JP2561408Y2 - インキリボンカセット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はプリンタにファブリック
でエンドレスのリボンを供給するインキリボンカセット
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、コンピュ−タやワ−ドプロセッサ
等のインパクトプリンタに装着するインキリボンカセッ
トは、互いに接触して回転する駆動ロ−ラと従動ロ−ラ
でインキリボンを走行させていた。そして、この駆動ロ
−ラと従動ロ−ラは、一対の挟持歯車からなるもの、又
は一対の挟持ゴムロ−ラからなるもの等があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
インキリボンカセットのうち挟持歯車からなるものは、
大きなリボン駆動力は得られるが、繰り込まれたリボン
が細かな波状となって、リボン収納部内で不規則な整列
状態となるジャム現象を引き起こすことがしばしばあっ
た。また、挟持ゴムロ−ラからなるものは、細かな波状
にはならないので大きな幅で折り畳め、規則的な整列状
態となるが、逆にリボン駆動力が弱くなってスリップを
起こす欠点があった。

【０００４】本考案はこれらの欠点を解消して、エンド
レスのインキリボンをスリップなどを起こすことのない
確実で大きな駆動力が得られるとともに、リボンを大き
い幅で規則正しく折り畳めるインキリボンカセットの提
供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は前記課題を解決
するためインキリボンカセットを、カセットケ−ス内に
インキリボンを挟持して互いに回転する駆動ロ−ラと従
動ロ−ラを設け、従動ロ−ラを駆動ロ−ラ側に常時弾発
するホルダ−に取付け、駆動ロ−ラおよび従動ロ−ラに
それぞれ２個のロ−ラ部材を同軸上に設け、この駆動ロ
−ラおよび従動ロ−ラのロ−ラ部材のうち少なくとも１
個を発泡材より他を弾性材より形成し、かつ、弾性材よ
りなるロ−ラ部材にインキ補給用チップを接触させてな
る、構成とした。

【０００６】

【作用】本考案によれば、インキリボンは駆動ロ−ラと
従動ロ−ラで挟持し走行させるが、駆動ロ−ラおよび従
動ロ−ラのロ−ラ部材のうち少なくとも１個が発泡材か
らなり他を弾性材とし、かつ、その弾性材にインキ補給
用チップを接触したものなので、挟持されるリボンはそ
のロ−ラ部材の外表面の微細な孔に押しつけられるた
め、その孔はいったん圧縮されて変形した後、元に戻る
ので、孔内の空気は減圧されてリボンを強く吸着する状
態になる。この吸着状態はリボンが両ロ−ラの挟持から
離れてもしばらく続くので、従来のロ−ラの線接触から
本考案では外周のほぼ１／４の面接触となり強い駆動力
となる。このことは同時に、吸着されたリボンがリボン
収納部の側壁まで走行し折り返す作用がより確実に行わ
れるようになるため、リボンは規則正しい整列状態で収
納される。

【０００７】ロ−ラ部材の組み合わせは、図１および図
２のように駆動側のロ−ラを弾性材とし、従動側のロ−
ラを発泡材としたもの、図３のように駆動側と従動側に
弾性材と発泡材を互い違いに配設して、互いに異種ロ−
ラを対向させたもの、図５のように互いに同種ロ−ラを
対向させたもの、または、図４のように発泡材ロ−ラを
従動側に１個だけ配設したもの等がある。ここで、図
３、図５、および図６のように発泡材からなるロ−ラを
駆動側と従動側の双方に配設したものは、前述した吸着
作用が折り畳まれる両側に作用するが、図１、図２、お
よび、図４のように発泡材よりなるロ−ラをどちらか一
方（できれば従動側がよい）に配設したものは、一つお
きの一側には必ず吸着作用が働くので前述したものと同
じ作用が得られる。

【０００８】また、図６のように弾性材よりなるロ−ラ
部材の外周部にギヤ状の凹凸部を設けると、リボンへの
インキ補給ができ、かつリボン駆動力をさらに大きくで
きる等、より効果的なリボンカセットとなる。

【０００９】

【実施例】次に本考案の実施例を図面により説明する。
図１〜図２の実施例において、１はカセットケ−スで、
駆動ロ−ラ２と、駆動ロ−ラ２に対向する従動ロ−ラ３
を軸支させたホルダ−４を設けてある。ホルダ−４とカ
セットケ−ス間にはコイルばね５を取付けて、従動ロ−
ラ３を駆動ロ−ラ２側に常時弾発させるようにしてあ
る。駆動ロ−ラ２および従動ロ−ラ３には２個のロ−ラ
部材６，６および７，７を同軸上に設けて互いに対向さ
せてあり、駆動側のロ−ラ部材６をゴム等の弾性材より
形成して、その一方にインキ補給チップ８を接触させ、
また、従動側のロ−ラ部材７をウレタン発泡材より形成
してある。

【００１０】この実施例のカセットでインキリボン９を
走行させると、対向する両ロ−ラ部材６，７に挟持され
て走行するインキリボン９は、従動側のウレタン発泡材
からなるロ−ラ部材７の外表面の微細孔を、いったん圧
縮し変形させて押圧した後、元に戻るので、微細孔中の
空気は減圧されてインキリボン９を吸着した状態とな
る。この吸着状態は両ロ−ル部材６，７の挟持箇所から
離れてもしばらく続くので、インキリボン９は面接触と
なって強い駆動力が得られる。

【００１１】図３〜図６は本考案の他の実施例における
両ロ−ラ２，３の断面図および斜視図であって、図３の
実施例は駆動側のロ−ラ部材６および従動側のロ−ラ部
材７をウレタン発泡材と弾性材とし、その位置を１個づ
つ互い違いにして互いに異種のロ−ラが対向するように
したものである。図４の実施例は駆動側の２つのロ−ラ
部材６を弾性材とし、従動側のロ−ラ部材７をウレタン
発泡材と弾性材の１個づつとして、対向する１組を異種
のロ−ラとし他の組を同種のロ−ラとしたものである。
図５の実施例は駆動側のロ−ラ部材６および従動側のロ
−ラ部材７をそれぞれウレタン発泡材と弾性材とし、互
いに同種のロ−ラが対向するようにしたものである。さ
らに、図６の実施例は図３の実施例において、弾性材よ
りなるロ−ラ部材６および７の外周部にギヤ状の凹凸部
10を設けたものであり、それぞれの実施例における他の
構成および作用は図１〜図２の実施例と同一である。

【００１２】

【考案の効果】本考案のインキリボンカセットは駆動側
および従動側のロ−ラ部材のうち少なくとも１個を発泡
材より他を弾性材より形成し、かつ、インキ補給用チッ
プを弾性材よりなるロ−ラ部材に接触させてあるので、
そのウレタン発泡材よりなるロ−ラ部材の外表面がイン
キリボンを吸着し、インキリボンをスリップすることな
く確実に走行できる大きな駆動力を得ることができ、か
つ、リボンを大きな幅で規則正しく折り畳めるようにな
る等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の部分斜視図である。

【図２】同実施例の２つのロ−ルの断面図である。

【図３】本考案の他の実施例の２つのロ−ルの断面図で
ある。

【図４】本考案の他の実施例の２つのロ−ルの断面図で
ある。

【図５】本考案の他の実施例の２つのロ−ルの断面図で
ある。

【図６】本考案の他の実施例の斜視図ある。

【符号の説明】

１ カセットケ−ス ２ 駆動ロ−ラ ３ 従動ロ−ラ ４ ホルダ− ６ ロ−ラ部材 ７ ロ−ラ部材 ８ インキ補給用チップ ９ インキリボン 10 凹凸部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カセットケ−ス（１）内にインキリボン
   （９）を挟持して互いに回転する駆動ロ−ラ（２）と従
   動ロ−ラ（３）を設け、従動ロ−ラ（３）を駆動ロ−ラ
   （２）側に常時弾発するホルダ−（４）に取付け、駆動
   ロ−ラ（２）および従動ロ−ラ（３）にそれぞれ２個の
   ロ−ラ部材（６）および（７）を同軸上に設け、この駆
   動ロ−ラ（２）および従動ロ−ラ（３）のロ−ラ部材
   （６）および（７）のうち少なくとも１個を発泡材より
   他を弾性材より形成し、かつ、弾性材よりなるロ−ラ部
   材（６）又は（７）にインキ補給用チップ（８）を接触
   させたことを特徴とする、インキリボンカセット。
2. 【請求項２】駆動ロ−ラ（２）および従動ロ−ラ（３）
   のロ−ラ部材（６）および（７）のうち弾性材より形成
   したものの少なくとも１個の外周部に、ギヤ状の凹凸部
   （１０）を設けたことを特徴とする、請求項１記載のイ
   ンキリボンカセット。