JP3396876B2 - 陰極線管用シャーシ - Google Patents

陰極線管用シャーシ

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JP3396876B2
JP3396876B2 JP14790994A JP14790994A JP3396876B2 JP 3396876 B2 JP3396876 B2 JP 3396876B2 JP 14790994 A JP14790994 A JP 14790994A JP 14790994 A JP14790994 A JP 14790994A JP 3396876 B2 JP3396876 B2 JP 3396876B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、TVなどに用いられる
陰極線管(CRT)を被覆するシャーシに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】色選別電極を内蔵する3電子ビーム形の
カラー陰極線管においては、地磁気などの外部磁場の影
響を受けて電子ビームの軌道が振れることをミスランデ
ィングと言い、このような電子ビームの軌道の変化にと
もなって所望しない蛍光体を発光させて色ずれなどの好
ましくない結果を招くことが知られている。このような
外部磁場の影響を除去するために、色選別電極からファ
ンネルに沿って電子ビームを取り囲むように内部磁気シ
ールド部材を内設したものが知られている。
【0003】次に、このようなカラー陰極線管装置の一
例を図9により説明する。図9は、上記従来のカラー陰
極線管とこの陰極線管を被覆するシャーシよりなる陰極
線管装置の断面構成図であり、図において、管体は、蛍
光面3を設けたスリーン部1dおよびそれに連なるスカ
ート部1cからなるパネル、ネック1a並びにファンネ
ル1bとにより構成されている。2は電子銃で、上記ネ
ック1a内に配設されている。3は蛍光面で、通常、
赤、緑、青に発光する蛍光体がモザイク状にパネルのス
クリーン部1d内面に被着されている。4は色選別電極
で、上記蛍光面3に対向して配置されており、所定の配
列で電子ビーム8の通過孔が形成されている。5はフレ
ームであり、7は内部磁気シールド(以下IMSと略
す)と呼称されている磁気シールド部材で、透磁率の大
きい薄板によりファンネル1bの形状に沿った角錐台形
状に形成され、その前端の周縁部が上記フレーム5の電
子銃2側に向いた辺に溶接などにより固着されている。
8は電子ビームで、偏向ヨーク9によって偏向中心91
を通り偏向走査され、色選別電極4の電子ビーム通過孔
を通過した電子ビーム8が蛍光面3に射突して蛍光体を
選択的に発光させる。11はパネルのスクリーン部1d
を除いて陰極線管を覆う上部、側部、底部および後部を
備えた箱体状のシャーシで、箱体の後部が通風孔でオー
プンになっており、例えば冷間圧延鋼板などの磁性体よ
りなり陰極線管全体を被覆している。12は陰極線管の
磁性体からなる防爆バンド、Zは管軸方向、YはZと垂
直な短軸方向である。
【0004】次に、上記構成の動作について説明する。
電子銃2から発射された電子ビーム8は、偏向ヨーク9
により偏向中心91を通って偏向走査され、色選別電極
4の電子ビーム通過孔を通過した電子ビーム8が蛍光面
3に射突することで、蛍光面3の蛍光体が選択的に発光
される。この時、陰極線管が地磁気などの環境磁場内に
置かれていると、電子ビーム8の飛行軌道が曲げられ電
子ビームのランディング点がずれる。このような環境磁
場による影響を排除するために、IMS部材7を設けた
のである。つまり、IMS部材7で覆われた陰極線管内
では、上記環境磁場が磁気遮蔽により弱められるので、
電子ビーム8の飛行軌道の曲がりが少なくなり、電子ビ
ーム8の蛍光面3への入射位置のずれが小さくなるので
ある。また、刊行物{NIKKEI ELECTRONICS 1987.1.12(n
o412)p.174〜184}には、さらに陰極線管装置全体をパ
ーマロイ製のカバーで覆うという例が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、陰極線管の実
用に際しては、図9に示したような磁性材で構成された
シャーシが必要で、そのシャーシがあるためIMSの磁
気遮蔽効果が影響を受け、上記IMS内の磁界の分布が
変化し電子ビームの飛行軌道が曲げられミスランディン
グ量が大きくなり、そのためIMS部材はシャーシの影
響を考慮した設計を必要とし非常に複雑になるという課
題があった。また、陰極線管のランディング等の調整
は、陰極線管のみで行い調整後に陰極線管をシャーシに
組み込むため、組み込み後に再調整が必要になるという
課題もあった。
【0006】次に、従来の陰極線管用シャーシにおい
て、IMSの磁気遮蔽効果に及ぼすシャーシの影響を説
明する。図9に示す従来の陰極線管用シャーシは、例え
ば冷間圧延鋼板のような磁性体よりなる箱体で、箱体後
部が通風孔等でオープンになっている。線形として、フ
レーム、防爆バンドおよび偏向ヨークの比透磁率(μ
r)が各々150、1500、250で、シャーシの磁
性材の比透磁率(μr)が1(シャーシ無)、200ま
たは2000のもとで、各値の比透磁率のシャーシに対
し表1に示すIMSと色選別電極の比透磁率の組合せを
用いる磁界解析条件で、外部から地磁気として0.4O
eの大きさの磁場が上記陰極線管の管軸方向に作用した
場合のビーム軌道上での磁場強度およびビーム軌道に対
し垂直な磁場成分を有限要素法の二次元磁場解析により
求めた。
【0007】
【表1】
【0008】結果を図10〜13に示す。図10および
図12は、従来の陰極線管装置の各々IMS部材の比透
磁率(μr)が1000および20000の場合の偏向
中心からの管軸方向距離と軌道上での磁場強度の関係を
示す特性図であり、図11および図13は、従来の陰極
線管装置の各々IMS部材の比透磁率(μr)が100
0および20000の場合の偏向中心からの管軸方向距
離と軌道に対し垂直な磁場成分の関係を示す特性図であ
る。また、図中○印は、シャーシがなく陰極線管のみの
場合であり、●印は、シャーシがありその磁性材の比透
磁率が200の場合であり、△印は、シャーシがありそ
の磁性材の比透磁率が2000の場合である。図10〜
13に示されているように、シャーシがありその比透磁
率が高いほどビーム軌道上での磁場強度は低下している
が、シャーシが磁束を引き込む様に作用するので、ビー
ム軌道に対し垂直な磁場成分は逆に増加している。その
ため、図14に示すように陰極線管のみ(μr=1)の
場合に比較し、シャーシがある場合にビームのミスラン
ディング量は増加している。なお、図14は従来の陰極
線管装置の上記各比透磁率のシャーシのもとでの、IM
Sの比透磁率によるミスランディング量を示す特性図で
あり、図中、○、●および△印は上記と同様である。こ
のように、従来の陰極線管用シャーシが磁気遮蔽効果に
悪影響を及ぼすことがわかる。また、陰極線管全体をパ
ーマロイ製のカバーで覆う場合、パーマロイという取扱
が困難で本体より高価な素材を必要とし、また構造が複
雑となるため実用的では無かった。
【0009】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたもので、陰極線管に外部から地磁気などの磁界が
作用しても、磁気シールドが可能で、電子ビームのラン
ディングミスを防止して色ズレを防止でき、さらにその
ためIMS部材やシャーシ部材の設計が容易である陰極
線管用シャーシを得ることを目的とするものである。
【0010】請求項1の陰極線管用シャーシは、スクリ
ーン部を解放して陰極線管を被服するとともに、偏向中
心を含み陰極線管軸に垂直な面を越えないようにIMS
を覆い磁性体金属からなるシャーシ前部と、非磁性体
からなるシャーシ残部とで構成されるものである。
【0011】請求項2の陰極線管用シャーシは、上記シ
ャーシ前部が上記IMSの電子銃側開口面までIMSを
覆うものである。
【0012】請求項3の陰極線管用シャーシは、スクリ
ーン部を解放して陰極線管を被服するとともに、偏向中
心を含み陰極線管軸に垂直な面を越えないようにIMS
を覆い磁性体金属からなるシャーシ前部と、このシャー
シ前部側の少なくとも一部が非磁性体金属であるシャー
シ残部とで構成されるものである。
【0013】請求項4の陰極線管用シャーシは、シャー
シ前部とシャーシ後部とにより、スクリーン部を開放
し、上面、側面、底面および後面を備え、陰極線管を被
覆する箱体状のシャーシを構成するものである。
【0014】請求項5の陰極線管用シャーシは、上記非
磁性体金属がアルミニウム、銅およびステンレス鋼の何
れかの非磁性材からなるものである。
【0015】
【0016】請求項6の陰極線管用シャーシは、上記シ
ャーシ残部に非磁性体としての多数の空孔を設けたもの
である。
【0017】
【作用】請求項1の発明において、偏向中心を含み上記
陰極線管軸に垂直な面を越えないように上記IMSを覆
うシャーシ前部が磁性体で、残部が非磁性体であるの
で、磁束を引き込むという現象を防止することができ、
陰極線管に外部から地磁気等の磁界が作用しても、IM
S内の磁界分布の変化を防止でき、IMSの磁気遮蔽効
果を損なうことなく陰極線管を被覆することができ、電
子ビームのランディングミスを防止し色ズレを防止でき
る。上記陰極線管軸方向の磁場に対し、電子銃から偏向
中心までは電子ビームは上記陰極線管軸に平行であるの
で磁場の影響を受けず、偏向中心から蛍光面までの間で
電子ビームは上記陰極線管軸と角度を持つため磁場の影
響を受けるので、シャーシ前部が偏向中心を含み上記陰
極線管軸に垂直な面までシャーシ前部の磁気遮蔽効果が
有効である。シャーシ前部が偏向中心を含み上記陰極線
管軸に垂直な面を越えると、上記陰極線管軸方向の磁場
をシャーシに引き込む作用が強くなりすぎIMS内の磁
界分布が変化し、IMSの磁気遮蔽効果を損ない電子ビ
ームの軌道に対し垂直な磁場成分が増加するため電子ビ
ームのミスランディング量を増加させると言う悪影響を
生じる。また、シャーシ前部がIMSを覆わないとIM
S上にシャーシ前部の端部が存在することになるため、
磁性体の端部には磁束が集中するという端部効果のため
IMSの磁気遮蔽効果が損なわれると言う悪影響を生じ
る。
【0018】請求項2の発明において、上記シャーシ前
部が上記IMSの電子銃側開口面までIMSを覆ってい
るので、偏向中心から上記IMSの電子銃側開口面まで
は外部に磁性体がなくシャーシがない場合と同様に磁束
を引き込むことがないので、陰極線管に外部から地磁気
等の磁界が作用しても電子ビームの軌道と垂直な磁場成
分が増加せず、電子ビームのランディングミスを防止し
色ズレを防止できるとともに、シャーシの磁性体部分が
偏向ヨークからは十分離れているので、偏向ヨークの磁
場分布に影響を及ぼすこともない。
【0019】請求項3の発明において、偏向中心を含み
上記陰極線管軸に垂直な面を越えないように上記IMS
を覆うシャーシ前部が磁性体で、残部の少なくともシャ
ーシ前部側の少なくとも一部が非磁性体であるので、シ
ャーシ前部と残部が磁気的に遮断されているので、シャ
ーシの実効的な透磁率が低下し磁束をシャーシに引き込
むという現象を防止することができ、陰極線管に外部か
ら地磁気等の磁界が作用しても、IMS内の磁界分布の
変化を防止でき、IMSの磁気遮蔽効果を損なうことな
く陰極線管を被覆することができ、電子ビームのランデ
ィングミスを防止し色ズレを防止できる。
【0020】請求項4の発明において、上記被覆が、上
記スクリーン部を開放して、上面、側面、底面および後
面を備えた箱体でなされるので、シャーシの安定性が向
上する。
【0021】請求項5の発明において、非磁性体がアル
ミニウム、銅およびステンレス鋼の何れかの非磁性材か
らなるので、低コストとなる。
【0022】
【0023】請求項6の発明において、非磁性体が空孔
であるので、シャーシ残部をプレス成形するときに同時
に空孔を形成できシャーシが容易に製造できる。
【0024】
【実施例】
実施例1.図1および図2は各々本発明の一実施例のシ
ャーシにより陰極線管を被覆する陰極線管装置の断面構
成図および平面図であり、図において、20はスクリー
ン部を除いて陰極線管を被覆し、上面、側面、底面およ
び後面を備えた箱体状のシャーシである。21は箱体の
上面、側面および底面にわたるシャーシ前部で厚さ0.
8mmの冷間圧延鋼板よりなり、IMSをIMSの電子
銃側開口面93まで覆い、22はシャーシ残部で箱体の
上面、側面、底面および後面にわたり、非磁性材よりな
り、厚さ0.8mmのアルミニウムを使用している。
【0025】次に、図1および図2に示すフレーム、防
爆バンドおよび偏向ヨークの比透磁率が、線形として各
々150、1500、250で、表1に示したIMSと
色識別電極の組合せがaまたはfの場合で、シャーシの
磁性体の比透磁率が1(シャーシ無)、200、200
0または5000の磁界解析条件で、外部から地磁気と
して0.4Oeの大きさの磁場が上記陰極線管の管軸方
向に作用した場合のミスランディング量(μm)を上記
従来例と共に表2および3に示す。表2はIMSの比透
磁率が1000(色識別電極の比透磁率が300)の時
の測定値、表3はIMSの比透磁率が20000(色識
別電極の比透磁率が5000)の時の測定値である。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】また、図3および4に各々IMSの比透磁
率が1000および20000の時のミスランディング
量を偏向中心よりIMSの電子銃側開口面、IMSの電
子銃側開口面より色識別電極、偏向中心より色識別電極
までの領域ごとに検出し求めた結果を、シャーシが無い
場合と、図9に示すシャーシを用いた例を従来例として
併せて示す。図3および4より、IMSの比透磁率が1
000および20000のどちらの場合でも実施例1
は、シャーシがある場合はもちろん陰極線管のみの場合
よりも更にミスランディング量が低下している。また、
図から実施例1のシャーシのビームのミスランディング
量を低下させる効果は、偏向中心からIMSの電子銃側
開口面間よりIMSの電子銃側開口面から色選別電極間
で大きいことがわかる。このように実施例1において、
シャーシ構造が図1および図2に示すように、シャーシ
前部が上記IMSの電子銃側開口面までIMSを覆って
いるので、シャーシ前部の磁気遮蔽効果が有効であり、
しかも、偏向中心から上記IMSの電子銃側開口面まで
は外部に磁性体がなくシャーシがない場合と同様に磁束
を引き込むことがないので、陰極線管に外部から地磁気
等の磁界が作用しても電子ビームの軌道と垂直な磁場成
分が増加せず、電子ビームのランディングミスを防止し
色ズレを防止できる。さらに、シャーシの磁性体部分が
偏向ヨークからは十分離れているので、偏向ヨークの磁
場分布に影響を及ぼすこともない。また、陰極線管のラ
ンディング等の調整は、陰極線管のみで行った場合と陰
極線管をシャーシに組み込んだ場合とでIMS内の磁界
の分布が変化しするのを防止するので、組み込み後に再
調整が必要になるという問題もなくなるという効果もあ
り、磁性材として冷間圧延鋼板等を用いているので強度
も十分ある。さらに、実施例1ではシャーシ残部に使用
する非磁性材を厚さ0.8mmのアルミニウムにした場
合について述べたが、銅やステンレス鋼の場合でも同様
の効果が得られ、また、この場合よりも薄い場合には低
コストになり、厚い場合には強度が増すという効果が得
られ、電子ビーム8のランディングミスを防止して色ズ
レを防止できる効果は同様である。
【0029】比較例1.実施例1において、シャーシ前
部に磁性材の代わりに非磁性材を使用し、シャーシ残部
に非磁性材の代わりに磁性材を使用する他は実施例1と
同様に陰極線管装置を得、実施例1と同様の磁界解析条
件でミスランディング量を求め、結果を図3および4に
示す。図からこの場合は効果がないばかりでなく、ミス
ランディング量が増加することがわかる。
【0030】比較例2.実施例1において、シャーシ前
部が実施例1より長く、偏向中心を含み陰極線管軸に垂
直な面を越えて上記IMSを覆う他は実施例1と同様に
陰極線管装置を得、実施例1と同様の磁界解析条件でミ
スランディング量を求め、結果を表2および3に示す。
それによると、この場合はIMSの比透磁率に係わらず
実施例1よりミスランディング量が増加していることが
わかる。それは、シャーシ前部が偏向中心を含み上記陰
極線管軸に垂直な面を越えると、陰極線管軸方向の磁場
をシャーシに引き込む作用が強くなりすぎIMS内の磁
界分布が変化し、IMSの磁気遮蔽効果を損ない電子ビ
ームの軌道に対し垂直な磁場成分が増加するためであ
る。
【0031】比較例3.実施例1において、シャーシ前
部が実施例1より短く、シャーシ前部がIMSを一部覆
わないこと以外は実施例1と同様に陰極線管装置を得、
実施例1と同様の磁界解析条件でミスランディング量を
求め、結果を表2および3に示す。それによると、この
場合、IMSの比透磁率に係わらず実施例1よりミスラ
ンディング量が増加することがわかる。それは、シャー
シ前部がIMSを覆わないとIMS上にシャーシ前部の
端部が存在することになるため、磁性体の端部には磁束
が集中するという端部効果のためIMSの磁気遮蔽効果
が損なわれるためである。
【0032】実施例2.図5は、本発明の他の実施例の
シャーシにより陰極線管を被覆する陰極線管装置の断面
構成図であり、図において、20はスクリーン部を除い
て陰極線管を被覆し、上面、側面、底面および後面を備
えた箱体状のシャーシである。21は箱体の上面、側面
および底面にわたるシャーシ前部で厚さ0.8mmの冷
間圧延鋼板よりなり、IMSをIMSの電子銃側開口面
93まで覆い、22はシャーシ残部で箱体の上面、側
面、底面および後面にわたり、後面を厚さ0.8mmの
冷間圧延鋼板の磁性材で構成し、その他を厚さ0.8m
mのアルミニウムの非磁性材で構成している。このよう
に、実施例2において、シャーシ構造が図5に示すよう
に、シャーシ前部が上記IMSの電子銃側開口面までI
MSを覆っているので、シャーシ前部の磁気遮蔽効果が
有効であり、しかも、シャーシ前部と残部が磁気的に遮
断されているので、シャーシの実効的な透磁率が低下し
磁束をシャーシに引き込むという現象を防止することが
でき、陰極線管に外部から地磁気等の磁界が作用して
も、IMS内の磁界分布の変化を防止でき、IMSの磁
気遮蔽効果を損なうことなく陰極線管を被覆することが
でき、電子ビームのランディングミスを防止し色ズレを
防止できる。また、後面を磁性材として冷間圧延鋼板等
を用いているので冷却ファン等を取り付けるにも強度が
十分である。また、実施例2で使用する非磁性材をアル
ミニウムにした場合について述べたが、銅やステンレス
鋼の場合でも同様の効果が得られるのはもちろんであ
る。
【0033】実施例3.図6は、本発明の他の実施例の
シャーシにより陰極線管を被覆する陰極線管装置の断面
構成図であり、図において、20はスクリーン部を除い
て陰極線管を被覆し、上面、側面、底面および後面を備
えた箱体状のシャーシである。21は箱体の上面、側面
および底面にわたるシャーシ前部で厚さ0.8mmの冷
間圧延鋼板よりなり、IMSをIMSの電子銃側開口面
93まで覆い、22はシャーシ残部で箱体の上面、側
面、底面および後面にわたり、底面を厚さ0.8mmの
冷間圧延鋼板の磁性材で構成し、その他を厚さ0.8m
mのアルミニウムの非磁性材で構成している。このよう
に、実施例3において、シャーシ構造が図6に示すよう
に、シャーシ前部が上記IMSの電子銃側開口面までI
MSを覆っているので、シャーシ前部の磁気遮蔽効果が
有効であり、しかも、シャーシ前部と残部が磁気的に遮
断されているので、シャーシの実効的な透磁率が低下し
磁束をシャーシに引き込むという現象を防止することが
でき、陰極線管に外部から地磁気等の磁界が作用して
も、IMS内の磁界分布の変化を防止でき、IMSの磁
気遮蔽効果を損なうことなく陰極線管を被覆することが
でき、電子ビームのランディングミスを防止し色ズレを
防止できる。また、底面に冷間圧延鋼板等を用いている
ので、底面に回路部品を取り付ける場合の強度が十分で
ある。また、実施例3で使用する非磁性材をアルミニウ
ムにした場合について述べたが、銅やステンレス鋼の場
合でも同様の効果が得られるのはもちろんである。
【0034】実施例4.図7は本発明の他の実施例のシ
ャーシにより陰極線管を被覆する陰極線管装置の断面構
成図であり、図において、20はスクリーン部を除いて
陰極線管を被覆し、上面、側面、底面および後面を備え
た箱体状のシャーシである。21は箱体の上面、側面お
よび底面にわたるシャーシ前部で厚さ0.8mmの冷間
圧延鋼板よりなり、IMSをIMSの電子銃側開口面9
3まで覆い、22はシャーシ残部で箱体の上面、側面、
底面および後面にわたり、アルミニウム(非磁性材)と
冷間圧延鋼板(磁性材)とを接合したクラッド材(非磁
性材)を用いたものである。このように、実施例4にお
いて、シャーシ構造が図7に示すように、シャーシ前部
が上記IMSの電子銃側開口面までIMSを覆っている
ので、シャーシ前部の磁気遮蔽効果が有効であり、しか
も、偏向中心から上記IMSの電子銃側開口面までは外
部に磁性体がなくシャーシがない場合と同様に磁束を引
き込むことがないので、陰極線管に外部から地磁気等の
磁界が作用しても電子ビームの軌道と垂直な磁場成分が
増加せず、電子ビームのランディングミスを防止し色ズ
レを防止できる。さらに、シャーシの磁性体部分が偏向
ヨークからは十分離れているので、偏向ヨークの磁場分
布に影響を及ぼすこともない。また、クラッド材を用い
ているので、強度が向上し陰極線管の支持が容易であ
る。さらに、実施例4ではクラッド材の非磁性材をアル
ミニウムにした場合について述べたが、銅やステンレス
鋼の場合でも同様の効果が得られるのはもちろんであ
る。
【0035】実施例5.図8は本発明のさらに他の実施
例のシャーシにより陰極線管を被覆する陰極線管装置の
断面構成図であり、図において、20はスクリーン部を
除いて陰極線管を被覆し、上面、側面、底面および後面
を備えた箱体状のシャーシである。21は箱体の上面、
側面および底面にわたるシャーシ前部で厚さ0.8mm
の冷間圧延鋼板よりなり、IMSをIMSの電子銃側開
口面93まで覆い、22はシャーシ残部で箱体の上面、
側面、底面および後面にわたり、非磁性体として多数の
孔をあけたものである。このように、実施例5におい
て、シャーシ構造が図8に示すように、シャーシ前部が
上記IMSの電子銃側開口面までIMSを覆っているの
で、シャーシ前部の磁気遮蔽効果が有効であり、しか
も、シャーシ前部と残部が磁気的に遮断されているの
で、シャーシの実効的な透磁率が低下し磁束をシャーシ
に引き込むという現象を防止することができ、陰極線管
に外部から地磁気等の磁界が作用しても、IMS内の磁
界分布の変化を防止でき、IMSの磁気遮蔽効果を損な
うことなく陰極線管を被覆することができ、電子ビーム
のランディングミスを防止し色ズレを防止できる。ま
た、磁性材として冷間圧延鋼板等を用いているので強度
も十分あり、シャーシ残部をプレス等で成形する時、空
孔も同時に形成することができ、シャーシの製造が容易
になる。
【0036】なお、上記実施例ではシャーシが箱体であ
る場合について述べたが、形状は球形、楕円状、円錐
状、角錘状等使用する目的にあった形状でも同様の効果
が得られる。
【0037】請求項1の発明によれば、スクリーン部を
解放して陰極線管を被服するとともに、偏向中心を含み
陰極線管軸に垂直な面を越えないようにIMSを覆い磁
性体金属からなるシャーシ前部と、非磁性体金属からな
るシャーシ残部とで構成されることにより、陰極線管に
外部から地磁気などの磁界が作用しても、IMS内の磁
界の分布の変化を防止し、電子ビームのランディングミ
スを防止して色ズレを防止できる陰極線管用シャーシを
得ることができる。
【0038】請求項2の発明によれば、上記シャーシ前
部が上記IMSの電子銃側開口面までIMSを覆ってい
るので、陰極線管に外部から地磁気等の磁界が作用して
も、磁気シールドを行い、IMS内の磁界分布の変化を
防止でき、IMSの磁気遮蔽効果を損なうことなく陰極
線管をすることができ、電子ビームのランディングミス
を防止し色ズレが防止でき、さらに、偏向ヨークに影響
を及ぼすこともない陰極線管用シャーシを得ることがで
きる。
【0039】請求項3の発明によれば、スクリーン部を
解放して陰極線管を被服するとともに、偏向中心を含み
陰極線管軸に垂直な面を越えないようにIMSを覆い磁
性体金属からなるシャーシ前部と、このシャーシ前部側
の少なくとも一部が非磁性体金属であるシャーシ残部と
で構成されることにより、陰極線管に外部から地磁気等
の磁界が作用しても、磁気シールドを行い、IMS内の
磁界分布の変化を防止でき、IMSの磁気遮蔽効果を損
なうことなく陰極線管を被覆することができ、電子ビー
ムのランディングミスを防止し色ズレが防止できる陰極
線管用シャーシを得ることができる。
【0040】請求項4の発明によれば、上記シャーシ前
部と上記シャーシ後部とにより、上記スクリーン部を開
放し、上面、側面、底面および後面を備え、陰極線管を
被覆する箱体状のシャーシを構成しているので、安定し
た陰極線管用シャーシを得ることができる。
【0041】請求項5の発明によれば、上記非磁性体
がアルミニウム、銅およびステンレス鋼の何れかの非
磁性材からなると、低コストの陰極線管用シャーシを得
ることができる。
【0042】
【0043】請求項6の発明によれば、シャーシ残部に
非磁性体としての多数の空孔を設けるので、製造が容易
な陰極線管用シャーシを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシャーシにより陰極線管を
被覆する陰極線管装置の断面構成図である。
【図2】本発明の一実施例のシャーシにより陰極線管を
被覆する陰極線管装置の平面図である。
【図3】本発明の一実施例と従来例および比較例を比較
するための、IMSの比透磁率が1000の時の陰極線
管の位置とミスランディング量の相関を示す特性図であ
る。
【図4】本発明の一実施例と従来例および比較例を比較
するための、IMSの比透磁率が20000の時の陰極
線管の位置とミスランディング量の相関を示す特性図で
ある。
【図5】本発明の他の実施例のシャーシにより陰極線管
を被覆する陰極線管装置の断面構成図である。
【図6】本発明の他の実施例のシャーシにより陰極線管
を被覆する陰極線管装置の断面構成図である。
【図7】本発明の他の実施例のシャーシにより陰極線管
を被覆する陰極線管装置の断面構成図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例のシャーシにより陰
極線管を被覆する陰極線管装置の断面構成図である。
【図9】従来のシャーシにより陰極線管を被覆する陰極
線管装置の断面構成図である。
【図10】従来の陰極線管装置のIMS部材の比透磁率
(μr)が1000の場合の偏向中心からの管軸方向距
離と軌道上での磁場強度の関係を示す特性図である。
【図11】従来の陰極線管装置のIMS部材の比透磁率
(μr)が1000の場合の偏向中心からの管軸方向距
離と軌道に対し垂直な磁場成分の関係を示す特性図であ
る。
【図12】従来の陰極線管装置のIMS部材の比透磁率
(μr)が20000の場合の偏向中心からの管軸方向
距離と軌道上での磁場強度の関係を示す特性図である。
【図13】従来の陰極線管装置のIMS部材の比透磁率
(μr)が20000の場合の偏向中心からの管軸方向
距離と軌道に対し垂直な磁場成分の関係を示す特性図で
ある。
【図14】従来の陰極線管装置の各比透磁率のシャーシ
のもとでの、IMSの比透磁率とミスランディング量の
関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1c スカート部 1d スクリーン部 7 内部磁気シールド 8 電子ビーム 91 偏向中心 20 シャーシ 21 シャーシ前部 22 シャーシ残部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 秀夫 長岡京市馬場図所1番地 三菱電機株式 会社 管球製作所内 (72)発明者 滝田 英徳 長崎市丸尾町6番14号 三菱電機株式会 社 長崎製作所内 (56)参考文献 特開 平2−146890(JP,A) 特開 平7−66581(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 9/29 H04N 5/68

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクリーン部とこれに連なるスカート部
    からなるパネルおよび偏向中心を通る電子ビームを取り
    囲むように内設された内部磁気シールドを備えた陰極線
    管を、上記スクリーン部を開放して被覆する陰極線管用
    シャーシにおいて、上記偏向中心を含み上記陰極線管軸
    に垂直な面を越えないように上記内部磁気シールドを覆
    い磁性体金属からなるシャーシ前部と、非磁性体金属
    らなるシャーシ残部とで構成されることを特徴とする陰
    極線管用シャーシ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のものにおいて、シャー
    シ前部が上記内部磁気シールドの電子銃側開口面まで内
    部磁気シールドを覆うことを特徴とする陰極線管用シャ
    ーシ。
  3. 【請求項3】 スクリーン部とこれに連なるスカート部
    からなるパネルおよび偏向中心を通る電子ビームを取り
    囲むように内設された内部磁気シールドを備えた陰極線
    管を、上記スクリーン部を開放して被覆する陰極線管用
    シャーシにおいて、上記偏向中心を含み上記陰極線管軸
    に垂直な面を越えないように上記内部磁気シールドを覆
    い磁性体金属からなるシャーシ前部と、このシャーシ前
    部側の少なくとも一部が非磁性体金属であるシャーシ残
    部とで構成されることを特徴とする陰極線管用シャー
    シ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかに記載のもの
    において、上記シャーシ前部と上記シャーシ後部とによ
    り、上記スクリーン部を開放し、上面、側面、底面およ
    び後面を備え、陰極線管を被覆する箱体状のシャーシを
    構成することを特徴とする陰極線管用シャーシ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかに記載のもの
    において、非磁性体金属がアルミニウム、銅およびステ
    ンレス鋼の何れかの非磁性材からなることを特徴とする
    陰極線管用シャーシ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4の何れかに記載のもの
    において、上記シャーシ残部に非磁性体としての多数の
    空孔を設けたことを特徴とする陰極線管用シャーシ。
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