り、割れたりするので好ましくなく、４ｍｍより短いと
貼着される板紙との接着力が弱くなる。

【００１５】さらに、上記のトレイの外周の全側面は、
ほぼ垂直に立ち上がり状に形成されている。この側面が
斜めに傾斜しているトレイでは、板紙を折り畳んだとき
に表表紙の四周の端部からトレイ側面までの長さが、ト
レイの貼着された四周の耳端からトレイ側面までの長さ
よりはるかに長くなりすぎるため、板紙を二つ折りにし
た状態では表表紙の四周部分が折れ曲りやすくなる。こ
のため、トレイの外周の全側面は、板紙面に対して８５
°〜９０°の角度が望ましい。

【００１６】本考案のＣＤ収納用書籍を構成する二つ折
りにした板紙は、その四隅部分にアールを形成すると、
電子ブックの輸送中の折れや破損、あるいは手や指の傷
つきを防止できる。

【００１７】また、上記板紙の内側の他方の面には、Ｃ
Ｄの内容に関連した説明書や解説書を掲載したブックレ
ットを貼付してもよく、またブックレットをおさめるポ
ケットを設けてもよい。

【００１８】本考案に用いられるＣＤ収納用書籍は、従
来から使用されていたプラスチックケースに代えて板紙
を用いたものであるが、この板紙は、通常用いられてい
るものであればどのような材質のものでもよい。

【００１９】

【作用】本考案の書籍の板紙に貼着されたトレイののど
側側面に設けられたリブは、書籍を閉じたとき、リブの
突出先端部が書籍の背表紙の内側に当接し、背側の部分
の斜め倒れを防止する。

【００２０】

【実施例】つぎに、本考案の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図１は、本考案のコンパクトディスク収納
用書籍の一例を示す説明用斜視図である。図に示すよう
に、本考案のＣＤ収納用書籍１は、二つ折りの板紙２、
その板紙の一方の内側に貼着されるプラスチック製トレ
イ３、他方の内側に設けられたポケット４に収められる
ブックレット５から構成されている。

【００２１】このトレイ３には、ＣＤ６を収納する円形
の凹部７と、その中央部に設けられたＣＤ係止用突起８
と、周辺部に設けられた４個のＣＤ取り出し用小くぼみ
９が設けられている。また、トレイ３の周縁には板紙２
の内面に接する耳部１０が形成され、またその内側には
立ち上がり状の側面１１が形成されている。こののど側
の立ち上がり状の側面１１には、外側へ突出した二個の
リブ１２が、その突出先端部が書籍の背表紙の内側面１
５に当接するように形成されている。さらに、トレイ３
の天面側および地面側には、それぞれ半円筒状の凹形リ
ブ１３が設けられている。

【００２２】また、板紙の四隅部分には、アール１４が
形成され、板紙の内側の他方の面には、ＣＤの内容に関
連した説明書などを掲載したブックレット５を収めるポ
ケット４が設けられており、そのポケット４にブックレ
ット５が矢印の方向に収納される。

【００２３】

【考案の効果】本考案のＣＤ収納用書籍によれば、書籍
の背側の部分の斜め倒れを防止できるとともに、軽量
で、安価なＣＤ収納用書籍を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案のＣＤ収納用書籍の一例を示す
説明用斜視図である。

【符号の説明】

１ ＣＤ収納用書籍 ２ 板紙 ３ トレイ ４ ポケット ５ ブックレット ６ ＣＤ ７ 皿状凹部 ８ ＣＤ係止
用突起 ９ ＣＤ取り出し用小くぼみ １０ 耳部 １１ 立ち上がり状の側面 １２ リブ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 板紙を二つ折りにして、その内側の一方
   の面にはコンパクトディスクを嵌め込む凹部を有するプ
   ラスチック製トレイが貼着され、内側の他方の面にはそ
   のディスクの内容に関連した説明書ないし解説書を掲載
   したブックレットを収納したコンパクトディスク収納用
   書籍であって、前記トレイの周縁には、前記板紙に接す
   る耳部を有し、その耳部の内側にほぼ垂直に立ち上がっ
   た側面が形成され、前記書籍ののど側の立ち上がり側面
   には、少なくとも二個の外側へ突出した、ほぼ垂直に立
   ち上がったリブを、その突出先端部が書籍の背表紙の内
   側面に当接するように形成させたことを特徴とするコン
   パクトディスク収納用書籍。