JP2561043B2 - 耐熱性メタクリル樹脂の製造方法 - Google Patents

耐熱性メタクリル樹脂の製造方法

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JP2561043B2 JP7028898A JP2889895A JP2561043B2 JP 2561043 B2 JP2561043 B2 JP 2561043B2 JP 7028898 A JP7028898 A JP 7028898A JP 2889895 A JP2889895 A JP 2889895A JP 2561043 B2 JP2561043 B2 JP 2561043B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なメタアクリル系熱
可塑性共重合体に関し、更に詳しくは透明性、耐熱性及
び機械的特性を兼備したメタアクリル系熱可塑性共重合
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリメ
チルメタクリレートは透明性、耐候性に優れ機械的性質
もバランスされているものの耐熱性が充分でなく、成形
材料としてはOA機器、家電、自動車業界から耐熱性の
改良を強く要求されている。そこで、耐熱性を向上させ
る1つの方法として、α−メチルスチレンと共重合させ
る方法が提案されている。しかし、この方法はα−メチ
ルスチレンが通常のラジカル重合では共重合性が低く、
また生成したポリマーの耐熱分解性も低いという難点を
有する。また他の方法としてスチレンと無水マレイン酸
もしくはマレイミドとの共重合体も知られているが、耐
加水分解性、耐熱性が不充分である。
【0003】更には、六員環(メタ)アクリルイミド単
位を含有する共重合体も既に知られており、例えばポリ
メチルメタクリレートを溶融下にアンモニア、第1アミ
ンと混合反応させる方法(特開昭58−5306)、ポ
リメチルメタクリレートを非重合性溶媒中で反応させる
方法(特開昭60−210606,60−12610
8)、ポリメチルメタクリレートを非重合性溶媒中で、
反応触媒の共存下で反応させる方法(特開昭61−64
703)、メタクリル酸メチルとN−メチルメタクリル
アミドの共重合体を乾式加熱によりイミド化する方法
(特開昭60−20904,60−58409)、メタ
クリル酸メチル、スチレン、メタクリル酸の共重合体を
アンモニアでイミド化する方法(特開昭61−4360
4,61−47707)等が知られている。
【0004】しかしながら、これらの方法で得られた共
重合体は、耐熱性は向上するものの、着色したり機械的
強度が低下する他分子間でのイミド架橋体が形成し溶融
加工性が低下するという問題点を有している。その上、
これら共重合体にはイミド化されていない(メタ)アク
リルアミド類単位が残存しているため、加熱溶融加工時
にゲル化して溶融粘度が上がったり、ゲル化時に発生す
るアンモニア等の揮発性物質が成形品に混入するという
問題点も抱えている。本発明はこのような現状に鑑み、
上記のような問題点のない即ち透明性、耐熱性及び機械
的特性を兼備した従来にないメタアクリル系熱可塑性共
重合体の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、一般式I
で示される(メタ)アクリル酸エステルと一般式IIで示
される(メタ)アクリルアミド類とからなる単量体混合
物を共重合し、次いで該共重合体を有機溶媒中酸性化合
物の存在下で、反応前半は該共重合体が膨潤、懸濁した
状態で分子内イミド化反応を行ない、反応後半は該共重
合体が均一に溶解した状態で分子内イミド化反応を行な
うことを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルと(メ
タ)アクリルアミド類との熱可塑性共重合体の製造方法
【0006】
【化2】 (式中R1 ,R2 ,R5 ,R6 は前に定義した通りのも
のを表わす)。を提供するものである。
【0007】この本発明によって得られる熱可塑性共重
合体は、一般式III で示される(メタ)アクリル酸エス
テル単位50〜95重量%及び一般式IVで示される(メ
タ)アクリルイミド類単位50〜5重量%を有する共重
合体であって、25℃ジメチルスルホキシド(DMS
O)中で測定した対数粘度ηinh が0.05〜3.0dl
/gである熱可塑性共重合体、
【0008】
【化3】 (式中R1 は水素またはメチル基、R2 は炭素数1〜7
の脂肪族または芳香族炭化水素基、R3 ,R4 は水素ま
たはメチル基、R5 は水素または炭素数1〜7の脂肪族
または芳香族炭化水素基を表わす)であり、且つ、好ま
しくは、該共重合体中に一般式Vで示される(メタ)ア
クリルアミド類単位が1重量%以下しか残存していない
ことを特徴とする上記の熱可塑性共重合体である。
【0009】
【化4】 (式中R5 は前に定義した通りであり、R6 は水素また
はメチル基を表わす)。
【0010】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
製造方法で得られた共重合体(以下、これを本発明の共
重合体という)を構成する一般式III で示される(メ
タ)アクリル酸エステル単位は主成分であり、機械的性
質、透明性及び加工性向上のために必須の成分である。
その含有量は50〜95重量%であり、50重量%未満
では機械的性質、透明性及び加工性が低下し、95重量
%を越えると耐熱性が低下する。一般式III の中のR1
は水素又はメチル基であり、特にメチル基が望ましい。
2 は炭素数1〜7の脂肪族または芳香族炭化水素基で
あり、特にメチル基が好ましい。
【0011】本発明の共重合体を構成する一般式IVで示
される(メタ)アクリルイミド類単位は耐熱性付与のた
めの必須成分である。その含有量は50〜5重量%であ
り、5重量%未満では耐熱性は改良されず、一方50重
量%を越えると着色したり、成形加工性が低下する。一
般式IVの中のR3 ,R4 は水素またはメチル基であり、
特にメチル基が望ましい。R5 は水素または炭素数1〜
7の脂肪族または芳香族炭化水素基であり、特に水素、
メチル基、フェニル基が好ましい。
【0012】本発明の共重合中の(メタ)アクリルイミ
ド類単位を作るための構成要素として一般式Vで示され
る(メタ)アクリルアミド類は基本成分であり、これを
変性することにより六員環(メタ)アクリルイミド類単
位が得られる。一般式Vの中のR5 は前に定義した通り
のものであり、R6 は水素またはメチル基で、特にメチ
ル基が望ましい。
【0013】本発明の共重合体の前駆体である(メタ)
アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミド類との共
重合体の製造にあたっては、公知のラジカル重合が使用
でき、その重合方法は乳化重合、懸濁重合、塊状重合、
溶液重合いずれの方法でも可能であるが、共重合体組成
の均一性、透明性の観点から溶液重合が好ましい。
【0014】重合開始剤としては、通常のラジカル開始
剤を使用することができる。例えば、tert−ブチル
パーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−
ブチルパーベンゾエート、ジ−tert−ブチルパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、tert−ブチルパーアセテート、ter
t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン−3、tert−ブチルハイドロパーオキ
サイド、キュメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物
や過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等を挙げること
ができる。また2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、1,1′−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリ
ル、2−カルバモイル−アゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ化合物も使用できる。
【0015】溶剤としては、メタノール、エタノール、
エチレングリコール等のアルコール類、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等のエテール類、ベンゼン、トルエン
等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物、ジメチ
ルホルムアミド等の窒素化合物等が使用できる。
【0016】連鎖移動剤としては、ブチルメルカプタ
ン、オクチルメルカプタン、tert−ドデシルメルカ
プタン等のアルキルメルカプタン、トリエチルアミン、
ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等が使用
できる。
【0017】また本発明の共重合体においては、必要に
応じて透明性、機械的性質を損なわない程度に(メタ)
アクリル酸エステルの一部を他モノマーで置き換えるこ
とができる。そのモノマーとしては(メタ)アクリル酸
等のエチレン性酸モノマー、スチレン等のエチレン性芳
香族モノマー、(メタ)アクリルニトリル等のエチレン
性ニトリルモノマー、無水マレイン酸、マレイミド等の
エチレン性環状モノマー等をあげることができる。
【0018】次に本発明の共重合体の前駆体を分子内イ
ミド環構造に変性するには、前駆体を乾式加熱する方
法、溶剤で膨潤または溶解して加熱する方法、酸性
化合物を添加して溶剤で膨潤または溶解して加熱する方
法等が考えられるが、比較例2,3にあるように,
の方法ではイミド化反応に高温、長時間を要し経済的で
ないだけでなく、メタクリル酸メチルのように天井温度
の低い1,1−置換モノマーでは主鎖の熱分解も同時に
起こり好ましくない。従って、工業的に有利でかつ副反
応の少ない方法は、実施例1に示すような前駆体を溶剤
で膨潤または溶解後、酸性化合物を添加し、窒素雰囲気
下に加熱することにより短時間、高収率、選択的に分子
内イミド化を達成する方法である。
【0019】溶融成形可能な共重合体に変性するために
は二つの制約条件を克服しなければならない。その一
は、分子間のイミド架橋体の形成を抑制し、選択的に分
子内イミド化を行なわせることである。もしイミド架橋
体の形成が優先すると、溶融成形時の溶融粘度が高くな
ったり、また形成したイミド架橋結合は分子内イミド環
結合に比べて安定性が低いために耐熱性、耐加水分解性
等の特性に悪影響を及ぼす。
【0020】制約条件のその二は、イミド化されなかっ
た(メタ)アクリルアミド類単位を1重量%以下にし、
好ましくは実質上なくすることである。比較例2,3,
4に示したように残存(メタ)アクリルアミド類単位が
1重量%を越えるとラボプラストミルの230℃での溶
融試験において、溶融開始5分後に溶融粘度(トルク)
の著しい上昇が見られたり、また射出成形機で成形品を
作製する際に、溶融時に発生するアンモニア等の揮発性
物質が成形品に混入するといった問題を発生する。一
方、残存(メタ)アクリルアミド類単位が1重量%以下
の場合には、ラボプラストミルの溶融試験において、溶
融開始後5〜30分までの溶融粘度は一定であり、また
射出成形機で成形品を作製する際にも上述の問題は発生
しない。
【0021】上記二つの制約条件を克服するためには以
下の点が重要である。即ち、イミド化反応の酸性化合物
は、比較的強い酸を用いる必要がある。例えば、塩酸、
硫酸等の無機酸、またはP−トルエンスルホン酸等の有
機酸を使用するのがよく、中でも塩酸、P−トルエンス
ルホン酸が好ましい。なお、酢酸等の弱酸では、(メ
タ)アクリルアミド類単位が残存し、溶融成形時に溶融
粘度の上昇が著しくなる。
【0022】イミド化反応の溶剤としては本発明の共重
合体を溶解または膨潤させるものであればいずれも使用
できる。具体的には、エタノール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール等のアルコール類、ジオキサ
ン等のエーテル等をあげることができる。又、有機溶媒
の溶解パラメーターδ値は10〜15(cal/cm3 1/2
の範囲であることが好ましい。10未満及び15を越え
るものは溶解しない。
【0023】イミド化反応の方法としては、前半は膨
潤、懸濁状態で反応を行ない、後半は共重合体が均一に
溶解した状態で反応を行なう。この方法によって得られ
る共重合体は分子間架橋が少なく、残存(メタ)アクリ
ルアミド類単位も実質的に存在しない。即ち、生成共重
合体の核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)測定の結
果、残存(メタ)アクリルアミド類単位は1重量%以下
であり、かつイミド化変性後の25℃のジメチルスルホ
キシド(DMSO)中で測定した対数粘度η2 /変性前
の対数粘度η1 の比(以下架橋性パラメーターと称す
る)は1.0以上2.0以下である。
【0024】もし膨潤、懸濁した状態でのみイミド化反
応を行なうと、比較例4にあるように架橋性パラメータ
ーη2 /η1 は小さいが、残存(メタ)アクリルアミド
類単位が1重量%を越えてしまう。一方、均一溶解した
状態でのみイミド化反応を行なうと比較例5に示すよう
に残存(メタ)アクリルアミド類単位は1重量%以下で
あるが、架橋性パラメーターη2 /η1 が大きくなって
しまう。その理由は明確ではないが、共重合体が膨潤、
懸濁した状態では、共重合体は丸まった状態であり、そ
の結果として共重合体鎖間の相互作用が減少し分子内イ
ミド化反応が優先するのに対し、共重合体が均一に溶解
した状態では、共重合体鎖は広がり、その結果共重合体
鎖間の相互作用が増大して分子間架橋が優先するためと
推察される。また酸性化合物とも充分に接触するので、
残存(メタ)アクリルアミド類単位が実質的に消失する
ことも原因していると考えられる。
【0025】共重合体を膨潤、懸濁状態にするには、
良溶媒に共重合体を溶解し、そこに貧溶媒を加える方
法、良溶媒に溶解後、低温で反応させる方法、良溶
媒に高濃度の共重合体を溶解させる方法等があり、一方
共重合体を均一に溶解するには、上記の方法に対してそ
れぞれ貧溶媒を留出させて溶解する方法、良溶媒中
で高温で反応させる方法、良溶媒で希釈して低濃度で
共重合体を溶解させる方法等がある。
【0026】イミド化反応の雰囲気は窒素雰囲気下で行
なうのがよい。酸素が存在すると着色したり、架橋反応
が促進されるからである。イミド化反応の温度は100
〜200℃の範囲であることが好ましい。100℃未満
では反応速度が遅く実用的でない。また200℃を越え
ると高分子鎖の分解が起こり、機械的性質が損なわれ
る。ただ、この場合は分子間架橋が起こっても高分子鎖
の分解も併発するので、架橋性パラメーターη2 /η1
は小さくなる。又本発明の共重合体の、25℃ジメチル
スルホキシド(DMSO)中で測定した対数粘度ηinh
は0.05〜3.0dl/gであることが必要である。
0.05未満では機械的性質が低下し、3.0を越える
と加熱溶融押出しが困難になる。
【0027】
【実施例】以下、実施例、比較例をあげて本発明を具体
的に説明する。なお、本発明で用いた各物性の測定法は
次の通りである。 (1)共重合組成及び残存(メタ)アクリルアミド類単
位:日本電子(株)製270MHz 核磁気共鳴スペクトル
(H−NMR)の吸収ピークの面積比から算出した。 (2)対数粘度:ポリマー濃度0.05g/dlのジメチ
ルスルホキシド(DMSO)溶液を粘度計に入れ、25
℃の恒温槽中で落下秒数tを測定した。一方、別に同じ
粘度計で純DMSOの落下秒数t0 を測定し、以下の数
式により算出した。
【0028】
【数1】
【0029】(3)架橋性パラメーター:イミド化変性
後の対数粘度/変性前の対数粘度の比 (4)ラボプラストミルによる溶融試験:東洋精機製作
所製ラボプラストミルを用いて、ポリマー量70g、溶
融温度230℃、回転数50rpm で30分間溶融しトル
ク(kgcm)の変化を測定した。 (5)光線透過率:ASTM−D1003に準拠した方
法で測定した。 (6)色調:射出成形片を肉眼で観察した。 (7)引張強さ、引張伸度:ASTM−D638に準拠
した方法で測定した。
【0030】(8)曲げ強さ、曲げ弾性率:ASTM−
D790に準拠した方法で測定した。 (9)アイゾット衝撃強度:ASTM−D256に準拠
した方法で測定した。 (10)ビカット軟化温度:ASTM−D1525に準
拠した方法で測定した。 (11)熱変形温度:ASTM−D648に準拠した方
法で測定した。 (12)ガラス転移温度(Tg):示差走査熱量計(D
SC)を用いて測定した。
【0031】実施例1 メタクリル酸メチル35モル(3504g)、メタクリ
ルアミド15モル(1277g)、ジオキサン7リット
ル、ラウロイルパーオキサイド(日本油脂製)0.03
モル(11.96g)及びtert−ドデシルメルカプ
タン0.2モル(40.48g)をフラスコに入れて溶
解し、窒素で脱酸素を行ない、窒素雰囲気下でフラスコ
を加熱オイルバスに入れ、80℃で1時間加熱した後、
更に90℃で2時間重合を行なった。次いで、反応液を
水中へ投入して共重合体を析出させ、水/メタノール/
アセトンで洗浄して未反応モノマーを除去した。得られ
た共重合体の対数粘度ηinh は0.45であり、共重合
組成はH−NMRから求めた。図1に示したようにCH
3 (δ:0.5〜1.4ppm)、CH2 (δ:1.4〜
2.1ppm)、OCH3 (δ:3.5ppm)、アミド
【0032】
【化5】 (δ:6.5〜7.2ppm)の吸収が検出され、各吸収の
面積比からメタクリル酸メチルとメタクリルアミドのモ
ル比が77/23、重量比が80/20と算出された。
また赤外線吸収スペクトルから波数1720cm-1にエス
テルカルボニルの伸縮振動に基づく吸収が、また164
0cm-1のアミドに基づく吸収が検出された。
【0033】次にこの共重合体2800gをエチレング
リコール4リットル、濃塩酸(酸分36%)4リットル
をフラスコに入れて懸濁させ、窒素雰囲気下でフラスコ
を加熱オイルバスに入れ120℃で1時間加熱した。共
重合体は均一に懸濁していた。次いでフラスコにエチレ
ングリコール4リットル、P−トルエンスルホン酸2モ
ル(380g)を添加した後に、第1段目のイミド化反
応で生成したメタノール等の低沸点成分を蒸留により除
去し、更に175℃で1時間加熱した。共重合体は均一
に溶解していた。次いで反応液を水中へ投入して共重合
体を析出させ、水/メタノールで洗浄を行なった。
【0034】得られた共重合体は白色粉体であり、その
対数粘度ηinh は0.52で架橋性パラメーターη2
η1 は1.16であった。共重合体組成はH−NMRか
ら求めた。図2に示したようにCH3 (δ:0.5〜
1.4ppm)、CH2 (δ:1.4〜2.2ppm)、OCH
3 (δ:3.5ppm)、イミド
【0035】
【化6】 (δ:10.2〜10.6ppm)の吸収が検出され、アミ
【0036】
【化7】 (δ:6.5〜7.2ppm)の吸収は検出されなかった。
また酸性物質によりもしエステルが加水分解されてカル
ボン酸が生成したとすれば、δ=12.2ppm に吸収が
検出されるが、本発明の共重合体のH−NMRにはその
吸収は検出されなかった。H−NMRの各吸収の面積比
からメタクリル酸メチルとメタクリルイミドのモル比が
80/20、重量比が74/26と算出された。
【0037】得られた共重合体の溶融特性を調べるため
にラボプラストミル(東洋精機製作所製)で230℃で
の溶融試験を行なった。その結果を図3に示す。図3か
ら明らかな通り、試験開始5分後にトルクが一定値に達
し、30分間の溶融試験においてトルクの上昇は見られ
なかった。また得られた共重合体をジメチルスルホキシ
ドに溶解して10重量%ポリマー溶液を作製したが、未
溶解物は全く見られなかった。
【0038】更には得られた共重合体を20mmφ押出機
でペレット化し、射出成形機で成形板を作製し各物性を
測定した。その結果を表1に示した。以上の結果から本
発明の共重合体の成形板はほとんど無色透明で、かつ耐
熱性、優れた機械的性質、優れた加熱溶融加工性を兼備
したことがわかる。
【0039】実施例2 メタクリル酸メチルとメタクリルアミドの仕込量を、そ
れぞれ45モル(4505g)、5モル(426g)に
変えた他は実施例1と同一の条件及び方法で実施した。
得られた前駆体(メタクリル酸メチル/メタクリルアミ
ドの共重合体)の対数粘度ηinh は0.37であり、共
重合組成はH−NMRから求めた。それによりCH
3 (δ:0.5〜1.4ppm)、CH2 (δ:1.4〜
2.1ppm)、OCH3(δ:3.5ppm)、アミド
【0040】
【化8】 (δ:6.5〜7.2ppm)の吸収が検出され、各吸収の
面積比からメタクリル酸メチルとメタクリルアミドのモ
ル比が93/7であり、重量比が94/6と算出され
た。
【0041】また前駆体のイミド化反応により得られた
共重合体の対数粘度ηinh は0.39であり、架橋性パ
ラメーターは1.05であった。共重合組成はH−NM
Rにより求めた。それによりCH3 (δ:1.4〜2.
1ppm)、OCH2 (δ:1.4〜2.2ppm)OCH
3 (δ:3.5ppm)、イミド
【0042】
【化9】 (δ:10.2〜10.6ppm)の吸収が検出され、アミ
【0043】
【化10】 (δ:6.5〜7.2ppm)の吸収が検出されなかった。
H−NMRの各吸収の面積比からメタクリル酸メチルと
メタクリルイミドのモル比が96/4であり、重量比が
94/5と算出された。
【0044】実施例3 実施例1の前駆体(メタクリル酸メチル/メタクリルア
ミドの共重合体)合成において、メタクリル酸メチルと
メタクリルアミドの仕込量を、それぞれ25モル(25
03g)、25モル(2128g)に変え、更に溶媒の
ジオキサン7リットルを、ジオキサン6リットルとジメ
チルスルホキシド1リットルに変えて実施した。また、
イミド化反応において、濃塩酸、P−トルエンスルホン
酸量を、それぞれ12リットル、6モル(1140g)
に変えた。上記の変更以外は、実施例1と同一の製造方
法を繰り返した。得られた前駆体の対数粘度ηinh は
0.54であり、共重合組成はH−NMRから求めた。
それによりCH3 (δ:0.5〜1.4ppm)、CH
2 (δ:1.4〜2.1ppm)、OCH3 (δ:3.5pp
m)、アミド
【0045】
【化11】 (δ:6.5〜7.2ppm)の吸収が検出され、各吸収の
面積比からメタクリル酸メチルとメタクリルアミドのモ
ル比が57/43であり、重量比が61/39と算出さ
れた。
【0046】また前駆体のイミド化反応により得られた
共重合体の対数粘度ηinh は0.77であり、架橋性パ
ラメーターは1.43であった。共重合組成はH−NM
Rにより求めた。それによりCH3 (δ:1.4〜2.
2ppm)、CH2 (δ:1.4〜2.2ppm)、OCH
3 (δ:3.5ppm)、イミド
【0047】
【化12】 (δ:10.2〜10.6ppm)の吸収が検出され、アミ
【0048】
【化13】 (δ:6.5〜7.2ppm)の吸収は検出されなかった。
H−NMRの各吸収の面積比からメタクリル酸メチルと
メタクリルイミドのモル比が62/38であり、重量比
が54/46と算出された。
【0049】実施例4 実施例1の前駆体(メタクリル酸メチル/メタクリルア
ミドの共重合体)合成において、メタクリルアミド15
モルをN−フェニルメタクリルアミド15モル(241
8g)に変えた。また、イミド化反応において、濃塩
酸、P−トルエンスルホン酸を、それぞれ12リット
ル、6モル(1140g)に変えた。上記の変更以外
は、実施例1と同一の製造方法を繰り返した。
【0050】得られた前駆体(メタクリル酸メチル/N
−フェニルメタクリルアミド)の対数粘度ηinh は0.
27であり、共重合組成はH−NMRから求めた。図4
に示したように、CH3 (δ:0.5〜1.4ppm)、C
2 (δ:1.4〜2.1ppm)、OCH3 (δ:3.5
ppm)、フェニル(δ:6.9〜7.9ppm)、アミド
【0051】
【化14】 (δ:8.8〜9.3ppm)の吸収が検出され、各吸収の
面積比からメタクリル酸メチルとN−フェニルメタクリ
ルアミドのモル比が71/29であり、重量比が60/
40と算出された。
【0052】また前駆体のイミド化反応により得られた
共重合体の対数粘度ηinh は0.46であり、架橋性パ
ラメーターは1.70であった。共重合体組成はH−N
MRにより求めた。図5に示したように、CH3 (δ:
0.5〜1.4ppm)、CH2(δ:1.4〜2.1pp
m)、OCH3 (δ:3.5ppm)、フェニル(δ:6.9
〜7.9ppm)の吸収が検出され、各吸収の面積比からメ
タクリル酸メチルとN−フェニルメタクリルイミドのモ
ル化が75/25であり、重量比が58/42と算出さ
れた。
【0053】実施例5 実施例4において、N−フェニルメタクリルアミド15
モルを、N−メチルメタクリルアミド15モル(148
7g)に変えること以外同一の条件及び方法で実施し
た。得られた前駆体(メタクリル酸メチル/N−メチル
メタクリルアミドの共重合体)の対数粘度ηinh は0.
25であり、共重合組成はH−NMRから求めた。それ
によりC−CH3 (δ:0.5〜1.4ppm)、CH
2 (δ:1.4〜2.1ppm)、OCH3 (δ:3.5pp
m)、N−CH3 (δ:2.3〜3.0ppm)、アミド
【0054】
【化15】 (δ:6.9〜7.6ppm)の吸収が検出され、各吸収の
面積比からメタクリル酸メチルとN−メチルメタクリル
アミドのモル比が72/28であり、重量比が72/2
8と算出された。
【0055】また前駆体のイミド化反応により得られた
共重合体の対数粘度ηinh は0.28であり、架橋性パ
ラメーターは1.12であった。共重合組成はH−NM
Rにより求めた。それによりCH3 (δ:0.5〜1.
4ppm)、CH2 (δ:1.4〜2.1ppm)、OCH
3 (δ:3.5ppm)、イミドN−CH3 (δ:2.3〜
3.0ppm)の吸収が検出され、各吸収の面積比からメタ
クリル酸メチルとN−メチルメタクリルイミドのモル比
が76/24であり、重量比が67/33と算出され
た。
【0056】実施例6 実施例1において、メタクリル酸メチル35モルを、メ
タクリル酸メチル30モル(3004g)とアクリル酸
メチル5モル(430g)に変えること以外同一の条件
及び方法で実施した。得られた前駆体(メタクリル酸メ
チル/アクリル酸メチル/メタクリルアミドの共重合
体)の対数粘度ηinh は0.44であり、共重合組成は
H−NMRから求めた。それによりCH3 (δ:0.5
〜1.4ppm)、CH2 (δ:1.4〜2.1ppm)、C−
H(δ:2.0〜3.0ppm)、OCH3 (δ:3.5pp
m)、アミド
【0057】
【化16】 (δ:6.5〜7.2ppm)の吸収が検出され、各吸収の
面積比からメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル及び
メタクリルアミドのモル比が68/7/25であり、重
量比が72/6/22と算出された。
【0058】また前駆体のイミド化反応により得られた
共重合体の対数粘度ηinh は0.51であり、架橋性パ
ラメーターは1.16であった。共重合組成はH−NM
Rにより求めた。それによりCH3 (δ:0.5〜1.
4ppm)、CH2 (δ:1.4〜2.1ppm)、C−H
(δ:2.0〜3.0ppm)、OCH3 (δ:3.5pp
m)、イミド
【0059】
【化17】 (δ:10.2〜10.6ppm)の吸収が検出され、各吸
収の面積比からメタクリル酸メチル/アクリル酸メチル
/メタクリルイミドのモル比が71/7/22であり、
重量比が66/6/28と算出された。
【0060】比較例1 メタクリル酸メチル50モル(5006g)、ジオキサ
ン7リットル、ラウロイルパーオキサイド(日本油脂
製)0.03モル(11.96g)及びtert−ドデ
シルメルカプタン0.1モル(20.24g)をフラス
コに入れて溶解し、窒素で脱酸素を行ない、窒素雰囲気
下でフラスコを加熱オイルバスに入れ、80℃で1時間
加熱した後、更に90℃で2時間重合を行なった。次い
で反応液を水中へ投入して共重合体を析出させ、水/メ
タノール/アセトンで洗浄して未反応モノマーを除去し
た。得られた重合体の対数粘度は0.51であり、H−
NMRからCH3 (δ:0.5〜1.4ppm に3H)、
CH2 (δ:1.4〜2.1ppm に2H)、OCH
3 (δ:3.5ppm に3H)の吸収が検出された。
【0061】また赤外線吸収スペクトルから波数172
0cm-1にエステルカルボニルの伸縮振動に基づく吸収が
検出された。また得られた重合体の溶融特性を調べるた
めに実施例1に記したようにラボプラストミルで溶融試
験を行なった。その結果を図6に示した。図6から明ら
かなように試験開始5分後にトルクが一定値に達し、3
0分間の溶融試験においてトルクが若干低下傾向にあっ
た。
【0062】更には得られた重合体を20mmφ押出機で
ペレット化し、射出成形機で成形板を作製し各物性を測
定した。その結果を表1に示した。以上の結果から、無
色透明でかつ優れた機械的性質、優れた加熱溶融加工性
を有しているものの、耐熱性が劣ることがわかる。
【0063】比較例2 実施例1の前駆体(メタクリル酸メチル/メタクリルア
ミド共重合体)2800gをフラスコに入れ、窒素雰囲
気下、230℃のオイルバス中で5時間加熱分解反応さ
せた。反応終了後、1時間10mmHgの減圧下で揮発成分
を除去した。得られた共重合体は淡黄色粉体であり、そ
の対数粘度ηinh は0.52で架橋性パラメーターは
1.16であった。共重合組成はH−NMRから求め
た。
【0064】図7に示したようにCH3 (δ:0.5〜
1.4ppm)、CH2 (δ:1.4〜2.2ppm)、OCH
3 (δ:3.5ppm)、アミド
【0065】
【化18】 (δ:6.5〜7.2ppm)、イミド
【0066】
【化19】 (δ:10.2〜10.6ppm)の吸収が検出され、各吸
収の面積比からメタクリル酸メチル/メタクリルアミド
/メタクリルイミドのモル比は80/8/12であり、
重量比が77/7/16と算出され、メタクリルアミド
単位が多く残存していることが判明した。
【0067】得られた重合体の溶融特性を調べるために
実施例1に記したようにラボプラストミルで溶融試験を
行なった。その結果は図8に示す通り、試験開始後5分
でトルクが最小値を示し、以後トルクが上昇することが
わかる。更には得られた重合体を20mmφ押出機でペレ
ット化を試みたが、溶融時にアンモニア等の揮発性ガス
が発生し、溶融粘度も上昇しペレット化は困難であっ
た。以上の結果から、乾式加熱ではイミド化反応は遅
く、その結果、多くのメタクリルアミド単位が残存する
ために加熱溶融押出性は悪いことがわかる。
【0068】比較例3 実施例1の前駆体(メタクリル酸メチル/メタクリルア
ミド共重合体)2800g、ジメチルスルホキシド56
リットルをフラスコに入れて溶解し、窒素雰囲気下でフ
ラスコを加熱オイルバスに入れ、180℃で5時間加熱
した。次いで反応液を取り出し、水中へ投入し共重合体
を析出させ、水/メタノールで洗浄を行なった。得られ
た共重合体の対数粘度ηinh は0.71で架橋性パラメ
ーターη2 /η1 は1.58であり、架橋がかなり起こ
っていることが判明した。また共重合組成はH−NMR
から求めた。それによりCH3 (δ:0.5〜1.4pp
m)、CH2 (δ:1.4〜2.2ppm)、OCH3 (δ:
3.5ppm)、アミド
【0069】
【化20】 (δ:6.5〜7.2ppm)、イミド
【0070】
【化21】 (δ:10.2〜10.6ppm)の吸収が検出され、各吸
収面積比からメタクリル酸メチル/メタクリルアミド/
メタクリルイミドのモル比は79/19/2であり、重
量比は81/16/3と算出され、メタクリルアミド単
位が多く残存していることが判明した。
【0071】得られた共重合体の溶融特性を調べるため
に実施例1に記したようにラボプラストミルで溶融試験
を行なった。その結果を図9に示した。図9にみる通り
試験開始後5分でトルクが最小値を示し、以後トルクが
上昇した。更には得られた共重合体を20mmφ押出機で
ペレット化を試みたが、溶融時にアンモニア等の揮発性
ガスが発生し、溶融粘度も上昇しペレット化は困難であ
った。
【0072】以上の結果から、溶液中でただ単に加熱し
ただけでは、イミド化反応は非常に遅く、その結果、多
くのメタクリルアミド単位が残存するために加熱溶融押
出性は非常に悪いことがわかる。
【0073】比較例4 実施例1の前駆体(メタクリル酸メチル/メタクリルア
ミド共重合体)2800g、エチレングリコール4リッ
トル、濃塩酸(酸純物36%)4リットルをフラスコに
入れて懸濁させ、窒素雰囲気下でフラスコを加熱オイル
バスに入れ、120℃で2時間加熱した。共重合体は均
一懸濁していた。次いで反応液を水中へ投入し、共重合
体を析出させて水/メタノールで洗浄を行なった。得ら
れた共重合体の対数粘度ηinh は0.48で架橋性パラ
メーターη2 /η1 は1.07であった。共重合組成は
H−NMRから求めた。それによりCH3(δ:0.5
〜1.4ppm)、CH2 (δ:1.4〜2.2ppm)、OC
3 (δ:3.5ppm)、アミド
【0074】
【化22】 (δ:6.5〜7.2ppm)、イミド
【0075】
【化23】 (δ:10.2〜10.6ppm)の吸収が検出され、各吸
収の面積比からメタクリル酸メチル/メタクリルアミド
/メタクリルイミドのモル比は78/3/19であり、
重量比が73/2/25と算出された。得られた共重合
体の溶融特性を調べるために実施例1に記したようにラ
ボプラストミルでの溶融試験を行なった。その結果を図
10に示した。図10にみる通り試験開始5分でトルク
が最小値を示し、以後トルクが上昇した。
【0076】更には得られた共重合体を20mmφ押出機
でペレット化を試みたが、溶融時にアンモニア等の揮発
性ガスが発生し、溶融粘度も上昇しペレット化は困難で
あった。以上の結果から、イミド化反応を膨潤、懸濁状
態でのみ行なうと架橋性パラメーターη2 /η1 は低
く、分子間架橋は少ないが、メタクリルアミド単位が残
存するために加熱溶融押出性は悪いことがわかる。
【0077】比較例5 実施例1の前駆体(メタクリル酸メチル/メタクリルア
ミド共重合体)2800g、エチレングリコール4リッ
トル、P−トルエンスルホン酸4モル(760g)をフ
ラスコに入れた後に、窒素雰囲気下でフラスコを加熱オ
イルバスに入れ、175℃で2時間加熱した。共重合体
は均一に溶解していた。次いで反応液を水中に投入し、
共重合体を析出させ、水/メタノールで洗浄を行なっ
た。得られた共重合体の対数粘度ηinh は0.69で架
橋性パラメーターη2 /η1 は1.53であった。共重
合組成はH−NMRから求めた。それによりCH
3(δ:0.5〜1.4ppm)、CH2 (δ:1.4〜
2.2ppm)、OCH3 (δ:3.5ppm)、イミド
【0078】
【化24】 (δ:10.2〜10.6ppm)の吸収が検出されたが、
アミド
【0079】
【化25】 (δ:6.5〜7.2ppm)の吸収は検出されなかった。
H−NMRの各吸収の面積比からメタクリル酸メチル/
メタクリルイミドのモル比は80/20であり、重量比
が74/26と算出された。
【0080】得られた共重合体の溶融特性を調べるため
に実施例1に記したようにラボプラストミルで溶融試験
を行なった。その結果を図11に示した。図11にみる
通り試験開始5分後にトルクが一定値に達し、30分間
の溶融試験に於てトルクの上昇は見られなかった。ただ
定常値トルクは実施例1のものに比べて高かった。以上
の結果から、イミド化を均一溶解状態で行なうと残存メ
タクリルアミド単位は消失し、溶融粘度の上昇は見られ
なかったが、架橋性パラメーターは高く、分子間架橋が
多く存在することが判明した。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】本発明は上述してきたところから明らか
なように、ポリメチルメタクリレートに比較して耐熱温
度が20〜30℃以上高く、耐熱分解性が改良されてお
り、且つ透明性、加熱溶融押出し性及び機械的性質を兼
備した今までにない新規な耐熱性メタクリル樹脂を提供
するものである。この樹脂は家庭電気製品、計器板、車
両用光学部品、グレージング材等に好適であり、これら
産業界に果たす役割は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の共重合体のイミド化反応前のH−N
MRスペクトルを示す。
【図2】実施例1の共重合体のイミド化反応後のH−N
MRスペクトルを示す。
【図3】実施例1の共重合体のラボプラストミルでの溶
融試験の結果を示す。
【図4】実施例4の共重合体のイミド化反応前のH−N
MRスペクトルを示す。
【図5】実施例4の共重合体のイミド化反応後のH−N
MRスペクトルを示す。
【図6】比較例1の重合体のラボプラストミルでの溶融
試験の結果を示す。
【図7】比較例2の重合体のH−NMRスペクトルを示
す。
【図8】比較例2の共重合体のラボプラストミルでの溶
融試験結果を示す。
【図9】比較例3の共重合体のラボプラストミルでの溶
融試験結果を示す。
【図10】比較例4の共重合体のラボプラストミルでの
溶融試験結果を示す。
【図11】比較例5の共重合体のラボプラストミルでの
溶融試験結果を示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Iで示される(メタ)アクリル酸
    エステルと一般式IIで示される(メタ)アクリルアミド
    類とからなる単量体混合物を共重合し、次いで該共重合
    体を有機溶媒中酸性化合物の存在下で、反応前半は該共
    重合体が膨潤、懸濁した状態で分子内イミド化反応を行
    ない、反応後半は該共重合体が均一に溶解した状態で分
    子内イミド化反応を行なうことを特徴とする(メタ)ア
    クリル酸エステルと(メタ)アクリルアミド類との熱可
    塑性共重合体の製造方法。 【化1】 (式中R1 は水素またはメチル基、R2 は炭素数1〜7
    の脂肪族または芳香族炭化水素基、R3 ,R4 は水素ま
    たはメチル基、R5 は水素または炭素数1〜7の脂肪族
    または芳香族炭化水素基、R6 は水素またはメチル基を
    表わす)。
  2. 【請求項2】 有機溶媒の溶解性パラメーターδが10
    〜15(cal/cm3 1/2 であることを特徴とする請求項
    1記載の(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリ
    ルアミド類との熱可塑性共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 イミド化反応の反応温度が100℃〜2
    00℃であることを特徴とする請求項1記載の(メタ)
    アクリル酸エステルと(メタ)アクリルアミド類との熱
    可塑性共重合体の製造方法。
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