JP2560719B2 - 耐久性に優れた溶融亜鉛メツキ鋼板の製造方法 - Google Patents

耐久性に優れた溶融亜鉛メツキ鋼板の製造方法

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JP2560719B2
JP2560719B2 JP62094309A JP9430987A JP2560719B2 JP 2560719 B2 JP2560719 B2 JP 2560719B2 JP 62094309 A JP62094309 A JP 62094309A JP 9430987 A JP9430987 A JP 9430987A JP 2560719 B2 JP2560719 B2 JP 2560719B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は耐久性に極めて優れた溶融亜鉛メッキ鋼板に
関するものであり、特に密着性に優れ、経時の光沢保持
性及び汚染性に優れた溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法に
関するものである。
(従来の技術) これまでも、外壁用や屋根材用などといった、いわゆ
る建築用材料、ダクト、あるいはパイプなどの用途に、
比較的安価であって、しかも、腐食性などに優れる溶融
亜鉛メッキ鋼板が、大量に利用されている。
しかしながら、かかる溶融亜鉛メッキ鋼板は、そのま
までは、比較的に短期間で以て、亜鉛の溶解が進行し、
劣化するに到ることが認められている。
こうした溶融亜鉛メッキ鋼板からの、亜鉛の溶解を低
減化せしめるべく、従来においては、リン酸亜鉛処理に
よる化成処理、エポキシ系樹脂によるプライマーを施し
たのちに、オイルフリー・アルキッド樹脂またはアクリ
ル−ウレタン系樹脂などによる塗装処理が行なわれてい
るけれども、このようにすることによって、無塗装の場
合に比して、数倍も長く、亜鉛の溶解が抑えられ、ひい
ては、比較的長期に亘る曝露にも耐えるようになってい
る。しかしながら、これらの処理技術によっても未だ著
しく早い表面光沢の低下があり、又これら樹脂塗膜と溶
融亜鉛メッキ鋼板との密着性は余り良くないためにより
長期の曝露には耐えられない等の問題点があり、これら
の改良が求められているのが現状である。
(発明が解決しようとする問題点) しかるに、本発明者らは、上述したような従来型技術
における種々の欠点ないしは問題点を解消し解決するべ
く、そして、従来の塗装処理において用いられていた樹
脂に比して、とりわけ、光沢、硬度ならびに耐久性など
に優れるという、極めて実用性の高い樹脂を求めて、鋭
意、検討を進めた。
その結果、塩基性窒素原子を有するビニル系重合体
と、一分子中にエポキシ基および加水分解性シリル基を
併有する化合物と、シラノール基を有する化合物および
/または上記したエポキシ基・加水分解性シリル基併有
化合物とから成る樹脂組成物を、溶融亜鉛メッキ鋼板に
塗装せしめた場合には、従来において使用されていた樹
脂に比して、とりわけ、優れた密着性を有するし、従来
における欠点の悉くを解消し得るという、極めて実用性
の高い溶融亜鉛メッキ鋼板が得られることを見出すに及
んで、ここに、本発明を完成させるに到った。
本発明の目的は、長期間曝露に対しても表面光沢の低
下が極めて低く、長期間曝露に耐えるより広い用途へ展
開可能な溶融亜鉛メッキ鋼板を提供することにある。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明を詳述することにすれば、まず、本
発明は、基本的には、必須の成分として、それぞれ、塩
基性窒素原子(以下、塩基性窒素と略記する)を有する
ビニル系重合体(A)と、一分子中にエポキシ基および
加水分解性シリル基を併有する化合物(B)と、シラノ
ール基を有する化合物(C−1)および/または上記化
合物(B)を除く、加水分解性シリル基含有化合物(C
−2)とを含有し、さらに必要に応じて、上記した加水
分解性シリル基の加水分解−縮合用触媒(D)をも含有
するという特定の常温硬化性樹脂組成物を、溶融亜鉛メ
ッキ鋼板に塗工せしめることから成る、とりわけ、耐久
性に優れた溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法を提供しよう
とするものである。
以下、本発明の構成について詳しく説明する。
本発明について、まず、前記した塩基性窒素含有ビニ
ル系重合体(A)とは、一分子中に少なくとも1個、好
ましくは少なくとも2個の塩基性窒素、すなわち一級ア
ミノ基、二級アミノ基および三級アミノ基より成る群か
ら選ばれる少なくとも1種のアミノ基を含有するビニル
系重合体を指称するものであり、かかる重合体(A)と
しては、 前掲した如きいずれかのアミノ基を含有するビニル
系単量体〔以下、ビニル系単量体(a−1)ともい
う。〕を(共)重合せしめる、あるいは、 カルボン酸無水基(以下、これを酸無水基と略記す
る)を含有するビニル系重合体〔以下、重合体(a−
3)ともいう〕と、一分子中にそれぞれ少なくとも1個
のこの酸無水基と反応しうる活性水素を有する基および
第三級アミノ基を併せ有する化合物〔以下、これを化合
物(a−4)と略記する〕とを反応せしめる、 などの公知の方法によって調製することができる。
そのうち、上掲の方法によりビニル系重合体(A)
を調製するに当って用いられるアミノ基含有ビニル系単
量体(a−1)の代表的なものとしては、ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレートもしくはジエチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレートの如き各種ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレート類;N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミドもしくはN−ジエチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミドの如きN−ジアルキルアミノ
アルキル(メタ)アクリルアミド類;あるいはt−ブチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレート、アジリジニルエチル
(メタ)アクリレート、ピロリジニルエチル(メタ)ア
クリレートまたはピペリジニルエチル(メタ)アクリレ
ートなどが挙げられるが、硬化性などの点からすればジ
アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類および
N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド
類が、特に望ましい。
また、本発明においてはこれらのアミノ基含有のビニ
ル系単量体(a−1)と共重合可能な他のビニル系単量
体(a−2)を用いることができ、その代表的なもの
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−
プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)ア
クリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert
−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
もしくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの
如き各種(メタ)アクリル酸エステル類;ジメチルマレ
ート、ジメチルマレート、ジメチルフマレートもしくは
ジメチルイタコネートの如き不飽和二塩基酸のジアルキ
ルエステル類;(メタ)アクリル酸、モノブチルマレー
ト、モノブチルフマレート、クロトン酸、マレイン酸、
フマル酸もしくはイタコン酸の如きカルボキシル基含有
ビニル系単量体;無水マレイン酸もしくは無水イタコン
酸の如き酸無水基含有ビニル系単量体;(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N
−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセト
ン(メタ)アクリルアミドもしくはN−メチロール(メ
タ)アクリルアミドの如き各種カルボン酸アミド基含有
ビニル系単量体;p−スチレンスルホンアミド、N−メチ
ル−p−スチレンスルホンアミドもしくはN,N−ジメチ
ル−p−スチレンスルホンアミドの如き各種スルホンア
ミド基含有ビニル系単量体;(メタ)アクリロニトリル
の如きシアノ基含有ビニル系単量体;上掲の如き(メ
タ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類などの
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアル
キルエステル類と燐酸ないしは燐酸エステル類との縮合
生成物たる燐酸エステル結合含有ビニル系単量体;p−ス
チレンスルホン酸もしくは2−アクリルアミド−2−メ
チル−プロパンスルホン酸の如きスルホン酸基含有ビニ
ル系単量体;酢酸ビニル、安息香酸ビニルもしくは「ベ
オバ」(オランダ国シエル社製のビニルエステル)の如
き各種ビニルエステル類;「ビスコート8F、8FM、3Fも
しくは3FM」〔大阪有機化学(株)製の含ふっ素(メ
タ)アクリルモノマー類〕またはパーフルオロシクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、ジ−パーフルオロシクロ
ヘキシルフマレートもしくはN−isoプロピルパーフル
オロオクタンスルホンアミドエチル(メタ)アクリレー
トの如き(パー)フルオロアルキル基含有ビニル系単量
体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、ふっ化ビニル、ふっ
化ビニリデンもしくはクロロトリフルオロエチレンの如
きハロゲン化オレフィン類;あるいはスチレン、α−メ
チルスチレン、p−tert−ブチルスチレンもしくはビニ
ルトルエンの如き芳香族ビニルモノマーなどがある。
そして、以上に掲げられた各種の単量体を用いて前記
したビニル系重合体(A)を調製するには、アミノ基含
有ビニル系単量体(a−1)の0.5〜100重量%、好まし
くは1〜70重量%と、該アミノ基含有ビニル系単量体と
共重合体可能な他のビニル系単量体(a−2)の99.5〜
0重量%、好ましくは99〜30重量%とを共重合させれば
よい。
また、アミノ基含有ビニル系単量体(a−1)と共重
合可能な他のビニル系単量体(a−2)として、前掲し
たようなカルボキシル基含有単量体または燐酸エステル
結合含有単量体を併用することにより該当ビニル系重合
体(A)中にカルボキシル基または燐酸エステル結合を
導入せしめることができ、かくすることによって本発明
組成物の硬化性を一層向上せしめることもできる点で、
特に望ましい。
以上に掲げられた各種の単量体から当該ビニル系重合
体(A)を調製するには、従来公知のいずれの重合方法
も適用しうるが、溶液ラジカル重合法によるのが最も簡
便である。
そのさいに用いられる溶剤類として代表的なものには
トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、
オクタンの如き各種炭化水素系;メタノール、エタノー
ル、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノ
ール、sec−ブタノール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルの如き各種アルコール系;酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸アミルの如き各種エス
テル系;またはアセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノンの如き各種ケトン
系などがあり、これらは単独で、あるいは混合して用い
ることができる。
かかる溶剤類と、さらにアゾ系または過酸化物系の如
き公知慣用の各種のラジカル重合開始剤とを用いて常法
により重合を行なえばよく、このさい、さらに必要に応
じて、分子量調節剤としてラウリルメルカプタン、オク
チルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオグ
リコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸また
はα−メチルスチレン・ダイマーの如き連鎖移動剤をも
用いることができる。
次いで、前掲の方法によりビニル系重合体(A)を
調製するさいに用いられる酸無水基を含有するビニル系
重合体(a−3)は、無水マレイン酸や無水イタコン酸
の如き酸無水基を含有する単量体と、これらの単量体と
共重合可能な単量体とを、前掲した如き溶剤類のうちア
ルコール系を除いた溶剤中でラジカル共重合せしめるこ
とにより調製することができる。
ここにおいて、かかる酸無水基含有ビニル系重合体
(a−3)を調製するにさいして用いられる共重合可能
な単量体としては、前掲の方法で用いるものとして掲
げられた如き、アミノ基含有ビニル系単量体(a−1)
と共重合体可能な他のビニル系単量体のうち、水酸基を
含有する単量体以外は、いずれもが使用できる。
そして、前掲の如き酸無水基を含有する単量体の使用
量としては、耐候性および耐アルカリ性などの点から0.
5〜50重量%、好ましくは1〜20重量%なる範囲内が適
当であり、他方、共重合可能な単量体の使用量としては
99.5〜50重量%、好ましくは99〜80重量%なる範囲内が
適当である。
またこのさい、共重合可能な単量体の一成分として前
掲したようなカルボキシル基含有単量体または燐酸エス
テル結合含有単量体をも併用するような場合には、後掲
する如き、酸無水基と反応しえる活性水素を有する基
(以下、活性水素含有基と略記する。)および第三級ア
ミノ基を併せ有する化合物(a−4)との反応にさいし
ての反応時間が短縮できるし、本発明組成物の硬化性を
一層向上せしめることもできるという点で、特に望まし
い。
ここにおいて、かかる化合物(a−4)とは当該化合
物中に存在する活性水素含有基としては水酸基、一級も
しくは二級アミノ基、またはチオール基の如き各基を有
する化合物を指称するものであるが、それらのうちでも
最も好ましい化合物としては第三級アミノ基を有するア
ルコール類および第三級アミノ基を有する第一級または
第二級アミン類などが挙げられる。
そのうち、前者アミノアルコール類として代表的なも
のには二級アミン類とエポキシ化合物との付加物などが
あるが、ここに用いられる二級アミン類として代表的な
ものにはジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピル
アミン、ジブチルアミン、エチレンイミン、モルホリ
ン、ピペラジン、ピペリジンまたはピロリジンなどがあ
るし、さらにはメチルアミン、エチルアミンまたはブチ
ルアミンの如き一級アミン類とモノ−もしくはポリエポ
キシ化合物との付加によって得られる二級アミノ基含有
アミノアルコール類などがあるし、他方、エポキシ化合
物の代表的なものにはエチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、ブチレンオキサイド、ドデセンオキサイ
ド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、
ブチルグリシジルエーテルもしくはフエニルグリシジル
エーテル;またはp−tert−ブチル安息香酸グリシジル
エステルもしくは「カージュラE−10」(オランダ国シ
エル社製の分岐脂肪酸のグリシジルエステル)などのモ
ノエポキシ化合物;あるいはエチレングリコールジグリ
シジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルもしくは
グリセリンのトリグリシジルエーテルの如き多価アルコ
ール(ポリオール)のポリグリシジルエーテル類;フタ
ル酸のジグリシジルエステル、イソフタル酸のジグリシ
ジルエステルもしくはアジピン酸のジグリシジルエステ
ルの如き多価カルボン酸(ポリカルボン酸)のポリグリ
シジルエステル類:またはビスフエノールAないしはビ
スフエノールFからのジグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂もしくはビダントイン
環含有エポキシ樹脂の如き各種エポキシ樹脂などのポリ
エポキシ化合物などがあるし、さらにはp−オキシ安息
香酸のグリシジルエステルエーテルまたは側鎖にエポキ
シ基を有する各種ビニル系(共)重合体などがある。
かかる二級アミン類とエポキシ化合物とを反応させて
得られる前記第三級アミノ基含有アミノアルコール類の
代表的なものにはジメチルアミノエタノール、ジエチル
アミノエタノール、ジ−n−プロピルアミノエタノー
ル、ジ−iso−プロピルアミノエタノール、ジ−n−ブ
チルアミノエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)
モルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジ
ン、N−(2−ヒドロキシエチル)−アジリジン、N,N
−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジ
エチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、トリエタノー
ルアミンまたはトリプロパノールアミンなどがあるが、
さらに当該三級アミノ基含有アミノアルコール類として
は、以上に掲げられたもののほかにも、エタノールアミ
ンまたはプロパノールアミンの如きアミノアルコール類
と、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートまたは
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの如き三級
アミノ基を有する(メタ)アクリレート系単量体との付
加物、あるいは該三級アミノ基含有(メタ)アクリレー
ト系単量体とβ−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
トの如き水酸基含有単量体などとの共重合によって得ら
れる側鎖に三級アミノ基と水酸基とを併せ有するビニル
系共重合体もまた使用できる。
別に、前記した三級アミノ基含有の一級または二級ア
ミン類として代表的なものにはN,N−ジメチル−1,3−プ
ロピレンジアミンもしくはN,N−ジエチル−1,3−プロピ
レンジアミンの如きN,N−ジアルキル−1,3プロピレンジ
アミン類;N,N−ジメチル−1,4−テトラエチレンジアミ
ンもしくはN,N−ジエチル−1,4−テトラメチレンジアミ
ンの如きN,N−ジアルキル−1,4−テトラメチレンジアミ
ン類;N,N−ジメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミンも
しくはN,N−ジエチル−1,6−ヘキサメチレンジアミンの
如きN,N−ジアルキル−1,6−ヘキサメチレンジアミン
類;N,N,N′−トリメチル−1,3−プロピレンジアミン、
N,N,N′−トリエチル−1,3−プロピレンジアミンもしく
はN,N,N′−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン
の如きN,N,N′−トリアルキルアルキレンジアミン類;
またはN−メチルピペラジンもしくはN−エチルピペラ
ジンの如きN−アルキルピペラジン類;あるいは上掲し
た如き三級アミノ基含有(メタ)アクリレート系単量体
と、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、ピペラジン、メチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミンまたはアンモニアなどとの付加物
などがある。
硬化性などの面からすれば、とくにN,N−ジアルキル
アミノエタノールやN,N−ジアルキルアルキレンジアミ
ンが好ましい化合物(a−4)として挙げられる。
そして、前掲した如き重合体(a−3)とかかる化合
物(a−4)とから本発明組成物におけるベース樹脂成
分たる塩基性窒素含有ビニル系重合体(A)を得るに
は、それぞれ重合体(a−3)中の酸無水基の1当量に
対して化合物(a−4)中の活性水素含有基が0.5〜3
当量程度となるような比率で両者化合物を混合し、室温
から120℃程度までの温度範囲で反応させればよい。
また、化合物(a−4)とてN,N−ジメチル−1,3−プ
ロピレンジアミンの如き三級アミノ基と一級アミノ基と
を併に有する化合物を用いる場合には、これら(a−
3)と(a−4)との両化合物の間での付加反応によ
り、まず初めに、下記の如き反応式で示されるようにし
てカルボキシル基とN−モノ置換アミド基とを有する重
合体〔I〕が得られる。
ここに得られる重合体〔I〕はそのままでも本発明に
おいて用いられ得るが、硬化塗膜の耐汚染性や耐アルカ
リ性などの要求されるような用途に対しては、次いで、
かかる重合体を70〜150℃程度の温度に保持して脱水閉
環させることによりイミド環を有する重合体〔II〕に変
換せしめて、本発明組成物のベース樹脂成分(A)とし
て使用するのが好ましい。
次いで、本発明の必須成分である前記した一分子中に
それぞれエポキシ基と加水分解性シリル基とを併せ有す
る化合物(B)としては、これら両種の反応性基を併有
するビニル系重合体やエポキシ基を有するシランカップ
リング剤などが代表的なものである。
ここにおいて、かかる加水分解性シリル基とは、一般
で示されるハロシリル基、アルコキシシリル基、アシロ
キシシリル基、フェノキシシリル基、イミノオキシシリ
ル基またはアルケニルオキシシリル基などの如き加水分
解され易い反応性基を指称するものとする。
上記した如き特定の両反応性基を併有するビニル系重
合体(B)を調製すのには、公知の方法がいずれも適用
できるが、.γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アク
リロイルオキシプロピルトリイソプロペニルオキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイミ
ノオキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニル(トリス−β−メトキシエト
キシ)シラン、ビニルトリアセトキシシランまたはビニ
ルトリクロルシランなどの加水分解性シリル基を有する
ビニル系単量体類と、(β−メチル)グリシジル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ジ(β
−メチル)グリシジルマレートまたはジ(β−メチル)
グリシジルフマレートなどのエポキシ基を有するビニル
系単量体類とを、さらには必要に応じて、アミノ基含有
ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体とし
て前掲した如き各種の単量体をも用いて溶液ラジカル共
重合せしめるか、あるいはγ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロペニルオキ
シシランまたはγ−メルカプトプロピルトリイミノオキ
シシランの如き連鎖移動剤の存在下に、前掲した如きエ
ポキシ基含有ビニル系単量体類を必須の成分とする単量
体混合物を溶液ラジカル(共)重合せしめるなどの方法
が簡便なものとして挙げられる。
そして、かかる上記なる方法により当該化合物
(B)を調製するには、前掲した如き加水分解性シリル
基含有単量体類をも併用することができるのは勿論であ
る。
次いで、前記したエポキシ基含有シランカツプリング
剤の代表的なものとしては、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロペ
ニルオキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイミ
ノオキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリイソ
プロペニルオキシシランまたはγ−イソシアネートプロ
ピルトリメトキシシランなどとグリシドールとの付加
物;あるいはγ−アミノプロピルトリメトキシシランな
どとジエポキシ化合物との付加物などが挙げられるが、
とくにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランま
たはγ−グリシドキシプロピルトリイソプロペニルオキ
シシランが硬化性ならびに経済性などの面から好適であ
る。
次に、本発明の任意成分について説明する。
本発明の任意成分である前記した(C)成分化合物の
一つとして、シラノール基を含有する化合物(C−1)
であるが、かかる化合物(C−1)の代表的なものに
は、メチルトリクロルシラン、フェニルトリクロルシラ
ン、エチルトリクロシラン、ジメチルジクロルシランも
しくはジフェニルジクロルシランの如きハロシラン類を
ほぼ完全に加水分解させて得られるような低分子量のシ
ラノール化合物;これらのシラノール化合物を更に脱水
縮合させて得られるシラノール基を有するポリシロキサ
ン類;前掲した如き各種のアルコキシシラン類やアルケ
ニルオキシシラン類の如き化合物を加水分解縮合させて
得られるシラノール基を有するポリシロキサン類;ある
いは末端にシラノール基を有するシリコーン樹脂;さら
には「トーレシリコーンSH−6018」〔東レシリコーン
(株)製品〕などで代表されるような環状シロキサン構
造を有するシラノール化合物などがある。
他方、前記した化合物(C−2)たる、エポキシ基を
含有しない加水分解シリル基を含有する化合物とは、前
掲の一般式〔III〕で示されるような加水分解性シリル
基を一分子中に少なくとも1個含むが、エポキシ基だけ
は含有しない低分子量の化合物または樹脂類などを指称
するものである。したがって、当該化合物(C−2)に
は、前掲されたような各種の化合物(B)は当該しな
い。
当該化合物(C−2)として代表的なものは、テトラ
メトキシシラン、トリメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、トリエトキシシラン、テトラプロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン、テトラオクトキシシラン、
テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラベ
ンジルオキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシ
シラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシランもしくはγ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシランの如きアルコキ
シシラン類;テトライソプロペニルオキシシラン、フェ
ニルトリイソプロペニルオキシシラン、γ−イソシアネ
ートプロピルトリイソプロペニルオキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルトリイソプロペニルオキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロペニルオキシ
シランもしくはテトラブテニルオキシシランの如きアル
ケニルオキシシラン類;テトラアセトキシシラン、メチ
ルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
アセトキシシラン、テトラプロピオニルオキシシラン、
フェニルトリプロピルオニルオキシシランもしくはビニ
ルトリアセトキシシランの如きアシロキシシラン類;テ
トラクロルシラン、フェニルトリクロルシラン、テトラ
ブロモシランもしくはベンジルトリブロモシランの如き
ハロシラン類;テトラキス(ジメチルイミノオキシ)シ
ラン、メチルトリス(ジメチルイミノオキシ)シラン、
テトラキス(メチル−エチルイミノオキシ)シラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリス(ジメチルイミノオキ
シ)シランもしくはγ−メルカプトプロピルトリス(ジ
メチルイミノオキシ)シランの如きイミノオキシシラン
類;上掲の如きアルコキシシラン類を部分加水分解縮合
させて得られるアルコキシシリル基含有シロキサンオリ
ゴマー類;上掲した如きアルケニルオキシシラン類を部
分加水分解縮合させて得られるアルケニルオキシ基含有
シロキサンオリゴマー類;上掲のγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシランまたはγ−メタクリロ
キシプロピルトリアセトキシシランの如き各種の加水分
解性シリル基含有ビニル系単量体の単独重合体あるいは
該単量体類と共重合可能な単量体類との共重合体類;上
掲のγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリイソプロペニルオキシシランま
たはγ−メルカプトプロピルトリアセトキシシランの如
き加水分解性シリル基を含有するメルカプタン類を連鎖
移動剤として使用し、必要に応じて上掲した如き各種の
加水分解性シリル基含有ビニル系単量体を含んだビニル
系単量体を(共)重合させて得られる末端に加水分解性
シリル基を含有するビニル系重合体類;多価アルコール
類、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有アルキド樹
脂、水酸基含有ポリエステル樹脂またはポリエーテルポ
リオールの如き各種のポリヒドロキシ化合物と上掲の如
きアルコキシシラン類を始めとする各種の加水分解性シ
リル基含有化合物とを、特開昭58−168625号公報に開示
されている如き方法に従って反応させて得られる樹脂
類;ジアリルサクシネート、トリアリルトリメリテート
もしくはジアリルフタレートの如き低分子量のポリアリ
ル化合物、不飽和結合含有ビニル系重合体、不飽和結合
含有ポリエステル樹脂もしくは不飽和結合含有アルキド
樹脂の如き各種の不飽和結合化合物とトリメトキシキラ
ンもしくはトリエトキシシランの如き加水分解性シリル
基含有ヒドロシラン類との付加物類;エポキシ基含有ビ
ニル系重合体もしくはエポキシ樹脂の如き各種のエポキ
シ基含有化合物と上掲の如き各種のメカプトシラン類と
の付加物類;あるいはγ−イソシアネートプロピルトリ
メトキシシランやγ−イソシアネートプロピルトリイソ
プロペニルオキシシランの如き各種の、イソシアネート
基をもった加水分解性シリル基含有化合物と上掲した如
き各種のポリヒドロキシ化合物とを反応させて得られる
ウレタン結合含有樹脂類;さらには分子末端に加水分解
性シリル基を含有するシリコーン樹脂などがある。
本発明の溶融亜鉛メッキ鋼板に塗工される前記した各
成分からなる常温硬化性樹脂組成物においては、必ずし
も硬化触媒を添加しなくとも良好な硬化性を有するもの
ではあるが、一層この硬化性を向上させたい場合には、
前述した如き加水分解性シリル基の加水分解用、そして
縮合用触媒として前記触媒(D)を添加することは何ら
妨げるものではない。
かかる触媒(D)として代表的なものには水酸化ナト
リウム、水酸リチウム、水酸化カリウムもしくはナトリ
ウムメチラートの如き塩基性化合物類;テトライソプロ
ピルチタネート、テトラブチルチタネート、オクチル酸
錫、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜
鉛、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸鉛、ナフテン酸
コバルト、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオク
テート、ジブチル錫ジラウレートまたはジブチル錫マレ
ートの如き含金属化合物類;あるいはp−トルエンスル
ホン酸、トリクロル酢酸、燐酸、モノアルキル燐酸、ジ
アルキル燐酸、モノアルキル亜燐酸またはジアルキル亜
燐酸の如き酸性化合物などがある。
以上に掲げられた(A)〜(D)成分から本発明の常
温硬化性樹脂組成物を得るには、(A)成分中に存在す
る反応性基、つまりアミノ基とカルボキシル基および/
または燐酸エステル結合などの1当量に対して、(B)
成分中に存在するエポキシ基が0.2〜5当量程度となる
ような割合で、これら(A),(B)両成分を配合する
一方、これらの(A),(B)の両成分の総量100重量
部に対し必要に応じて(C)成分の1〜1,000重量部、
好ましくは2〜500重量部程度をも配合せしめ、(D)
成分を(A),(B)からなる二必須成分の総量の0.01
〜10重量%程度添加せしめればよい。
本発明の常温硬化性樹脂組成物には、さらに有機系も
しくは無機系の顔料類をはじめ、流動調整剤、色分れ防
止剤、紫外線吸収剤または酸化防止剤などの如き公知慣
用の各種の添加剤類;ニトロセルロースもしくはセルロ
ースアセテートブチレートの如き繊維素誘導体類;ある
いは塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、石油
樹脂または塩化ゴムなどの如き各種の樹脂類を添加せし
めることもできる。
以上のようにして調製される本発明の常温硬化性樹脂
組成物は、溶融亜鉛メッキ鋼板に塗工される。塗工方法
は、特に限定されるものではなく、刷毛塗り、スプレー
コート、ロールコート、浸漬等いづれの方法でも可能で
ある。
乾燥塗膜厚として溶融亜鉛メッキ鋼板上に10〜100μ
m、通常は20〜80μmの厚みで塗工される。
本発明の常温硬化性樹脂組成物は溶融亜鉛メッキ鋼板
に対する密着性に優れており、このためプライマーなし
に塗工することができるが、勿論、従来使用されている
プライマーを使用し、その上に前記常温硬化性樹脂組成
物を塗工することも可能である。
本発明の常温硬化性樹脂組成物で塗工された溶融亜鉛
メッキ鋼板は、その表面に常法によって数日間乾燥させ
ることにより、密着性、光沢保持性、硬度などに優れた
塗膜を形成することができる。
(本発明の用途) かくして得られる溶融亜鉛メッキ鋼板は従来使われて
いる外壁用、屋根材用といった建材用は勿論、従来耐久
性の点でその用途が限定されていた自動車用、家電用と
いった分野へ大きく展開しうるものである。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により一
層具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限さ
れるものではない。なお、以下において部および%は特
に断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
参考例1〔塩基性窒素含有ビニル系重合体(A)の調製
例〕 撹拌装置、温度計、還流冷却管および窒素導入管を備
えた反応器に、トルエンの392部およびiso−ブタノール
の408部を仕込み、窒素雰囲気中で80℃に昇温して、メ
チルメタクリレートの900部、ジメチルアミノエチルメ
タクリレートの100部、アゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)の5部、tert−ブチルパーオキシオクトエート(T
BPO)の5部およびトルエンの200部からなる混合物を3
時間かけて滴下した。滴下終了後も同温度に2時間保持
してから、さらにAIBNの5部、トルエンの448部およびi
so−ブタノールの37部からなる混合物を1時間で滴下し
た。次いで、同温度に12時間保持して不揮発分(NV)が
40%で且つ数平均分子量(▲▼)が12,000なる三級
アミノ基含有ビニル系重合体(A)の溶液を得た。以
下、これを重合体(A−1)と略記する。
参考例2〜5(同上) 単量体の使用割合を第1表に示されるように変更する
以外は、参考例1と同様にして三級アミノ基含有ビニル
系重合体(A)の溶液を得た。以下、これを順次、重合
体(A−2)〜(A−5)と略記する。
参考例6〔同上〕 参考例1と同様の反応器にトルエン300部、および酢
酸ブチルの400部を仕込んで窒素雰囲気中で110℃に昇温
してスチレン100部、メチルメタクリレートの400部、n
−ブチルメタクリレート300部、n−ブチルアクリレー
トの130部、アクリル酸30部、無水アレイン酸の40部、A
IBNの10部、TBPOの5部、tert−ブチルパーオキシベン
ゾエート(TBPB)の5部およびトルエンの300部からな
る混合物を3時間に亘って滴下し、滴下終了後も同温度
に15時間保持して反応を続行させ、NVが50%で、かつ▲
▼が10.000なる、酸無水基とカルボキシル基とを併
有するビニル系重合体(a−3)の溶液を得た。以下こ
れを重合体(a−3−1)と略記する。
次いで、この重合体溶液を70℃に降温してから、これ
にN,N−ジメチルアミノエタノールの40部を添加し、し
かるのち同温度に5時間保持し、さらにn−フダタノー
ルの270部を加えてNVが4.5%なる、三級アミノ基とカル
ボキシル基とを併有するビニル系重合体(A)の溶液を
得た。以下、これを重合体(A−6)と略記する。
参考例7(同上) 無水マレイン酸の代わりに同量の無水イタコン酸を用
いるように変更した以外は、参考例6と同様にしてNVが
45%なる、三級アミノ基とカルボキシル基とを併有する
ビニル系重合体(A)の溶液を得た。以下、これを重合
体(A−7)と略記する。
参考例8(同上) 参考例6で得られた(a−3−1)溶液の1,000部を
窒素気流中で90℃に昇温し、これにN,N−ジメチル−1.3
−プロピレンジアミンの20.8部を添加し、同温度に6時
間保持して脱水反応せしめた。この間、反応初期の酸価
が22.7であったものが反応の終了時には12.5まで低下し
た。このことから、一旦生成したアミド結合の約90%が
イミド環に変換されたことが知れる。
またIRスペクトル分析によると、アミド結合の吸収が
消失し、その代わりイミド環に起因する1,700-1cmの吸
収が確認された。
このようにして得られたイミド環を含有する重合体溶
液に、135部のn−ブタノールを加えてNVが45%で、か
つガードナーカラーが1以下なる目的重合体(A)の溶
液を得た。以下、これを重合体(A−8)と略記する。
参考例9〔一分子中にそれぞれエポキシ基と加水分解性
シリル基とを併有する化合物(B)の調製例〕 参考例1と同様の反応器にトルエン870部、およびscc
−ブタノール300部を仕込んで窒素気流中で90℃に昇温
し、さらにn−ブチルメタクリレート310部、n−ブチ
ルアクリレートの100部、グリシジルメタクリレートの5
00部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
の50部、TBPOの50部およびトルエンの170部からなる混
合物ならびにγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ンの40部およびトルエンの160部からなる混合物を6時
間かけて滴下し、滴下終了後も同温度に15時間保持して
NVが40%で、かつ▲▼が4.200なる、エポキシ基と
メトキシシリル基とを併有する重合体(B)の溶液を得
た。以下、これを重合体(B−1)と略記する。
参考例10〔同上〕 参考例1と同様な反応器に、トルエンの1,100部およ
びscc−ブタノールの300部を仕込んで窒素雰囲気中で10
0℃に昇温してメチルメタクリレート100部、n−ブチル
メタクリレートの200部、iso−ブチルアクリレートの10
0部、グリシジルメタクリレートの400部、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシランの200部、TBPOの50
部、TBPBの5部およびトルエンの100部からなる混合物
を8時間に亘って滴下し、滴下終了後も同温度に15時間
保持しNVが40%で、かつ▲▼が4.500なる、エポキ
シ基とメトキシシリル基とを併有する重合体(B)の溶
液を得た。以下、これを重合体(B−2)と略記する。
参考例11〔エポキシ基を含有しなく、加水分解性シリル
基を含有する化合物(C−2)の調製剤〕 参考例1と同様な反応器にトルエンの800部およびn
−ブタノールの500部を仕込んで窒素ガス雰囲気下で110
℃に昇温し、スチレンの200部、n−ブチルメタクリレ
ートの300部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランの500部、TBPOの40部、TBPBの5部およびトル
エンの200部からなる混合物を8時間かけてて滴下し、
さらに滴下終了後も同温度に15時間保持して、NVが40%
で、かつ▲▼が5,000なるメトキシシリル基含有の
ビニル系重合体(C−2)の溶液を得た。以下、これを
化合物(C−2−1)と略記する。
参考例12(同上) γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの代
わりに、同量のγ−メタクリロキシプロピルトリイソプ
ロペニルオキシシランを使用するように変更した以外
は、参考例11と同様にしてイソプロペニルオキシシリル
基含有重合体(C−2)を得た。以下、これを化合物
(C−2−2)と略記する。
参考例13(同上) 参考例1と同様の反応器に、トリメチロールプロパン
の134部(1モル)、ε−カプロラクトンの684部(6モ
ル)およびテトラブチルチタネートの0.04を仕込んで窒
素気流中で180℃まで昇温し、同温度で6時間反応させ
てトリメチロールプロパン;ε−カプロラクトンのモル
比が1:6なる付加物を得た。次いで、90℃に降温したの
ち、テトラエチルシリケートの936部(テトラエチルシ
リケートと水酸基との当量比=1.5)およびテトラブチ
ルチタネートの5.3部を追加し、110〜120℃でエタノー
ルの留出が停止するまで(3時間)反応させて、テトラ
エトキシシラン変性樹脂を得た。以下、これを化合物
(C−2−3)と略記する。
参考例14(同上) 参考例1と同様の反応器に、エチレングリコールの62
部(1モル)、ε−カプロラクトンの2280部(20モル)
およびテトラブチルチタネートの0.12部を仕込んで窒素
雰囲気中で180℃に昇温し、同温度で6時間反応させ
て、エチレングリコール;ε−カプロラクトンのモル比
が1:20なる付加物を得た。次いで、90℃まで降温したの
ち、酢酸ブチルの118部、γ−イソシアネートプロピル
トリメトキシシランの410部およびオクチル酸錫の0.14
部を添加して同温度に10時間保持して、NVが70%なる両
末端にトリメトキシシリル基をもったポリエステル樹脂
を得た。以下、これを化合物(C−2−4)と略記す
る。
参考例15(同上) 撹拌装置、温度計、窒素導入管および反応生成水留出
管を備えた反応器にアジピン酸157.4部、ヘキサヒドロ
無水フタル酸300部、トリメチロールプロパン203.8部、
ネオペンチルグリコール230部および、ヤシ油脂肪酸200
部を仕込み、窒素気流下で5時間かけて徐々に230℃ま
で昇温し、酸価が10になるまで同温度に保持して脱水縮
合せしめ、水酸基価125のアルキド樹脂を得た。次い
で、90℃まで降温したのち酢酸ブチル624部、γ−イソ
シアネートプロピルトリメトキシシラン456部およびオ
クチル酸錫0.07部を添加し、同温度に10時間保持してNV
70%なるトリメトキシシリル基を有するアルキド樹脂を
得た。以下、これを重合体(C−2−5)と略記する。
<実施例1〜12ならびに比較例1〜3> 第2表に示すような配合比率(部数で以て表示)に従
って調製した配合液を、トルエン/キシレン/n−ブタノ
ール/セロソルブアセテート=40/20/30/10(重量部
比)なる混合溶剤で、スプレー粘度にまで希釈せしめ、
溶融亜鉛メッキ鋼板上に、乾燥塗膜厚が約50マイクロ・
メーター(μm)となるように、スプレー塗装せしめ、
次いで、常温に、7日間のあいだ静置して硬化せしめ
た。
かくして得られた塗装溶融亜鉛メッキ鋼板について、
それぞれの硬化塗膜の、鉛筆硬度と、宮崎市郊外におけ
る2年間に亘る屋外曝露に基づく耐候性(光沢保持率:
%)との評価判定を行なった。
また、比較例として、第2表に示すような、対照用の
樹脂組成物で以て被覆処理した形の硬化塗膜について
も、同様に、評価判定を行なった。
なお、上記した光沢保持率(%)は、光沢計により測
定した、2年間曝露後の塗膜の光沢値を、曝露前の光沢
値で除して、100倍した値であって、此の値が大きいほ
ど、耐候性が良好であることを意味する。
<実施例13〜18,比較例4〜6> 第3表に示される使用樹脂組成物(実施例1〜12で使
用した実施例組成物の中から選択したもの)を用いて、
実施例1〜12と同様にして溶融亜鉛メッキ鋼板に乾燥塗
膜厚が約50μmとなる様にスプレー塗装し、次いで7日
間静置して硬化させた。得られた溶融亜鉛メッキ鋼板
を、宮崎県での屋外曝露試験(2年間)とサンシャンウ
ェザロメータによる促進耐候性試験に供した。
<実施例13〜18ならびに比較例4〜6> 第2表に示すような、実施例1〜12において使用した
樹脂組成物の中から選択したものを用い、此の実施例1
〜12と同様にして、溶融亜鉛メッキ鋼板上に、乾燥塗膜
厚が約50μmとなるように、スプレー塗装せしめ、次い
で、常温に、7日間のあいだ静置して硬化せしめた。
かくして得られた、各種の塗装溶融亜鉛メッキ鋼板に
ついて、それぞれの硬化塗膜の、鉛筆硬度と、宮崎市郊
外における2年間に亘る屋外曝露に基づく耐候性(光沢
保持率:%)と、サンシャイン・ウェザロメーターによ
る促進耐候性試験(光沢保持率:%)との評価判定を行
なった。
比較例として、市販の、それぞれ、アクリル−ウレタ
ン系樹脂組成物(比較例4)オイルフリーアルキッド−
メラミン系樹脂組成物(比較例5)およびイソシアネー
ト硬化型フッ素系樹脂組成物(比較例6)を用い、実施
例13〜18と同様にして、塗装せしめ、硬化せしめた。
かくして得られた、それぞれの対照用の塗装溶融亜鉛
メッキ鋼板についても、同様に、評価判定を行なった。
それらの結果は、まとめて、第3表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の塩基性窒素原子を有するビニル系重合体と、
一分子中にエポキシ基および加水分解性シリル基を併有
する化合物を必須的に含有してなる常温硬化性樹脂組成
物で被覆処理してなる溶融亜鉛メッキ鋼板は、耐久性,
硬度特性が極めて優れている。
従って、本発明の特定樹脂組成物で被覆処理されてな
る溶融亜鉛メッキ鋼板は、従来の外壁用、屋根材用とい
った建材用はもとより、耐久性の点で用途が限定されて
いた自動車用、家電用といった分野でも使用されうるも
のである。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】必須の成分として、塩基性窒素原子を有す
    るビニル系重合体(A)と、一分子中にエポキシ基およ
    び加水分解性シリル基を併せ有する化合物(B)と、シ
    ラノール基を有する化合物(C−1)および/または上
    記化合物(B)を除く、加水分解性シリル基を有する化
    合物(C−2)とを含有し、さらに必要に応じて、上記
    した加水分解性シリル基の加水分解−縮合用触媒(D)
    をも含有する常温硬化性樹脂組成物を塗工せしめること
    を特徴とする、溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記したビニル系重合体(A)が、ジアル
    キルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノア
    ルキルメタクリレート、N−ジアルキルアミノアルキル
    アクリルアミドおよびN−ジアルキルアミノアルキルメ
    タクリルアミドよりなる群から選ばれる、少なくとも1
    種のビニル系単量体(a−1)と、これらと共重合可能
    なる其の他のビニル系単量体(a−2)とを共重合せし
    めて得られるものである、特許請求の範囲第1項に記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】前記したビニル系重合体(A)が、カルボ
    ン酸無水基を有するビニル系重合体(a−3)と、一分
    子中に、それぞれ、少なくとも1個の該カルボン酸無水
    基と反応し得る活性水素を有する基および三級アミノ基
    を併せ有する化合物(a−4)とを反応せしめて得られ
    る、三級アミノ基を有するものである、特許請求の範囲
    第1項に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】前記したビニル系重合体(A)が、カルボ
    キシル基および/または燐酸エステル結合をも有するも
    のである、特許請求の範囲第1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記したエポキシ基および加水分解性シリ
    ル基を併せ有する化合物(B)が、主鎖末端および/ま
    たは側鎖に、エポキシ基と加水分解性シリル基とを有す
    るビニル系重合体である、特許請求の範囲第1項に記載
    の製造方法。
  6. 【請求項6】前記したエポキシ基および加水分解性シリ
    ル基を併せ有する化合物(B)が、γ−グリシドキシプ
    ロピルトリアルコキシシランおよび/またはγ−グリシ
    ドキシプロピルトリイソプロペニルオキシシランであ
    る、特許請求の範囲第1項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】前記した、化合物(B)を除く、加水分解
    性シリル基を有する化合物(C−2)が、アルコキシシ
    ラン類;アルコキシシラン類の部分加水分解性縮合物;
    アルケニルオキシシラン類;アルケニルオキシシラン類
    の部分加水分解性縮合物;一分子中に少なくとも2個の
    アルコキシシラン基を有する化合物と多価アルコール類
    とを反応せしめて得られる、アルコキシシラン変性樹
    脂;主鎖末端および/または側鎖に加水分解性シリル基
    を有するビニル系重合体;加水分解性シリル基を有する
    アルキド樹脂および加水分解性シリル基を有するポリエ
    ステル樹脂よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の
    ものである、特許請求の範囲第1項に記載の製造方法。
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