JP2691301B2 - 針状晶酸化アルミニウムの製造方法 - Google Patents
針状晶酸化アルミニウムの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (発明の利用分野) 本発明は、例えば繊維強化型の金属、プラスチックあ
るいはセラミックス等に使用することのできる針状晶酸
化アルミニウムの新規製造方法に関する。
るいはセラミックス等に使用することのできる針状晶酸
化アルミニウムの新規製造方法に関する。
(従来技術) 酸化アルミニウム(Al2O3)は、セラミック材料の中
で最も一般的な材料として各種の分野で用いられてい
る。また、針状晶の結晶からなる無機材料は、例えばSi
Cウイスカーに代表されるように、繊維強化型セラミッ
ク等多くの分野で使用される傾向にある。
で最も一般的な材料として各種の分野で用いられてい
る。また、針状晶の結晶からなる無機材料は、例えばSi
Cウイスカーに代表されるように、繊維強化型セラミッ
ク等多くの分野で使用される傾向にある。
そこで、SiCよりも一般的な酸化アルミニウムの針状
晶物質が得られれば、その応用分野はさらに多岐に亘る
と考えられる。
晶物質が得られれば、その応用分野はさらに多岐に亘る
と考えられる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、針状晶の酸化アルミニウムの製造方法
は未だ確立されておらず、国内外を問わず、市販されて
いない。また、一部において、CVD法等により試験的に
作られる事もあるが、製造条件のコントロールが難し
く、良質はものはほとんど得られていないのが現状であ
った。
は未だ確立されておらず、国内外を問わず、市販されて
いない。また、一部において、CVD法等により試験的に
作られる事もあるが、製造条件のコントロールが難し
く、良質はものはほとんど得られていないのが現状であ
った。
(発明の目的) 本発明は針状晶の酸化アルミニウムを製造することの
できる新規な方法を提供することを目的とするものであ
る。
できる新規な方法を提供することを目的とするものであ
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記問題点に対し研究を重ねた結果、
従来から行われているような直接的に針状晶物質を得よ
うとする方法では、非常に難しいことから、中間体とし
てホウ酸アルミニウムの針状晶物質を作製し、これを特
定の熱処理によってこの針状形態を保持したままでホウ
素を除去することにより、針状晶酸化アルミニウムが生
成されることを知見した。
従来から行われているような直接的に針状晶物質を得よ
うとする方法では、非常に難しいことから、中間体とし
てホウ酸アルミニウムの針状晶物質を作製し、これを特
定の熱処理によってこの針状形態を保持したままでホウ
素を除去することにより、針状晶酸化アルミニウムが生
成されることを知見した。
即ち、本発明は、平均アスペクト比が1を越える針状
晶ホウ酸アルミニウムを800乃至1500℃の温度で熱処理
することを特徴とするものである。
晶ホウ酸アルミニウムを800乃至1500℃の温度で熱処理
することを特徴とするものである。
以下、本発明を詳述する。
本発明の主たる特徴は、中間体として針状晶のホウ酸
アルミニウムを用いる点にある。この針状晶ホウ酸アル
ミニウムは、第3図の電子顕微鏡写真に示すような形状
からなり、酸化ホウ素と酸化アルミニウムを混合し、溶
融させた後、除冷することによって針状晶を生成し、こ
れを水洗処理もしくは酸処理することによって容易に作
製することができる。
アルミニウムを用いる点にある。この針状晶ホウ酸アル
ミニウムは、第3図の電子顕微鏡写真に示すような形状
からなり、酸化ホウ素と酸化アルミニウムを混合し、溶
融させた後、除冷することによって針状晶を生成し、こ
れを水洗処理もしくは酸処理することによって容易に作
製することができる。
本発明において用いられる上記針状晶ホウ酸アルミニ
ウムはそれ自体、平均アスペクト比が1を越える、特に
10乃至100のものを用いる。平均アスペクト比が1で
は、後の熱処理によっても酸化アルミニウムは針状晶に
なり難いからである。
ウムはそれ自体、平均アスペクト比が1を越える、特に
10乃至100のものを用いる。平均アスペクト比が1で
は、後の熱処理によっても酸化アルミニウムは針状晶に
なり難いからである。
次に、上記ホウ酸アルミニウムを800乃至1500℃の温
度で熱処理する。この時の雰囲気は真空、もしくは不活
性ガス、還元性ガスあるいは酸化性ガス雰囲気中のいず
れでも採用できる。この熱処理によってホウ酸アルミニ
ウム中のホウ素が放出され、最終的に針状晶の酸化アル
ミニウムが生成される。
度で熱処理する。この時の雰囲気は真空、もしくは不活
性ガス、還元性ガスあるいは酸化性ガス雰囲気中のいず
れでも採用できる。この熱処理によってホウ酸アルミニ
ウム中のホウ素が放出され、最終的に針状晶の酸化アル
ミニウムが生成される。
なお、熱処理時の温度を上記の範囲に設定したのは、
温度が800℃より低いとホウ素の除去が不完全となり酸
化アルミニウムが生成されない。一方、1500℃を越える
温度では針状晶酸化アルミニウムは生成されるが、結晶
凝集が生じやすいため、原料として使用する場合にその
取扱いが困難となるからである。
温度が800℃より低いとホウ素の除去が不完全となり酸
化アルミニウムが生成されない。一方、1500℃を越える
温度では針状晶酸化アルミニウムは生成されるが、結晶
凝集が生じやすいため、原料として使用する場合にその
取扱いが困難となるからである。
また、本発明によれば、上記熱処理時、カーボンを存
在させることにより、さらにホウ素の除去を促進するこ
とができると同時に、針状晶酸化アルミニウムの凝集を
防止する効果もある。この時のカーボン源は炭素粉末あ
るいは熱処理条件でカーボンに転換しうる物質、例えば
フェノール樹脂等をホウ酸アルミニウム中に混合する
か、または熱処理をカーボン鉢内で行えばよい。この時
のカーボンの添加量は5〜70体積%が適当である。
在させることにより、さらにホウ素の除去を促進するこ
とができると同時に、針状晶酸化アルミニウムの凝集を
防止する効果もある。この時のカーボン源は炭素粉末あ
るいは熱処理条件でカーボンに転換しうる物質、例えば
フェノール樹脂等をホウ酸アルミニウム中に混合する
か、または熱処理をカーボン鉢内で行えばよい。この時
のカーボンの添加量は5〜70体積%が適当である。
上記のような熱処理によって得られる針状晶酸化アル
ミニウムは第1図の電子顕微鏡写真に示すような形状を
有し、第2図のX線回折チャートから明らかなように、
高純度の酸化アルミニウムからなりその結晶はα型であ
ることが理解される。
ミニウムは第1図の電子顕微鏡写真に示すような形状を
有し、第2図のX線回折チャートから明らかなように、
高純度の酸化アルミニウムからなりその結晶はα型であ
ることが理解される。
以下、本発明を次の例で説明する。
(実施例) 所定量の酸化ホウ素と水酸化アルミニウムをよく混合
し、ルツボに入れ、大気雰囲気で1300℃に加熱した。13
00℃で30分保持した後、室温まで徐冷した。
し、ルツボに入れ、大気雰囲気で1300℃に加熱した。13
00℃で30分保持した後、室温まで徐冷した。
得られた固形物を水洗した後、酸処理を行い、平均ア
スペクト比30の針状晶を有する9Al2O3・2B2O3のホウ酸
アルミニウムを得た。
スペクト比30の針状晶を有する9Al2O3・2B2O3のホウ酸
アルミニウムを得た。
このホウ酸アルミニウムの電子顕微鏡写真を第3図
に、X線回折曲線を第4図に示した。
に、X線回折曲線を第4図に示した。
次に、このホウ酸アルミニウムを第1表に示す各種条
件で熱処理した。
件で熱処理した。
処理後の結晶形態を電子顕微鏡にて観察し、α型酸化
アルミニウムの存在をX線回折曲線から同定した。
アルミニウムの存在をX線回折曲線から同定した。
なお、第1表中、No.8の試料の電子顕微鏡写真並びに
X線回折曲線を第1図、第2図に示した。
X線回折曲線を第1図、第2図に示した。
第1表によれば、処理温度が800℃より低いと針状晶
ホウ酸アルミニウムが多量に存在し、酸化アルミニウム
は生成されない。温度が1500℃を越えると固形物が生成
した。
ホウ酸アルミニウムが多量に存在し、酸化アルミニウム
は生成されない。温度が1500℃を越えると固形物が生成
した。
これらを除く本発明の方法によれば、いずれも高純度
の針状晶酸化アルミニウムが生成された。
の針状晶酸化アルミニウムが生成された。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、簡単な処理に
よって針状晶酸化アルミニウムを製造することができる
ことから、工業的にも安定して針状晶酸化アルミニウム
を製造することができる。
よって針状晶酸化アルミニウムを製造することができる
ことから、工業的にも安定して針状晶酸化アルミニウム
を製造することができる。
この針状晶酸化アルミニウムは、特に金属やプラスチ
ック、あるいはセラミックとの複合化により、その材料
の強化に有効である他、各種の分野にて応用できる。
ック、あるいはセラミックとの複合化により、その材料
の強化に有効である他、各種の分野にて応用できる。
第1図は本発明の針状晶酸化アルミニウムの結晶構造を
示す電子顕微鏡写真であり、第2図はそのX線回折チャ
ート図、第3図は本発明の中間体であるホウ酸アルミニ
ウムの結晶構造を示す電子顕微鏡写真、第4図はそのX
線回折チャート図である。
示す電子顕微鏡写真であり、第2図はそのX線回折チャ
ート図、第3図は本発明の中間体であるホウ酸アルミニ
ウムの結晶構造を示す電子顕微鏡写真、第4図はそのX
線回折チャート図である。
Claims (1)
- 【請求項1】平均アスペクト比が1を越える針状晶ホウ
酸アルミニウムを800乃至1500℃の温度で熱処理するこ
とを特徴とする針状晶酸化アルミニウムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19119689A JP2691301B2 (ja) | 1989-07-24 | 1989-07-24 | 針状晶酸化アルミニウムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19119689A JP2691301B2 (ja) | 1989-07-24 | 1989-07-24 | 針状晶酸化アルミニウムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0354200A JPH0354200A (ja) | 1991-03-08 |
JP2691301B2 true JP2691301B2 (ja) | 1997-12-17 |
Family
ID=16270505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19119689A Expired - Fee Related JP2691301B2 (ja) | 1989-07-24 | 1989-07-24 | 針状晶酸化アルミニウムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2691301B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03105191A (ja) * | 1989-09-20 | 1991-05-01 | Nippon Scient Kk | 真空乾燥装置 |
-
1989
- 1989-07-24 JP JP19119689A patent/JP2691301B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0354200A (ja) | 1991-03-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |