JP2560346B2 - リン酸カルシウム系結晶化ガラス歯科材料の製造方法 - Google Patents

リン酸カルシウム系結晶化ガラス歯科材料の製造方法

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JP2560346B2 JP24280887A JP24280887A JP2560346B2 JP 2560346 B2 JP2560346 B2 JP 2560346B2 JP 24280887 A JP24280887 A JP 24280887A JP 24280887 A JP24280887 A JP 24280887A JP 2560346 B2 JP2560346 B2 JP 2560346B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、リン酸カルシウム系結晶化ガラス歯科材料
の製造方法、特に均一な半透明の外観を有し美観に優れ
た前記歯科材料の製造方法に係るものである。
[従来の技術] 従来、歯科材料としては、金属、プラスチック、陶石
が使用されているが、陶石以外は化学組成や色沢が天然
歯と本質的に異なり、生体親和性や美観に関し問題があ
る。又、陶石は長石等の粉末を焼結して製造される為、
成形性に乏しく、焼結後に研削加工を要し、又、複雑な
形状に対応出来ない欠点を有している。
他方、これら問題点や欠点を有さない歯科材料とし
て、近年リン酸カルシウム系ガラスやこれを結晶化した
ものが提案されている。(特公昭55−11625号公報、特
開昭59−141509号公報、同60−28911号公報、同60−131
835号公報参照)これらはリン酸カルシウムである処か
ら天然歯と同じ化学組成であり、歯骨組織とのなじみが
よく、又融点が金属材料と近似している為、ロストワッ
クス法による鋳造が可能であり、成形性に優れ、歯科材
料としての特性に優れている。
かかる歯科材料は、酸化カルシウム或は焼成により酸
化カルシウムを生成する成分、例えば、炭酸カルシウム
や水酸化カルシウム等と、焼成によりリンの酸化物を生
成する成分、例えばリン酸やポリリン酸等と、焼成によ
り酸化アルミニウムを生成する成分、例えば水酸化アル
ミニウム等との特定割合の混合物を900〜1600℃の温度
で溶融し、900℃以下の温度に予熱された鋳型により鋳
造される。又、このガラスを結晶化せしめて強度や靱性
を高める為に、前記ガラス鋳造体を鋳型より脱型し、55
0〜900℃の温度で熱処理せしめる方法や、上記鋳造を行
なった後、更に鋳造に用いた鋳型中にガラス鋳造体を保
持したまま600〜900℃の温度で熱処理せしめる方法が提
案されている。
そして、歯科材料に供されるのはこの様に結晶化され
たガラスである。
[発明の解決しようとする問題点] しかしながら、この種結晶化ガラスにおいては晶出す
るリン酸カルシウムの結晶の密度がガラス鋳造体の密度
に比して約1割大きいこと及び結晶がガラス鋳造体の表
面から晶出し、内部に向って成長すると云う表面結晶化
機構である為、結晶化ガラス中に内部欠陥が発生し易い
欠点があった。この為、機械的強度が低下したり、細菌
等が侵入したり、又、リン酸カルシウム系結晶化ガラス
は半透明の為、その内部欠陥が目視にて認められると云
う美観上の欠点も有していた。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は、これら従来法が有する欠点を排除し、内
部欠陥を有さない均一な結晶を有するリン酸カルシウム
系結晶化ガラス歯科材料を得ることを目的として種々研
究、検討した結果、特定の条件下に結晶化を行なうこと
により前記目的を達成し得ることを見出した。
かくして本発明は、リン酸カルシウム系ガラスを鋳型
によって鋳造し、該鋳型中で結晶化せしめて歯科材料を
製造する方法において、鋳型が有する湯道付近での結晶
化速度を他の部分より遅くすることにより、鋳型内にお
ける最後の結晶化を鋳型が有する湯道付近で行なわしめ
ることを特徴とするリン酸カルシウム系結晶化ガラス歯
科材料の製造方法を提供するにある。
本発明において用いられるリン酸カルシウム系結晶化
ガラスは、一般にCaO−Al2O3−P2O5系であり、更に好ま
しくはその出発原料組成が、CaO41.0〜49.5モル%、P2O
558.5〜50モル%、Al2O30.5〜5モル%であり、且Ca/P
原子比が0.35〜0.7、好ましくは0.37〜0.49である。
これら組成を構成する実際の原料としては、例えば酸
化カルシウム、焼成されて酸化カルシウムを生成する様
な成分、例えば水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、修
酸カルシウム、焼成されてリンの酸化物を生成する様な
成分、例えばリン酸、ポリリン酸、アルミナ或は焼成さ
れて酸化アルミニウムを生成する様な水酸化アルミニウ
ム等を採用し得る。
この様なガラス原料は、所定のモル比になる様に秤量
され、混合後900℃以上、好ましくは1000〜1700℃に加
熱し、溶融される。
尚、前記組成は基本組成であり、所望により更に適宜
な着色成分や耐水剤等の他の成分を添加することが出来
る。
溶融してガラス化せしめた原料は、これを一旦冷却
し、再溶融して所望の形状に鋳造せしめるか、或は一旦
冷却することなく直ちに鋳造成形せしめることが出来
る。鋳造成形手段に特に制限はないが、金属の歯科材料
の成形に用いられているロストワックス法は好適な手段
である。
かくして得られたガラス質鋳造体は、その鋳造型と共
に加熱装置中において加熱結晶化が行なわれる。
かかる加熱結晶化における温度は、少なくとも該ガラ
ス軟化点以上の温度であり、具体的には580〜750℃の温
度を採用するのが好ましい。
本発明における最後の結晶化をガラスの鋳造型が有す
る湯道、即ち、成形型内に溶融した原料ガラスを注入せ
しめる型内への原料入口で行なわしめるには、湯道付近
での結晶化速度を他の部分より遅くする必要があり、そ
の手段としては、型内の湯道の部分の温度を低くし、そ
の部分での結晶化を遅くする方法、型の湯道の部分の型
材を結晶化の進行を遅くする成分により形成する方法、
鋳造成形される成分を変化させ、結晶化されにくい成分
を湯道の部分に分布させる方法等を採用することができ
る。しかし、最も容易に再現性良く前記効果を発現しう
る方法としては型内の湯道の部分の温度を低くする結晶
化手段を用いるのが好ましい。
このように、湯道部分の温度を低する方法としては、
例えば第1図に示した如く、得ようとする成形体の辺縁
部あるいはコーナー部に湯道1を設けたような形状の鋳
型を用い、図の下方2が温度が高く上方3の温度が低い
ような温度勾配下に静置して結晶化を行なわしめる方
法、或は第2図の如く最高温度部分21が結晶化温度以上
である温度勾配中を、成形体の湯道部分が最後に最高温
度部分21を通過するように鋳型を矢印方向に移動させ、
結晶化を行なうか或は、反対に鋳型を静置し加熱装置を
移動させ結晶化を行なう方法が用いられる。
これらの方法を用いる時に、鋳造成形体に付与すべき
適正な鋳型内の温度勾配は厳密には鋳造体の形状等によ
り異なるが、第1図のような形状の鋳型を用いた場合、
鋳型の下方2より上方3が低温であり、その温度勾配が
2〜40℃/cmであるのが適当である。温度勾配が前記範
囲に満たない場合は、内部欠陥の発生を防止する効果が
十分発現されず、前記範囲を超えた場合には、特に不都
合は生じないと思われるが、型材や成形体の熱伝導によ
り前記範囲を超える温度分布の発現は困難であった。
[作 用] 本発明の如き、鋳型内における最後の結晶化を鋳型が
有する湯道付近で行なわしめる方法では、ガラス質と結
晶化によって析出するリン酸カルシウム結晶との間の密
度差に基く、内部欠陥の発生を抑止する。即ち、結晶化
を行なう温度域では、結晶化した部分は堅く流動しない
が、未結晶化のガラス質の部分は多少の流動性を示すた
め、結晶化にともなう体積収縮を補うに十分なガラスが
湯道より供給され、結晶化ガラス中央部に生じ易い空洞
の発生を抑止する事が可能となるものと思われる。
[実施例] 実施例1 歯冠形状のワックスパターンの最大豊隆部のコーナー
部に直径3mm、長さ5mmの円柱状のワックス製のスプルー
を設け、これをスプルーフォーマー頂上部にセットす
る。これを常法に従いリン酸塩系埋没材(徳山曹達製ラ
ピスモールド)を用いて埋没し、埋没材が硬化後、常法
に従いワックスを焼却後600℃に保っておく。
一方CaO43モル%、P2O553モル%、Al2O32モル%の組
成を有するガラスを白金るつぼ中で1200℃で2時間溶融
後、該溶融液を遠心鋳造法により前記鋳型中に鋳造しガ
ラス成形体を作製した。
第3図に示す如く、このガラス成形体を鋳型に入った
状態で、20℃/cmの温度勾配を有する電気炉中に矢印の
方向が高温になり、しかも湯道Aの部分が650℃となる
ような位置にセットし、6時間保った試料と16時間保っ
た試料を得た。鋳型内の温度も測定したが、矢印方向に
ほぼ20℃/cmの温度分布になっていた。
得られた結晶化ガラスを鋳型より掘り出し、湯道部を
切断して歯冠形状の結晶化ガラス成形体が得られた。
6時間結晶化した結晶化ガラス成形体の断面を観察す
ると湯道の付近は結晶化しておらず、ガラス状であっ
た。また16時間結晶化した結晶化ガラスは全体の結晶化
が完了しており、この結晶化ガラス成形体が白色半透明
な外観でX線探傷法により内部欠陥を調べたが、0.1mm
以上の欠点は見出されなかった。
実施例2 炉内の最高温度が690℃で、その上方に向かい20℃/cm
の温度勾配を有するような縦型の管状電気炉中を、第2
図に示すように実施例1と同様にして得られたガラスを
鋳造した鋳型を上方より下方に毎時3mmの速度で降下さ
せ結晶化を行なった。鋳型の中央部が最高温度の部分に
達した時に炉内より取り出した鋳型と、鋳型の上端が最
高温度に達した時に炉内より取り出したものの2つを作
製した。
実施例1と同様に脱型し、歯冠形状の結晶化ガラス成
形体を得た。鋳型の中央部までしか電気炉の最高温度部
に達していない状態で結晶化を終了した結晶化ガラスは
その断面を観察すると、湯道付近のみは結晶化しておら
ずガラス状であった。鋳型の上端まで最高温度部に達し
た結晶化ガラスは全体が結晶化しており、この成形体は
白色半透明は外観をしており、X線探傷検査により内部
欠陥を調べたが0.1mm以上の欠陥は見出されなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施態様の説明図。 第2図は本発明の又別の一実施態様の説明図。 第3図は本発明の実施例の説明図。 1:湯道、2:鋳型の高温部、 3:鋳型の低温部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン酸カルシウム系ガラスを鋳型で鋳造
    し、該鋳型中で結晶化せしめて歯科材料を製造する方法
    において、鋳型が有する湯道付近での結晶化速度を他の
    部分より遅くすることにより、鋳型内における最終の結
    晶化を鋳型が有する湯道付近で行なわしめることを特徴
    とするリン酸カルシウム系結晶化ガラス歯科材料の製造
    方法。
  2. 【請求項2】鋳型が有する湯道付近での結晶化速度を他
    の部分より遅くする手段は、型内の湯道付近の温度を他
    の部分より低くする特許請求の範囲第1項記載のリン酸
    カルシウム系結晶化ガラス歯科材料の製造方法。
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