JP3374477B2 - 共重合体の製造法 - Google Patents

共重合体の製造法

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JP3374477B2 JP29055493A JP29055493A JP3374477B2 JP 3374477 B2 JP3374477 B2 JP 3374477B2 JP 29055493 A JP29055493 A JP 29055493A JP 29055493 A JP29055493 A JP 29055493A JP 3374477 B2 JP3374477 B2 JP 3374477B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、黄色度が低く、透明性
に優れた共重合体の製造法に関するものであり、本発明
の製造法により得られる共重合体は、各種光学部品、自
動車部品および電気電子部品など多くの用途に利用可能
である。 【0002】 【従来の技術】最近、生産性、軽量化などの点から光学
レンズ、光ファイバー等の光学部品あるいはヘッドライ
トレンズ、サンルーフなどの自動車部品のプラスチック
化が活発に検討されており、それにつれて透明性プラス
チックに対する要求はますます厳しくなってきている。
特に、耐熱性向上に対する要求は非常に強いものがあ
る。 【0003】スクシンイミド単位を有する共重合体は、
高い耐熱性を有するため古くから種々の検討がなされて
いる。例えば、メタクリル酸メチルにN−芳香族置換マ
レイミドを共重合する方法が、特公昭43−9753号
公報、特開昭61−141715号公報、特開昭61−
171708号公報および特開昭62−109811号
公報により、スチレン系樹脂にN−芳香族置換マレイミ
ドを共重合する方法が、特開昭47−6891号公報、
特開昭61−76512号公報および特開昭61−27
6807号公報により知られている。しかし、ここで得
られる樹脂は、N−芳香族置換マレイミド含量が増すほ
ど耐熱性は良好となるが、脆い、加工性が悪い、着色す
る等の問題がある。 【0004】スクシンイミド単位およびオレフィン単位
からなる共重合体は、耐熱性および機械特性に優れたプ
ラスチックである。 【0005】英国特許第815821号には、無水マレ
イン酸とオレフィン類からなる共重合体とメチルアミン
との反応によるスクシンイミド共重合体の製造方法が記
載されており、無水マレイン酸共重合体をベンゼン中で
メチルアミンによりアミド化したのち、溶媒を除去し、
オーブン中加熱イミド化することにより薄黄色の樹脂を
得ている。そして、残存無水マレイン酸の除去および不
活性雰囲気中での反応により色調が改善されることが示
されている。 【0006】Journal of Polymer
Science PartC No.16 p.387
(1967)には、無水マレイン酸共重合体とアルキル
アミンのイミド化反応を酢酸中あるいはベンゼン中で行
うことが記載されている。 【0007】しかしながら、上述の方法で得られる共重
合体は、多少黄着色が改善されているとはいえ、透明性
プラスチックとしての要求を十分満足できるものではな
かった。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、黄色
度が低く、透明性、耐熱性および機械的強度に優れた共
重合体の製造方法を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者は、この問題に
鑑み鋭意検討した結果、無水マレイン酸/オレフィン系
共重合体と、アミン化合物との反応によりスクシンイミ
ド単位を含む共重合体を製造するにおいて、溶解度パラ
メータが9.0以下の溶剤(ポリマーハンドブック第3
版(J.BRANDRUPおよびE.H.IMMERG
UT編、JOHN WILEY&SONS発行)記載に
よるところの溶解度パラメータδ値(cal/cm 3
1/2 。但し、アルコール溶媒及び芳香族溶媒を除く。以
下、閉環イミド用溶剤と記す。)を用い、スラリー状態
で閉環イミド化することにより、上記目的が満たされる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。 【0010】すなわち本発明は、無水マレイン酸単位4
0〜60モル%、オレフィン単位60〜40モル%およ
び共重合可能な他の単量体単位0〜20モル%からなる
共重合体と、アミン化合物との反応により一般式(I)
で示されるスクシンイミド単位を含む共重合体を製造す
るにおいて、閉環イミド用溶剤を用い、スラリー状態で
閉環イミド化することを特徴とする黄色度が低く、透明
性に優れた共重合体の製造方法である。 【0011】 【化2】 【0012】(式中、R1は水素原子、炭素数1〜6の
アルキル基またはシクロアルキル基を示す)本発明につ
き以下詳細に説明する。 【0013】本発明で使用する無水マレイン酸/オレフ
ィン系共重合体は、無水マレイン酸、オレフィン類およ
び共重合可能な他の単量体とのラジカル共重合により容
易に得ることができる。 【0014】ここで使用するオレフィン類としては、エ
チレン、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メ
チル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、1−
メチル−1−ヘプテン、1−イソオクテン、2−メチル
−1−オクテン、2−エチル−1−ペンテン、2−メチ
ル−2−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチ
ル−2−ヘキセン等のオレフィン類であり、耐熱性およ
び機械特性の点からイソブテンが好ましく用いられる。
また、これらは1種または2種以上組み合わせて用いる
ことができる。 【0015】その他、本発明の目的をそこなわない範囲
で上記共重合体中に共重合可能な他の単量体を共重合す
ることもできる。共重合可能な成分としては、スチレ
ン,α−メチルスチレン,メチルスチレン等のスチレン
誘導体、1,3−ブタジエン,イソプレン等のジエン
類、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル等のメタ
クリル酸エステル類、アクリル酸メチル,アクリル酸エ
チル等のアクリル酸エステル類、およびメチルビニルエ
ーテル,エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類等
が挙げられる。また、これらは1種または2種以上組み
合わせて用いることができる。 【0016】本発明で用いられる無水マレイン酸/オレ
フィン系共重合体の重合方法は特に制限はないが、着色
に影響を与える残存無水マレイン酸を低減できること、
および粒子状で共重合体が得られることから、無水マレ
イン酸は可溶であるが生成共重合体は不溶である溶媒を
用いて生成共重合体を粒子状で取出すラジカル沈澱重合
法を採用することが好ましい。沈殿重合における重合溶
媒としては、例えば酢酸エチル,酢酸プロピル,酢酸ブ
チル等の酢酸エステル類あるいは酢酸エステルとアルコ
ールの混合溶媒等が挙げられる。また、これらの重合に
は、セルロース系、ビニルアルコール系などの分散安定
剤を使用することも可能である。 【0017】さらに、上述した無水マレイン酸/オレフ
ィン系共重合体を得るにあたって用いられる重合開始剤
としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオ
キサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパー
オキサイド、ジ(t−ブチル)パーオキサイド、t−ブ
チルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート、パーブチルネオデカネート等の有機過
酸化物および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニト
リル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメ
チル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−
アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等の
アゾ系開始剤が挙げられる。 【0018】また、重合温度は開始剤の分解温度に応じ
て適宜設定することができるが、一般的には40〜12
0℃の範囲で行うことが好ましい。 【0019】本発明において用いられる無水マレイン酸
/オレフィン系共重合体中の無水マレイン酸単位の含有
量はポリマー全体の40〜60モル%であり、オレフィ
ン単位はポリマー全体の60〜40モル%である。ま
た、その他共重合可能な単位の共重合体中の含有量はポ
リマー全体の0〜20モル%であり、さらには0〜5モ
ル%、特に0〜1モル%が好ましい。 【0020】また、用いられる無水マレイン酸/オレフ
ィン系共重合体中の残存無水マレイン酸モノマーがイミ
ド化時の着色に影響をあたえることから、重合はオレフ
ィン類過剰の条件で行うことが好ましく、共重合におけ
る無水マレイン酸/オレフィン類のモル比は1以下とす
ることが好ましい。さらに、重合後の生成ポリマー粒子
を無水マレイン酸は溶解するが共重合体は溶解しない溶
媒類で洗浄することによっても、残存無水マレイン酸モ
ノマーの除去が可能となる。なお、用いる無水マレイン
酸/オレフィン系共重合体中の残存無水マレイン酸モノ
マー量は1重量%以下、特に0.1重量%以下が好まし
い。 【0021】本発明で使用する無水マレイン酸/オレフ
ィン系共重合体は、その相対溶液粘度(ウベローデ粘度
計によって、無水マレイン酸共重合体の0.5g/dl
のN,N−ジメチルホルムアミド溶液の流動時間(t
1)とN,N−ジメチルホルムアミドの流動時間(t
0)を23℃で測定したt1/t0値を示す)が0.1
〜10.0、特に0.5〜5.0のものを用いることに
より、得られるイミド共重合体の成形性が向上し、機械
的強度が改善されるので好ましい。 【0022】本発明の製造方法で使用するアミン化合物
としては、メチルアミン,エチルアミン,n−プロピル
アミン,イソプロピルアミン,n−ブチルアミン,s−
ブチルアミン,t−ブチルアミン,シクロヘキシルアミ
ン等炭素数1〜6の1級アミン、アンモニアあるいはジ
メチル尿素,ジエチル尿素等の加熱等の処理により容易
にアミンを発生する化合物が挙げられ、これらは1種類
以上用いられる。このうち特にメチルアミン,エチルア
ミン,イソプロピルアミン,シクロヘキシルアミンを用
いることにより、得られる共重合体の耐熱性を著しく向
上させることができるので好ましい。 【0023】本発明において無水マレイン酸/オレフィ
ン系共重合体とアミン化合物との反応によりスクシンイ
ミド単位を含む共重合体を合成する反応は、無水マレイ
ン酸共重合体のアミド化反応およびそれに続く閉環イミ
ド化反応の二段階の反応よりなる。これらの反応は、同
一反応器内で逐次あるいは連続的に行うことも可能であ
るし、各段階を異なる反応器内で行うことも可能であ
る。また、このとき使用する反応装置については特に限
定されることはなく、槽型反応器、管型反応器、スクリ
ュー押出反応器など用いることができる。 【0024】本発明の製造方法は、少なくとも上記の無
水マレイン酸/オレフィン系共重合体のアミド化物の閉
環イミド化反応を閉環イミド用溶剤中、スラリー状態で
行うことを特徴とする。 【0025】本発明の製造方法で使用する無水マレイン
酸/オレフィン系共重合体のアミド化物は、粒子状で得
られることが好ましく、特に前述の沈殿重合法により得
られた無水マレイン酸共重合体粒子をスラリー状態でア
ミン化合物と反応させることにより製造することが好ま
しい。 【0026】ここで用いる溶媒については、無水マレイ
ン酸共重合体およびそのアミド化物を溶解しない溶媒で
あり、ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族系溶
媒、酢酸プロピル,酢酸ブチルなどの酢酸エステル類、
ヘキサン,オクタン,デカン,ドデカンなどの脂肪族炭
化水素溶媒およびこれらの混合溶媒が挙げられる。特
に、生産性の点から重合溶媒と同じ溶媒を用いることが
好ましい。また、このときのアミド化反応の反応温度に
ついては特に制限はないが、通常0〜150℃の範囲で
ある。 【0027】本発明における閉環イミド化反応は、上記
で得られた無水マレイン酸/オレフィン系共重合体のア
ミド化物の粒子を閉環イミド用溶剤中に分散させスラリ
ー状態とし、加熱閉環することにより行われる。 【0028】このときのイミド化温度は、120〜30
0℃、好ましくは150〜250℃、特に好ましくは1
65〜220℃であり、反応温度が120℃未満の場合
にはイミド化反応が進行しづらく、250℃を越える場
合にはブロッキングによりスラリー状態での反応を保つ
ことが困難で有るばかりか、熱劣化による着色などの問
題の生じるおそれがある。また、反応温度は連続的ある
いは段階的に昇温あるいは降温させることもできる。さ
らに、反応触媒としてトリエチルアミン、トルエンスル
ホン酸のような各種塩基性あるいは酸性触媒を添加する
ことも可能である。 【0029】イミド化率は、反応温度、反応時間等によ
り影響されるが、十分な耐熱性を有するためには、共重
合体中に含まれていた無水マレイン酸単位を基準に、そ
の80モル%以上、好ましくは95モル%以上、特に9
9モル%以上がスクシンイミド単位に変換されているこ
とが好ましい。反応率が80モル%未満の場合には得ら
れる共重合体の熱安定性が悪くなることがある。 【0030】上記閉環イミド化において用いる閉環イミ
ド用溶剤とは、無水マレイン酸/オレフィン系共重合体
のアミド化物および閉環イミド化により生成するイミド
化物を、イミド化反応温度において溶解あるいは膨潤な
どによりブロッキングしない溶媒であり、ポリマーハン
ドブック第3版(J.BRANDRUPおよびE.H.
IMMERGUT編、JOHN WILEY&SONS
発行)記載によるところの溶解度パラメータδ値(ca
l/cm31/2が9.0以下、好ましくは8.5以下、
特に好ましくは8.0以下のものである。この溶解度パ
ラメータが9.0を越える溶媒を用いた場合には、ブロ
ッキングによりスラリー状態での反応を保つことが困難
となることがある。 【0031】また、これら溶媒の沸点は60℃以上、好
ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以
上、特に165℃以上である。溶媒の沸点が60℃未満
の場合には反応時の圧力が高くなる。また、反応は加圧
系においても行うことができるが、反応により生成する
水、過剰のアミン等を除去しながら反応を行うことが色
調に良好な結果を与えることから、常圧での沸点がイミ
ド化反応温度以上の溶媒を用いることが好ましい。好ま
しい溶媒の具体例としては、n−ヘキサン,n−デカ
ン,n−ドデカンなどの炭化水素溶媒を挙げることがで
きる。 【0032】なお、本発明の製造方法において得られる
共重合体には必要に応じて、熱安定剤、紫外線安定剤、
各種潤滑剤、染料、帯電防止剤、各種プラスチック、エ
ラストマーなどを添加してもよい。 【0033】本発明の製造方法により得られた樹脂は、
色調,透明性に優れ、各種光学部品、自動車部品、電気
電子部品、医療食品部品等の幅広い用途で有用である。
また、各種プラスチックあるいはエラストマーなどとの
複合化においても色調の優れた製品を得ることができ
る。 【0034】 【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は実施例に限定されるものではない。 【0035】なお、本実施例中の生成ポリマーの確認
は、元素分析、IR測定およびNMR測定により行っ
た。 【0036】また、得られたポリマーの固有粘度は、
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒として
ウベローデ粘度計を用いて23℃で測定した。さらに、
生成した共重合体の分子量はゲルパーミエイションクロ
マトグラフィー(GPC:東ソー株式会社製)を用い、
クロロフォルムを溶媒とし、ポリスチレン換算で求め
た。 【0037】得られたポリマーの黄色度は、JIS K
5401に準拠し、0.8mmのプレス試験片を用いて
カラーコンピューター(スガ試験機(株))で評価した
(反射法;反射板の三刺激値x:79.44、y:8
2.22、z:94.51)。 【0038】参考例1 無水マレイン酸/イソブテン
共重合体の合成 撹拌機、窒素導入管、イソブテン導入管、温度計および
脱気管の付いた30lオートクレーブに、無水マレイン
酸2.8kg、ラウリルメルカプタン10g、t−ブチ
ルパーオキシピバレート6.3gおよび酢酸イソプロピ
ル19lを仕込み、窒素で数回パージした後、液化イソ
ブテン5.2lを仕込み、60℃で6時間反応を行っ
た。 【0039】得られた粒子を遠心分離後乾燥し、4.4
kgの無水マレイン酸/イソブテン共重合体を得た。元
素分析より、得られた共重合体は50モル%の無水マレ
イン酸単位を含んでいた。相対溶液粘度は2.0であっ
た。同様の方法で数バッチ反応を行い、無水マレイン酸
/イソブテン共重合体サンプルを作成した。 【0040】実施例1 撹拌機、窒素導入管、温度計および脱気管の付いた30
lオートクレーブに、参考例1で得られた共重合体粒子
2kgおよび酢酸イソプロピル20lを仕込み、液化メ
チルアミン750mlを導入し、80℃で5時間撹拌し
た。反応後のポリマー粒子を遠心分離後乾燥し、2.4
kgの無水マレイン酸/イソブテン共重合体のアミド化
物を得た。 【0041】得られた共重合体はIR測定により、18
50cm-1の酸無水物に基づく吸収の消失および新たに
アミドおよびカルボン酸単位に基づく吸収が認められた
ことより、酸無水物単位がアミンにより開環アミド化し
ていることが確認できた。撹拌機、窒素導入管、温度計
および蒸留装置の付いた15lオートクレーブに、前記
の無水マレイン酸/イソブテン共重合体粒子のアミド化
物1.8kgおよびn−デカン(溶解性パラメータδ
値:6.6)7.2kgを仕込み、窒素置換後、発生す
る水および過剰のアミンを留去しながら165℃に昇温
し、5時間反応した。得られた粒子を濾過後、ヘキサン
で洗浄し、乾燥した。IRスペクトルの1700および
1780cm-1の特性吸収、13C−NMRおよび元素分
析の結果より、イミド化率は100%であり、N−メチ
ルスクシンイミド単位を50モル%およびイソブテンに
由来する単位50モル%からなる共重合体であることを
確認した。得られたポリマー粒子を230℃で3分間プ
レスすることにより、黄色度評価用シートを得た。得ら
れた試験片の黄色度の平均値は3.3であった。得られ
たサンプルはクロロホルムに可溶であり、GPCより求
めた数平均分子量は120000であった。 【0042】次に、得られたイミド化ポリマー粒子10
0重量部に0.2重量部のトリス(2,4−ジ(t−ブ
チル)フェニル)フォスファイトを振り混ぜ、ホッパー
下より先端ノズル方向へ150℃、260℃、280
℃、270℃に設定した二軸押出機を用いて、窒素雰囲
気下連続的に押出し、透明のストランドを得た。得られ
たストランドをカッティングし、ペレットを得た。 【0043】得られたペレットをミニマット(住友重機
社製)を用いて、射出温度300℃、金型温度100℃
で射出成形を行い、試験片を作製した。得られた試験片
の曲げ強度は1300kg/cm2、曲げ弾性率は47
000kg/cm2、アニール後の熱変形温度は155
℃であった。 【0044】比較例1 撹拌機、窒素導入管および温度計の付いた15lオート
クレーブに、前記の無水マレイン酸/イソブテン共重合
体粒子のアミド化物2.7kgおよびベンゼン(溶解性
パラメータδ:9.2)6.3kgを仕込み、窒素置換
後165℃に昇温し、5時間反応した。得られたポリマ
ーを取り出し、乾燥後、プレスにより黄色度評価用試験
片を作成した。得られたサンプルの黄色度の平均値は2
8であった。 【0045】比較例2 撹拌機、窒素導入管、温度計および蒸留装置の付いた1
5lオートクレーブに、前記の無水マレイン酸/イソブ
テン共重合体粒子のアミド化物2.7kgおよびシクロ
ヘキサノン(溶解度パラメータδ:9.9)6.3kg
を仕込み、窒素置換後160℃に昇温した。昇温後10
分でブロッキングが起こり、反応を中断した。 【0046】 【発明の効果】実施例より明かなように、本発明の製造
方法により黄色度が低く、透明性に優れたスクシンイミ
ド共重合体を生産性良く得ることができる。これらは、
光学部品、自動車部品、電気電子部品をはじめ多くの分
野で有用である。 【0047】

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】無水マレイン酸単位40〜60モル%、オ
    レフィン単位60〜40モル%および共重合可能な他の
    単量体単位0〜20モル%からなる共重合体と、1種類
    以上のアミン化合物との反応により一般式(I)で示さ
    れるスクシンイミド単位を含む共重合体を製造するにお
    いて、溶解度パラメータが9.0以下の溶剤(ポリマー
    ハンドブック第3版記載によるところの溶解度パラメー
    タδ値(cal/cm 3 1/2 。但し、アルコール溶媒及
    び芳香族溶媒を除く。)を用い、スラリー状態で閉環イ
    ミド化することを特徴とする共重合体の製造法。 【化1】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基ま
    たはシクロアルキル基を示す)
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