JP2563420Y2 - 折版屋根用雪止め金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、折版屋根用雪止め金具
の分野に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来折版屋根用雪止め金具は、正面より
みると

【外１】 形状で、平面よりみると

【外２】 形状をした形状のものがあった。

【０００３】

【本考案が解決しようとする課題】上述した従来の折版
屋根用雪止め金具のものは、多数の金具を直線に並列し
ようとすると、折版屋根を構成している各山部に、別設
の雪止め具を構成する各頂部が重なり合い、作業上きわ
めて煩雑であった。

【０００４】さらに折版屋根を構成する山部と傾斜部と
の形状が若干相違する屋根に即応せしめるために、雪止
め金具を構成する左右両側の頂部を若干上下方の何れか
一方に折曲することができるが、しかし両頂部間の凹部
の形状は不変であり、従って両側の頂部を折曲しても凹
部の内側面と折版屋根の傾斜面との間にすき間が生ずる
部分と、生じない部分とができ、それがために折版屋根
の表面を損傷する等の弊害があった。

【０００５】また従来の折版屋根用雪止め金具の頂部が
重なり合って固着されるので、タイトフレームからの突
設ボルトの長さがそれなりに長目のものが要求されてい
た。

【０００６】しかるに本考案の雪止め金具は、第１にボ
ルトに固着する頂部が重なり合って固着することがない
こと、第２に折版屋根の傾斜部の形状に即応するため頂
部を基にして左右両側の傾斜状当て部の角度を調節する
ことができるようにして調整をはかることができるこ
と、第３に上述のように折版屋根の傾斜部と当て部とが
常時密着して折版屋根の傾斜面を損傷しない等の利点を
併有するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案は、帯状にして、
且水平状の小孔付き頂部の左右両側端縁部を対称的に、
且帯状に延設して傾斜状当て部を形成し、前記頂部と傾
斜状当て部の側面部に、頂部と左右両側の当て部に対し
直角状に折曲する鍔部を形成せしめ、両鍔部の下方部に
小孔を夫々形成せしめたことを特徴とする折版屋根用雪
止め金具である。

【０００８】

【作用】本考案の作用を説明すると以下のとおりであ
る。

【０００９】折版屋根の山部より飛出しているタイトフ
レームと接着のボルトを、本考案の雪止め金具を構成し
ている頂部の小孔内に嵌挿させ、折版屋根の両方の傾斜
面と、傾斜状当て部とを跨装状に密着させる。そしてナ
ット締めを施してやる。正面よりみると本考案の雪止め
金具は対称的にしてきわめてバランスのよい状態をかも
し出してくれる。

【００１０】さらに本考案の雪止め金具は、隣接してい
る折版屋根に対しても前述した取付けの場合と同様にし
て装着する。

【００１１】上述のようにして取付けられた雪止め金具
は、鍔部の下方部が重なり合い、しかも小孔同士が合致
する。

【外３】 形状の小孔付き接続体を構成する底部を折版屋根の谷部
に載置し、当て部下方の小孔と接続体の小孔とを合致さ
せ、ボルトを挿入しナット締めを施して重なり合ってい
る両当て部の下方部を接着せしめる。

【００１２】その結果雪止め金具は、山部のボルト締め
と、接続体によるボルト締めとによって強固に固定され
る。

【００１３】そして本考案の金具は、折版屋根の山部に
おいて重なり合うことは全くないこと、さらにボルト締
めの個所が従来の雪止め金具に比して少なくなってい
る。

【００１４】さらに本考案の雪止め金具は、折版屋根を
構成している傾斜部の角度に対応して、金具を構成して
いる当て部を、頂部を基にして上下何れかの方向に折曲
せしめることによって傾斜角度を調整することができ
る。前記のように当て部の傾斜角度を調整すると、折版
屋根の傾斜面とスムーズに密着できる。

【００１５】また本考案の雪止め金具は、図面図示のよ
うに鍔部の向きを上方に位置させたり、あるいは下方部
に位置させ組立てゝもよい。

【００１６】他方鍔部が２枚付きの場合は、当て部同士
を重なり合わせ接続体と緊締具とを介して固着する。

【００１７】

【実施例】本考案の実施例は以下のとおりである。

【００１８】１は本考案の雪止め金具ａを構成する帯状
にして、しかも水平状の小孔２付き頂部である。３は前
記頂部１の左右両側端縁部には、対称的にして、しかも
頂部１の幅員と同じ帯状を有し、頂部１を延設して形成
せしめた傾斜状当て部である。４は頂部１と当て部３と
の同一側面部に、直角状に折曲せしめて形成の鍔部であ
る。そしてこの鍔部４の下方部には丸味をつけ、しかも
大きさについて限定しない小孔５を形成する。前記下方
部の丸味を設けることによって接触面部が損傷しにくい
利点を有している。

【００１９】６は

【外３】形状に折曲する接続体であり、少くとも折版屋
根ｂを構成する谷部の幅員より若干狭く形成する。７は
接続体６を構成する底部、８は底部７に対し直角状に折
曲する垂直部、９は垂直部８に形成の小孔であり、この
小孔９の大きさについては図面の如く限定しない。１０
はボルト、１１はナットである。

【００２０】１２は折版屋根ｂを下方より支持するタイ
トフレーム、１３は折版屋根ｂを構成する山部、１４は
傾斜部、１５は谷部である。１６はタイトフレーム１２
の頂部より折版屋根ｂの山部１３の上方部より飛出して
いるボルト、１７はボルト１６に螺着するナットであ
る。

【００２１】４´は頂部１と当て部３との両側面部に直
角状に折曲せしめて形成の２枚羽の鍔部である。このよ
うな鍔部４´を有する雪止め金具ａ´の場合でも、ボル
ト１６、ナット１７によって頂部１を固着するし、重ね
合わせた鍔部４´の固着は接続体６等を介して行うこと
は前記の場合と同様である。

【００２２】さらに一枚の鍔部４付き雪止め金具ａの取
り付け方として、図３の外に、図６のようにして固着す
ることもある。

【００２３】ｃは従来の雪止め金具であり、図９はその
取付け状態を示したものである。従来の雪止め金具ｃを
使用するときも、折版屋根ｂやタイトフレーム１２等は
上述した本考案の雪止め金具ａを固着するものと同じで
ある。

【００２４】

【効果】本考案は以下に示す効果を奏する。

【００２５】小孔付き頂部と、頂部の左右両側端縁部を
基にして対称的に、且帯状に延設する傾斜状当て部を形
成し、他方頂部と当て部の一側面部または両側面部に、
直角状に折曲する鍔部を形成し、鍔部の下方部に小孔を
形成する構成となしたので、折版屋根の山部に隣接する
雪止め金具同士が重なり合うことがなく、従って頂部を
固着するボルトにかゝる負荷を軽減できる。

【００２６】さらに本考案の雪止め金具の固着個所が従
来の雪止め金具よりも、節減できたので、施工が簡単に
なり、工事費の節約ができるに至った。

【００２７】また本考案の雪止め金具は、頂部の左右両
側端部を基に当て部を上下何れかの方向に折曲せしめる
ことができるので、勾配が若干異なる折版屋根に対して
適宜順応させ使用できる等の利点を併有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案折版屋根用雪止め金具の斜面図である。

【図２】同金具の組立て状態を示す斜面図である。

【図３】同金具の組立てられた状態を示す斜面図であ
る。

【図４】同金具の使用状態を示す一部切欠側面図であ
る。

【図５】同金具の使用状態を示す斜面図である。

【図６】図５状態から組立てが完了した状態を示す斜面
図である。

【図７】図６の金具の側面図である。

【図８】第２実施例の雪止め金具の使用状態を示す斜面
図である。

【図９】従来の雪止め金具の使用状態を示す縦断正面図
である。

【符号の説明】

ａ、ａ´、ｃ・・・雪止め金具 １・・・頂部
２、５、９・・・小孔 ３・・・当て部 ４、４´・・・鍔部 ６・・・接
続体 ｂ・・・折版屋根 ７・・・底部 ８・・・垂直部 １０、１６・・・ボルト １１、１７・・・ナット １２・・・タイトフレーム １３・・・山部 １４
・・・傾斜部 １５・・・谷部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】帯状にして、且水平状の小孔付き頂部の左
   右両側端縁部を対称的に、且帯状に延設して傾斜状当て
   部を形成し、前記頂部と傾斜状当て部の側面部に、頂部
   と左右両側の当て部に対し直角状に折曲する鍔部を形成
   せしめ、両鍔部の下方部に小孔を夫々形成せしめたこと
   を特徴とする折版屋根用雪止め金具。