JP2563041Y2 - 付加機能のある蓄熱型給湯設備 - Google Patents

付加機能のある蓄熱型給湯設備

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JP2563041Y2
JP2563041Y2 JP1991061390U JP6139091U JP2563041Y2 JP 2563041 Y2 JP2563041 Y2 JP 2563041Y2 JP 1991061390 U JP1991061390 U JP 1991061390U JP 6139091 U JP6139091 U JP 6139091U JP 2563041 Y2 JP2563041 Y2 JP 2563041Y2
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祐士 斎藤
皓三 鈴木
吉秀 杉田
純 岡田
昭太郎 吉田
正孝 望月
耕一 益子
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株式会社フジクラ
東京電力株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は蓄熱体に蓄えた熱をヒ
ートパイプによって温水用の熱交換器に運び、ここで水
を加熱して温水を得る給湯設備に関し、特に蓄熱温度の
高い蓄熱型給湯設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蓄熱体を熱源としかつヒートパイプを熱
輸送手段とした形式の給湯設備の一例が特開平1−25
2898号公報に記載されている。これは、金属ブロッ
クやセラミックブロックなどの高融点材料を顕熱蓄熱体
として用い、この蓄熱体と温水用の熱交換器とをループ
型のヒートパイプで連結し、その温水用熱交換器から蓄
熱体側に作動液が戻るヒートパイプ管路の途中に、作動
液の流通を止める開閉弁を設けたものである。このよう
な構成の給湯設備によれば、蓄熱を行う時間帯を自由に
選ぶことができるので、深夜電力を利用して運転コスト
を下げることができ、またヒートパイプは優れた熱輸送
能力を備えているから出湯のタイムラグが短く、さらに
蓄熱温度を高くすることにより蓄熱体の容積を小さく
し、コンパクトな設備とすることができる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上述した従来の給湯設
備では熱応答性を良くし、かつ単位体積当りの蓄熱量を
多くするために顕熱蓄熱材を使用し、蓄熱温度を高くし
ているが、上記従来の設備は、蓄熱体からの熱の取出し
をヒートパイプのみによって行うよう構成し、給湯のた
めの設備に特化しているから、他の熱関連機器への応用
ができない。そのため例えばサウナ室などの熱源を必要
とする設備を併設してある施設に前記従来の給湯設備を
設置する場合、浴室等には前記蓄熱体を熱源として給湯
を行うことができるが、サウナ室などの温水を必要とし
ない箇所には、それぞれ独自の熱源を設ける必要があ
り、その結果、熱源の種類や数が多くなって熱関連設備
が複雑かつ大型化するなどの不都合がある。
【0004】この考案は上記の事情を背景としてなされ
たもので、給湯以外の機能をも備えた蓄熱型給湯設備を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記の目的
を達成するために、蓄熱体と温水用熱交換器とをヒート
パイプによって連結した蓄熱型給湯設備において、前記
蓄熱体が固体の高温顕熱蓄熱材によって形成されるとと
に、前記蓄熱型給湯設備以外の被加熱設備の近傍に設
置され、かつその蓄熱体の全体が断熱被覆されるととも
に、蓄熱体の重力方向での上端側における断熱被覆の一
部もしくは全部が、蓄熱体から被加熱設備に対する放熱
を許容するよう選択的に開閉可能な構成とされ、さら
に、前記蓄熱体に前記ヒートパイプの蒸発部が熱交換可
能に連結されていることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】この考案の給湯設備の基本的な機能は給湯機能
であるが、蓄熱体が固体の高温顕熱蓄熱材によって形成
されているため、顕熱の形での蓄熱の他に、固体であっ
て高温であることによる熱源としての利便性・多様性が
あり、給湯以外に、蓄熱体の重力方向における上端部の
断熱被覆を開いて被加熱設備に対して放熱させることに
より蓄熱体が単独で給湯以外の熱源となる。すなわち給
湯は、蓄熱体の有する熱をヒートパイプが温水用熱交換
器に送り、ここに供給された水を加熱することにより行
われる。また蓄熱体が固体の顕熱蓄熱材によって形成さ
れているため、その上部の断熱被覆を開けば、蓄熱体か
らの熱が上方に放出される。そのため、蓄熱体を例えば
サウナ室内、あるいは厨房の加熱器の下部など、蓄熱型
給湯設備以外の被加熱設備の近傍に設置しておくことに
より、蓄熱体が単独でそれらの熱源として機能する。前
述の通り、断熱被覆のうちの開閉可能な箇所が蓄熱体の
上端に設けられているため、断熱被覆の外部に向けた蓄
熱体からの放熱が良好に行われる。
【0007】
【実施例】つぎにこの考案の実施例を図面に基づいて説
明すると、図1はこの考案の一実施例を示す模式図であ
って、ここに示す例は、蓄熱体1を給湯用の熱源とそれ
以外の熱源とに使用するよう構成されている。この蓄熱
体1は金属ブロックもしくはセラミックブロックあるい
はこれらを組合わせた顕熱蓄熱体であって、図示しない
電気ヒータを備えるとともに、その内部にはヒートパイ
プ2の一部分である蒸発管3が埋設されている。この蓄
熱体1はその全体が適当な断熱材4によって被覆される
とともに、さらにその外側に外装5が施されており、こ
れらの断熱材4および外装5のうち蓄熱体1の上端側の
部分は着脱自在に構成されている。そしてこの蓄熱体1
は被加熱部6の下方あるいは内部に配置されている。
【0008】前記ヒートパイプ2は、蒸発管3と温水用
熱交換器7側に設けられた凝縮部8とを、蒸気流管9と
液戻り管10とによって全体として循環路となるよう連
結したループ型のものであって、その循環路の内部に、
真空脱気した状態でフロンや水などの適宜の凝縮性流体
が作動流体として封入されている。なお、液戻り管10
の途中には、液相の作動流体(作動液)を溜めるリザー
バ11が設けられ、さらにこのリザーバ11と蒸発管3
との間に制御弁12が設けられている。そして温水用熱
交換器7は、前記凝縮部8から放出される熱によって供
給水を加熱して温水とし、これを適宜の箇所に送るよう
になっている。
【0009】したがって上述した給湯設備では、ヒート
パイプ2に介装した制御弁12を開けば、作動液が蒸発
管3の内部に流入し、ここで蓄熱体1の有する熱によっ
て加熱されて蒸発し、その蒸気が蒸気流管9を経て凝縮
部8に流れた後、ここで放熱して凝縮し、その結果、温
水用熱交換器7に供給された水が加熱昇温されて温水と
なる。このような給湯のみを行う場合には、蓄熱体1か
らの無駄な放熱を防止するために、蓄熱体1の全体を断
熱材4によって被覆しておく。これに対して前記被加熱
部6を加熱する場合には、蓄熱体1の上端側の断熱材4
を取外して蓄熱体1から放熱させる。この被加熱部6と
しては、図2に示す厨房のコンロ13や図3に示すよう
な浴室に隣接したサウナ室14が好適であり、前者の例
では、流し台15の蛇口16に温水を送る一方、コンロ
13を使用する場合にはその下部に設置した蓄熱体1の
上端側の断熱材4を取外して蓄熱体1から放熱させるこ
とにより、コンロ13の下側から熱を与える。また後者
の例では、サウナ室14内に前記蓄熱体1を設置し、浴
槽17に給湯する一方、サウナ室14を使用する際に蓄
熱体1の上端側の断熱材4を取外して放熱させることに
より、サウナ室14を加熱する。
【0010】なお、給湯の停止時には、前記液戻り管1
0に介装した制御弁12を閉じ、また前記コンロ13や
サウナ室14の加熱を停止する場合には、蓄熱体1の上
端側を断熱材4によって閉じる。
【0011】ところで上記の実施例では、蓄熱体1の上
端側の断熱材4を取外すことにより蓄熱体1から放熱さ
せるよう構成したが、この考案は上記の実施例に限られ
ないのであって、例えば図4に示すように、蓄熱体1の
上端側の断熱材4を、スリット状の開口部18を形成し
た2枚の断熱板19によって構成し、その一方の断熱板
19をスライドさせて各開口部18を一致させることに
より蓄熱体1を上方に向けて開放し、また反対に各開口
部18をずらして不一致状態にすることによりこれを閉
じるようにしてもよい。
【0012】またこの考案で、蓄熱体1を給湯以外の熱
源とする場合、前記実施例で示したコンロやサウナ室用
の熱源以外に必要に応じて適宜の被加熱部に対する熱源
として使用してもよい。
【0013】
【考案の効果】以上の説明から明らかなようにこの考案
の給湯設備によれば、それに備える蓄熱体が固体の高温
顕熱蓄熱材によって形成されており、顕熱の形で蓄熱で
き、かつ蓄熱材が固体であって高温であることによっ
て、熱源として利便性・多様性があるので、ヒートパイ
によって蓄熱体から熱を取出す以外に、蓄熱体の重力
方向での上端側の断熱材を開いて蓄熱体から被加熱設備
に対して放熱させるよう構成することにより、蓄熱体を
単独で給湯以外の熱源とすることができ、したがってこ
の考案の給湯設備の有用性が高くなるうえに、この給湯
設備を用いる施設に備えるべき熱源の数やそのための装
置を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この考案の一実施例を示す模式図。
【図2】 厨房のコンロの熱源とした例の斜視図。
【図3】 サウナ室の熱源とした例の斜視図。
【図4】 開閉自在な断熱材の一例を示す略解斜視図。
【符号の説明】
1…蓄熱体、 2…ヒートパイプ、 3…出力軸、 4
…断熱材、 6…被加熱部、 7…温水用熱交換器、
13…コンロ、 14…サウナ室。
フロントページの続き (72)考案者 杉田 吉秀 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東京電力株式会社内 (72)考案者 岡田 純 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東京電力株式会社内 (72)考案者 吉田 昭太郎 東京都江東区木場一丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)考案者 望月 正孝 東京都江東区木場一丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)考案者 益子 耕一 東京都江東区木場一丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−87561(JP,A) 特開 昭62−98152(JP,A) 実開 平1−140458(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱体と温水用熱交換器とをヒートパイ
    プによって連結した蓄熱型給湯設備において、 前記蓄熱体が固体の高温顕熱蓄熱材によって形成される
    とともに、前記蓄熱型給湯設備以外の被加熱設備の近傍
    に設置され、かつその蓄熱体の全体が断熱被覆されると
    ともに、蓄熱体の重力方向での上端側における断熱被覆
    の一部もしくは全部が、蓄熱体から被加熱設備に対する
    放熱を許容するよう選択的に開閉可能な構成とされ、さ
    らに、前記蓄熱体に前記ヒートパイプの蒸発部が熱交換
    可能に連結されていることを特徴とする付加機能のある
    蓄熱型給湯設備。
JP1991061390U 1991-07-09 1991-07-09 付加機能のある蓄熱型給湯設備 Expired - Fee Related JP2563041Y2 (ja)

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JPH058342U JPH058342U (ja) 1993-02-05
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5725089Y2 (ja) * 1977-05-30 1982-05-31
JPS6298152A (ja) * 1985-10-22 1987-05-07 Agency Of Ind Science & Technol 蓄熱装置
JPH01140458U (ja) * 1988-03-16 1989-09-26
JPH07104041B2 (ja) * 1989-08-30 1995-11-13 株式会社フジクラ 高温蓄熱体を備えたヒートパイプ式給湯装置

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JPH058342U (ja) 1993-02-05

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