JP2562467B2 - 熱成形ポリアリーレンスルフイド食品容器及びその製造方法 - Google Patents

熱成形ポリアリーレンスルフイド食品容器及びその製造方法

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JP2562467B2 JP27866187A JP27866187A JP2562467B2 JP 2562467 B2 JP2562467 B2 JP 2562467B2 JP 27866187 A JP27866187 A JP 27866187A JP 27866187 A JP27866187 A JP 27866187A JP 2562467 B2 JP2562467 B2 JP 2562467B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐熱性,耐油性,耐湿熱性及び低ガス透過
性の溶融成形ポリアリーレンスルフィド食品容器及びそ
の製造方法に関し、更に詳しくは、 本発明は、繰返し単位 を70モル%以上含有し、且つ1−クロルナフタレン溶液
での対数粘度数(濃度:0.4g/dl,温度:208℃)が0.2〜1.
0dl/gである実質的に線状構造のポリアリーレンスルフ
ィド[A]100重量部と、該ポリアリーレンスルフィド
[A]と混合して均一な組成物を形成し得る熱可塑性樹
脂[B]5重量部を超え25重量部未満、及び該ポリアリ
ーレンスルフィド[A]と熱可塑性樹脂[B]との混合
物[A+B]100重量部当り繊維状充填材もしくは無機
質充填材又はそれらの混合物[C]20〜400重量部とか
ら成る組成物を溶融成形して成る、 (a)熱変形温度(荷重18.6kg/cm2)が220℃以上、及
び (b1)200℃の曲げ強度が2kg/mm2以上又は(b2)200℃
の曲げ弾性率が100kg/mm2以上 の物性を有する耐熱性食品容器、及び 繰返し単位 を70モル%以上含有し、且つ1−クロルナフタレン溶液
での対数粘度数(濃度:0.4g/dl,温度:208℃)が0.2〜1.
0dl/gである実質的に線状構造のポリアリーレンスルフ
ィド[A]100重量部と、該ポリアリーレンスルフィド
[A]と混合して均一な組成物を形成し得る熱可塑性樹
脂[B]5重量部を超え25重量部未満、及び該ポリアリ
ーレンスルフィド[A]と熱可塑性樹脂[B」との混合
物[A+B]100重量部当り繊維状充填材もしくは無機
質充填材又はそれらの混合物[C]20〜400重量部とか
らなる組成物を熱成形アニーリングすることから成る、 (a)熱変形温度(荷重18.6kg/cm2)が220℃以上、及
び (b1)200℃の曲げ強度が2kg/mm2以上又は(b2)200℃
の曲げ弾性率が100kg/mm2以上 の物性を有する耐熱性食品容器の製造方法に関する。
(従来の技術) ポリアリーレンスルフィド(以下、PASと略称する)
は耐熱性,耐薬品性(耐酸性,耐アルカリ性,耐溶剤
性),耐油性,耐熱水性,加工性及び優れた機械的特性
を有するエンジニアリングプラスチックスで種々の分野
において利用されているプラスチックスである。また、
その優れた性質により、繊維及びフィルムとしても使用
されるようになっている。
一方、近年耐熱性のプラスチック容器、例えば家庭用
電子レンジ,電気オーブンに使用可能でかつ200℃近く
のオーブン温度に耐える食品用容器として、易結晶化ポ
リエチレンテレフタレート(以下、ポリエチレンテレフ
タレートをPETと略称する)、熱硬化性樹脂等が注目を
浴びている。
しかしながら、PET容器には、電子オーブン中での200
℃以上、特に220〜230℃以上の温度に耐えられない欠点
がある。
これに反して、PASはPETに較べて高い融点を有してお
り、耐熱性の観点からPETよりすぐれた性能を有する。
また、PETに較べて耐湿熱性,耐溶剤性等の点でも優れ
た性質を有している。
熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹
脂)ではSMC(Sheet Molding Compound),BMC(Bulk Mo
lding Compound)方式が採用されている。SMCは樹脂
に、充填材,触媒(硬化開始剤),離型剤,化学増粘剤
などを混合した樹脂ペーストをマット状のガラス繊維に
含浸させたシート状のプレス成形用中間材料である。所
定温度で所定時間貯蔵している間に増粘剤の作用により
樹脂が半ば硬化して指触乾燥の状態になったものをプレ
ス等で成形する。又、BMCは樹脂に充填材,化学増粘
剤,触媒(硬化開始剤),顔料,離型剤などを加えた樹
脂ペーストにガラス繊維(チョップドストランド)を加
えて混練したものである。成形はプレス,トランスフ
ァ,射出等によって行われている。これらの方式で耐熱
容器が製造されている。不飽和ポリエステル等の耐熱温
度は約210℃で電子オーブンレンジでの高温に耐えられ
ない問題がある。
PAS容器については、現在出願中の(昭和62年4月24
日出願)「熱成形ポリアリーレンスルフィド容器及びそ
の製造法」では、PAS100重量部に対して5重量部以下の
熱可塑性のポリビフェニレンスルフィド(以後PBSと略
す)等を結晶核剤として含む非晶質のシートをプレス成
形して、耐熱性容器を作る発明が開示されている。
このようなPAS容器は、実質的に非晶質のPASシートを
熱成形し、次いでPASを結晶化する事により製造されて
いる為に、肉厚が制限され、繊維状充填材及び/又は無
機質充填材を多量に添加する事にも困難さがあった。
又、現在出願中の(昭和62年8月5日出願)「耐熱性
料理用容器・器具及びその製造方法」ではポリアリーレ
ンチオエーテルケトン(以後PTKと略す)を主体とし
て、熱可塑性樹脂を混合し、特にPAS100重量部に対して
PTK25重量部以上を混合して成る、さらに高耐熱性容器
に関する発明が示されている。
しかし、融点が高い樹脂を大量に混ぜると従来の成形
機では加熱温度が不十分となる等の問題点があった。
本発明者等は、上述のPASの特性を利用し、容器の肉
厚、充填材の添加量を自由に選定できる溶融成形法を用
いて耐熱性PAS容器を得るべく種々検討の結果、繰返し
単位 を70モル%以上含有し、且つ1−クロルナフタレン溶液
での対数粘度数(濃度:0.4g/dl,温度:208℃)が0.2〜1.
0dl/gである実質的に線状構造のポリアリーレンスルフ
ィド[A]100重量部と、該ポリアリーレンスルフィド
[A]と混合して均一な組成物を形成し得る熱可塑性樹
脂[B]5重量部を超え25重量部未満、及び該ポリアリ
ーレンスルフィド[A]と熱可塑性樹脂[B]との混合
物[A+B]100重量部当り繊維状充填材もしくは無機
質充填材又はそれらの混合物[C]20〜400重量部とか
ら成る組成物を、シリンダー温度270〜400℃,金型温度
50〜250℃,射出保持圧10〜5000kg/cm2,射出サイクル1
〜600秒の成形条件で射出成形し必要に応じて120〜250
℃で10〜600分間アニーリングすることによって、耐熱
性,耐油性及び耐湿熱性に優れた低ガス透過性の食品容
器が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明
を成すに至った。
(問題点を解決する為の手段) 本発明の要旨は、繰返し単位 を70モル%以上含有し、且つ1−クロルナフタレン溶液
での対数粘度数(濃度:0.4g/dl,温度:208℃)が0.2〜1.
0dl/gである実質的に線状構造のポリアリーレンスルフ
ィド[A]100重量部と、該ポリアリーレンスルフィド
[A]と混合して均一な組成物を形成し得る熱可塑性樹
脂[B]5重量部を超え25重量部未満、 及び該ポリアリーレンスルフィド[A]と熱可塑性樹脂
[B]との混合物[A+B]100重量部当り繊維状充填
材もしくは無機質充填材又はそれらの混合物[C]20〜
400重量部とから成る組成物を、溶融成形して成る、 (a)熱変形温度(荷重18.6kg/cm2)が220℃以上、及
び (b1)200℃の曲げ強度が2kg/mm2以上又は(b2)200℃
の曲げ弾性率が100kg/mm2以上 の物性を有する耐熱性食品容器及びその製造方法に在
る。
容器素材 本発明の溶融成形容器の素材として用いられるPAS
は、ポリマーの主構成単位としてp−フェニレンスルフ
ィド単位 を70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに
好ましくは90モル%以上を含む実質的に線状構造を有す
るポリアリーレンスルフィド重合体である。ここで言う
実質的に線状構造とは、酸化架橋による増粘[キュアー
(cure)]処理で得られるようなポリマーではなく、実
質的に、二官能性モノマーを主体とするモノマーから得
られたポリマーをいう。p−フェニレンスルフィド単位
が70モル%以上であることに対応して、このPASは30モ
ル%以下の他の共重合構成単位を含んでいてもよく、こ
のような構成単位としては、たとえばメタフェニレンス
ルフィド単位 ジフェニルケトンスルフィド単位 ジフェニルスルホンスルフィド単位 ビフェニルスルフィド単位 ジフェニルエーテルスルフィド単位 2,6−ナフタレンスルフィド単位 三官能単位 などがあげられる。なお、三官能(および四官能以上)
単位は、1モル%以下であることが好ましい。
上記のPASで後述する様な高溶液粘度を有する高重合
度重合体は、たとえば特開昭61−7332に記載されている
方法により製造することができる。
特開昭61−7332に開示のPASの製造方法とは、 有機アミド溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香
族化合物との反応において、少なくとも、 (1) アルカリ金属硫化物1モル当り0.5〜2.4モルの
水が存在する状態で、180〜235℃の温度で反応を行なっ
て、溶融粘度5〜300ポイズのポリアリーレンスルフィ
ドをジハロ芳香族化合物の転化率50〜98モル%で生成さ
せる工程、及び (2) アルカリ金属硫化物1モル当り2.5〜7.0モルの
水が存在する状態となるように水を添加すると共に245
〜290℃の温度に昇温して、上記の反応を継続する工
程、 の二段階で行なう、溶融粘度が1000ポイズ以上のポリア
リーレンスルフィドの製造法(ただし、溶融粘度は310
℃で剪断速度200(秒)-1で測定したものである)であ
る。
また、パラフェニレンスルフィド繰り返し単位 を主成分とするブロック共重合体、例えば 繰り返し単位70〜95モル%とメタフェニレンスルフィド
繰り返し単位 5〜30モル%とをブロック状に鎖中に含むブロック共重
合体も好ましく用いられる。このようなブロック共重合
体で高溶融粘度の重合体は、例えば特開昭61−14228に
記載されている方法により製造することができる。
本発明の溶融成形容器の素材樹脂として用いられるも
のは、上記の化学構造を有するものであって、溶融粘度
が1−クロルナフタレン溶液での対数粘度数ηinh(濃
度:0.4g/dl、温度:208℃)で0.2〜1.0(dl/g)、好まし
くは0.25〜0.9(dl/g)のPASである。対数粘度数ηinh
が0.2(dl/g)未満の低溶液粘度重合体では溶融成形で
きても機械的に脆弱なものになるので好ましくない。一
方対数粘度数ηinhが1.0(dl/g)を超えると流動性が悪
くなり好ましくない。
本発明の耐熱性食品容器を製造するための組成物は、
容器素材としての耐熱性樹脂PASの諸物性(例えば、機
械的特性,電気的特性,熱的特性,化学的物性等)の改
変・改善,加工性の改変・改善,コストの低減などの目
的で耐熱性樹脂PAS(成分A又は(A)と略記する)
に、当該PASに混合して均一な組成物を形成し得る熱可
塑性樹脂(成分B又は(B)と略記する)及び繊維状充
填材もしくは無機質充填材又はそれらの混合物(成分C
又は(C)と略記する)を混合する。
成分B 本発明に用いるべき熱可塑性樹脂(成分B)は、成分
A100重量部当り5重量部を超え25重量部未満、好ましく
は6〜24重量部である。5重量部より少ない程度の少量
では混合して均一な組成物を形成しても、混ぜたことに
よる機能(物性)が十分に発揮出来ず、25重量部より多
くして行くと成分Bの融点によっては、従来の成形装置
の加熱方法及び材質では十分な混融が起り難くシリンダ
ー内で長時間滞溜させたり、成形機を作り直したりしな
ければならない事が起って来るので好ましくない。
本発明の成分Bとして用いるべき熱可塑性樹脂として
は、食品容器に添加可能な樹脂、例えばPEEK,PEK,ポリ
イミド,ポリアミド(アラミドを含む),ポリアミドイ
ミド,ポリエステル(芳香族ポリエステル,液晶ポリエ
ステルを含む),ポリスルホン,ポリエーテルスルホ
ン,ポリエーテルイミド,ポリアリーレン,ポリフェニ
レンエーテル,弗素ポリマー,ポリオレフィン,ポリス
チレン,ポリメタクリル酸メチル,ABSなどの樹脂類,或
いは、弗素ゴム,シリコーンゴム,オレフィン系ゴム,
アクリルゴム,ポリイソブチレン(ブチルゴムを含
む)、水添SBR,ポリアミドエラストマー,ポリエステル
エラストマーなどのエラストマーが挙げられる。
成分C 本発明に用いるべき繊維状充填材もしくは無機質充填
材又はそれらの混合物(成分C)は耐熱性樹脂PASと熱
可塑性樹脂との混合物(A+B)100重量部当り、20〜4
00重量部、好ましくは25〜300重量部、より好ましくは3
0〜200重量部である。成分Cが400重量部を超えると、
加工性が著しく低下するおそれがあるので好ましくな
い。また、20重量部未満の場合は、熱変形温度(荷重:1
8.6kg/cm2)が低下するので好ましくない。
本発明の繊維状充填材としては、食品容器に添加可能
な充填材例えば、ガラス,炭素,黒鉛,シリカ,アルミ
ナ,ジルコニア,炭化ケイ素,アラミドなどの繊維,或
いはケイ酸カルシウム(ウォラストナイトを含む),硫
酸カルシウム,炭素,窒化ケイ素,ボロンなどのウィス
カーが挙げられる。繊維状充填材としては、ガラス繊
維、炭素繊維及びアラミド繊維が物性上の観点から特に
好ましい。また、無機質充填材としては、食品容器に添
加可能な充填材例えばタルク,マイカ,カオリン,クレ
イ,シリカ,アルミナ,シリカアルミナ,酸化チタン,
炭酸カルシウム,ケイ酸カルシウム,リン酸カルシウ
ム,硫酸カルシウム,炭酸マグネシウム,リン酸マグネ
シウム,炭素(カーボン黒を含む),黒鉛,窒化ケイ
素,ガラス,ハイドロタルサイト等の粉末が挙げられ
る。
又本発明のPAS組成物には、光安定剤,防錆剤,滑
剤,粗面化剤,結晶核剤,離型剤,着色剤,カップリン
グ剤,バリ防止剤,帯電防止剤などで食品容器に添加可
能な助剤を少量添加することができる。
成形物(食品容器) 本発明のPAS組成物から得られる食品容器は、下記の
(a)〜(c)のような物性を有する。
(a)熱変形温度(ASTM D−648、荷重18.6kg/cm2
が220℃以上、好ましくは230℃、以上、及び (b1)200℃の曲げ強度(ASTM D−790)が2kg/mm2
上、好ましくは3kg/mm2以上又は(b2)200℃の曲げ弾性
率(ASTM D−790)が100kg/mm2以上、好ましくは150k
g/mm2以上。
熱変形温度が220℃未満、200℃での曲げ強度が2kg/mm
2未満又は200℃での曲げ弾性率が100kg/mm2未満の食品
容器は、電子オーブンレンジ等による調理の最中、ある
いは調理完了時の取出しの際に変形をおこすおそれがあ
る。
成形方法 本発明のPAS組成物は、常法の溶融加工方法(押出成
形、射出成形など)によって、食品容器に溶融加工する
ことができる。就中、本発明のPAS組成物の加工方法と
しては、成形の容易さ及びフレキシビリティの広さから
射出成形が好ましい。これ以外の方法として、押出成形
法によってシート状成形物を作り、それを熱成形によっ
て食品容器に成形する方法が挙げられる。
射出成形 本発明のPAS組成物を薄肉成形用金型を装着した射出
成形機に大気中あるいは好ましくは非酸化性雰囲気下で
供給し、シリダー温度270〜400℃,好ましくは290〜360
℃,金型温度50〜250℃、好ましくは120〜180℃,射出
保持圧10〜5000kg/cm2,好ましくは50〜3000kg/cm2,射出
サイクル1〜600秒,好ましくは3〜120秒の成形条件で
射出成形し、必要に応じて120〜250℃,好ましくは150
〜210℃の温度で10〜600分、好ましくは20〜240分アニ
ーリングすることにより、本発明の耐熱性食品容器を製
造することができる。
シリンダー温度が270℃未満では樹脂の流動が困難と
なり、400℃を超えると、樹脂が熱分解し易くなるの
で、いずれも好ましくない。金型温度が50℃未満では成
形物の表面が粗面化し易く、250℃を超えると固化し難
くなるので、いずれも好ましくない。射出保持圧が10kg
/cm2程度より小さいと金難内の樹脂の充填が不完全にな
り易く、射出保持圧が極端に大きい場合は、成形体のバ
リ発生を抑えるのが困難となるので、いずれも好ましく
ない。射出サイクルが極端に短かくなると金型内での樹
脂の固化が不充分となり易く、射出サイクルが極端に長
くなると、ポリマーは射出機内での滞留時間が長くな
り、ポリマーが変色・劣化を起こす恐れがある。いずれ
も好ましくない。
本発明で使用される射出成形機は、樹脂溶融物と接触
する部分が非鉄系耐食金属で構成されたものが好まし
く、またベント付きのものが好ましい。
本発明の耐熱性食品容器の成形に用いられる耐熱性PA
S組成物は粉末状でも、ペレット状でも良いが、成形機
への定常的供給が容易であるという点からペレット状の
ものが好ましい。
用 途 本発明の耐熱性食品容器は電子レンジ,電子オーブン
レンジなどの調理用食品容器として使用し得る。
(発明の効果) 本発明の食品容器は耐熱性,機械的性質,耐薬品性,
耐湿熱性及び耐油性に優れ、電子レンジ,電子オーブン
レンジ等による長時間の加熱を要する調理に使用でき
る。
以下、実施例、実験例を示すが、これらは本発明をよ
り具体的に説明するものであって、本発明をこれらに限
定するものではないということはいうまでもない。
実験例 ポリパラフェニレンスルフィド(PPPS)の合成 合成実験例1 含水硫化ソーダ(純度:46重量%)370kg及びN−メチ
ルピロリドン(NMP)800kgをチタン張り重合缶に仕込
み、N2ガス下に徐々に203℃迄昇温しながら、水140kgを
留出させた。次に、パラジクロルベンゼン(PDCB)320k
gとNMP280kgとの混合溶液を供給して、220℃で4時間重
合を行なった。この系に水110kgを圧入添加し、260℃に
昇温して5時間重合を行なった。冷却後、反応液を目開
き0.1mmのスクリーンで篩分して粒状ポリマーを分離
し、メタノール洗浄及び水洗を行なってポリマースラリ
ーを得た。次に2%NH4Cl水溶液中に浸漬して40℃で30
分間処理した後、水洗して乾燥した。得られたポリマー
の溶融粘度は1410ポイズ[310℃,剪断速度1200(秒)
-1]で、ηinhは0.33(濃度:0.4g/dl,温度:208℃)であ
った。
合成実験例2 重合缶中にNMP90kgと、46重量%のNa2Sを含むNa2S・5
H2O33.9kgとを仕込み、N2ガス下に徐々に203℃迄昇温し
ながら、水とNMPの混合液22kg(内NMP8.3kg)及び6.2モ
ルのH2Sを溜出させた。
次にPDCB28.8kgとNMP15kgとを加えて、210℃で10時間
重合を行なった。この系に水9.32kgを圧入添加後、260
℃で10時間の重合を行なった。冷却後、反応液を目開き
0.1mmのスクリーンで篩分して粒状ポリマーを分離し、
アセトン洗浄及び水洗を行なって、洗浄ポリマーを得
た。
次に、2%NH4Cl水溶液中に浸漬して40℃で30分処理
した後、水洗し、続いて乾燥した。得られたポリマーの
ηinhは0.39(濃度:0.4g/dl,濃度:208℃)で、溶融粘度
は2570ポイズ[310℃,剪断速度1200(秒)-1]であっ
た。
合成実験例3 重合缶にNMP11.0kg及びNa2S・5H2O(純度:46重量%)
3.39kgを仕込み、N2ガス下に徐々に200℃迄昇温して水
分及び若干量のNMPを留出させた(重合缶内の残存水分
量は0.47kgであった)。次に、NMP3.0kgにPDCB2.955kg
を溶解させた溶液を添加し、215℃で3時間加熱して重
合を行なった。この系に水0.97kgを圧入添加後、255℃
で0.5時間重合を行ない、反応混合物を得た。生成した
P−フェニレンスルフィドプレポリマーの平均重合度を
螢光X線法で測定した結果、平均重合度は190であっ
た。
20リットルの耐圧重合缶にNMP2.2kg及びNa2S・5H2O
(純度:46重量%)0.68kgを仕込み、N2ガス下に徐々に2
00℃迄昇温して水分及び若干量のNMPを留出させた(重
合缶内の残存水分量は0.10kgであった)。次に、NMP0.6
kgにm−ジクロルベンゼン0.59kgを溶かした溶液を添加
して混合した。この混合液に、上述で得られた反応混合
物の全量の80重量%及び水0.38kgを加えて混合し、255
℃で2時間加熱重合した。反応後、得られた反応生成物
をNMPで約2倍に希釈し、過して固体分を別し、熱
水で4回洗浄し、次いで80℃で乾燥してポリマーA(p
−フェニレンスルフィドブロックコポリマー, ブロックの平均重合度:190)を得た。
得られたポリマーの組成をFT−TRで分析したところ、 成分が82モル%, 成分が18モル%であった。ηinhが0.24dl/g(濃度:0.4g
/dl,温度:208℃)で、溶融粘度[310℃,剪断速度1200
(秒)-1]は580ポイズであった。
実施例 実施例1〜2 比較例1〜2 合成実験例で得られた核PPPS100重量部と表に記載の
熱可塑性樹脂のペレットと炭酸カルシウムをヘンシェル
ミキサーを用いて均一にブレンドし、次いで表に記載の
長さ3mmチョップド・ストランドガラス繊維(GF)を添
加しタンブラーブレンダーを用いて混合し各配合物を得
た。
4mmφ×3ケ孔のノズルを装置したシリンダー径35mm
φ,シリンダ長さ1mの2軸押出機(シリンダー:窒化
鋼,スクリュー:硬クロムメッキ)に各配合物を供給
し、シリンダー温度320℃,シリンダー内樹脂平均滞留
時間約3分間で、ストランド状に溶融押出し、急冷し、
切断して配合物のペレットを得た。
調製した各ペレットについて、食品容器成形用薄肉金
型を装置した射出成形機(シリンダー:タングステン合
金,スクリュー:硬クロムメッキ,ベント付き,型締
圧:75トンプレス)に供給し、シリンダー温度320℃,金
型温度150℃,射出保持圧1×103kg/cm2,射出サイクル
約40秒間、シリンダー内樹脂滞留時間約1分間の成形条
件で射出成形して食品容器を得た。これを200℃で4時
間アニーリングした。
成形物の物性を測定するために、金型を物性測定用テ
ストピース調製用金型に交換して、各配合ペレットにつ
いて食品容器の調製と同じ方法で各テストピース(アニ
ーリング物)を調製した。
得られた各テストピースの配合処方及びその成形物の
物性を一括して表に示す。
調製した食品容器について、牛肉ペーストを充填し、
電子オーブンレンジに入れ、容器上面、底面温度が約22
0〜230℃の範囲になるようにヒーター電圧を制御しなが
ら調理し、25分後にオーブンから容器を取り出した。そ
の際の容器の変形状態を観察した。結果を表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭52−104140(JP,U) 実開 昭60−26835(JP,U) 実開 昭54−104301(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繰返し単位 を70モル%以上含有し、且つ1−クロルナフタレン溶液
    での対数粘度数(濃度:0.4g/dl,温度:208℃)が0.2〜1.
    0dl/gである実質的に線状構造のポリアリーレンスルフ
    ィド[A]100重量部と、該ポリアリーレンスルフィド
    [A]と混合して均一な組成物を形成し得る熱可塑性樹
    脂[B]5重量部を超え25重量部未満、及び該ポリアリ
    ーレンスルフィド[A]と熱可塑性樹脂[B]との混合
    物[A+B]100重量部当り繊維状充填材もしくは無機
    質充填材又はそれらの混合物[C]20〜400重量部とか
    ら成る組成物を溶融成形して成る、 (a)熱変形温度(荷重18.6kg/cm2)が220℃以上、及
    び (b1)200℃の曲げ強度が2kg/mm2以上又は(b2)200℃
    の曲げ弾性率が100kg/mm2以上 の物性を有する耐熱性食品容器。
  2. 【請求項2】該ポリアリーレンスルフィドが繰返し単位 が70〜95モル%と繰返し単位 が5〜30モル%とから成るブロック共重合体である特許
    請求の範囲第1項に記載の耐熱性食品容器。
  3. 【請求項3】繰返し単位 を70モル%以上含有し、且つ1−クロルナフタレン溶液
    での対数粘度数(濃度:0.4g/dl,温度:208℃)が0.2〜1.
    0dl/gである実質的に線状構造のポリアリーレンスルフ
    ィド[A]100重量部と、該ポリアリーレンスルフィド
    [A]と混合して均一な組成物を形成し得る熱可塑性樹
    脂[B]5重量部を超え25重量部未満、及び該ポリアリ
    ーレンスルフィド[A]と熱可塑性樹脂[B」との混合
    物[A+B]100重量部当り繊維状充填材もしくは無機
    質充填材又はそれらの混合物[C]20〜400重量部とか
    らなる組成物を熱成形しアニーリングすることを特徴と
    する、 (a)熱変形温度(荷重18.6kg/cm2)が220℃以上、及
    び (b1)200℃の曲げ強度が2kg/mm2以上又は(b2)200℃
    の曲げ弾性率が100kg/mm2以上 の物性を有する耐熱性食品容器の製造方法。
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