JP2562552Y2 - 陰極線管表示装置の外部シールドボックス - Google Patents

陰極線管表示装置の外部シールドボックス

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JP2562552Y2
JP2562552Y2 JP3867191U JP3867191U JP2562552Y2 JP 2562552 Y2 JP2562552 Y2 JP 2562552Y2 JP 3867191 U JP3867191 U JP 3867191U JP 3867191 U JP3867191 U JP 3867191U JP 2562552 Y2 JP2562552 Y2 JP 2562552Y2
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Video Image Reproduction Devices For Color Tv Systems (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、テレビ、モニタ、パー
ソナルコンピュータ等の画像表示装置として使用される
陰極線管(Cathode Ray tube以下CRTと略す)の変
色、揺れ及びウインドワイパ現象を防止するため磁気シ
ールドを行なう外部シールドボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】テレビ、モニタ、パーソナルコンピュー
タ等の画像表示装置(ディスプレイ)として使用されて
いるCRTは、電子銃から発射される電子線が蛍光体に
当り、蛍光体を発光させて画像を構成する。特に、カラ
ーCRTでは、3本の電子線により、赤、緑、青の3原
色の蛍光体を発光させてカラー画像を形成する。
【0003】最近のカラーテレビ及びモニタは、従来の
90°偏向CRTから110°偏向CRTへと移行する
ことにより大型・薄型化している。又、モニタはシャド
ウマスクのドットピッチが小さくなり、高精細度化して
きている。このようなテレビやモニタは外界の磁界に対
して非常に敏感となり、わずかな磁界によって飛行する
電子線の軌道を逸脱させるために、正常な画像を結ばな
い。即ち、静磁界においては変色現象を惹起し、交流磁
界では画像の揺れ現象やウインドワイパ現象を惹起して
いる。
【0004】静磁界の発生原因としては、直流電流を使
用している鉄道、NMR(原子核磁気共鳴)などに使用
している磁石(常伝導磁石、超伝導磁石)、スピーカや
磁石または直流電流を用いている電気機器等がある。ま
た、揺れの問題となる交流磁界の発生源としては、送電
線、トランス、ブースバー、交流ケーブル及びトランス
を用いた電子、電気機器がある。また、ウインドワイパ
は交流磁界の影響ではあるが、2台以上のテレビやモニ
タが隣接して配置されることにより互いに干渉するため
起る現象である。
【0005】これらの発生源が増大し、CRTが敏感化
しているため、各製造業者は磁気シールド対策を施して
いる。すなわち、CRTの中に軟磁性体を入れる内部シ
ールドや、表示装置筺体とCRTの間に軟磁性体を配置
する外部シールド等が検討・実施されているが、画像ト
ラブルの解消には未だ充分とは云えない。
【0006】画像の変色、揺れ、ウインドワイパ現象
は、磁界の方向によって、現れ方が異り、対策方法も種
々検討する必要があるが、一般的には、軟磁性体で構成
されたシールドボックスの中に、テレビやモニタの表示
装置筺体を入れ込む外部磁気シールドによって解決され
る。軟磁性体としては、純鉄、けい素鋼、パーマロイ、
アモルファス金属等が使用可能である。これらの材料で
シールドボックスを構成する場合は、溶接したり、補強
材を用いるなどの構造上の考慮が必要であり、重量化し
たり、歪除去などの熱処理による特性向上を計る必要も
ある。又、見栄えの点からシールドボックスの表面に内
外装材を使用すれば高価につき、使用上の難点となる。
又、シールドボックスを一体化して製作すれば、組立て
等の手数は不要となり、すぐに使用できる利点はある
が、運搬上、かさ高となり、空気を運搬するに等しいこ
とになる。
【0007】この問題を解決することを目的として、本
考案者は、さきに、実願平1−87395号により、L
字型に曲げた軟磁性体板部材4個を組合せて、CRT表
示装置筺体の上下左右の4面を覆うシールドボックスを
提案した。その結果、前述の一体化シールドボックスに
比して梱包が小さくなり、運搬費が低減し、かなり低価
格とはなったが、形状的にはなお、大きなものであり、
運賃が高価格となっている。特に、海外に運搬する場合
は運賃が大きな部分を占めるので、非常に高価格とな
り、改善が強く要請されている。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、従来実施さ
れ、提案されているCRT表示装置の外部シールドボッ
クスの上記の欠点にかんがみ、梱包が小さくなり、運賃
が少くて済み、簡単に組立てることができ接続部からの
磁束漏洩のない、低価格のシールドボックスを提供する
ことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案による外部磁気シ
ールドボックスは上記の課題を解決するため、ボックス
の一面の寸法に概ね相当する寸法の一枚の平板部材と、
上記ボックスの一面の両端部でこれと直交する各面の寸
法に相当する寸法の平板部と上記1枚の平板部材の端部
と10〜50mmオーバラップすることが可能な幅の1つ
のフランジを有する「L」字型部材と、ボックスの残り
の一面の寸法に概ね相当する寸法の平板部とその両端に
設けられ、上記2枚の「L」字型断面部材のフランジの
ない端部と10〜50mmオーバラップすることが可能な
幅の2つのフランジを有する「コ」の字型断面部材とよ
り成ることを特徴とする。
【0010】
【作用】本考案の外部磁気シールドボックスは、上述の
如く、CRT表示装置筺体を覆うシールドボックスの1
面と概ね同サイズの1枚の平板部材と、ボックスの上記
の面と直交する各面の寸法と概ね同サイズ平板部と上記
平板部材の端部とオーバラップすることが可能な幅のフ
ランジを有する2つの「L」字型部材と、ボックスの残
りの面と概ね同寸法の平板部とその両側端に設けられ、
10〜50mmオーバラップすることが可能な幅のフラン
ジを有する「コ」の字型断面部材とから構成されている
ので、「L」字型断面部材のフランジを平板部材の端部
にオーバラップさせ、「コ」の字型断面部材のフランジ
「L」型断面部材のフランジのない端部にオーバラップ
させて結合することにより、簡単に外部シールドボック
スを得ることができる。
【0011】板部材を接続して磁気シールドボックスを
形成する場合、磁束漏洩を防止するためには必らず10
mm以上オーバラップする必要があり、50mm以上あるこ
とが望ましい。したがって、上記の如く、10〜50mm
オーバラップすれば充分磁束漏洩を防止することがで
き、しかも分解して運搬する場合にもかさ張ることはな
い。図6にオーバラップ幅とシールド率の関係を示す。
又50mm程度あれば、両部材の結合を確実に行なうこと
ができる。組立時におけるオーバラップ部材の接続は、
両面テープや接着剤でも可能であるが、予め両部材のオ
ーバラップ部に位置を合せて孔を明けておき、金属又は
プラスチック製ファスナを挿し込むことにより、一挙動
で位置決めして磁束漏洩を防止して結合することができ
るので、現地で組立てるのに適している。なお、フラン
ジの幅は、板の屈曲部に必要なRを考慮する必要があ
り、オーバラップ幅にRを加えたもの以上とする必要が
ある。本考案の対象とする外部シールドボックスの場
合、CRT表示装置の美観上の点から最大でも20Rが
限度であるから、Rの先端迄オーバラップするものとし
て、フランジの幅は30〜70mm位とすればよい。
【0012】
【実施例】以下に、本考案の実施例を、図面に基づいて
詳細に説明する。図1から図3に本考案の実施例のCR
T表示装置外部シールドボックスを組立てるための部材
の形状を示す。図1に示す部材1は、概ね幅A、高さ
D、奥行Cの表示装置筺体3の上面又は下面の寸法に対
応する幅A、奥行Cの平板部1aと、その両側に直角方
向に曲げられた高さBのフランジ1bとより成る「コ」
の字型断面の部材である。フランジ1bの高さBは、前
述の如く、オーバラップ幅Eが10〜50mmが得られる
寸法、例えば30〜70mmである。
【0013】図2に示す部材2は、表示装置の高さにほ
ぼ等しいDと奥行Cを隣接2辺とする長方形の平板部2
aとその一方の側端に設けた幅Bのフランジ2bとより
成る「L」字型断面部材である。又、図3には表示装置
4の底面寸法と概ね同寸法の平板部材3を示す。
【0014】上記の部材1、3を夫々1個、及び2を2
個、図4に示す如く組合せ、部材1と2及び2と3のオ
ーバラップ部を、図5に示す如く、金属又はプラスチッ
クファスナ5で締結して結合する。図7に、直径3mm、
長さ6.7mmのプラスチックファスナの1例を示す。5a
は雄部材で、5bは雌部材である。2つのシールドボッ
クス構成部材に位置を合せて予め穿設された孔を重ね合
せ、その一方から雄部材5aの突起を孔を貫通させて雌
部材5bの孔に挿入し、雌部材の割れ目を拡げることに
よって抜けないように固定することができる。
【0015】磁気シールド板としては、純鉄、けい素鋼
・パーマロイ、アモルファス合金等の高透磁率軟磁性材
料の0.1mmから1mm程度の板厚の板が使用される。板厚
が薄いので、上記の説明では、シールドボックスを構成
する部材の寸法は正確には表示装置筺体の幅より板厚分
や隅のRの寸法等を考慮して決定すべきであるが、簡単
のため概ね同じと表現してある。
【0016】一例として、ディーリングルームにおける
2台の高精細度14インチモニタ同志の干渉でウインド
ワイパ現象を起していたのを改善した例を説明する。モ
ニタの筺体の外側をシールドするシールドボックスは、
図1に示す「コ」の字型部材1及び図3に示す平板部材
3を夫々1個、図2に示す「L」字型部材2を2個、図
4に示す如く組合せてシールドボックスを構成し、モニ
タ4の外側を覆った。シールドボックスの材料は0.35
mm厚さのけい素鋼板で、部材1の幅Aは400mm、フラ
ンジの高さBは60mm、フランジ折曲げ部のRは10mm
であり、部材2の幅Dは380mmである。これらの部材
をオーバラップ幅Eを50mmとして重ね合せ、フランジ
の端縁から30mmの位置に横方向に3個所3.3mm径の孔
を穿設し、重ね合せて図6に示すプラスチックファスナ
4で締結して幅400mm、高さ400mm、奥行300mm
のシールドボックスとし、これを2台のモニタ3に夫々
装着したところ、ウインドワイパ現象を除去することが
できた。
【0017】上述の如く、1枚の平板部材3と、1個の
「コ」の字型部材1と2個の「L」字型部材とに分割し
たことにより、幅400mm、高さ400mm、奥行300
mmのシールドボックスの組立寸法に対して、梱包寸法は
幅400mm、高さ60mm、奥行300mmと15%の体積
率になった。
【0018】
【考案の効果】以上の如く、本考案によれば、シールド
ボックスの完成寸法に対して梱包寸法を非常にコンパク
ト化することができ、運搬及び保管に便利になり、運搬
も低減することができた。しかも組立て作業は簡単で、
2分程度の短時間で可能であり、現場での組立てにも適
している。又、組立てた時のオーバラップ量は磁束漏洩
防止に充分であり、一体型シールドボックスと同等のシ
ールド特性を確保することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のシールドボックスの構成部材の1つの
形状を示す斜視図である。
【図2】本考案のシールドボックスの構成部材の他の1
種の形状を示す斜視図である。
【図3】本考案のシールドボックスの構成部材の更に他
の1つの形状を示す斜視図である。
【図4】本考案の実施例のシールドボックスの組立状態
とCRT表示装置との関係を示す正面図である。
【図5】部材どうしのオーバラップ部の固定方法の一例
を示す断面図である。
【図6】部材どうしのオーバラップ幅とシールド率の関
係を示す曲線図である。
【図7】本考案のシールドボックスの部材どうしの結合
に使用するに適するプラスチックファスナの一例を示す
図で、(a) は雄部材、(b) は雌部材の側断面図、(c) は
雌部材の端面図である。
【符号の説明】
1 「コ」の字型部材 2 「L」字型部材 3 平板状部材 4 CRT表示装置 5 ファスナ A 幅 B フランジ幅 C 奥行 D 高さ E オーバラップ幅

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極線管表示装置筺体の上下面及び両側
    面の4面外側を軟磁性体板で覆って成る陰極線管表示装
    置の磁気シールドを行う外部シールドボックスにおい
    て、該外部シールドボックスは、ボックスの一面の寸法
    に概ね相当する寸法の1枚の平板部材と、上記ボックス
    の一面の両端部でこれと直交する各面の寸法に相当する
    寸法の平板部と上記の1枚の平板部材の端部と10〜5
    0mmオーバラップすることが可能な幅の1つのフランジ
    を有する「L」字型断面部材と、ボックスの残りの面の
    寸法に概ね相当する寸法の平板部と、その両端に設けら
    れ、上記2枚の「L」字型断面部材のフランジのない端
    部と10〜50mmオーバラップすることが可能な幅の2
    つのフランジを有する「コ」の字型断面部材とより成る
    ことを特徴とする外部シールドボックス。
  2. 【請求項2】 上記のオーバラップ部の接続が、接続さ
    れるべき両部材のオーバラップ部にあらかじめ位置を合
    せて穿設された孔と、これらの孔に貫通して一挙動で締
    結される金属又はプラスチックファスナにより行なわれ
    ることを特徴とする請求項1に記載の外部シールドボッ
    クス。
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