JP2563544B2 - 酸化亜鉛ウイスカーの製造法 - Google Patents

酸化亜鉛ウイスカーの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、巨大なテトラポッド状構造を有する酸化亜
鉛ウイスカーの製造方法に関する。
従来の技術 現在、一般的工業素料として使用される酸化亜鉛はい
わゆるフランス法によるものが多く、粒子の大きさ、特
に形状がまちまちの団塊状粒子の集合体である。
又、細く短い針状結晶粒子を高収率で形成させる方法
(例えば特公昭60−5529号公報)があるが、これは上記
フランス法の改良法で、加熱亜鉛蒸気を急速に冷却する
ものであり、このため巨大結晶体は生成せず、微小寸法
(長さが0.1〜1.5μm)の針状結晶となる。
この様な寸法の針状結晶体は、現在市販されている各
種工業用ウイスカーと比較すると寸法面で約2桁小さ
い。このため、前記ウイスカーの共通時特長である金
属、セラミック、樹脂等への補強効果は前記団塊状酸化
亜鉛の水準と大差なく、ウイスカー的な顕著な効果は認
められない。即ち繊維形状の単結晶性であるウイスカー
は同材質の団塊状物質よりは格段と機械的強度が大で、
これを他の物質中に混入して高い機械的強度を得るため
の強化物質として注目されており、現在では、金属酸化
物,金属炭化物,金属窒化物等の工業用ウイスカーが市
販されている。
又、酸化亜鉛においても長さがmm桁のウイスカーの例
(特開昭50−5597号公報)等があるが、これらは単純針
状体のもので、わざわざ亜鉛の合金を用いるため、結晶
中に不純物を含んだり、成長時に基板を必要としたり、
低収率であったり、複雑な装置、操作で長時間を要する
等の実験室的検討に過ぎないものが多い。
発明が解決しようとする課題 本発明は工業用ウイスカー級の寸法あるいはこれら以
上の寸法を有する酸化亜鉛の巨大結晶体を得る製造法を
提供することを目的とする。また、本発明は巨大テトラ
ポッド状構造の酸化亜鉛ウイスカーの製造方法を提供す
るものである。
課題を解決するための手段 本発明による酸化亜鉛ウイスカーの製造方法は、ガス
溶解式又はプラズマジェット式の亜鉛金属溶射より得た
亜鉛粉末を酸素を含む雰囲気下で加熱処理して酸化亜鉛
を生成させることを特徴とする。
ここにおいて、亜鉛金属溶射により得られる亜鉛粉末
は空気中に溶融粒として打ち出されその表面に酸化皮膜
が形成される。ウイスカーの大きさ、形状を更に改良す
るためこの粒子を後述のように水との共存下で擂潰、熟
成することもできる。
作用 本発明の方法によって得られる酸化亜鉛ウイスカー
は、中心の核部とこの核部から異なる4軸方向に伸びた
針状結晶部からなり、前記針状結晶部の基部の径が0.7
〜14μmであり、前記針状結晶部の基部から先端までの
長さが3〜200μmである。又、針状結晶部が3軸ある
いは2軸のものも多少混入するが、これらは成長中ある
いは、後に他のウイスカーと接触して、その一部が折損
したり、成長が停止した結果である。
又この成長中の接触により、完全なテトラポッド形の
一部に他のテトラポッドが付着したものも多少みられ
る。他の形状即ち板状晶が針状部に付着することもある
が、本発明の製造方法によればテトラポッド状のものが
主体となる。
本発明者らは、針状部の寸法が前述の如く細く短くか
つ二次的成長部を付着させた従来の結晶体からは飛躍的
に巨大で、かつて実現されたことのない巨大テトラポッ
ド状ウイスカーを発現させるべく種々実験研究の結果、
使用する亜鉛原料に極めて大きい要因のあることを確認
した。更に詳細には、従来の如く亜鉛金属溶湯や、還元
亜鉛、亜鉛化合物からの金属亜鉛等を使用しての焼成雰
囲気条件の選定は従来の微小結晶体中での大小形状制御
は可能であるが、巨大テトラポッド状ウイスカーの発現
は不可能であり、これを達成させるには、従来と異なり
亜鉛金属粉末、更には上記亜鉛金属溶射により得た亜鉛
粉末を使用することが必須であることを確認した。即ち
溶射により得られた亜鉛粉末は前述の如く、酸化皮膜が
表面に形成されている。この皮膜は高い密封度を有して
おり、部分的に酸化物が付着したものや、酸化皮膜を有
しない粉末等に比し、より高温域で一気に亜鉛煙,蒸気
の高濃度の発生,酸化が起こり、巨大テトラポッド状ウ
イスカーが発現する。又この酸化皮膜の別の効果の1つ
は、亜鉛粉末の内部亜鉛金属部が互いに溶解,溶湯化す
ることなく、その結果高濃度亜鉛煙蒸気の発生を促すの
である。
第3に皮膜の酸化亜鉛部がウイスカー成長の基板的役
割を担っていることも同時に確認した。
上述の密封度とは亜鉛煙,蒸気を高温域まで放出せず
に密封保持する度合を言う。これは酸化皮膜の厚み、組
織、金属部と酸化皮膜部の体積比等に依存する。特に酸
化皮膜の厚み、組織は金属粉末の製造時に達成されるこ
とが多く、本発明に用いる溶射粉末は溶融亜鉛粉末が空
気中に打ち出される場合が多く、特に別の制御をしない
限り、厚くてやや多孔質な酸化皮膜が得られる。又粉末
の表面は液状のため滑らかであり、膜厚は均等に得られ
るか又膜厚が厚く成長しすぎた場合には、表面部がぜい
弱となり、クラックや欠陥を生じることもある。次にこ
れらの皮膜の欠陥、割れ等密封性の劣化を改修したり、
膜厚を増大させたりするためには擂潰,熟成処理を行
う。これらの処理によって選択的に皮膜欠陥部に酸化物
をたい積させることができる。
次に本発明に使用する金属亜鉛粉末について詳記す
る。これらの粒子径は0.1〜500μmのものが使用可能で
あり、なかでも1〜300μmのものが最良の結果とな
る。この粉末は前述の如く亜鉛の溶射により製造するこ
とができる。従来、亜鉛の溶射にはガス溶射法、ガス粉
末法、ガス溶棒法、プラズマジェット法があるが、亜鉛
粉末、亜鉛棒を酸素−燃料ガスの燃焼炎、空気、アルゴ
ン、水素、ヘリウム等のプラズマ等により、溶解させ空
気中の被着体へ溶射するのが通常である。そして、被着
体に付着する前に表面に酸化皮膜が形成しない条件下で
溶射皮膜を形成するのが普通でもある。しかるに本発明
に使用する亜鉛粉末は従来、被着体部以外に飛散してい
た分野の粉末と同様に表面に酸化皮膜が形成されている
ものであり、被着体を設けずに空気中に打ち出すことに
より得られる。又、溶射打出し部の雰囲気を空気から窒
素−酸素混合ガス雰囲気にして行って皮膜の厚みを増大
させることができる。
即ち本発明に使用する場合には、酸化皮膜が形成され
れば有効となるため、水中,高湿度,高温(但し亜鉛の
融点以下の温度)中へ溶射を行い酸化皮膜を有する亜鉛
粉末とする場合を含む。
更に、上記の酸化皮膜助成法を採っても酸化皮膜形成
が不充分な場合には以下に示す好ましい方法がとられ
る。
まず、水共存下での機械的処理として乳鉢式擂潰機、
ロール等で処理を行い粒子に機械的圧力を加える。更に
これを水中に24時間以上なかでも72時間ならば如何なる
粒子径のものでも完全な結果を与える。又、放置熟成温
度は20℃以上に保つことが好ましい。酸化皮膜の形成
は、上記メカノケミカル反応によらなくても熟成等によ
るケミカル反応だけでも形成できるが、通常、後者の場
合は時間がかかりすぎる。
この様に酸化皮膜形成,成長の要因は多岐にわたる
が、総括すると 機械的圧力の付加、 水中ないし
高湿度下での酸化反応、 ,の相剰効果(メカノ
ケミカル反応)、 酸素濃度効果、 温度効果等が
関係する。生成するウイスカーの寸法、特に針状部の長
さから評定すると上記による時間が大きく影響を与え
る。ただし短時間で効果は大である。
水との共存下での擂潰時間が長くなれば上記寸法も増
大する傾向にある。粉体上の酸化皮膜は焼成時その内部
の金属亜鉛部からの亜鉛の放出を抑制するし、又内部へ
の酸素の移行を抑制すると考えられる。このため単結晶
成長時に十分な時間が与えられ、結晶は寸法的に大きく
成長し、通常の気相法のものとかけ離れた巨大テトラポ
ッド状酸化亜鉛ウイスカーが発現するものと思われる。
次に、放置後乾燥する。この乾燥は粉末表面の水分除
去が目的であり、次に焼成工程の高温中へ移行した当初
の弊害が防がれるように、即ち、水分によるルツボ割
れ、粉の飛び散りがなくなる程度に乾燥すれば良好であ
る。このため風乾ないし亜鉛粉末が溶融しない高温迄の
温度範囲で行うことができる。
次に乾燥した粉末は耐熱容器、通常はアルミナ等のル
ツボに入れ、酸素を含む雰囲気中で700〜1300℃、中で
も900〜1100℃で加熱するのが、いかなる粒子径でも良
好な結果を与える。又上記温度域の炉内に前記ルツボを
保持しておき、調整した粉末を投入して焼成しても好ま
しい結果を与える。焼成時間は、700〜1300℃において
は120〜10分間,900〜1100℃においては90〜10分間が適
当である。前記加熱焼成は通常空気中で行えば良いが、
窒素と酸素の混合比を調整したガスを用いても良結果と
なる。
金属亜鉛粉末は前記の様に粉末製造方法やその条件制
御により好ましい酸化皮膜を発現できるし、更に水共存
下での熟成処理により、完全化される。この事実はX線
回折,電子顕微鏡観察により確認した。
この様に形成された酸化皮膜又はこれらの処理では、
ウイスカーが発現する焼成工程に特別な効果を与える。
即ち、亜鉛粉末が酸化を受けない良好な方法で製造され
た直後のもので、酸化皮膜の形成のないもの、あるいは
X線回折法では全く検出できない極めて薄くぜい弱な膜
しか有さないものでは、前記条件下の焼成時に不均一焼
成となり、温度,酸素濃度等を調整しても、種々の色調
の団塊状酸化亜鉛と未燃焼の金属亜鉛が共存した系が生
成し、巨大ウイスカーは生成しない。一方、上記の成長
した好ましい酸化皮膜を有する亜鉛粉末では、高温焼成
が均一かつ完全に進行して、金属亜鉛部は完全に酸化さ
れて、極めて高収率に巨大テトラポッド状ウイスカーに
成長する。一方、皮膜部の酸化物は層状に団塊状亜鉛と
なり生成する。
この様に亜鉛粉末が酸化皮膜により完全に覆われて、
いる場合にはテトラポット状ウイスカーは完全に成長
し、形状的には二次的成長部や板状晶が極めて少なくな
り巨大化する。このため製造時に酸化皮膜が形成され、
更に上記の擂潰,熟成による皮膜形成を促した系では、
形状,大きさ共に良好なウイスカーを得ることができ
る。しかるに皮膜の良否は前述の如く膜厚のみで一義的
には決定できなく、特に大きさ,寸法に関しては膜の組
織,金属部の体積比(粒径に依存)等により変化する。
このため局部的に酸化皮膜が形成されている場合でもテ
トラポッド状ウイスカーを得ることは可能であるが、形
状,収率はかなり低位となる。
又焼成製造時に、加工調整された粉末のみかけ体積に
比し、ウイスカー生成系は急激に体積を増大するが、完
全気相法でソース部外へのウイスカーの付着発現,成長
のタイプではなく、基本的に大部分のものは原料設置部
分に連続的に生成成長する体積増加型のものである。
実 施 例 以下に本発明の実施例について説明する。
実施例1 純度99.99%の純亜鉛線をガス溶解式溶射で溶射し
た。上記亜鉛線の直径は1.5mmで、酸素−液化天然ガス
の燃焼炎で、亜鉛線系をガス化して湿度60%RHの空気中
に打ち出した。溶射速度は6kg/hrとした。この粉末を回
収して、24時間湿度50RH中で放置して、120℃で3時間
乾燥後この粉末をアルミナ磁器製のルツボに入れ、予め
970℃に保たれた電気炉内に前記ルツボを配置させて、2
5分間焼成処理を行った。この結果上記ルツボ内の下層
部には団塊状酸化亜鉛が生成され、上層部にはみかけ嵩
比重0.11の巨大テトラポッド状酸化亜鉛ウイスカー集合
体が生成された。生成酸化亜鉛中の上記ウイスカー集合
体の割合は87wt%であった。
得られた酸化亜鉛ウイスカーの電子顕微鏡写真を第1
図に示す。核部とこの核部から異なる4軸方向に伸びた
針状結晶部からなるテトラポッド状の結晶体が明確に認
められる。針状結晶部が3軸或は2軸のものも認められ
るが、これらは基本形4軸のものの一部が互いに接続し
て生長時あるいは生長後に折損したものと思われる、又
板状晶のものも多少認められた。いずれにしても上記の
方法によるとテトラポッド状のものが90%以上を占め
る。
第2図は上記酸化亜鉛ウイスカーのX線回折図を示
す。全2酸化亜鉛のピークを示し、電子線回折の結果も
転移格子欠陥の少ない単結晶性を示した。また、不純物
含有量も少なく、原子吸光分析の結果、酸化亜鉛が99.9
7%であった。
実施例2 純度99.91%の亜鉛線を実施例1と同様に溶射し、そ
の粉末を回収して、温度31℃,湿度75%RH中に10日間放
置した。これをイオン交換水500g中に亜鉛粉末700gの割
合で投入し、乳鉢型擂潰機で25分間攪拌処理した。次に
温度30℃の水中に72時間放置熟成した。水量は粉体層か
ら約1cmの水位を保って大気中で保管した。この水中放
置後150℃で1時間の乾燥を行うことにより、水分を除
去し、その後実施例1と同様に焼成した。なお、焼成温
度は960℃で30分間とした。
こうして、みかけ嵩比重0.13の酸化亜鉛ウイスカー81
wt%を得た。他は団塊状酸化亜鉛で下層部に得られた。
このウイスカーの電子顕微鏡写真を第3図に示す。得ら
れたウイスカー中4軸テトラポッド状のものが92%であ
った。X線回折,電子線回折の結果は実施例1と同様で
あった。原子吸光分析では酸化亜鉛が99.96%であっ
た。
実施例3 純度99.5%の亜鉛粉末を用いてガス粉末式で溶射し
た。酸素−液化天然ガスの燃焼炎で亜鉛粉末をガス化し
て湿度RH65%の空気中に打ち出した。溶射速度は4Kg/時
間で行った。この粉末を回収して3日間湿度70%RH中に
放置した。150℃で12時間乾燥して、実施例1と同様な
方法で焼成した。焼成温度は950℃で40分間とした。ル
ツボの下層部には団塊状酸化亜鉛が生成され、上層部に
はみかけ嵩比重0.12の巨大テトラポッド状酸化亜鉛ウイ
スカー集合体が生成された。生成酸化亜鉛中の上記ウイ
スカー集合体の割合は81wt%であった。
得られた酸化亜鉛ウイスカーの電子顕微鏡写真を第4
図に示す。得られたウイスカー中4軸テトラポッド状の
ものが91%であった。X線,電子線回折の結果は実施例
1と同様であった。原子吸光分析では酸化亜鉛が99.97
%であった。
実施例4 純度99.2%の亜鉛粉末を用いてガス粉末式で溶射を行
った。溶射条件は実施例3と同じとした。この粉末を回
収して、温度27℃,湿度75%RH中に12日間放置した。こ
れをイオン交換水400gに亜鉛粉末500gの割合で投入し、
乳鉢型擂潰機で10分間攪拌処理した。次にこれを温度30
℃の水中に79時間放置熟成した。水量は粉体層から約1c
mの水位を保って大気中で保管した。この水中放置後150
℃で4時間の乾燥を行って水分を除去し、実施例1と同
様に焼成した。但し焼成温度は990℃で30分間とした。
こうしてみかけの嵩比重0.11の巨大酸化亜鉛ウイスカー
82wt%を得れ。他に団塊状酸化亜鉛がルツボ下層部に得
られた。
このウイスカーの電子顕微鏡写真を第5図に示す。ウ
イスカー中の4軸テトラポッド状のものは94%であっ
た。X線回折,電子線回折の結果は実施例1と同様であ
った。原子吸光分析では、酸化亜鉛が99.97%であっ
た。
実施例5 純度99.95%の亜鉛粉末を用いてプラズマジェット式
の溶射を行った。ヘリウムのプラズマ炎で亜鉛粉末をガ
ス化して湿度RH67%RHの空気中に打ち出した。溶射速度
は4Kg/時間であった。この粉末を回収して10日間温度65
%RHの空気中に放置した。150℃で12時間乾燥して実施
例1と同様な方法で焼成した。焼成温度は960℃で20分
間とした。ルツボの下層部には団塊状酸化亜鉛が生成さ
れた。上層部にはみかけ嵩比重0.11の巨大テトラポッド
状酸化亜鉛ウイスカー集合体が生成された。生成酸化亜
鉛中の上記ウイスカー集合体の割合は85%であった。得
られた酸化亜鉛ウイスカーの電子顕微鏡写真を第6図に
示す。ウイスカー中4軸テトラポッド状のものが92%で
あったX線、電子線回折の結果は実施例1と同様であっ
た。原子吸光分析では酸化亜鉛が99.97%であった。
実施例6 実施例5と同じ条件で溶射を行って粉末を回収した。
温度32℃湿度71%RH中で10日間放置した。この粉末をイ
オン交換水500gに亜鉛粉末1700gの割合で投入して、乳
鉢型擂潰機で20分間攪拌処理し、温度31℃の水中に、77
時間放置熟成した。水量は粉体層から約1cmの水位を保
って大気中で保管した。この水中放置後150℃で7時間
乾燥した。次に実施例1と同様に焼成した。但し焼成温
度は985℃で35分間とした。
こうして、みかけの嵩比重0.09の巨大テトラポッド状
ウイスカー80%を得た。他に団塊状酸化亜鉛がルツボ下
層部に得られた。
このウイスカーの電子顕微鏡写真を第5図に示す。ウ
イスカーの4軸テトラポッド状のものは94%であった。
X線回折,電子線回折の結果は実施例1と同様であっ
た。電子吸光分析では酸化亜鉛が99.99%であった。上
記実施例を次表にまとめる。
発明の効果 本発明の製造方法によると新規な巨大テトラポッド状
の酸化亜鉛ウイスカーが得られる。又製造方法として、
金属亜鉛粉末の調整,水共存下での機械的擂潰処理,水
中での熟成,乾燥,焼成工程を採った場合、これらの工
程条件の設定で上記テトラポッド状酸化亜鉛ウイスカー
の各種の大きさのものが得られる。
本発明で得られるウイスカーは形状的には異方性がな
い立体構造を有し、単結晶性のため、各種材料の強化材
として用いる場合や、電子材料として用いる場合にも機
械的,電気的特性に異方性を生じさせない。又従来の酸
化亜鉛の微細針状結晶に比べて寸法面でも飛躍的に大き
く、金属や樹脂,セラミックと複合させて、それらの機
械的強度を強化できる等の効果の他の同種目的の炭化硅
素や窒化硅素等に比べて安価に製造できる利点を有して
おり、工兼的にも経済的にも極めて大きな効果を奏する
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図および第3図〜第7図は本発明による巨大酸化亜
鉛ウイスカーの結晶構造を示す電子顕微鏡写真、第2図
はX線回折図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 順 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 吉田 英行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 佐藤 隆重 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−27308(JP,A) 特公 昭60−5529(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガス溶解式溶射より得た亜鉛粉末を酸素を
    含む雰囲気下で加熱処理して酸化亜鉛を生成させること
    を特徴とする酸化亜鉛ウイスカーの製造法。
  2. 【請求項2】プラズマジェット式溶射より得た亜鉛粉末
    を酸素を含む雰囲気下で加熱処理して酸化亜鉛を生成さ
    せることを特徴とする酸化亜鉛ウイスカーの製造法。
  3. 【請求項3】前記溶射より得た亜鉛粉末を水と共存下で
    擂潰し、熟成させた後に水分を乾燥させる工程を付加し
    た請求項1または2記載の酸化亜鉛ウイスカーの製造
    法。
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