JP2562001Y2 - 壁パネルのコーナー部連結構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、浴室ユニット等にお
いて、浴室の内側から壁パネル同志を連結するのに好適
なコーナー部の連結構造に関する。

【０００２】

【従来技術とその課題】浴室ユニットを建物躯体に設置
する場合、この設置場所の周囲が開放されている場合に
は、壁パネル同志を浴室の外側から組み立てることはで
きるが、実際には、上記設置場所の周囲は柱や外壁など
で閉塞されていることが多く、このような場合には、上
記壁パネルは浴室内で組み立てられるのが現状である。

【０００３】このような浴室内から壁パネル同志を組み
立てる場合、特に、壁パネルのコーナー部を正確に納め
るのが難しく、このため従来では、このコーナー部を、
図５或は図６に示す手段で処理している。

【０００４】図５に示すコーナ部処理は、一方の壁パネ
ル１Ａの側枠２Ａに折曲金具３Ａを予めビス止め固定
し、他方の壁パネル１Ｂの側枠２Ｂには係止金具３Ｂを
予めビス止め固定し、上記他方の壁パネル１Ｂを持ち上
げた後、これを落とし込むことで、上記係止金具３Ｂの
係止片部３ｂを、平面形状が略Ｗ字状に形成された折曲
金具３Ａの先端部３ａと係合させることで、両壁パネル
１Ａ，１Ｂのコーナー部を連結するように構成されてい
る。

【０００５】しかしながら、上記図５に示す従来の取付
構造にあっては、上記他方の壁パネル１Ｂを持ち上げた
後、これを落とし込まなければ、上記係止金具３Ｂの係
止片部３ｂを上記折曲金具３Ａの先端部３ａと係合させ
ることができない構成であるため、かかる作業が非常に
煩雑であり、また、壁パネル１Ａ，１Ｂが反っている場
合には、上記連結作業が非常に難かしくなる、という問
題を有していた。

【０００６】また、図６に示すコーナ部処理は、両方の
壁パネル１Ａ，１Ｂの側枠２Ａ，２Ｂに水平断面形状が
コ字状の開口部４Ａ，４Ｂを夫々形成し、この開口部４
Ａ，４Ｂに、平面形状が略Ｌ字状に形成されたコーナー
部材５を圧入し、該コーナー部材５の外周面に形成され
た略Ｖ字状の連続した係止突起５ａを、上記開口部４
Ａ，４Ｂに形成された略Ｖ字状の連続した係止溝と係合
させることで、両壁パネル１Ａ，１Ｂのコーナー部を連
結するように構成されている。

【０００７】しかしながら、上記図６に示す従来の取付
構造にあっては、壁パネルを持ち上げたりする必要はな
いが、壁パネル１Ａ，１Ｂが反っている場合には連結作
業が非常に難かしくなる、という問題を有していた。

【０００８】この考案は、かかる現状に鑑み創案された
ものであって、その目的とするところは、壁パネルが反
っていても容易に両壁パネルのコーナー部を連結するこ
とができ、しかも、壁パネルを持ち上げたりする必要が
ないので連結作業も容易な壁パネルのコーナー部連結構
造を提供しようとするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この考案に係る壁パネルのコーナー部連結構造にあ
っては、室内のコーナー部に立設された２枚の壁パネル
のうち、一方の壁パネルの側枠には、弾性片が固着され
た面部と、該面部とは異なる面部に開設された長孔と、
該長孔に螺着されたビスと、からなるガイド片をスライ
ド自在に取り付けると共に、他方の壁パネルの側枠には
係止片を固着し、上記ガイド片を上記一方の壁パネルに
上方から下方へ押し下げて、上記弾性片と係止片とを係
合させることを特徴とするものである。

【００１０】

【実施例】以下、添付図面に示す一実施例に基き、この
考案を詳細に説明する。

【００１１】図１乃至図２に示すように、この実施例に
あっては、浴室ユニット内に立設される複数枚の壁パネ
ルの内、コーナー部に配設される一方の壁パネル１０Ａ
の側枠１０ａには、弾性片１１が固着されたガイド片１
４がスライド自在に取り付けられており、また、他方の
壁パネル１０Ｂの側枠１０ｂに連結されたコーナーポー
ル１８には係止片１２がビス１３で固着されている。勿
論、図示はしないが、上記弾性片１１及び係止片１２
は、上記ガイド片１４及びコーナーポール１８の上下方
向に２カ所以上固着し、連結をより強固なものとするこ
とができる。

【００１２】上記弾性片１１は、上記壁パネル１０Ａの
側枠１０ａにスライド自在に取り付けられてなる平面形
状が略Ｌ字状の上記ガイド片１４にビス１７を介して固
着されており、その下端弾性片部１１ａは略Ｊ字状に折
曲されて強力な弾性力が付与されている。

【００１３】また、上記ガイド片１４の上記弾性片１１
が固着された面部１４ａとは異なる面部１４ｂには、ス
ライド用の長孔１６が上下方向に沿って開設されてお
り、該スライド用の長孔１６には、上記ビス１７が、上
記ガイド片１４が上下方向に可動できる程度に螺着され
ている。

【００１４】一方、上記係止片１２は、上記コーナーポ
ール１８にビス１３が螺装される面部１２ａと、該面部
１２ａから上記ガイド片１４の弾性片固着面部１４ａと
対面する方向に延設された面部１２ｂと、を有して形成
されており、該係止片１２は上記コーナーポール１８
に、ビス１３を介して予め固着されている。

【００１５】次に、上記のように弾性片１１及び係止片
１２を取り付けた両壁パネル１０Ａ，１０Ｂを浴室ユニ
ット内のコーナー部で連結する場合には、先ず、上記係
止片１２がビス止め固着されたコーナーポール１８に壁
パネル１０Ｂを取り付け、次に、壁パネル１０Ａの側枠
１０ａを、上記壁パネル１０Ｂと直交するように上記コ
ーナーポール１８に突き合わせた後、図２に示すよう
に、予め上方の位置まで引き上げられていたガイド片１
４を、壁パネル１０Ａの上方から下方に押し下げること
で、図３に示すように、該ガイド片１４に固着された弾
性片１１の下端弾性片部１１ａと上記係止片１２の面部
１２ｂとが係止する。このとき、例えば、壁パネル１０
Ａ，１０Ｂに多少の反りがあっても、上記連結作業を確
実かつ簡易に行うことができると共に、上記連結作業
は、弾性片１１を上記係止片１２へと押し込んで行うこ
とから、壁パネル１０Ａ，１０Ｂの多少の反りは、上記
連結作業時に矯正される。

【００１６】尚、上記実施例では、両壁パネル１０Ａ，
１０Ｂがほぼ同じ大きさの場合を想定してコーナー部で
連結する場合を例にとり説明したが、例えば、一方の壁
パネルが配置される面に窓枠等を取り付ける場合のよう
に、一方の壁パネルが他方の壁パネルよりも幅狭のパネ
ルである場合には、図示はしないが、幅狭のパネルをコ
ーナー金具或はコーナーポールを介して予め一方の壁パ
ネルに連結した状態で浴室ユニット内に搬入し、これら
を組み立てるのが望ましい。

【００１７】

【考案の効果】この考案に係る壁パネルのコーナー部連
結構造は、以上説明したように構成したので、壁パネル
が多少反っていても、ガイド片を壁パネルの上方から下
方へ押し下げるだけの操作で、極めて容易に両壁パネル
同志をコーナー部で連結することができ、しかも、壁パ
ネルを持ち上げたりする必要もないので、この種の連結
作業を極めて容易に行うことができる等の優れた効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係る壁パネルのコーナー
部連結構造を示す分解斜視図である

【図２】同連結構造の連結前の状態を示す要部説明図で
ある。

【図３】同連結構造の連結状態を示す要部説明図であ
る。

【図４】同連結構造の連結状態を示す平面断面図であ
る。

【図５】従来の壁パネルのコーナー部連結構造の第１例
を示す分解斜視図である。

【図６】従来の壁パネルのコーナー部連結構造の第２例
を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１０Ａ 一方の壁パネル １０ａ 一方の壁パネルの側枠 １０Ｂ 他方の壁パネル １０ｂ 他方の壁パネルの側枠 １１ 弾性片 １２ 係止片 １４ ガイド片 １６ スライド用の長孔 １８ コーナーポール

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 室内のコーナー部に立設された２枚の壁
   パネルのうち、一方の壁パネルの側枠には、弾性片が固
   着された面部と、該面部とは異なる面部に開設された長
   孔と、該長孔に螺着されたビスと、からなるガイド片を
   スライド自在に取り付けると共に、他方の壁パネルの側
   枠には係止片を固着し、上記ガイド片を上記一方の壁パ
   ネルに上方から下方へ押し下げて、上記弾性片と係止片
   とを係合させることを特徴とする壁パネルのコーナー部
   連結構造。