JP2563797B2 - ボルデテラ属細菌の蛋白質抗原の精製方法 - Google Patents

ボルデテラ属細菌の蛋白質抗原の精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は無細胞ワクチンを得ることを目的とするボル
デテラ属細菌の蛋白質抗原の精製方法の改良に関する。
ボルデテラ属細菌たとえば百日咳菌(ボルデテラ・パ
ータッシス Bordetella pertusis)、パラ百日咳菌
(ボルデテラ・パラパータッシスBordetella parapertu
sis)及び気管支敗血症菌(ボルデテラ・ブロンキセプ
チカ Bordtella bronchiseptica)の培養により、F−
HA(線状血球凝集素 Filamentous Hemagglutinin)を
産生し得ることは公知である胃また百日咳菌の培養によ
り蛋白質外毒素:パータッシス毒素〔LPF又はLPF−HA
(白血球増多症促進因子−血球凝集素:Leukocytosis Pr
omoting Factor Hemagglutinin)とも呼ばれる〕も生ず
る。
ボルデテラ属細菌は公知の病原菌である。とくに百日
咳菌は百日咳の病原菌であることまたその工業的培養が
百日咳ワクチンの産生に利用されていることは公知であ
る。
また、パータッシス毒素抗原及びF−HAが無細胞の百
日咳ワクチンの組成物中で有利に使用得ることも公知で
ある。
パータッシス毒素の精製は一般にアフィニティー・ク
ロマトグラフィーによる精製工程を包含している。
アフィニティー・クロマトグラフィーの担体からのパ
ータシッス毒素の溶出は、一般に、高濃度の塩及び/又
はカオトロピック薬剤又は変性剤たとえば塩化マグネシ
ウム、尿素、チオシアン酸ナトリウム又はカリウム、グ
アニジン塩酸塩などを含んでいる緩衝液によって行なわ
れる。しかしながら、これらの物質の存在下において得
られた有効成分はそのままではワクチンの調製に利用で
きない。従って毒素含有溶出液について、更にカオトロ
ピック薬剤の完全な除去及び/又は塩濃度の低減を目的
とする補足的工程を行わなければならない。この補足的
工程はたとえば徹底的な透析又はゲルによる濾過を行う
ことからなる(たとえば米国特許第4500639号明細書及
び欧州特許出願第0140386号明細書参照)。
そのほかにこれらの溶出方法の利用には一般に有効成
分の部分的かつ非可逆的な不溶化が伴なう。
本発明は特殊な緩衝溶液を利用するパータッシス毒素
の精製に関する。この特殊な緩衝液の利用により、アフ
ィニティー・クロマトグラフィー担体からパータッシス
毒素を溶出させ得る。該緩衝液を利用することにより単
一の工程でかつ高い収率でパータッシス毒素を溶出さ
せ、従ってまた精製し得る。更に、上記緩衝液に界面活
性剤を添加したものを利用することにより、パータッシ
ス毒素及びF−HAの損失を伴うことなしに、これらを可
溶化ができる。この緩衝液はまたパータッシス毒素の無
毒化(detoxification)法において溶媒の役割を果し、
アナトキシンを溶液中に維持することもできる。
そのほか、通常用いられる緩衝液とは異なって、本発
明の特殊な緩衝液はワクチン製剤と両立できる。換言す
ればこの緩衝液中に溶解している抗原は直接にワクチン
調製に利用できる。
従って本発明は、ボルデテラ属細菌培地中で生成する
蛋白質抗原を精製するにあたり、培地の上澄液又はパー
タッシス毒素に富むフラクションを、パータッシス毒素
を固定し得るクロマトグラフィー固体担体と接触させ、
次に毒素を該固体担体から、pH8.3〜11.6の炭素塩緩衝
液により溶出させることを特徴とするボルデテラ属細菌
の蛋白質抗原の精製方法を提供することを目的とする。
この種の緩衝液は従来の方法、たとえばアルカリ金属
(アルカリ金属はナトリウム又はカリウムである)の重
炭酸塩(炭酸水素塩)と炭酸塩との混合物の水溶液を調
製するか又はアルカリ金属(ナトリウム又はカリウム)
水酸化物の水溶液とアルカリ金属炭酸水素塩の水溶液と
の混合により調製し得る。
炭酸塩緩衝液のモル濃度は0.025〜0.5Mであること、
またpHは8.3乃至11.6であることが望ましい。
本発明により用いられる炭酸塩緩衝液はそのほか界面
活性剤たとえばトウィーン80(Tween80、ポリオキシエ
チレン(20)モノオレイン酸ソルビタンの商品名)のご
とき非イオン系界面活性剤を含むことができる。
一般的には、沈澱又は凍結乾燥品の形をしている生成
物(パータッシス毒素又はF−HA)を可溶化するために
は、必要ならば、界面活性剤を含んでいる緩衝液を用い
ることが望ましい。その場合、緩衝液中の界面活性剤の
濃度は通常、1重量%未満、多くの場合、0.5重量%未
満である。パータッシス毒素の溶出に関しては界面活性
剤を含有していない炭酸塩緩衝液を用いることが望まし
い。
本発明に従って炭酸塩緩衝液を使用することにより以
下に述べるとおりの利点が得られる。
炭酸塩緩衝液はアフィニティー・クロマトグラフィー
担体からパータッシス毒素を溶出させることができる。
クロマトグラフィーにかける液体はボルデテラ属細菌培
地の上澄液でもパータッシス毒素が冨化されているフラ
クションでもよい。
無細胞ワクチンにおいてパータッシス毒素を使用する
場合には、予め毒素化処理たとえばホルモール又はグル
タルアルデヒドを用いる処理を行う必要があることは公
知である。無毒化はとくにマウスのリンパ球増多症導入
の効果、ヒスタミンに対する鋭敏化、ADP−リボシルト
ランスフェラーゼ活性、CHO(チャイニースハムスタ卵
巣)細胞に及ぼす細胞病原効果などを排除することを目
的とする。
この種の無毒化たとえばホルモールによる無毒化は毒
素を不溶化し、これが均質な精製された調剤の取得を困
難にする(たとえば米国特許第4455297号明細書参
照)。
炭酸塩緩衝液、場合により界面活性剤を添加したもの
を使用することにより、溶液中での無毒化処理の実施及
び得られたアナトキシンを溶液中に維持することが可能
になる。
最後に前述のとおりアナトキシン・パータッシスの炭
酸塩緩衝液中の溶液は、直接、無細胞ワクチンの調製に
使用できる。
更に、炭酸塩緩衝液(場合によってはたとえばトウィ
ーン80のごとき非イオン系界面活性剤を添加したもの)
はF−HAを溶液とするのに有利に作用する。
特殊な実施形式においては、pHを6乃至8望ましくは
7に調節した後に、培地上澄液を又はパータッシス毒素
が冨化されているフラクションを、パータッシス毒素に
対して親和力のあるグリコプロティンとくに、アシアロ
ーグリコプロテイン(たとえばアシアロフェチュイン)
を固体クロマトグラフィー担体に結合したものと接触さ
せる。使用するクロマトグラフィー担体の量は出発溶液
の容積及び/又は精製すべきフラクション中のパータッ
シス毒素の濃度によって変動する。接触は2乃至30℃の
カラム内温度において行なわれる。
パータッシス毒素に対して親和力のあるグリコプロテ
ィンは公知である:たとえばハプトグロビン、フェチュ
インなどがあげられる。しかしながら、アフィニティー
・クロマトグラフィーを予め脱シアル酸(desialylatio
n)処理を施こしたこれらの蛋白質に行なうことが好ま
しい;この脱シアル酸処理は公知の方法に従って穏和な
酸性加水分解によって行なわれる(たとえばSpiroほ
か、J.Biol Chem.1974,249,5704−5717参照)。
グリコプロティン又は脱シアル酸処理したグリコプロ
ティン(アシアログリコプロテイン)の結合(couplin
g)は公知の方法に従って行なうことができる。担体は
アフィニティー・クロマトグラフィーにおいて通常用い
られる、従来の任意の固体担体であることができる。
担体はとくにセルロース誘導体、架橋デキストラン、
アガロース・ゲル又はセファロース4B(Sepharose−4
B)などの多糖類(polyosidique)誘導体又はIBF社(In
dustrie Biologique Francaise)から市販のトリスアク
リル(Trisacryl)などのアクリル誘導体基質の担体で
ある。
グリコプロティンはたとえばCNBrで活性化された担体
を用いて担体上に固定できる。
担体または架橋DEAEデキストランで被覆した多孔質シ
リカ担体であり得る。たとえばDEAEデキストランで被覆
したスフェロシル(Spherosil)が使用できる。
本発明の方法において用いられる炭酸塩緩衝液はモル
濃度0.025乃至0.5 M、pH 8.3乃至11.6の緩衝液であるこ
とが望ましい。
溶出後、パータッシス毒素はたとえば飽和の50−80%
の硫酸アンモニウムにより沈澱させるか又は直接に無毒
化工程で処理することができる。
かくして精製した毒素は硫酸アンモニウムを用いて生
成させた沈澱又は凍結乾燥品の形で保存できる。沈澱又
は凍結乾燥品はトウィーン80のごとき界面活性剤を約0.
05−0.5%の最終濃度で含有し得る、pH 8.3乃至11.6の
かつモル濃度が25mMを超える炭酸塩緩衝液、望ましくは
トウィーン80を0.05%含有する。pH 9.6、100 mMの炭酸
塩緩衝液(以下緩衝液CTWという)に溶解させることが
できる。
残存硫酸アンモニウム又は凍結乾燥担体を除去する目
的で、温度2乃至30℃の数倍の容積の同じ緩衝液に対し
て、溶液の透析を4乃至72時間の持続時間の間行なう。
緩衝液の組成により完全な可溶化ができる。溶液は孔径
0.22μmの膜で濾過できる。これにより、無菌環境中で
の無毒化工程又は有効成分の完全な可溶化が必要である
か又はこれを容易にする化学的又は生物学的実験の実施
を行うことを可能にするという利点が得られる。
パータッシス毒素の無毒化が行なわれる場合には、一
般に毒素について用いられる方法と同様にして行なわれ
る。本発明の別の態様によれば、無毒化の方法は上述し
たとおりの炭酸塩緩衝液であって、望ましくは、毒素の
可溶化と無毒化工程の実施中、該毒素を溶液中に維持す
ることとに有利に作用する界面活性剤を含有する炭酸塩
緩衝液中において行なわれる。かくして無毒化工程の収
率は100%に近いものとなる。用いられる無毒化剤はた
とえばホルモール又はグルタルアルデヒドである。
たとえば温度4乃至40℃において行なわれ得る無毒化
の後に、痕跡の無毒化剤の全てを除去する目的で、アナ
トキシン含有溶液を緩衝液CTWに対して透析にかけるこ
とができる、かくして得られたアナトキシンは溶液中に
残留し、孔径0.22μmの滅菌膜で濾過でき、かくしてワ
クチン製剤に包含させることができるものとなる。
上記のとおり、本発明において使用するたの炭酸塩緩
衝液はボルデテラ属細菌の培地上澄液から単離される別
の蛋白質:F−HAの完全な可溶化を可能にする。F−HAの
可溶化工程における該緩衝液の使用により、パータッシ
ス毒素の場合について述べた種々の利点、すなわちとく
に有効成分を損失することなしに0.22μm膜での滅菌瀘
過工程に着手し得るという利点が得られる。この形での
F−HAは直接にワクチン剤中に包含させることができ
る。
たとえば硫酸アンモニムによる沈澱の形で保存された
F−HAはパータッシス毒素について前述した方法に従っ
て再溶解される。沈澱を遠心分離し、緩衝液CTWに溶解
し、室温又は4−8℃で4乃至72時間透析する。緩衝液
CTWは完全にF−HAを可溶化できる。
本発明はまたアナトキシン パータッシス及びF−HA
から選ばれた有効成分の少なくとも1種を含みかつ該有
効成分が上記のとおりの炭酸塩緩衝液とくに緩衝液CTW
のごとき、界面活性剤を含有する炭酸塩緩衝液中に溶解
されている無細胞百日咳ワクチンにも関する。
アナトキシン パータッシス及びF−HAは炭酸塩緩衝
液中の溶液として直接ワクチン製剤中に包含させること
ができる。ワクチンはアナトキシンを単独で又はアナト
キシンとF−HAとの所望の比率の混合物として含有でき
る。ワクチンの最終pH値を7乃至8に修正する目的で緩
衝生理学的食塩水(緩衝液PBS)若干量を濃酸溶液で酸
性としたものを添加する。添加量は製剤中に存在してい
る炭酸塩緩衝液の量及びモル濃度により変動する。その
場合、有効成分の濃度は必要量の緩衝液TBSを添加して
所望値に修正する。この段階において混合物に他の抗原
(ジフテリア抗原、破傷風抗原、小児麻痺抗原、血有病
抗原など)、メチルチオラート又はフェノキシエタノー
ルのごとき防腐剤及びアルミナゲル又は燐酸カルシウム
のごとき添加物を加えることができる。
以下に本発明の実施例及び参考例を示す。
実施例 アフィニティー・クロマトグラフィーによるパータッシ
ス毒素の精製 a) パータッシス毒素のアフィニティー担体への吸着 30醗酵槽中で培養した百日咳菌フェーズIの細菌懸
濁液の遠心分離及び濃縮後に得られたパータッシス毒素
冨化フラクションを、流量6ml/cm2/時間で、アシアロフ
ェチュインと結合させたSepharose4Bクロマトグラフィ
ー担体120ml収容している直径4cmのカラム上へ通送し
た。
Sepharose4Bは下記のようにしてアシアロフェチュイ
ンと結合した: CNBrで活性化したSepharose4B(Pharmacia社)30gを1
mM HCl 6中で約15分間膨潤させた。ゲルは続いて1
mM HCl 6で3回洗浄した。アシアロフェチュイン1
mg/ml、NaHCO30.1M及びNaCl0.5Mを含んでいる溶液400ml
をゲルに添加した。
この混合物を+4℃において穏和に撹拌しながら1夜
間反応させた。エタノールアミン5M溶液(pH 8.0)125m
lを混合物に加えた。室温に4時間保った後、ゲルを順
次、NaCl 1Mを含有する0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH
4.0)500ml、次にNaCl 1Mを含有する50mMトリス−HCl
緩衝液(pH 7.5)500mlで洗浄した。この洗浄サイクル
を3回反復した。
引続いてゲルを1/10000(w/v)の濃度のマーシオレー
ト(Merthiolate)のごとき防腐剤の存在下で50mMトリ
ス−HCl緩衝液(pH 7.5)500mlで3回洗浄した。
アフィニティー・クロマトグラフィーにおいて結合剤
として用いるアシアロフェチュインは下記のようにして
調製した: フェチュイン(Sigma社フェチュインIII型)の水溶液
を0.05N H2SO4により80℃において1時間加水分解し
た。加水分解後、遊離シアル酸を除去する目的で溶液を
複数の蒸溜水浴に対して+4℃において24時間透析し
た。アシアロフェチュイン溶液は排除限界が(Seuil de
coupure)が10000に等しい膜を備えた限界瀘過により
濃縮することができた。
シアル酸の除去は加水分解の前又は後の蛋白質上のシ
アル酸の特殊比色定量により検査した。
b) パータッシス毒素の溶出 ゲルをカラムの2倍の容積の50mMトリス−HCl緩衝液
(pH 7.5)を用いて、すなわち278nmの紫外線吸収が全
く消失するまで洗浄し、次にカラムと同容積の1M NaCl
含有の50mMトリス−HCl緩衝液(pH 7.5)で洗浄した。
パータッシス毒素は100mM炭酸塩緩衝液(pH 9.6)400ml
で溶出した。
炭酸塩緩衝液は下記のようにして調製した: 0.1M NaHCO3溶液500mlに0.1M Na2CO3溶液を最終pH 9.
6となるまで添加した:Na2CO3溶液約250mlを加えること
になる。
かくして得られた炭酸塩緩衝液を孔径0.22μmの膜で
瀘過し、+4℃で保存する。
カラム出口で集めたフラクションの光学的濃度及び赤
血球凝集活性を測定した。
有効成分含有フラクションすなわちコレステロールに
より抑止されない強い赤血球凝集活性を有するものを集
めた。
パータッシス毒素は引き続いて最終濃度が飽和の70%
に相当する硫酸アンモニウムにより沈澱させた。
かくして精製したパータッシス毒素は強いリンパ球増
多症を誘発し、マウス1匹あたり0.04μgの用薬量でマ
ウスCFWをヒスタミンに対して鋭敏化させた。CHO細胞上
にクラスター生成を誘発する毒素の性能は65000乃至260
000CPU/μg程度の比活性により特徴づけられる。
物理−化学的検査及び生物学活性(偶発的汚染物質、
DNA、RNA、糖類の比色法定量;内毒素比率の定量;SDS媒
体中又は酸性媒体中の電気泳動など)の結果は、高度に
精製された有効成分を含んでいる均質な最終製剤に有利
であることを示した。
初めの培地上澄液中及び最終沈澱中のパータッシス毒
素含有量の分析結果は90%を超える精製収率を示した。
参考例1 種々の緩衝液中のパータッシス毒素の溶解及びその後
の滅菌瀘過の比較試験。
硫酸アンモニウムによる沈澱の形のパータッシス毒素
を2.6mg/ml含有する懸濁液1.2 mlを採取し、10000×g
で10分間遠心分離した。上澄液を除き、残渣を緩衝液CT
W4mlに溶解し、同じ緩衝液に対して透析した。毒素溶液
を孔径0.22μmの膜で瀘過した。瀘過の前及び後の溶液
の蛋白質濃度をロウリー(Lowry)法の従った定量法に
より測定した。測定結果は瀘過収率(瀘過後の毒素の濃
度/瀘過前の毒素の濃度)×100;又は緩衝液CTW中の瀘
過収率を任意に100%としこれに対して算出した相対的
百分率で表わした。
結果を下表に示す: 参考例2 パータッシス毒素の無毒化の例 a) ホルモールによる無毒比 硫酸アンモニウムによる沈澱の形のパータッシス毒素
5mg/mlの懸濁液2ml(すなわちパータッシス毒素10mg)
を10000×gで15分間遠心分離した。上澄液を除き、残
渣を緩衝液CTW10mlに溶解した。
溶液を緩衝液CTW2に対して+4℃において一夜透析
した。透析の終りに溶液を孔径0.22μmの膜で瀘過し
た。濾液についてLowryの方法に従って蛋白質定量を行
ない緩衝液CTWを加えて蛋白質濃度を0.4mg/mlとした。
0.4mg/mlの毒素溶液23mlに、緩衝液CTW中のリシコンを1
M溶液1.22ml及びホルモールの37%溶液0.265 mlを加え
た。たとえば21時間4℃に保持した。引続いて痕跡のホ
ルモールの全てを除去する目的で反応混合物を緩衝液CT
Wに対して、+4℃において48時間透析した。引続いて
アナトキシンを孔径0.22μmの膜で滅菌瀘過した。この
形でアナトキシン・パータッシスをワクチン製剤中に包
含させることができる。
b) グルタルアルデヒドにより無毒化 緩衝液CTW中のパータッシス毒素50mg/mlの溶液15mlを
前述のとおり調製した。グルタルアルデヒド0.10%を含
む緩衝液CTW 5mlを毒素溶液に加えた。
無毒化は+4℃乃至40℃の種々の温度で実施できる;
グルタルアルデヒドの存在下における毒素の保温時間は
温度によって変動する。たとえば混合物を+4℃に48時
間保持することができる。
保温後に緩衝液CTW中のリシンの1M溶液180μを混合
物に加え溶液を緩衝液CTWに対して4℃において48時間
透析した。透析後にアナトキシンパータッシスを孔径0.
22μmの膜で瀘過した。この形でアナトキシンをワクチ
ン製剤中に配合することができる。
参考例3 炭酸塩緩衝液によるF−HAの可溶可の例 この実施例で使用するF−HAは、SATO Y−,COWEL J.
J.,SATO H,BURSTYN D.G.及びMANCLARK C.R.,“Separati
on and Purification of the Hemagglutinins from Bor
della pertussis",Infect.and Immun.,1983.41,1,313−
320に記載の方法に従って調製した。
F−HAは飽和の70%の硫酸アンモニウムによる沈澱の
形で保存した。
a) 硫酸アンモニウムによる沈澱の形のF−HA1.2mg/
mlの懸濁液25mlを3000×gで20分間遠心分離した。上澄
液を除き、残渣を緩衝液CTW30mlに溶解した。
溶液を緩衝液CTWに対して+4℃において1夜間透析
した。溶液を孔径0.22μmの膜で瀘過した。F−HAはこ
の形でワクチン製剤に配合することができる。
b) 孔径0.22μmの膜での滅菌瀘過収率の比較試験 硫酸アンモニウムにより沈澱させたF−HAの5.88mg/m
l懸濁液450μを採取し10000×gで10分間遠心分離し
た。上澄液を除去した。
残渣を緩衝液3mlに溶解し、同じ緩衝液に対して透析
した。F−HA溶液を孔径0.22μmの膜で瀘過した。瀘過
の前及び後の蛋白質濃度をLowryによる定量法により測
定し、結果を瀘過収率(瀘過後の濃度/瀘過前の濃度)
×100;又は緩衝液CTW中の瀘過収率を任意に100%として
これに対し算出した相対的収率で表わした。
結果を下記表IIに示す。
参考例4 無細胞の百日咳ワクチンの調製 精製した抗原−アナトキシン パータッシス及びF−
HAを含んでいる無細胞百日咳ワクチンは下記のようにし
て調製した: 緩衝液CTW中に溶解した両抗原を別個に孔径0.22μm
の膜で瀘過して滅菌し、たとえばLowryの方法に従って
比色定量によりそれらの濃度を測定した。
有効成分をそれぞれ50μg/ml含んでいる無細胞百日咳
ワクチン1を調製する目的で、無菌状態で下記の溶液
を混合した。
− 緩衝液CTW中のアナトキシンパータッシス0.38 mg/m
lの溶液 132ml − 緩衝液CTW中のF−HA 1.1mg/mlの溶液 46ml − 50mM HCl含有、緩衝生理学的食塩水(PBS) 202ml − 水酸化アルミニウム溶液(Al 10mg/ml) 20ml − マーシオレート1%(w/v)含有PBS 10ml − PBSを加えて 1 このワクチン調剤は下記の諸特製を示した: − アナトキシンパータッシス 50μg/ml − F−HA 50μg/ml − アルミニウム 200μg/ml − pH 7.6 − 浸透 265 mosm/Kg − マーシオレート 1/10000

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボルデテラ属細菌培地中で生成する蛋白質
    抗原を精製するにあたり、培地の上澄液又はパータッシ
    ス毒素に富むフラクションを、パータッシス毒素を固定
    し得るクロマトグラフィー固体担体と接触させ、次に毒
    素を該固体担体から、pH8.3〜11.6の炭酸塩緩衝液によ
    り溶出させることを特徴とするボルデテラ属細菌の蛋白
    質抗原の精製方法。
  2. 【請求項2】炭酸塩緩衝液はアルカリ金属炭酸水素塩と
    アルカリ金属炭酸塩との混合物である、特許請求の範囲
    第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】炭酸塩緩衝液は0.025〜0.5Mのモル濃度で
    ある、特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の方法。
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