JP2561859B2

JP2561859B2 - ゲル状メーキヤツプ化粧料

Info

Publication number: JP2561859B2
Application number: JP8733488A
Authority: JP
Inventors: 高士染谷; 功吉野; 郁子清水
Original assignee: KOSEI KK
Current assignee: KOSEI KK
Priority date: 1988-04-11
Filing date: 1988-04-11
Publication date: 1996-12-11
Anticipated expiration: 2011-12-11
Also published as: JPH01261319A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、ゲル状のメーキヤツプ化粧料に関する。

〔従来の技術及びその課題〕

最近のメーキヤツプ化粧料としては、耐水性、耐汗
性、耐皮脂性、耐摩擦性等の物理的・化学的特性を向上
させた揮発性油剤と粉体と油剤からなる非水系メーキヤ
ツプ化粧料が一般的になつてきている。

このような非水系メーキヤツプの形態としては、固体
油等を配合して、溶融充填等により成形した固形状のも
のや、また多層もしくは一層の液状のものが知られてい
る。

しかし、固形状の非水系メーキヤツプ料においては、
溶融後冷却によつて析出する微小ワツクス粒子分散構造
を利用して系の形態を保つているので、化粧料として使
用する場合、肌へののび、ひろがりが重く、悪いもので
あつた。また、系の硬度の温度依存性が高いため、高温
では硬度低下がみられ、場合により、分離や、顔料の凝
集・沈降が生じた。一方低温においては、ワツクス粒子
がさらに析出し、系が固化し、使用が容易でなくなるこ
とも多い。

また、液状の非水系メーキヤツプ料においては、固体
油の配合が制限されるため、耐水性、耐汗性、耐摩擦性
などの性質が劣るものであつた。特に、使用時にべたつ
き等が記になることがあり、さつぱりとした仕上りが望
めなく、また化粧もちも悪いものであつた。また二層タ
イプのものにおいては、さらに粒体部分のケーキングと
いう欠点も生じやすいものであつた。また低温において
は液状のものでは系のゲル化現象がしばしば見られた。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者は、非水系メーキヤツプ化粧料において、上
記固形状及び多層もしくは一層液状化粧料の有する欠点
を解消すべく鋭意研究をおこなつた結果、ロジンの多価
アルコールエステルを含有する油剤と、特定のゲル化剤
を組み合せ用いれば、化粧操作が容易で便利なゲル状の
形態で、固体油配合による温度依存性、安定性の不良、
使用感の不良を改善し、しかもべたつきのある使用感の
解消、さつぱりとした仕上りを与え、かつ耐皮脂性、耐
摩擦性を向上させた非水系メーキヤツプ化粧料が得られ
ることを見出し、本発明を完成した。

すなわち、本発明は、次の成分（Ａ）〜（Ｄ）（Ａ）揮発性油剤、（Ｂ）粉体、（Ｃ）ロジンの多価アルコールエステルを20〜100重
量％含有する油剤及び（Ｄ）無水ケイ酸及び／又は有機性粘土鉱物を含有す
ることを特徴とするゲル状メーキヤツプ化粧料を提供す
るものである。

本発明の（Ａ）成分である揮発性油剤は、その沸点が
260℃以下のものであり、例えば、ヘキサメチルジシロ
キサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペ
ンタシロキサンなどの低分子鎖状ポリシロキサン、オク
タメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペ
ンタシロキサンなどの低分子環状ポリシロキサン、アイ
ソパー（エツソ化学）、シエルソル（シエル化学）、IP
ソルベント（出光石油化学）などの軽質流動イソパラフ
インが挙げられる。

この（Ａ）成分は、メーキヤツプ化粧料の乾燥を高
め、揮発により強固な化粧塗膜を形成するものであり、
また、その配合により、さつぱりした使用感、仕上り感
が得られる。

本発明の（Ｂ）成分である粉体は、化粧料に一般に用
いられる粉体であり、処理粉体であつても良い。この
（Ｂ）成分としては、タルク、酸化チタン、カオリン、
マイカ、ケイ酸、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化鉄雲母チタ
ン、群青等の無機顔料、ポリエチレン、ナイロン、結晶
セルロース、でんぷん、テフロン等の有機顔料等が例示
される。

（Ｃ）成分に含有されるロジンの多価アルコールエス
テルは、ロジン・水添ロジン・重合ロジンの主成分であ
る樹脂酸を多価アルコール類でエステル化したものであ
る。このロジンの多価アルコールエステルを構成する多
価アルコール類は、例えば、エチレングリコール・プロ
ピレングリコール・ジエチレングリコール・ネオペンチ
ルグリコール・グリセリン・トリメチロールプロパン・
ヘキサントリオール・ペンタエリスリツト・ジペンタエ
リスリツトなどである。

また、残部の油剤としては、化粧料に一般に用いられ
る油剤が挙げられ、例えば流動パラフイン、スクワラン
等の炭化水素、ヒマシ油、ホホバ油等の天然油脂、ミン
ク油、液状ラノリン等の動物油、イソプロピルミリステ
ート、トリオクタン酸グリセリン等のエステル油、シリ
コン油等が用いられる。

（Ｃ）成分は、ロジンの多価アルコールエステルを20
〜100重量％含有することが必要であり、ロジンの多価
アルコールエステルの油剤に対する配合量が20％以上
で、ゲル状メーキヤツプ化粧料の化粧塗膜の物理強度を
十分に生じさせることができ、化粧もちが良好となつて
析出がみられるワツクスの使用を避けることができる。

成分（Ｄ）である無水ケイ酸及び有機性粘土鉱物はい
ずれもゲル化剤であり、その併用によりより優れた効果
が得られる。無水ケイ酸としては、親水性無水ケイ酸及
び疎水性無水ケイ酸のいずれをも利用することができ、
無水ケイ酸の例としては、アエロジル（日本アエロジル
株式会社）、カボジル（グツドフライカボツト社）、ニ
ツプシール（日本シリカ株式会社）、タラノツクス（タ
ルコ社）等が、また有機性粘土鉱物としては、ヘクトラ
イトやベントナイト等のスメクタイト粘土鉱物を、たと
えばジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリドやジ
メチルベンチルオクタデシルアンモニウムクロリド等の
カチオン性界面活性剤、あるいはカチオン性界面活性剤
とたとえばステアリルアミド等の非イオン性界面活性剤
の複合体で変性したものが挙げられ、有機性粘土鉱物の
市販品の例としては、ナシヨナル・レツド社のベントン
が挙げられる。

本発明のゲル状メーキヤツプ化粧料は、上記成分中、
まず（Ｃ）成分に（Ａ）成分を加えて混合溶解し、次い
でこの混合物に（Ｄ）成分を加えて混合、充分ゲル化さ
せ、更に予め充分に混合しておいた（Ｂ）成分を加えて
混合することにより調製される。各成分の配合量のう
ち、（Ａ）成分は10〜90重量％、（Ｂ）成分は１〜70重
量％配合される。また、（Ｃ）成分は（Ｂ）成分の配合
量の0.1〜２倍配合され、（Ｃ）成分の配合量が0.1倍以
下であるとゲル状メーキヤツプ化粧料として、仕上りが
粉つぽくなりすぎ、また２倍以上であると仕上りが油つ
ぽくなりすぎ、また、化粧もちが悪くなる。更に、
（Ｄ）成分は、（Ａ）成分と（Ｃ）成分の合計配合量に
対し、0.01〜0.5倍配合され、この範囲で良好なゲルが
得られる。特に好ましい配合量は、（Ａ）成分と（Ｃ）
成分の合計に対し、0.05〜0.25倍である。配合量が0.01
倍以下では、ゲルが不安定となり、分離や顔料の沈降等
が生じ、また0.5倍以上では系の粘度が高くなりすぎて
しまい、使用性が悪化する。

斯くして得られる本発明のゲル状メーキヤツプ化粧料
は、フアンデーシヨン、口紅、ほほ紅、アイシヤドウ、
アイライナー、マスカラ、まゆずみ等とすることができ
る。

本発明のゲル状メーキヤツプ化粧料には、本発明の効
果を阻害しない範囲で公知の任意成分、例えば香料、染
料、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、薬用成分、界
面活性剤、樹脂、低級アルコール等を配合しても良い。

〔実施例〕

次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。

実施例１ゲル状アイシヤドウ：下記第１表に示す処方のゲル状アイシヤドウを調製
し、その安定性及び官能特性を調べた。この結果を第２
表に示す。

（処方）（製法）工程Ａ（１）〜（４）を均一に混合粉砕する。

〃 B （５）〜（10）、（14）、（15）を一部加熱溶
解して均一に混合溶解する。

〃 C 工程Ｂで得た混合物に（11）〜（13）を均一に
混合し、その後冷却する。

〃 D 工程Ｃで得た混合物に工程Ａで得た混合物を加
え、均一に撹拌混合する。

（官能特性の評価方法）肌へののびひろがり塗布時の肌へののびひろがりを官能検査により、評価
した。

化粧塗膜の状態化粧料を塗布10分後、化粧塗膜の状態を観察し、評価
した。

化粧もち化粧料を塗布４時間後、化粧塗膜の状態を観察し、評
価した。

耐水性ドクターブレード（２ミル）によりガラス板に塗膜を
形成し、10分間放置乾燥後、流水下30分間放置し、塗膜
を観察、評価した。

耐油性ドクターブレード（２ミル）によりガラス板に塗膜を
形成し、10分間放置乾燥後、流動パラフイン、イオオク
タン酸グリセリンの等量混合物を滴下し、30分放置後油
滴を除去し、塗膜を観察、評価した。

転写性化粧料をヒト前腕内側に塗布後、テイシユペーパーに
て押圧して、化粧料塗膜のテイシユペーパーへの転写状
態を観察、評価した。

（結果）実施例２ゲル状フアンデーシヨン：（処方）（製法）実施例１に準じ調製した。

本発明のゲル状フアンデーシヨンは、肌へののびひろ
がりが良好で、均一な塗膜が得られた。また耐水性、耐
油性にもすぐれ、化粧くずれがみられない化粧もちの良
好なフアンデーシヨンであつた。

実施例３ゲル状アイシヤドウ（処方）（製法）実施例１に準じ、調製した。

本発明のゲル状アイシヤドウは、のびが軽くて、みず
みずしい使用感であり、肌へのなじみの良い使用性を有
していた。また、仕上りも、しつとりと美しく仕上り、
特に化粧もちに優れているものであつた。

〔本発明の効果〕

本発明のゲル状メーキヤツプ化粧料は、次のような効
果を有し、実用性に優れたものである。

（１）耐水性、耐油性、にすぐれた化粧塗膜をつく
る。

（２）そのため、化粧もちがよく、色うつりもしな
い。

（３）温度依存体が少なく、安定性が高い。

（４）使用感がすぐれており、べたつきや、べたつい
た仕上りを感じさせず、化粧もちを向上させている。

（５）ゲル状の使用性の高い形態である。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】次の成分（Ａ）〜（Ｄ）（Ａ）揮発性油剤、（Ｂ）粉体、（Ｃ）ロジンの多価アルコールエステルを20〜100重
量％含有する油剤及び（Ｄ）無水ケイ酸及び／又は有機性粘土鉱物を含有す
ることを特徴とするゲル状メーキヤツプ化粧料。