JP2560287B2 - タツプ時におけるエンジンのa/n異常低下防止装置 - Google Patents

タツプ時におけるエンジンのa/n異常低下防止装置

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JP2560287B2 JP61068968A JP6896886A JP2560287B2 JP 2560287 B2 JP2560287 B2 JP 2560287B2 JP 61068968 A JP61068968 A JP 61068968A JP 6896886 A JP6896886 A JP 6896886A JP 2560287 B2 JP2560287 B2 JP 2560287B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、タップ時におけるエンジンのA/N異常低下
防止装置に関し、特に、アクセルペダルのタップ時にお
けるエンジンのA/N異常低下防止装置(エンジン停止防
止装置)に関する。
〔従来の技術〕
従来、アイドル時等においてアクセルペダルのタップ
(瞬間的な増大)時をエンジン回転数に基づいて検出
し、エンジン停止(以下、「エンスト」という。)する
手段が提案されている。
ここで、タップとは、アイドル時においてアイドルス
イッチ38[第1図(a)〜(d)参照]がオンからオフ
を経て再びオンに至る時間が短いような状態,およびエ
ンジン出力が低い状態でスロットル開度を急速に増大後
減少させる状態をいい、エンジンの回転数が一時的に増
大減少するような状態をいう。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、このような従来のタップ時におけるエ
ンジンの停止防止手段では、エンジン回転数に基づいて
タップを検出しているので、回転系慣性質量のため、タ
ップエンスト防止に対する情報として検出時期が遅く、
タップエンストの防止対策が不十分であるという問題点
がある。
すなわち、第16図(a)に示すように、アイドルスイ
ッチ38がオンからオフを経てオンへ変化する時間が短い
ような急速なスロットル変化時(タップ時)には、スロ
ットルバルブ14からエンジン2の燃焼室までの間の容
積,回転系の慣性質量により、制御の遅れが生じて、ス
ロットル開度と1吸気行程あたりのエンジン回転数に対
する吸入空気量の比(A/N)[第16図(c)参照]との
間に位相のずれが生じるため、エンジン回転数が高く且
つスロットル開度が小さい状態が生じて[16図(a),
(b)中の時刻to参照]、吸入空気量の不足が生じ、A/
Nが異常に低くなる領域Z16ができて、この状態におい
て、ISCバルブ18が一定開度を維持していると[第16図
(d)参照]、エンジン2へ必要な空気量が供給されな
いので、第16図(b)中に符号NDOWNで示すように、エ
ンジン回転数がアンダーシュートするという問題点があ
り、エンストに至ることがある。
本発明は、このような問題点を解決しよとするもの
で、タップ時であることを早期に検出し、このタップ検
出時に吸入空気量を一時的に増加することにより、エン
ジン回転数のアンダーシュートおよびタップエンストを
確実に防止できるようにした、タップ時におけるエンジ
ンのA/N異常低下防止装置を提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
このため、本発明のタップ時におけるエンジンのA/N
異常低下防止装置は、エンジンの燃焼室へ混合気を供給
する混合気供給手段と、同混合気供給手段へ混合気供給
制御信号を送る混合気供給制御手段と、同混合気供給制
御へ混合気供給量の指令信号を出力する混合気指令手段
と、上記エンジンの1吸気行程の吸入空気量を検出する
A/Nセンサと、上記混合気指令手段からの指令信号の瞬
間的な増大を検出することにより上記混合気指令手段に
対するタップ操作を判定するタップセンサと、上記タッ
プセンサにより上記混合気指令手段に対するタップ操作
が判定されると共に上記A/Nセンサにより検出されたA/N
が所定値以下であるとき上記混合気供給手段による混合
気の供給を増量制御する混合気増量制御手段とをそなえ
たことを特徴としている。
〔作用〕
上述の本発明のタップ時におけるエンジンのA/N異常
低下防止装置では、混合気増量制御手段が、混合気指令
信号(アクセルペダル踏込量)にタップが生じ、且つ、
A/Nが所定値以下であることを検出したとき混合気供給
手段による混合気の供給を増量制御して、エンジンの燃
焼室へ供給される混合気量を増加させることができる。
〔実施例〕
以下、図面により本発明の実施例について説明する
と、第1〜55図は本発明の一実施例としてのタップ時に
おけるエンジンのA/N異常低下防止装置を備えた自動車
用エンジン制御システムを示すもので、第1図(a)は
そのブロック図、第1図(b)はその全体構成図、第1
図(c)はその点火系の一部を示す模式図、第1図
(d)はその要部ブロック図、第2図はその第1のイニ
シャライズルーチンを示すフローチャート、第3図はそ
のアイドルスピード制御時の作用を説明するためのグラ
フ、第4図はその第2のイニシャライズルーチンを示す
フローチャート、第5図(a),(b)はいずれもその
アイドルスピードコントロールバルブ配設部近傍を示す
模式的断面図、第6図(a)〜(c)はいずれもその第
4のイニシャライズルーチンを示すフローチャート、第
7図(a)〜(c)はいずれもその第3のイニシャライ
ズルーチンを示すフローチャート、第8図はその初期化
禁止ルーチンを示すフローチャート、第9図および第10
図(a),(b)はそれぞれの学習制御ルーチンを示す
フローチャートおよびグラフ、第11図および第12図
(a)〜(d)はそれぞれのクーラリレーオン時リフト
アップ制御ルーチンを示すフローチャートおよびグラ
フ、第13図および第14図(a)〜(d)はそれぞれの異
常回転数低下ルーチンを示すフローチャートおよびグラ
フ、第15図および第16図(a)〜(h)はそれぞれの異
常A/N低下ルーチンおよびタップエンスト防止ルーチン
を示すフローチャートおよびグラフ、第17〜19図はいず
れもそのコンピュータの暴走判定法を説明するためのフ
ローチャート、第20図および第21図はそれぞれそのアイ
ドルカットモードを示すフロチャートおよびグラフ、第
22図はその燃料供給制御のための運転モードを説明する
ためのグラフ、第23図はそのO2センサとコンピュータと
の間の結線を示す電気回路図、第24,25図はいずれもそ
のO2センサのヒータ電流リーク時の制御態様を説明する
ためのフローチャート、第26図および第27図はそれぞれ
の水温センサのフェールセーフ機能を示す要部構成図お
よびフローチャート、第28図はそのオーバランカットモ
ードでの処理を説明するためのフローチャート、第29図
はその空燃比設定のためのフローチャート、第30図
(a)はその空燃比−エンジン回転数特性図、第30図
(b)はその点火時期リタード量−エンジン回転数特性
図、第30図(c)はその空燃比−エンジン回転数特性
図、第31図はその他のオーバランカットモードでの処理
を説明するためのフローチャート、第32図はその最高速
カットモードでの処理を説明するためのフローチャー
ト、第33図はその減速時での燃料カットに伴う制御を説
明するためのフローチャート、第34〜36図はいずれもそ
の失火検出法を説明するためのグラフ、第37〜54図はい
ずれもその各種のオーバヒート時制御を説明するための
フローチャート、第55図はその燃料供給路に設けられた
サーモバルブの配設状態を示す概略構成図である。
本発明との関連で本実施例の最も特徴的なところは、
第1図(d)[クレーム対応図]に示すように、コンピ
ュータ(ECU)76に、エンジン2の燃焼室へ混合気を供
給する混合気供給手段であるインジェクタ6へ混合気供
給制御信号を送る混合気供給制御手段と、混合気におけ
る空気量を増加させるべく吸入空気量増加手段としての
ステッピングモータ18aへ制御信号を送る空気量増加制
御手段(混合気増量制御手段)と、混合気指令手段とし
てのアクセルペダルからの指令信号を受けるスロットル
ポジションセンサ36からのスロットル弁開度信号を受け
てスロットル弁開度が所定値以上であることを検出する
スロットル弁開度検出手段と、スロットルポジションセ
ンサ36からのスロットル弁開度信号を受けてスロットル
弁開度の速度がマイナスの所定値以下であることを検出
するスロットル弁減速度検出手段と、これらのスロット
ル弁開度検出手段およびスロットル弁減速度検出手段か
らの検出信号を同時に受けたときアクセルペダルのタッ
プを検出したとしてタップセンサとしての出力を行なう
タップ検出部(アンド回路)と、アイドルスイッチ38,
エアフローセンサー32およエンジン回転数センサ(上死
点センサ)44等から構成されるA/Nセンサ,タップセン
サからの各検出信号を受けて、アイドル時にタップが生
じ、且つ、A/Nが所定値以下であることを検出したとき
上記吸入空気量増加手段を一時的に作動させるタップ時
空気量増加開始手段(混合気増量制御手段)とが設けら
れている点にある。
ここで、吸入空気量増加手段は、後述するようにLジ
ェトロ方式が採用されているので、混合気供給手段とし
て機能する。
そして、本発明の最も特徴とする作用は、後述する、
(1)アイドルスピード制御(ISC)の1−viii)異常A
/N低下モードに記載のとおりである。
さて、本実施例では、第1図(b)に示すごとく、V
型6気筒エンジン(以下「V6エンジン」ということがあ
る)2に適用したものであるが、このV型6気筒エンジ
ン2では、各気筒につながる吸気マニホルド4のそれぞ
れに電磁式燃料噴射弁(フェエルインジェクタ)6を有
するいわゆるマルチポイント噴射方式(MPI方式)が採
用されている。
そして、吸気マニホルド4にはサージタンク8を介し
て吸気通路10の一端が接続されており、吸気通路10の他
端には、エアクリーナ12が取り付けられている。
また、吸気通路10にはスロットルバルブ14が介装され
ているが、このスロットルバルブ14の配設部分と並列に
スロットルバルブ14をバイパスするバイパス通路16が設
けられている。
バイパス通路16には、アイドルスピードコントロール
バルブ(ISCバルブ)18とファストアイドルエアバルブ
(FIAバルブ)20とが相互に並列に配設されている。
アイドルスピードコントロールバルブ18は、第1図
(b)および第5図(a),(b)に示すごとく、ステ
ッピングモータ(ステッパモータともいう)18aと、ス
テッピングモータ18aによって開閉駆動される弁体18b
と、弁体18bを閉方向へ付勢するリターンスプリング18c
とをそなえて構成されている。ステッピングモータ18a
は4つのコイル部を環状に配し且つこれらのコイル部で
囲まれた空間にロータ(回転体部分)を有し、ローラが
回転するロータリタイプのもの(4相ユニポーラ,2相励
磁型)で、パルス信号をコイル部に所定の順序で受ける
と所定角度だけ左右に回動するようになっている。そし
て、ステッピングモータ18aのロータは弁体18b付きのロ
ッド18dと同軸的に配設されこれに外側から螺合してい
る。また、ロッド18dには回転止めが施されている。こ
れによりステッピングモータ18aが回転作動すると、弁
体18b付きロッド18dは軸方向に沿い移動して、弁開度が
変わるようになっている。
ファストアイドルエアバルブ20はワックスタイプのも
ので、エンジン温度が低いときは収縮してバイパス通路
16を開き、エンジン温度が高くなるに従い伸長してバイ
パス通路16を閉じてゆくようになっている。
なお、各電磁式燃料噴射弁6へは燃料ポンプ22からの
燃料が供給されるようになっているが、この燃料ポンプ
22からの燃料圧は燃圧レギュレータ24によって調整され
るようになっている。ここで燃圧レギュレータ24はダイ
アフラムで仕切られた2つのチャンバのうちの一方に制
御通路26をつなぎ、この一方のチャンバに制御通路26を
通じ制御圧を加えることにより、燃圧調整を行なうよう
になっている。なお、燃圧レギュレータ24のチャンバ内
には、基準燃圧を決めるためのリターンスプリングが設
けられている。
また、制御通路26にはサーモバルブ28が介装されてい
る。このサーモバルブ28は、第55図に示すごとく、燃料
供給路30にワックス式感温部28aをそなえ、このワック
ス式感温部28aに弁体28bが取り付けられたもので、燃料
温度が低いと、制御通路26を開いて、燃圧レギュレータ
24のチャンバ内へ吸気通路圧力(この圧力はスロットル
バルブ14の配設位置よりも下流側の圧力)を導く一方、
燃料温度が高くなってゆくと、弁体28b付きロッドが伸
びてサーモバルブ28内の大気側開口部28cと制御通路26
とを強制的に連通させて、燃圧レギュレータ24のチャン
バ内へ大気圧を導くことができるようになっている。
なお、このようなワックスタイプのサーモバルブ28の
代わりに、これと同機能を有する電磁式のサーモバルブ
を用いてもよい。
ところで、このエンジン2については、燃料供給制
御,点火時期制御,アイドルスピード制御,オーバヒー
ト時制御,燃料ポンプ制御,クーラリレーオンオフ制
御,自己診断(ダイヤグノシス)表示制御等、種々の制
御が施されるが、かかる制御を行なうために、種々のセ
ンサが設けられている。すなわち、第1図(a)〜
(c)に示すごとく、エアフローセンサ32,吸気温セン
サ34,スロットルポジションセンサ36,アイドルスイッチ
38,水温センサ40,クランク角センサ42,上死点センサ(T
DCセンサ)44,O2センサ46,インヒビタスイッチ48,クー
ラスイッチ50,クランキングスイッチ52,イグニッション
スイッチ54,イグニッションキー着脱センサ55,高温スイ
ッチ56,パワステアリングスイッチ(パワステスイッ
チ)58,車速リードスイッチ60,診断スイッチ62,大気圧
センサ64,ドアセンサ92,ロック状態センサ94,シートス
イッチ96が設けられている。
エアフローセンサ32はエアクリーナ12内に設けられて
カルマン渦を検出することにより吸入空気量に比例した
周波数パルスを出力するオープンコレクタ出力タイプの
もので、吸入空気量の検出のために使われる。
吸気温センサ34もエアクリーナ12内に設けられて吸入
空気の温度(吸気温)を検出するので、サーミスタ等が
使用される。
スロットルポジションセンサ36はスロットルバルブ14
の開度を検出するもので、ポテンショメータ(バリアブ
ルレジスタ)式のものが使用される。
アイドルスイッチ38はスロットルバルブ14がアイドル
開度にあることを検出するものであるが、その他にスピ
ードアジャスティングスクリューとしての機能も有す
る。
水温センサ40はエンジン冷却水温を検出するもので、
サーミスタ等が使用される。
クランク角センサ42および上死点センサ44はそれぞれ
第1図(c)に示すごとく、ディストリビュータ68に設
けられるものであるが、クランク角センサ42はディスト
リビュータ角(分解能1°)からクランク角を検出する
もので、上死点センサ44は上死点あるいはその少し手前
のタイミングを各気筒(6個分)ごとに検出するもの
で、気筒判別信号を出力するほか、上死点センサ4から
はクランク角で120°ごとにパルス信号(基準信号)が
検出されるので、このパルス信号間隔をはかることによ
りエンジン回転数を検出することができる。
O2センサ46は排気マニホルドの集合部よりも下流側の
排気通路70に設けられて排気中の酸素量を検出するもの
である。なお、O2センサ46は第23図に示すごとく、ヒー
タ46aをそなえたO2センサとして構成されている。
インヒビタスイッチ48はエンジン2に連結された自動
変速機のシフトポジションに応じてオンオフするスイッ
チで、P,Nレンジのときにオン、それ以外でオフとな
る。
クーラスイッチ50はクーラ作動時にオンして電源電圧
又はH信号を出力しそれ以外でオフとなってL信号を出
力するスイッチであり、クランキングスイッチ52はエン
ジンクランキング中にオン,それ以外でオフとなるスイ
ッチで、イグニッションスイッチ54はエンジンキーをIG
位置,ST位置にしたときにオンするスイッチで、オンす
ることにより点火コイル72[第1図(c)参照]を通じ
て点火プラグから火花をとばせる状態にする。
イグニッションキー着脱センサ55はイグニッションキ
ー(エンジンキー)を車体側キーシリンダに挿入したと
きにオンとなり、それ以外でオフとなるセンサである。
高温スイッチ56は排気通路70に配設された触媒コンバ
ータ74の下流側に設けられて排気温度(排温)を検出す
るものである。
パワステアリングスイッチ58はパワステアリングの作
動時における油圧を検出してオンするものである。
車速リードスイッチ60は車速に比例した周波数のパル
スを出力して車速を検出するもので、診断スイッチ62は
ダイアグノシスのためのスイッチである。
大気圧センサ64は絶対圧に比例した電圧を出力して大
気圧を検出するもので、例えば半導体圧力センサが使用
される。なお、大気圧センサ64はコンピュータ(以下、
「ECU」ともいう)76に内蔵されている。
また、ドアセンサ(ドア状態センサ)92は運転席側ド
アに取り付けられてドアの開閉状態を検出するためのも
ので、さらに、ロック状態センサ(ドア状態センサ)94
はドアロック機構のロック・アンロック状態を検出する
ためのもので、シートスイッチ96は運転席における着座
状態を検出するためのものである。
そして、これらのセンサ32〜64,92〜96は、第1図
(a)に示すごとく、ECU76へ入力されている。
ECU76は燃料供給制御,点火時期制御,アイドルスピ
ード制御,オーバヒート時制御,燃料ポンプ制御,クー
ラリレーオンオフ制御,自己診断表示制御等の集中制御
を行なうもので、そのハードウェア構成は、入出力イン
タフェース,プロセッサ(CPU),RAMやROM等のメモリを
そなえて構成されているものである。また、そのソフト
ウェア(ファームウェア化されたものも含む)について
は、上記の各制御ごとに仔細なプログラムがセットされ
ている。かかるプログラムはプログラムメモリに格納さ
れている。なお、制御のためのデータは2次元あるいは
3次元マップ化されてRAMやROMに記憶されたり、所要の
ラッチに一時記憶されたりするようになっている。
そして、ECU76からは各部へ制御信号が出力される。
即ち、ECU76からは6本の電磁式燃料噴射弁6,アイドル
スピードコントロールバルブ18のステッピングモータ18
a,点火時期制御部(点火装置)78,燃料ポンプ制御部80,
クーラリレー82,自己診断表示部84,クランキング手段と
してのスタータ89へそれぞれに適した制御信号が出力さ
れるようになっている。
電磁式燃料噴射弁6やアイドルスピードコントロール
バルブ18のステッピングモータ18aについては前述のと
おりであるが、電磁式燃料噴射弁6は所要のデューティ
率で供給されるパルス制御信号が供給されるとプランジ
ャを駆動して弁開時間を制御されながら燃料の噴射が可
能な弁であり、ステッピングモータ18aはその4つのコ
イル部へ所要のパルス制御信号が供給されると、各コイ
ル部への通電順序によって右または左まわりにまわるこ
とにより、弁体18bの弁開度を調整するものである。
点火時期制御部78はスイッチングトランジスタ等を含
む電子回路から成るイグナイタがその主要部をなしてお
り、コンピュータ76からの制御信号を受けることにより
所要のタイミング(点火時期)で点火コイル72へのコイ
ル電流を遮断するものである。
燃料ポンプ制御部80は複数のリレースイッチを有する
コントロールリレーとして構成されており、燃料ポンプ
22の作動状態を制御するものである。
クーラリレー82はECU76からのH信号を受けると閉じ
てコンプレッサを作動させ、ECU76からの信号がL信号
になると開いてコンプレッサを不作動状態にするもの
で、クーラオンオフリレーとして機能する。
自己診断表示部84は外部から別に接続されるチェッカ
ー回路として構成されており、LEDの点滅パターンによ
り故障コードを表示するものである。
以下、このエンジン2について行なわれる主要な制御
について説明する。
(1) アイドルスピード制御(ISC) 本実施例におけるアイドルスピード制御方式として
は、ステッピングモータ18aをアクチュエータとし、バ
イパス通路16に設けられたアイドルスピードコントロー
ルバルブ18の開度を調節してアイドル回転数を制御する
バイパスエア制御方式が採用されている。
そして、このアイドルスピード制御は、各センサから
次の各制御モードのいずれかにあるかを判定し各制御モ
ードの制御内容に従いステッピングモータ18aの駆動制
御を行なうことにより実現する。
各制御モードは次のとおりである。
1−i) 初期化モード 1−ii) 始動モード 1−iii) 始動直後モード 1−iv) オフアイドルモード 1−v) ダッシュポートモード 1−vi) アイドルモード(I) 1−vii) アイドルモード(II) 1−viii) 異常A/N低下モード 1−ix) 異常回転数低下モード 1−x) クーラリレーオン時リフトアップ制御モー
ド 1−xi) オーバヒート時制御モード 1−xii) その他 1−i) 初期化モードについて 初期化モードとは、ステッピングモータ18aのモータ
ポジション(ステップ数であらわされる実際の位置)と
メモリ内の目標位置とのキャリブレートを行なうもの
で、ステッピングモータ18aのモータポジションを初期
位置に移動させるとともに、メモリ内の目標位置をリセ
ットすることにより、イニシャライズする制御モード
で、アイドルスピード制御を正確に行なったりその後の
種々の制御を行なったりするためのプリセット処理を意
味する。
そして、以下の初期化処理は、本実施例のようにアイ
ドルスピード制御用のステッピングモータ18aについて
初期化を行なうことはもちろんのこと、その他、EGRB弁
駆動用や過給圧(又は排気圧)バイパス用にステッピン
グモータを使用した場合も、同様の手法によって初期化
することができる。
初期化処理は次の種々の態様が考えられる。
1−i−) 初期化モード1 この初期化モード1での判定条件および初期化方法は
次のとおりであるが、これらの判定条件および初期化方
法を第2図のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップ2−1で、エンジン回転数フィードバ
ック中かどうかが判断され、YESであるなら、ステップ
2−2で、エンジン回転数が不感帯内に滞留しているか
どうかが判断され、YESであるなら、ステップ2−3
で、滞留時間が所定時間を経過したかどうかが判断さ
れ、YESであるなら、ステップ2−4で、冷却水温が80
℃以上かどうかが判断され、80℃以上なら、ステップ2
−5で、エアコンディショナ(エアコンと略していうこ
とがあるが、このエアコンはクーラ機能を有している)
がオンかどうかが判断され、OFFなら、エンジンが特定
の運転状態にあり、初期化すべき条件を満足していると
して、ステップ2−6で、シフトポジションがDレンジ
であるかNレンジであるかが判断される。もしNレンジ
なら、ステップ2−7で、現ステッパモータポジション
を基準ポジションAと定義する。即ち、初期化(イニシ
ャライズ)することが行なわれる一方、Dレンジなら、
ステップ2−8で、現ステップモータポジションを基準
ポジションA+aと定義する、即ち初期化(イニシャラ
イズ)することが行なわれる。
このような初期化モード1による処理を行なえば、次
のような効果ないし利点が得られる。すなわち全閉また
は全開時でのイニシャライズは行なわないので、ISCバ
ルブ18の弁シート部の摩耗や噛み込みを招くことがな
く、耐久性が向上するほか、イニシャライズの機会が多
いので、脱調現象(コンピュータ76が認識しているステ
ッパモータステップ数と実際のステップ数にずれが生ず
る現象)が生じにくい。
1−i−) 初期化モード2 この初期化モード2での判定条件および初期化方法は
次のとおりであるが、これらの判定条件および初期化方
法を第4図のフローチャートを用いて説明する。この初
期化モード2は、第4図に示すごとくISCバルブ18のス
トロークが所定の中間位置にあるかどうかを判定し(ス
テップ4−1)、もし所定の中間位置にある場合はステ
ッパモータポジションを所定値(基本ポジション)A0
定義して、即ち初期化(イニシャライズ)を行なう(ス
テップ4−2)。
ところで、アイドルスピードコントロールバルブ18の
ストロークが所定の中間位置にあるかどうかを判定する
手段としては、光センサが使用される。すなわち、第5
図(b)に示すごとく、弁体18b付きロッド18dをはさん
でLED(発光ダイオード)86とフォトトランジスタ88と
を配設し、LED86から常時光を出しておき、この光がフ
ォトトランジスタ88に当たるようにしておく。このと
き、LED86とフォトトランジスタ88とはアイドルスピー
ドコントロールバルブ18のストロークが所定の中間位置
に相当する位置に配設されている。したがって、ステッ
ピングモータ18aが作動することにより、アイドルスピ
ードコントロールバルブ18のロッド18dが上下にストロ
ークして、弁体18bがLED86からフォトトランジスタ88へ
至る光路を遮断すると、フォトトランジスタ88がオフす
る。すなわち、フォトトランジスタ88がオンからオフに
切り替わったこと、あるいはフォトトランジスタ88がオ
フからオンへ切り替わったことを検出すれば、アイドル
スピードコントロールバルブ18のストロークが所定の中
間位置にきたことを検出することができる。
この初期化モード2による処理を行なった場合も、前
述の初期化モード1による処理を行なった場合と同様の
効果ないし利点が得られる。すなわち、耐久性の向上が
はかれるほか、イニシャライズの機会が多いので、脱調
現象が生じにくいのである。
1−i−) 初期化モード3 この初期化モード3での判定条件および初期化手段は
次のとおりであるが、これらの判定条件および初期化手
段を第6図(a)のフローチャートを用いて説明する。
まず、イグニッションキー着脱センサ55によりイグニ
ッションキーが車体側キーシリンダーへ挿入されたこと
を検出すると(ステップ6a−1)、運転者の車両始動
(乗車)動作を判定して、ステッピングモータ18aの全
閉位置へのイニシャライズを行なう(ステップ6a−
2)。
なお、第6図(a)に代えて、第6図(b),(c)
に示すようなフローとしてもよく、第6図(b)に示す
ように、ドアセンサ92からの検出信号に基づき、ドアが
開状態から閉状態へ移行したことを検出したとき(ステ
ップ6b−1)、且つ、シートスイッチ96が着座状態であ
ることを検出したとき(ステップ6b−2)、イニシャラ
イズを行なってもよく(ステップ6b−3)、また第6図
(c)に示すように、第6図(b)に示す変形例におい
て、シートスイッチ96に代えて、イグニッションスイッ
チ54がOFF位置であることを検出するものを用いてもよ
い(ステップ6c−1〜3)。
さらに、ドアセンサ92に代えて、ロック状態センサ94
を用いてもよく、このロック状態センサ94からの検出信
号に基づき、外側からドアをあける前にドアロック機構
がロック状態からアンロック状態へ移行したことを検出
するものを用いてもよく、車両の開錠施錠用キーを用い
るものの代わりに、一対の送受波器を用いてドア開錠施
錠を行なうキーレスエントリータイプのものにも同様に
して適用できる。
このような初期化モード3による処理を行なえば、次
のような効果ないし利点を得ることができる。イグニッ
ションキーをオフからオンへ移行させている時間中にも
イニシャライズの作動を行なわせることができるので、
車両の始動動作以前にイニシャライズでき、クランキン
グ以前にステッピングモータ18aのイニシャライズを完
了させることができるため、始動性を向上でき、不必要
なイニシャライズの回数を減少させることにより、ステ
ッピングモータ18aの耐久性を向上できる。さらに、イ
ニシャライズが必要とされる直前にイニシャライズを完
了させることができるので、整備等によりバッテリを外
した場合にも、エンジンの始動性を確保できる。
1−i−) 初期化モード4 この初期化モード4での判定条件および初期化手段は
次のとおりであるが、これらの判定条件および初期化手
段を第7図(a)のフローチャートを用いて説明する。
まず、イグニッションスイッチ54がオフ状態のとき
(ステップ7a−1)、且つ、ドアセンサ92からの検出信
号に基づき、ドアが閉状態から開状態へ移行したことを
検出したとき(ステップ7a−2)、運転者の車両停止
(降車)動作と判定して、ステッピングモータ18aの全
閉位置へのイニシャライズを行なう(ステップ7a−
3)。
なお、第7図(a)に代えて、第7図(b),(c)
に示すようなフローとしてもよく、第7図(b)に示す
ように、イグニッションキー着脱センサ55がオン状態か
らオフ状態になったとき、すなわちイグニッションキー
が車体側キーシリンダから引き抜かれたことを検出した
とき(ステップ7b−1)、ステッピングモータ18aのイ
ニシャライズを行なってもよく(ステップ7b−2)、ま
た第7図(c)に示すように、ドアセンサ92からの検出
信号に基づき、ドアが開状態から閉状態へ移行したこと
を検出したとき(ステップ7c−1)、且つ、シートスイ
ッチ96が非着座状態(空席状態)であることを検出した
とき(ステップ7c−2)、イニシャライズを行なっても
よい(ステップ7c−3)。
さらに、ドアセンサ92に代えて、ロック状態センサ94
を用いてもよく、このロック状態センサ94からの検出信
号に基づき、内側からドアをあける前にドアロック機構
がロック状態からアンロック状態へ移行したことを検出
するものを用いてもよい。
このような初期化モード4による処理を行なえば、次
のような効果ないし利点を得ることができる。車両の停
止動作に連動させてイニシャライズするので、再始動ま
で充分時間的余裕をもって、確実にイニシャライズを行
なうことができる利点がある。また、不必要なイニシャ
ライズ回数を減少させることにより、ステッピングモー
タ18aの耐久性を向上でき、始動以前に、イニシャライ
ズを完了することにより、始動性を向上できる。
1−i−) 初期化禁止モード この初期化禁止モードの判定条件および初期化禁止手
段は次のとおりであるが、これらの判定条件および初期
化禁止手段を第8図のフローチャートを用いて説明す
る。
ECU76の初期化開始手段からの制御信号に応じて、初
期化手段が作動を開始し、ステッピングモータ18aとメ
モリとのイニシャライズを行なうのに際し、まず、初期
化手段からクランキング禁止手段としてのゲート回路へ
禁止信号を送り、すなわち、クランキング禁止モードに
セットし(ステップ8−1)、制御手段からクランキン
グ手段としてのスタータ89への制御信号の供給を禁止
し、イニシャライズ完了時において(ステップ8−
2)、クランキング禁止手段からゲート回路への禁止信
号の供給を停止して、すなわちクランキング禁止モード
をリセットし(ステップ8−3)、制御手段からスター
タ89への制御信号の供給を許容する。
このような初期化禁止モードによる処理を行なえず、
次のような効果ないし利点が得られる。車両のクランキ
ング時にはイニシャライズが行なわれないので、確実な
イニシャライズを行なうことができる利点があり、すな
わち、電圧低下によるステッピングモータ18aの停止を
防止でき、ファストアイドル開度に到達する以前にエン
ジンの始動が開始することを防止でき、始動性の悪化を
防止できる。
なお、ステッピングモータ18aのイニシャライズ時に
おいて、電気的負荷の大きな負荷コンポーネントの作動
を禁止するようにしてもよく、この場合に上述の論理と
ほぼ同様の論理が組み込まれる。
1−ii) 始動モード この始動モードであるための判定条件は次のとおりで
ある。
クランキングスイッチ52がオンのときは、エンジン
回転数が数百rpmよりも小さいこと。
クランキングスイッチ52がオフのときは、エンジン
回転数が数十rpmよりも小さいこと。
この条件を満たすと、次の制御を実行する。
吸気温<TA0のときは、水温に依存した始動開度を
選んで制御する。
吸気温≧TA0のときは、上記始動開度にオーバーヒ
ート補正を施す。すなわち基本目標開度に補正係数(≧
1)を掛ける。
1−iii) 始動直後モード この始動直後モードであるための判定条件は次のとお
りである。すなわちクランキングスイッチ52のオフ後、
リフトアップ値が基本目標開度以上であれば、始動直後
モードであると判定される。
そして、この条件を満たすと、吸気温がTA0よりも低
いときは、基本目標開度へ至るまで1ステップ/TSLmse
cのテーリング処理が行なわれる。なお、吸気温がTA0
上のときは、上記と同様のオーバーヒート補正が施され
る。
1−iv) オフアイドルモード このオフアイドルモードであるための判定条件は次の
とおりである。すなわち、アイドルスイッチ38がオフで
且つ始動モード以外であれば、オフアイドルモードであ
ると判定される。
そして、この条件を満たすと、エンジン回転数依存開
度またはスロットル依存開度のうち小さい方をダッシュ
ポット開度として、基本目標開度に学習値を加味した値
となるよう制御する。
1−v) ダッシュポットモード このダッシュポットモードであるための判定条件は次
のとおりである。すなわち、アイドルスイッチ38がオン
で且つダッシュポット開度が0となるまでであれば、ダ
ッシュポットモードであると判定される。
そして、この条件を満たしている間は、次の制御が実
行される。まず、基本目標開度に学習値とダッシュポッ
ト開度を加えて、その後SDHステップ/TDHmsecテーリン
グを行なう。
そして、ダッシュポット開度が0になれば、自動的に
終了する。
1−vi) アイドルモード(I) このアイドルモード(I)のなかには、回転数フィー
ドバック制御モードと学習制御モードとがあり、それぞ
れ所定時間幅毎に制御モードが作動するようになってい
る。
1−vi−) 回転数フィードバック制御モード 回転数フィードバック制御モードであるための判定条
件は次のとおりである。すなわち、アイドルスイッチ38
がオンで且つ、次の条件が全て満たされたときに、この
制御モードと判定される。
a) 始動モード後、TIC秒経過していること b) クーラスイッチ50のオンオフ切替後、TIA秒経過
していること c) ダッシュポット制御後、TND秒経過していること d) NレンジからDレンジあるいはDレンジからNレ
ンジへの切替後TND秒あるいはTDN秒経過していること e) アイドルスイッチ38オン後、TID秒経過している
こと f) 車速がほぼ0になった後、TIV秒経過しているこ
と g) パワステアリングオフ後、TPS秒経過しているこ
と または、次の条件が満足されたときに、この制御モー
ドと判定される。
h) Nレンジにあるとき i) クーラスイッチ50がオフであるとき j) 実回転数≦目標回転数のとき そして、これらの条件を満足していると、次の制御が
実行される。すなわち、目標回転数となるようフィード
バック制御が実行される。このときの具合的な制御は、
アイドルスピードコントロールバルブ18の目標開度が
(基本開度+学習値+ΣΔS)となるように制御され
る。
1−vi−) 学習制御モード 学習制御が行なわれるための判定条件は次のとおりで
ある。まず、前提要件として、第9図に示すように、目
標回転数から実回転数を減算して回転数差(回転数エラ
ー)ΔNを求め(ステップ9−1)、ついで、次式に基
づきこの回転数差ΔNに正のゲイン(ステップ数/回転
数)GUまたは負のゲインGD(ここでは、GD=GU)を乗じ
て開度修正分ΔSを求める(ステップ9−2)。
なお、ΔNとΔSとの関係の一例を示すと、第3図の
ようになる。
そして、開度修正分ΔSの積算値ΣΔSを求める(ス
テップ9−3)。すなわちアイドルスイッチ38がオン
で、水温≧TL0で、且つ、|ΔN|≧Nb(不感帯幅相当)
をTLR継続していること。但しパワステスイッチ58はオ
フであること(ステップ9−4)。
そして、回転数エラーΔNが設定値以下となったと
き、回転数が安定し、目標回転数となったものと判定し
て、このような条件を満足すると、学習値+積算値ΣΔ
Sが上限値SULと下限値SLLとの間にあれば、学習値+積
算値ΣΔSを新しい学習値と設定し、積算値をリセット
(ΣΔS=0)して学習値を更新する。また、回転数エ
ラーが設定値よりも大きければ、学習は行なわれない。
すなわち、積算値ΣΔSと前の学習値S′Lとの和を
とって新しい学習値SLとする(ステップ9−5)、そし
て、学習値SLが上限値SULと下限値SLLとの間にあれば
(ステップ9−6,7)、積算値ΣΔSをゼロにリセット
する(ステップ9−8)。
また、学習値SLが上限値SUL以上となれば、学習値SL
から上限値SULを減じたものを新たな積算値とするとと
もに(ステップ9−9)、上限値SULを新しい学習値SL
とする(ステップ9−10)。
さらに、学習値SLが下限値SLL以下となれば、学習値S
Lから下限値SLLを減じたものを新たな積算値とするとと
もに(ステップ9−11)、下限値SLLを新しい学習値SL
とする(ステップ9−12)。
すなわち、学習値SLが上限値SUL以上ないし下限値SLL
以下であれば、それぞれ次式を満足する。
ST=SB+S′L+ΣΔS =SB+SL =SB+(SUL)+(SL+SUL) =SB+(SLL)+(SL−SLL) ここで、STは目標開度に対応するステップ数、SBは基
本開度に対応するステップ数であり、水温,クーラオン
オフ、N,Dレンジの別に応じて決定されるものである。
このような積算値ΣΔSは、共通のものを1つそなえ
ており、学習値SLは、インヒビタスイッチ48により、N,
Dレンジの別に2項目と、クーラスイッチ50により、OF
F,Lo,Hiの別に3項目とを乗じた6種類のものをそなえ
ており、クーラスイッチ50のOFF状態且つN,Dレンジの2
種類のみ、バッテリバックアップ状態とする。
そして、これらの各学習値SLは、その6種類の状態が
変化するのに応じて、リセットせずに、呼出しおよび格
納を繰り返すようになっていて、各種類における負荷条
件等の変化による経年変化に対応するようになってお
り、RAMのメモリエラーやバッテリを外した場合にリセ
ットされるようになっている。
また、積算値ΣΔSは、この6種類の状態が変わった
場合に、リセットすることにより、各状態に用いられ、
フィードバックするためのものである。
このような学習制御モードによる処理を行なえば、次
のような効果ないし利点を得ることができる。エンジン
回転数の安定した状態において学習を行なうことがで
き、上述の式および第10図(a),(b)に示すよう
に、学習値SLがリミットSUL,SLLを超えた場合にも、上
述のリミットを超えた分(SL−SUL)または(SL−SLL
を積算値として反映させて、フィードバック制御量に還
元し、目標開度を決定しているので、学習前後で回転変
動が起こらず、連続したフィードバック制御が可能とな
る。これにより、車体に生じるショックが少なくなる利
点がある。
1−vii) アイドルモード(II) アイドルモード(II)であるためには、アイドルスイ
ッチ38がオンで、且つ、回転数フィードバック禁止時で
あることが、その判定条件であるための原則である。
そして、このときの制御内容は次のとおりである。す
なわち基本目標開度に学習値と所定値とを加えた値とな
るようにアイドルスピードコントロールバルブ18の開度
が制御される。
1−viii) 異常A/N低下モード 異常A/N低下モードであるためには、アイドルスイッ
チ38がオンであり且つ下記の各条件が同時に成立したと
きからオフアイドルまたは回転数フィードバック制御に
入るまでである。
a) 回転数フィードバック禁止時 b) パワステアリングスイッチ58がオン時 c) 密度補正値が所定値以下 そして、このときの制御内容は次のとおりである。す
なわち、目標開度をアイドルモード(II)の目標開度に
所定量のリフトアップ量Semgを加算して、開度制御を行
なう。
また、アイドルスイッチ38がオン状態からオフ状態に
移行するときにおいて、異常A/Nの低下が生じ、この状
態は、例えば、アクセルペダルを短時間急激に踏み込ん
だときに生じるもので、このアクセスペダルタップ時に
おいて、混合気の瞬間的な増量が生じても、エンストを
防止するためのモードである。
このアクセスペダルタップ時のエンスト防止モードで
は、第15図に示すように、スロットル開度に対応するス
テップ数SRが所定値bよりも小さいアイドル時等のエン
ジン出力の小さい状態のとき(ステップ15−1)、且
つ、ステップ数SRの微分値dSR/dtがマイナスで且つ所定
値c(>0)よりも小さいとき(ステップ15−2)、ア
クセルペダルのタップ時であると判定して、タップ時フ
ラグITAPをオンにして(ステップ15−3)、タップ時フ
ラグITAPがオンであれば(ステップ15−4)、エンジン
負荷状態が所要の条件下にあり、すなわち、A/Nが設定
値dよりも小さければ(ステップ15−5)、ISCバルブ1
8を所定量開いて(ステップ15−6)、スロットルバル
ブ14をバイパスした吸入空気をエンジン2の燃焼室へ供
給することにより、吸入空気量を増加させ、タップ時フ
ラグITAPをリセットする(ステップ15−7)。
また、A/Nが設定値d以上であれば、タップ時フラグI
TAPがオンになった後、dSR/dtに関連した所定時間が経
過すれば(ステップ15−8)、タップ時フラグITAPをリ
セットし(ステップ15−9)、経過しなければ、タップ
時フラグITAPは現状を維持される。
このようなアクセルペダルタップ時のエンスト防止モ
ードによる処理を行なえば、次のような効果ないし利点
を得ることができる。
従来、第16図(a)に示すように、アイドルスイッチ
38がオンからオフを経てオンへ変化する時間が短いよう
な急速なスロットル変化時(タップ時)は、スロットル
バルブ14からエンジン2の燃焼室までの間の容積,回転
系の慣性質量により、制御の遅れが生じて、スロットル
開度と1吸気行程あたりのエンジン回転数に対する吸入
空気量の比(A/N)[第16図(c)参照]との間に位相
のずれが生じるため、エンジン回転数が高く且つスロッ
トル開度が小さい状態が生じて[第16図(a),(b)
中の時刻t0参照]、吸入空気量の不足が生じ、A/Nが異
常に低くなる領域Z16ができて、この状態において、ISC
バルブ18が一定開度を維持していると[第16図(d)参
照]、エンジン2へ必要な空気量が供給されないので、
第16図(b)中に符号NDOWNで示すように、エンジン回
転数がアンダーシュートして、エンストに至ることがあ
る。
これに対して、本実施例では、第16図(e)に示すよ
うに、急速なスロットル変化時(タップ時)に、エンジ
ン回転数が高く且つスロットル開度が小さい状態が生じ
ても[第16図(e),(f)中の時刻t0参照]、ISCバ
ルブ18が一時的に開度を増す状態となって[第16図
(h)参照]、これにより吸入空気量がバイパスされ
て、一時的に増量制御されて、吸気空気量の不足分が解
消され、第16図(g)中に実線および2点鎖線で示すよ
うに、A/Nの落ち込みが防止されて、エンジン2へ必要
な空気量が常に供給されるので、エンジン回転数のアン
ダーシュートが防止され、これによりタップエンスト
(アクセルペダルアタップ時に生じるエンスト)が防止
されるのである。
この時、吸入空気量の増量は、前述したようにA/Nが
設定値d以下となった場合に行なうが、タップ操作によ
りエンジン回転数が実際に低下する前にA/Nの低下を検
知してエンジン回転数の低下を予測することにより吸入
空気を増量させ、その結果混合気が増量されるので、タ
ップ操作に伴うエンジンストールの発生を応答性良く防
止することができる上、タップ操作を検知してもA/Nが
設定値d以下とならずにエンジンストールが発生する可
能性のない場合には、無駄に混合気を増量するようなこ
とがない。
なお、アクセルペダルにセンサを付設してアクセル踏
込開度を検出するようにしてもよく、上述のタップセン
サにおいて、アイドルスイッチ38からのオフからオンへ
(またはオンからオフへ)の変化情報を用いるようにし
てもよく、例えば、アイドルスイッチ38のオンからオフ
への変化が検出されたときから所定時間幅だけ上述のタ
ップセンサからの出力を許容し、それ以外においてはタ
ップ出力を行なわないように構成したり、アイドルスイ
ッチ38のオンからオフを経由しオンへの変化が、短時間
であることを検出したときタップであることを検出した
としてもよい。
1−ix) 異常回転数低下モード 異常回転数低下モードであるためには、アイドルスイ
ッチ38がオンで、且つ、下記の2つの条件が同時に成立
した時から負荷コンポーネンドであるパワステアリング
スイッチ58がオフするまでの間のモードである。
a) パワステアリングスイッチ58がオンであること b) エンジン回転数 であること ここで、NNはNレンジの設定回転数であり、ND(<
NN)はDレンジの設定回転数である。
すなわち、第13図に示すように、パワステアリングス
イッチ(P/S)58がオンであり(ステップ13−1)、エ
ンジン回転数Nが設定回転数NNまたはNDよりも小さくな
ったときにおいて[第14図(a),ステップ13−2]、
そして、この異常回転数低下モードの作動フラグIUがゼ
ロ(非作動)であれば(ステップ13−3)、第14図
(b)に示すように、所定量アイドルアップを行ない
(ステップ13−4)、まず、モータ開度が設定値S1にな
るまで、急激にステップアップし、モータ開度が設定値
S1に到達したらパワステアリングオン時の目標開度に対
応する設定値S2まで緩やかに減少(テーリング)させ
て、パワステアリングスイッチ58がオンとなっている間
アイドルアップを維持する[第14図(c),(d)]。
ついで、異常回転数低下モードの作動フラグIUをセッ
トする(ステップ13−5)。なお、この作動フラグIU
リセット条件はパワステアリングスイッチ58がオフ状態
となったときである(ステップ13−6)。
このような異常回転数低下モードによる処理を行なえ
ば、次のような効果ないし利点を得ることができる。ア
イドル時に、負荷コンポーネントの作動開始後におい
て、直ちにアイドルアップせずに、運転状態としてのエ
ンジン回転数の低下を検出後、アイドルアップを開始
し、一旦、負荷コンポーネントオン時のアイドルアップ
を超えてから緩やかに減少(オーバーシュート)させる
ので、エンジン回転数の増大を防止させることはもとよ
り、エンジン回転数の落ち込みを減少させることがで
き、短時間のうちにアイドルアップを行なうことができ
る利点があり、負荷コンポーネントが作動非作動を繰り
返した場合にも、アイドルアップ動作のハンチングを防
止することができる。
1−x) クーラリレーオン時リフトアップ制御モード クーラリレーオン時リフトアップ制御モードであるた
めには、下記の条件が同時に成立しなければならない。
a) クーラスイッチ50がオンであること b) エンスト/始動モード以外のモードであること c) 始動直後燃料増量終了後であること d) 始動直後リフトアップ終了後であること e) エンジン回転数がエアコンオン時回転数よりも大
きいこと f) 上記e)が成立した後、所定時間経過しているこ
と g) クーラスイッチオン後所定時間経過していること h) 目標回転数がエンジン回転数よりも小さく、且
つ、所定回転数以内であること すなわち、第11,12図に示すように、クーラスイッチ5
0がオンとなれば(ステップ11−1)、クーラオン時の
目標開度に対応するステップ数SACまでステップ数を通
常のアイドルよりS1だけ増加して(ステップ11−2)、
ついでエンジン回転数Nがクーラオン時目標回転数NAC
よりも所定回転数N1だけ小さい回転数(NAC‐N1)にな
ったことを検出したときまたはクーラスイッチ50がオン
となってから所定時間経過後(ステップ11−3)、クー
ラリレーオン条件が成立したとして、さらに、ステップ
数をS2増加させSUとして(ステップ11−4)、このステ
ップアップ開度SUに到達したら(ステップ11−5)、ク
ーラリレー82をオンとして(ステップ11−6)、再度ク
ーラオン時の目標開度に対応するステップ数SACまでス
テップ数を緩やかに減少させる(ステップ11−7)。
このようなクーラリレーオン時リフトアップ制御モー
ドによる処理を行なえば、次のような効果ないし利点を
得ることができる。アイドル時に、負荷コンポーネント
に対するアイドルアップ量に加えて、クーラオン時のシ
ョック防止用のアイドルアップ量を設けてあるので、エ
ンジン負荷の比較的大きいクーラコンプレッサ作動時の
ショックを防止できる利点があり、回転数上昇時のオー
バシュートを防止し、フィードバック制御へスムーズに
継なげることができる効果がある。
1−xi) オーバヒート時制御モード ここでいうオーバヒート時とは、例えば3%登り勾配
を120km/hで走行したり、10%登り勾配を40km/hで走行
したりしたような高負荷運転直後に、エンジンをとめる
と、冷却ファンや冷却水の循環がとまってエンジンルー
ムが熱くなり、30〜40分後には100℃前後にもなる場合
のときをいうが、これにより燃料中に気泡が生じたりし
て、その後の燃料供給制御等に支障をきたす。そのため
にこのオーバヒート時制御を行なうが、その詳細は後述
する。
1−vii) その他 1−vii−) ECU76が暴走した場合のリセット法につ
いて ECU76が何らかの理由によって暴走した場合、ステッ
ピングモータ18aによるアイドルスピード制御に支障を
きたす。そこで、次のような種々の手法によってECU76
が暴走したことを判定検出し、リセットをかけることが
行なわれる。
a) 第1の手法(第17図参照) この第1の手法による処理の流れを第17図を用いて説
明する。まず、ステップ17−1で、ステッパモータポジ
ションを異なったメモリエリアMA,MBにそれぞれストア
させる。この場合、一方のメモリエリアMAとしては例え
ばスタックエリアが選ばれ、他方のメモリエリアMBとし
てはスタックエリアから離れたメモリエリアが選ばれ
る。なお、スタックエリアは割込み実行命令が入ったと
きに使用される部分で、通常ECU76が暴走したときに破
壊されやすいメモリエリアとされている。
次に、ステップ17−2で、目標ポジション(目標開
度)が演算されるが、その後、ステップ17−3で、メモ
リエリアMA,MBの内容をロードして、ステップ17−4
で、メモリエリアMA,MBの内容が一致するかどうかを見
る。もしメモリエリアMA,MBの内容が一致いている場合
は、ECU76は正常に作動していると判断して、ステップ1
7−5で、ステッパモータ18aを所要量駆動させる。しか
し、メモリエリアMA,MBの内容が不一致の場合は、ECU76
は暴走していると判定されて、ステップ17−6で、ECU7
6がリセットされる。
これにより、ECU76が暴走して、アイドルスピード制
御が異常になることを十分に防止することができ、アイ
ドルスピード制御の信頼性が高くなる。
b) 第2の手法(第18図参照) この第2の手法による処理の流れを第18図を用いて説
明する。まず、ステップ18−1で、ステッパモータポジ
ションをそのまま一方のメモリエリアMAにストアすると
ともに、他方のメモリエリアMBにはステッパモータポジ
ションにある種の演算を施してからストアする。この場
合の演算は例えば次のようなものがなされる。すなわ
ち、ステッパモータポジションデータが8ビット情報を
もっているとすると、この8ビット情報の上位または下
位の4ビットだけをとり、残りは記憶させないというよ
うなことがなされる。従って、メモリエリアMBにはステ
ッパモータポジションデータの4ビット分が記憶され
る。
そして、この場合のメモリエリアMA,MBについては、
上記の第1の手法(第17図参照)の場合と同様、一方の
メモリエリアMAはスロットルポジションセンサ36の暴走
時に破壊されやすい部分(例えばスタックエリア)が選
ばれ、他方のメモリエリアMBはスタックエリアからはな
れたメモリエリアが選ばれる。
次に、ステップ18−2で、目標ポジション(目標開
度)が演算され、その後ステップ18−3で、メモリエリ
アMA,MBをロードする。そして、ステップ18−4で、メ
モリエリアMAの内容に所要の演算を施す。この演算は上
記ステップ18−1でなされたものと同じ演算がなされ
る。すなわち、メモリエリアMAの内容は8ビット情報で
あるから、この8ビット情報の上位または下位の4ビッ
トだけをとり、残りは記憶させないというようなことが
なされる。従って、この演算により、メモリエリアMAか
らの読出し値は4ビット情報となる。
その後はステップ18−5で、メモリエリアMBの内容
と、メモリエリアMAの内容に演算を施したものとが一致
するかどうかが判断される。もしECU76が暴走していな
ければ、両者は一致するはずであるから、一致していれ
ば、ECU76が正常であると判断して、ステップ18−6
で、ステッパモータ18aを所要量駆動させる。しかし、
両者が一致していない場合は、ECU76が暴走していると
判定して、ステップ18−7で、ECU76がリセットされ
る。
この場合は、同じデータを異なった2つのメモリエリ
アMA,MBに記憶するにとどまらず、演算プロセスを加
え、即ち同じ演算を時間のおいて2回施すことが行なわ
れるので、更にECU76の暴走判定の信頼性を高めること
ができる。
c) 第3の手法(第19図参照) この第3の手法は、ウォッチドグタイマ(ハードウェ
ア)を併用したものである。この第3の手法による処理
の流れを第19図を用いて説明する。
まずステップ19−1で、ウォッチドグタイマをセット
する。このウォッチドグタイマはコンピュータの基板に
外付けされたもので、セット後所要時間経過すると、EC
U76へリセット信号を出力するものである。したがっ
て、ウォッチドグタイマをセットしたあとは、所要時間
経過するのをまち、経過すれば(ステップ19−2)、ス
テップ19−3で、コンピュータにリセットをかけること
が行なわれる。
なお、上記の第1〜第3の手法において、コンピュー
タリセットとは、プログラムイニシャライズ等の処理を
意味し、これによりアイドルスピードコントロールバル
ブ18のステッパモータポジションが初期化される。
(2) 燃料供給制御 (2−1) 燃料供給制御 本実施例における燃料供給制御方式としては、6気筒
分個々に電磁式燃料噴射弁6を有するMPI方式が採用さ
れているが、この制御に際しては、電源投入後、直ちに
マイクロプロセッサ(コンピュータ76)をリセットし、
各種センサからの入力に基づき、次の運転モードのいず
れにあるかを判定し、各運転モード(第22図参照)で規
定される駆動タイミングおよび駆動時間TINJで電磁式燃
料噴射弁6を駆動することが行なわれる。
なお、TINJ=TB×K+TD+TEである。ここで、TBは電
磁式燃料噴射弁6の基本駆動時間、Kは補正係数、TD
無効噴射補正時間、TEは臨時噴射補正時間である。
上記運転モードは次のとおりである。
2−1−i) 停止モード 2−1−ii) 始動モード 2−1−iii) 燃料制限モード 2−1−iv) 空燃比A/Fフィードバックモード 2−1−v) 高速全開モード 2−1−vi) その他 2−1−i) 停止モード この停止モードであるための判定条件は次のとおりで
ある。すなわち、クランキングスイッチ52がオンでエン
ジン回転数が10〜20rpmよりも低いか、クランキングス
イッチ52がオフでエンジン回転数が30〜40rpmよりも低
い場合は、停止モードであると判定される。この場合は
何ら燃料噴射は行なわない。
2−1−ii) 始動モード この始動モードであるための判定条件は、次のとおり
である。すなわちクランキングスイッチ52がオンでエン
ジン回転数が10〜20rpm以上数百rpm以下であるとき、始
動モードであると、判定される。
そして、このように判定されると、全気筒同時に1回
転につき所要回数の割合で燃料が噴射されるが、そのと
きのインジェクタ駆動時間は冷却水温が高くなるにつれ
て短くしてゆくことが行なわれる。
2−1−iii) 燃料制限モード この燃料制限モードには、A/Nカットモード,オーバ
ランカットモード,最高速カットモードおよびアイドル
カットモードがあるが、このように燃料をカットするの
は、エンジンパワーを制限したり、失火防止や燃費向上
のために行なうのである。
2−1−iii−) A/Nカットモード このA/Nカットモードであるための判定条件は次のと
おりである。すなわち、エンジン回転数が所定値NANFC
よりも大きく、エンジン負荷状態が所要の条件(η
VANFC)B下にあり(第22図参照)、これらの状態がある
時間継続した場合に、A/Nカットモードであると判定さ
れ、燃料がカットされる。ここで、A/Nとはエンジン1
回転あたりの吸気量を意味し、エンジン負荷情報をも
つ。
2−1−iii−) オーバランカットモード オーバランカットモードであるための判定条件は次の
とおりである。すなわち、エンジン回転数が所定値N
ORFC(例えば6300rpm)よりも大きい場合(第22図参
照)に、オーバランカットモードであると判定され、燃
料がカットされる。
ところで、このオーバランカットモードに入る前段階
で、空燃比を理論空燃比(ストイキオ)にし点火時期を
リタードさせるような制御が行なわれる。次に上記のオ
ーバランカットおよびオーバランカットプレステップモ
ードでの制御について説明する。
a) 第1の手法 第2図に示すごとく、ステップ28−1で、エンジン回
転数NがNPORFC(例えば6100rpm)と比較され、N≧610
0なら、ステップ28−2で、エンジン回転数NがN
ORFC(例えば6300rpm)と比較され、N<6300なら、オ
ーバランカットプレステップモードが選ばれる。すなわ
ち、ステップ28−3で、空燃比A/Fを理論空燃比(スト
イキオ)にし、ステップ28−4で、点火時期をリタード
させることが行なわれる。
そして、このような状態で更にエンジン回転数Nが上
昇して6300rpm以上になると、ステップ28−5で、全気
筒燃料カットすることが行なわれる。
なお、エンジン回転数Nが6100rpmよりも低いとき
は、通常の制御が行なわれる(ステップ28−6)。
このようにすることにより、次のような効果ないし利
点が得られる。すなわち、上記のようなオーバランカッ
トに入る前に、空燃比がリッチぎみに設定されているこ
とが多く、このようなリッチぎみな状態で燃料をカット
すると、いわゆる後燃え(あともえ)が生じ、排気温が
上昇し、触媒74が溶けるおそれがあるが、上記のように
オーバランカットに入る前に、空燃比をリーン側へすな
わちストイキオに戻しておけば、後燃えのおそれがなく
なるのである。
なお、空燃比の調整と同時に点火時期をリタードさせ
るのは、ノッキングが発生するのを避けるためである。
ここで、空燃比A/Fやリタード量はエンジン回転数N
に応じて設定されている[第30図(a),(b)参
照]。
また、空燃比A/Fについては、第30図(c)に示すよ
うに、実際は変速比に応じて変えられるとともに、リミ
ッタλ2によって制限される。
次に、空燃比設定フローについて、第29図を用いて簡
単に説明すると、まずステップ29−1で、A/NとN(エ
ンジン回転数)とから決まる空燃比情報λ1をマップか
ら読み出し、ついでステップ29−2で、エンジン回転数
Nに応じた空燃比情報(リミッタ)λ2を読み出すか演
算し、ステップ29−3で、λ2>λ1かどうかが判定され
る。もしλ2>λ1なら、ステップ29−4で、λ1=λ2
おいて、ステップ29−5で、λ1に基づいて空燃比が設
定される。また、ステップ29−3でλ2≦λ1なら、ステ
ップ29−5へジャップして、λ1に基づいて空燃比を設
定する。
b) 第2の手法 この第2の手法は第31図に示すとおりである。すなわ
ち、ステップ31−1で、エンジン回転数NがNORFC(例
えば6300rpm)と比較され、N≧6300なら、ステップ31
−2で、エンジン回転数NがNPORFC(例えば6100rpm)
と比較され、N≧6100なら、ステップ31−3で、再度エ
ンジン回転数Nが6300と比較される。このとき、N<63
00となっていたら、オーバランカットプレステップモー
ドが選ばれる。すなわち、ステップ31−4で、空燃比A/
Fを理論空燃比(ストイキオ)にし、ステップ31−5
で、点火時期をリタードさせることが行なわれる。そし
て、その後再度エンジン回転数Nが上昇して6300rpm以
上になると、ステップ31−6で、全気筒燃料カットする
ことが行なわれる。
なお、ステップ31−1でNOの場合およびステップ31−
2でNOの場合は、ステップ31−7で、通常の制御が行な
われる。
この場合は、エンジン回転数が上昇してきて、最初に
6100rpmを超えた場合は、オーバランカットプレステッ
プ処理(ステップ31−4,31−5)を施さないで、一旦63
00rpmを越えたのちに、6100rpmを越えると、オーバラン
カットプレステップ処理が施される。このように最初に
6100rpmを越えた場合にオーバランカットプレステップ
処理を施さないのは、加速フィーリングを損なわないよ
うにするためである。
したがって、この第2の手法を適用すれば、加速フィ
ーリングを損なわず、しかも後燃え等の不具合も解消で
きる。
なお、上記の第1,第2の手法を実施すれば、触媒溶損
のおそれを回避できるため上記の第1,第2の手法を実施
する際に、燃料カットを全気筒について行なう代わり
に、一部の気筒についてのみ燃料カットを行なってもよ
い。
また、燃料カットを行なうべき気筒数を吸気量や車速
等エンジン負荷状態に応じて決定してもよい。
2−1−iii−) 最高速カットモード 最高速カットモードであるための判定条件は次のとお
りである。すなわち、車速が所定値(180km/h)よりも
大きい場合に、最高速カットモードであると判定され、
燃料がカットされる。
ところで、この最高速カットモードにおいては燃料カ
ットを行なう前段階で、空燃比を理論空燃比(ストイキ
オ)にし点火時期をリタードさせるような制御が行なわ
れる。次に上記の最高速カットモードでの制御について
説明する。
第32図に示すごとく、ステップ32−1で、車速VCが18
0km/h以上かどうかが判断される、180hm/h以上なら、最
高速カットプレステップモードが選ばれる。すなわち、
ステップ32−2で、空燃比A/Fを理論空燃比(ストイキ
オ)にし、ステップ32−3で、点火時期をリタードさせ
ることが行なわれる。
その後は、ステップ32−4で、加速度dVC/dtがどのよ
うな状態であるかが判断される。もし、dVC/dt>0な
ら、ステップ32−5で、例えば第1,第4気筒についての
燃料カットが行なわれる。V6エンジンの場合、一方のバ
ンクには第1,3,5気筒が順に装備され、他方のバンクに
は第2,4,6気筒が順に装備され、第1(4,6)気筒と第2
(3,5)気筒が向かいあうように配設され、点火順序が
第1,2,3,4,5,6気筒の順であるので、このように第1,第
4気筒について燃料カットを施しても振動等の問題はお
きない。この場合燃料カットすべき気筒数は前気筒分で
もよく、第1,第4気筒以外の組合わせ(1気筒分も含
む)でもよく、更に燃料カットすべき気筒の数は、吸気
量や車速等、エンジン負荷状態に応じて決定してもよ
い。
なお、ステップ32−4で、dVC/t≦0の場合は、燃料
カットすることなく(ステップ32−6)、ステップ32−
7で、車速VCが175km/h以上かどうかが判断される。VC
≧175の場合は、ステップ32−4へとび、これ以降の処
理が再度なされる。
また、ステップ32−1で、車速VCが180km/hよりも小
さい場合や、ステップ33−7で、車速VCが175km/hより
も小さい場合は、通常の制御(空燃比,点火時期)が行
なわれる(ステップ32−8)。
この場合も、前述のオーバランカットの場合と同様、
いわゆる後燃えを生じることがなく、触媒溶損を招くこ
ともない。
2−1−iii−) アイドルカットモード アイドルカットモードであるための判定条件は次のと
おりである。すなわち、第20図に示すように、アイドル
スイッチ38がオンであり(ステップ20−1)、エンジン
負荷状態が所要の条件(ηVANFC)B下にあり(第21,22図
参照)、すなわち、A/Nが設定値よりも小さく(ステッ
プ20−2)、さらに、エンジン回転数が所定値NIDFC
りも大きく(ステップ20−3)、冷却水温がTIDLよりの
大きい場合に、アイドルカットモードであると判定さ
れ、燃料がカットされる(ステップ20−4)。
また、アイドルスイッチ38がオンであり(ステップ20
−1)、エンジン負荷状態が所要の条件(ηVANFC)B
にあり(第21,22図参照)、すなわち、A/Nが設定値より
も小さく(ステップ20−2)、さらに、エンジン回転数
が所定値NIDFC以下であっても(ステップ20−3)、イ
ンヒビタスイッチ48からの検出信号によりDレンジ(ま
たは、前進段)のどの変速段(高シフト,中シフト,低
シフト)にあるか検出され(ステップ20−5)、車速が
変速段に対応する設定値(NS3,NS4,NS5)よりも大きけ
れば(ステップ20−6)、冷却水温がTIDLよりも大きい
場合に、アイドルカットモードであると判定され、燃料
がカットされる(ステップ20−4)。
すなわち、シフト位置が高いと、エンストとなりずら
いので、上記設定値が小さくなる。
なお、上述の条件のうち冷却水温の条件を外してもよ
く、各条件が成立しなければ、燃料カットモードはリセ
ットされる(ステップ20−7)。
このようなアイドルカットモードによる処理を行なえ
ば、次のような効果ないし利点を得ることができる。ア
イドル時の燃料カットの判定条件にエンジン回転数,A/N
および変速段に応じた車速の各判定条件を加えることに
より、エンストの可能性の小さい領域(クラッチオン時
等のエンジンと変速段との駆動力伝達状態に、車速が所
定値以上であれば、エンジンが車輪からの回転駆動力に
より回転されるので、エンストしずらい領域)で従来燃
料カットを行なっていない領域ZID(第21図中の網状ハ
ッチング部分参照)まで、燃料カット領域を拡張するこ
とができ、燃費低減をはかることができる。
すなわち、従来燃料カットを行なっていた領域ZID
(第21図中の斜線部分参照)をエンジン回転数の低い領
域へ拡大することができる。なお、このアイドルカット
モードは、マニュアルトランスミッションをそなえた車
両も適用できる。
ところで、減速時における燃料カット(例えばA/Nカ
ットモード)のあと、この燃料カットをやめて燃料供給
制御を復帰させた場合に、ショックが起きることがある
ため、これを防止するために次のような処理がなされ
る。すなわち、第33図に示すごとく、まずステップ33−
1で、減速時での燃料カット(F/C)中かどうかが判断
され、NOであれば、ステップ33−2で、燃料カットが解
除され燃料供給が再開された直後(F/C復帰直後)かど
うかが判断される。もしYESであれば、ステップ33−3
で、点火時期をリタードさせることが行なわれる。これ
によりエンジン発生トルクが低下し、燃料カット解除後
の復帰ショックが低減される。
なお、ステップ33−1で、YESの場合は、ステップ33
−3へジャンプして、点火時期をリタードさせることが
行なわれる。このように燃料カット中から点火時期をリ
タードさせておく、即ち準備しておくことにより、F/C
復帰直後の点火時期リタード制御を円滑に行なうことが
できる。
2−1−iv) 空燃比フィードバックモード (A/F FBモード) A/F FBモード(W/FBゾーン)であると判定されるため
の条件は次のとおりである。すなわち、第22図に示すご
とく、エンジン負荷状態が所定の範囲{[(ηVFBL)C
りも大きく、(ηVFBH)Cよりも小さい範囲]又はエンジ
ン回転数でマップされたスロットル開度THFBHよりも小
さい範囲}で、冷却水温がTFB(<TID)よりも大きく、
且つ始動後所定時間が経過している場合に、A/F FBモー
ドであると判定され、所要のタイミングで所要の時間だ
け、電磁式燃料噴射弁6が駆動される。これによりA/F
FBモードに最適な燃料供給制御が行なわれる。この場
合、インジェクタ基本駆動時間TBに掛けられる補正係数
は、フィードバック補正係数,吸気温補正係数,大気圧
補正係数である。
ところで、このA/F FBモードでの制御は、O2センサ46
からの検出信号を使っているが、O2センサ46は、第23図
に示すごとく、ヒータ46aを有しており、O2センサ46の
検出部46bとヒータ46aとが同一のコネクタ46cを通じ同
一のパッケージ内に収められているので、ヒータ46aを
流れる電流がO2センサ検出部46bへリークしてくるおそ
れがある。もしこのようにリークしてくると、O2センサ
46は高い電圧(例えば12V程度)を出すため、ECU76にダ
メージを与えるおそれがある。したがって、本実施例で
は、O2センサ46の出力が一定レベル(例えば1.5V)以上
となると、ヒータ電流がリークしているものとみなし
て、第23図のリレースイッチ90を開いてヒータ電流を遮
断することが行なわれる。そして、ヒータ電流遮断後の
制御態様は次のとおりである。
a) 制御態様1(第24図) この態様1での処理は第24図に示すとおりであるが、
まずステップ24−1で、A/F FBバックモード(FBモー
ド,O2 FBモード)かどうかが判断され、もしFBモード
であれば、ステップ24−2で、O2センサ46が活性状態に
あるかどうかが判断される。
ここで、O2センサ46が不活性であると判定されるため
には、次の条件のいずれかを満足すればよい。
a−1) エンジンキーオン後所定時間が経過してい
る。
a−2) 活性化判定電圧を横切る。
a−3) FBモード中で所定時間出力がある値(上記活
性化判定電圧値よりも低い)を横切らない。
もし、O2センサ46が活性化されていると判断される
と、ステップ24−3で、O2センサ出力をみる。ここで、
例えば1.5V以上であることが検出されると、ステップ24
−4で、ヒータ電流がリークしているとみなして、フィ
ードバック制御を禁止する。従って、その後はフィード
バック以外の制御(W/O FB制御)が行なわれる(ステッ
プ24−5)。
そして、その後に一定時間経過したかどうかが判断さ
れ(ステップ24−6)、もし経過していたなら、ステッ
プ24−6で、再度ヒータ46aへ通電することが行なわれ
る。その後は再度ステップ24−3で、O2センサ出力がど
の位かが検出される。このようにFB制御禁止後、所定時
間経過後のにヒータ46aへ再通電することが行なわれる
ので、FB制御禁止の解除のための機会を多くすることが
できる。
なお、ステップ24−3で、O2センサ出力が1.5V未満の
場合は、ステップ24−8で、再度O2センサ出力がどの位
かを検出される。もし、0.5V未満であれば、ステップ24
−9で、リッチ化するようフィードバック補正がかけら
れ、0.5V以上であれば、ステップ24−10で、リーン化す
るようフィードバック補正がかけられる。
これにより、ヒータ電流のリークによる信号電圧の異
常上昇に伴う空燃比リーン化を防止することができ、そ
の結果エンジンストップ(エンスト)やドライバビリテ
ィ悪化等の発生を十分に防止できる利点がある。
なお、ステップ24−1で、W/O FBモードと判定された
り、ステップ24−2で、O2センサ不活性と判定されたり
した場合は、ステップ24−11で、W/O FB制御がなされ
る。
b) 制御態様2(第25図) この態様2での処理は第25図に示すとおりであるが、
まずステップ25−1で、A/F FBバックモード(FBモー
ド、O2 FBモード)かどうかが判断され、もしFBモード
であれば、ステップ25−2で、フラグFLG1=1かどうか
が判断される。最初はFLG1=0であるからNOルートをと
り、ステップ25−3で、O2センサ46が活性状態にあるか
どうかが判断される。
ここで、O2センサ46が不活性であると判定されるため
の条件は前述ののとおりである。
もし、O2センサ46が活性化されていると判断される
と、ステップ25−4で、O2センサ出力をみる。ここで、
例えば1.5V以上であることが検出されると、ステップ25
−5で、ヒータ電流がリークしているとみなして、フィ
ードバック制御を禁止し、ステップ25−6でFLG=1と
してリターンする。従って、その後はフィードバック以
外の制御(W/O FB制御)が行なわれる(ステップ25−1
1)。
なお、ステップ25−4で、O2センサ出力が1.5V未満の
場合は、ステップ25−7で、再度O2センサ出力がどの位
かを検出される。もし、0.5V未満であれば、ステップ25
−8で、リッチ化するようフィードバック補正がかけら
れ、0.5V以上であれば、ステップ25−9で、リーン化す
るようフィードバック補正がかけられる。
これにより、ヒータ電流のリークによる信号電圧の異
常上昇に伴う空燃比リーン化を防止することができ、そ
の結果エンジンストップ(エンスト)やドライバビリテ
ィ悪化等の発生を十分に防止できる利点がある。
また、フラグFLG1は、一旦1になると、イグニッショ
ンスイッチ54がオフになるまで、FLG=1を保持するの
で、A/F FBモードであると判断されると、その後は必ず
フォードバック制御を禁止する。しかし、イグニッショ
ンスイッチ54がオフになると、FLG1=0となるので、フ
ィードバック制御を復帰することができる。
なお、ステップ25−1で、W/O FBモードと判定された
り、ステップ25−3で、O2センサ不活性と判定されたり
した場合は、ステップ25−10で、W/O FB制御がなされ
る。
2−1−v) 高速全開モード 高速全開モードであるための判定条件は次のとおりで
ある。すなわち第22図に示すごとく、エンジン負荷状態
が所定値(THALPHN)よりも高く、しかもこの状態が所
定時間(短時間)経過している場合に、高速全開モード
であると判定され、A/F FBモードと同様にして、所要の
タイミングで所要の時間だけ、電磁式燃料噴射弁6が駆
動される。この場合、インジェクタ基本駆動時間TBに掛
けられる補正係数は、吸気温補正係数,大気圧補正係
数,暖機補正係数,始動直後増量補正係数,空燃比補正
係数である。
2−1−vi) その他 2−1−vi−) W/O FB制御モード このW/O FB制御モードは、上記の各運転モード以外の
場合に、W/O FB制御モードと判定される[第22図参
照]。この制御モードでの補正係数は高速全開モードと
同じ補正係数がインジェクタ基本駆動時間TBに掛けられ
る。インジェクタ駆動タイミングはA/F FBモードと同じ
である。
2−1−vi−) 水温センサのフェールセーフ機能 この水温センサのフェールセーフ機能として車両用エ
ンジンの疑似水温発生装置が設けられており、第26図に
示すように、水温センサ40はエンジン冷却水温に応じて
変化するセンサ端子間抵抗値を配線41を介し温度入力部
77へ送るようになっていて、この温度入力部77はその分
圧値をECU76のI/OポートにA/D変換器等を通じて送るよ
うになっており、水温TWが低いときに、センサ端子間抵
抗値は大きく、従って、温度入力部77の分圧値は大き
く、水温TWが高いときに、センサ端子間抵抗値は小さ
く、従って、温度入力部77の分圧値は小さくなる。
第27図に示すように、水温センサ出力である抵抗値が
冷却水温120℃相当の第1の設定値よりも小さいとき
(ステップ27−1)、すなわち、120℃以上であること
を検出したときに、異常(水温センサ異常)を検出した
として、ステップ27−3へ至り、抵抗値が冷却水温−40
℃相当の第2の設定値(第1の設定値に対応する冷却水
温よりも低い冷却水温に対応する値)よりも大きいとき
(ステップ27−2)、すなわち、−40℃以下であること
を検出したときに、異常(断線)を検出したとして、ス
テップ27−3へ至る。
なお、一旦断線と判定されれば、以降断線判定は維持
される。
水温センサ40が異常と判定された場合には、ステップ
27−3においては、疑似水温機能を作動させて、つい
で、前述の始動モード[1−ii)始動モード参照]であ
るかどうか判定して(ステップ27−4)、始動モードで
あれば、実際の暖機状態に似せて、疑似水温の初期値を
20℃とし、上昇する疑似水温を模擬して、一定時間毎に
予めマップされたメモリから順次出力して、疑似温度を
適宜上昇変化させ、例えば80℃まで等間隔に上昇させ、
以降一定させた出力値をECU76において水温として用い
る(ステップ27−5)。始動モード外であれば、暖機後
であるとみなして、疑似水温を80℃として、一定値をEC
U76において水温として用いる(ステップ27−6)。
また、抵抗値が第1の設定値と第2の設定値との間に
あれば、水温センサ40が正常であると判断して、ECU76
において、水温センサ40の出力値を用いる(ステップ27
−7)。
なお、冬期および夏期において、暖機時の疑似水温を
塩化するように、大気温度センサやメモリや季節スイッ
チ等を設けてもよい。
このような水温センサのフェールセーフ機能による処
理を行なえば、次のような効果ないし利点を得ることが
できる。
水温センサ40の異常時においても、始動モードであれ
ば、平均的な暖機状態を疑似水温により模擬することが
でき、例えばA/Nをリッチにさせて、これにより始動や
暖機運転を確実に行なうことができ、始動モード外であ
れば、例えばA/Nをリーンにさせて、暖機後の状態とし
て、排気状態等を改善することができ、フェールセーフ
機能を発揮させて、エンジンの制御を行なうことができ
る。
なお、水温センサ40に代えて、エンジン温度を検出す
る他のセンサを用いてもよい。
(2−2) 失火検出と燃料供給制御 ところで、ある気筒で失火(ミスファイア)が生じた
場合、未燃ガスが排気系へそのまま排出されるので、後
燃え現象等を起こして触媒コンバータ74が溶損したりす
るおそれがある。そこで、本実施例では、ある気筒で失
火が生じた場合に、その気筒への燃料供給を停止できる
ようにして、上記失火に基づく不具合を解消している。
ある気筒で失火がおきたことを特定する検出法として
は、次のようなものがある。
2−2−i) 失火検出法I この手法Iは、クランクシャフトの角速度と回転トル
クとの関係から筒内圧力Pwを検出して、この圧力Pwの値
から失火している特定の気筒を検出するものである。
今、アイドリング時に限定すれば、図示平均有効圧Pi
を膨張行程の角速度の変化から求めた圧力Pwの関数で表
わすことができる。
ここで、PwはI(ωcj 2‐ωci 2)/2Vnに基づいて求め
ることができる。すなわち、エンジン回転系の慣性モー
メントI,ある気筒の上死点での角速度(クランクシャフ
ト角速度)ωci,次の気筒の上死点での角速度(クラン
クシャフト角速度)ωcjおよび行程容積Vnがわかれば、
筒内圧力Pwを算出することができる。
次に、4気筒エンジンのものではあるが、各気筒に指
圧計を装着し連続アイドル運転時の指圧線図とクランク
角2°毎の角速度計測から求めたPwとを対比したものを
第34図に示す。この図の○印で示す部分から、失火した
気筒のPwがマイナス側に大きく変動していることがわか
る(この場合、アイドル時の熱害対策であるので連続し
たデータの収集が可能である)。すなわち、ある気筒の
Pwが連続してある値以上マイナス側へ変動していれば、
その気筒が失火していると判定できるのである。
なお、第35,36図の○印で示す部分からも失火により
エンジン変位やエンジン回転数も低下していることがわ
かる。
ここで、第34〜36図の実験結果は4気筒エンジンを用
いて行なったものであるが、この現象は本質的に気筒数
と無関係であるので、V6エンジンの場合も同様の結果と
なることは明らかである。
また、クランクシャフト角速度の計測は、クランク角
度計数方式の電子進角のハードウェア(公知のもの)が
そのまま使用できるし、更に周期計測方式の電子進角の
ハードウェアをもつものにおいても、スリットの追加で
十分対応可能である。
このように、この失火検出法Iによれば、失火してい
る気筒を十分に特定することができるので、この失火気
筒へ燃料を供給する電磁式燃料噴射弁6からの燃料噴射
を停止させればよい。これにより上記のような不具合を
招くことがない。
2−2−ii) 失火検出法II この手法IIは、排気の情報(排温や排気中の酸素濃
度)からいずれかの気筒の失火を検出し、その後インジ
ェクタ6からの燃料噴射を1本ずつ順次停止してゆくこ
とにより、失火を検出するものである。この検出法IIに
は以下に示すように主として2種の検出法がある。
2−2−ii−) 触媒出口排温の検出による失火検出
法 この手法は、まず高温スイッチ56によって触媒コンバ
ータ74出口の排気温度が検出される。もしいずれかの気
筒で失火が起きている場合には、後燃え現象により触媒
コンバータ74の出口温度が上昇しているはずであるか
ら、高温スイッチ56によって検出された温度がある値以
上であると、いずれかの気筒で失火したと判断される。
これだけでは、どの気筒で失火したのかわからないか
ら、次は各気筒用のインジェクタ6からの燃料噴射を順
番に停止してゆく。このとき停止させる時間は失火によ
る影響があらわれるであろう所要の周期に相当する時間
が設定される。このように順次インジェクタ6を停止さ
せてゆくと、実際に失火している気筒のところで、排温
が下がる。これにより失火気筒を検出できる。この場合
は失火検出と燃料供給制御が渾然一体としてなされる。
2−2−ii−) 触媒入口のO2濃度計測による失火検
出法 この手法は、まずO2センサ46(この場合O2センサ46と
してリニアO2センサを使用するとよい)によって触媒コ
ンバータ74入口のO2濃度が計測される。もしいずれかの
気筒で失火が起きている場合は、空気使用率が減るから
空燃比がリーンな状態になっているはずである。
したがって、O2センサ46によってリーンな状態が検出
されると、いずれかの気筒で失火したと判断される。こ
の場合もこれだけでは、どの気筒で失火したのかわから
ないから、次は各気筒用のインジェクタ6からの燃料噴
射を順番に停止してゆく。このとき停止させる時間は失
火による影響があらわれるであろう所要の周期に相当す
る時間が設定される。このように順次インジェクタ6を
停止させてゆくと、実際に失火している気筒のところ
で、O2濃度が変わる。すなわち、リーン状態が解消され
る。これにより失火気筒を検出できる。この場合も失火
傑出と燃料供給制御が渾然一体としてなされる。
なお、この失火検出法IIにおいては、特定気筒の失火
検出に2ステップかかるので、失火していると検出され
た特定気筒ナンバーを記憶しておき、その後再度失火が
起きたとき、この記憶しておいた特定気筒からまず燃料
の供給をとめることが行なわれる。いわゆる失火した気
筒を学習しておくのである。このように一度失火した気
筒について優先的に燃料供給停止が実行されるので、失
火検出時間の短縮化に寄与するものと期待される。
2−2−iii) 失火検出法III この手法IIIは、クランク角度にして120°間隔ごとに
出力されるTDCセンサ44からの基準信号の周期を計測す
ることにより失火を検出するものである。
すなわち、爆発行程を含む範囲のエンジン回転数変化
率を検出することが行なわれるのであるが、この場合、
もしある気筒で失火を起こしているとすると、上記基準
信号周期が不均一になる。例えば第1気筒が失火してい
る場合は、第1気筒用基準信号と第2気筒用基準信号と
の間隔が長くなる。
このようにして、失火気筒を検出できるので、その気
筒への燃料の供給が停止されるのである。これにより上
記失火による不具合が解消される。
2−2−iv) その他の失火検出法 2−2−iv−) 各気筒排気ポートの排温計測による
失火検出法 この手法では、各気筒排気ポートの排温を検出するた
めのセンサ(合計6個必要であるが、第1図(a),
(b)においては図示せず)を設けておく。そして、も
しある気筒が失火した場合は、その気筒の排気ポート排
温が異常に低下するはずであるから、これを検出してそ
の気筒への燃料噴射を停止するものである。
このようにしても上記失火による不具合が解消され
る。
2−2−iv−) 各気筒排気ポートのO2濃度計測によ
る失火検出法 この手法では、各気筒排気ポートのO2濃度を検出する
ためのO2センサ(合計6個必要であるが、第1図
(a),(b)においては図示せず)を設けておく。そ
して、もしある気筒が失火した場合は、その気筒の排気
ポート付きのO2センサがリーン信号を出すはずであるか
ら、これを検出してその気筒への燃料噴射を停止するも
のである。
このようにしても上記失火による不具合が解消され
る。
2−2−iv−) ノックセンサを用いた失火検出法 この手法では、燃焼の有無(失火の有無)をノックセ
ンサにより検出するもので、このため各気筒にノックセ
ンサ(図示せず)を装着しておく。そして、もしある気
筒が失火した場合は、その気筒の振動が小さくなるはず
であるから、これを検出して、その気筒への燃料噴射を
停止するものである。
このようにしても、上記失火による不具合が解消され
る。
2−2−iv−) 点火コイル72の一次側の電圧波計測
による失火検出法 この手法は、点火コイル72の高圧側の異常は一次側に
も影響を与えることに鑑みて、点火コイル72の1次電圧
の有無や信号波形の検出により、失火を検出するもので
ある。すなわち、もしある気筒で点火プラグにスパーク
が飛ばない場合は、失火状態となるので、この場合はス
パークの飛ばなかった気筒への燃料供給が停止されるの
である。これにより上記失火に基づく不具合が解消され
る。
しかし、この手法では、点火プラグがスパークしても
失火した場合の検出はできないので、上記の各手法と組
合わせて使用することが行なわれる。
(3) 点火時期制御 本実施例における点火時期制御では、各種センサから
の入力に基づき、次の運転モードのいずれにあるかを判
定し、各運転モードに応じた最適な点火時期θでコイル
電流を遮断することが行なわれる。
なお、θ=θ0+θAT+θWT又はθ=θIDである。こ
こでθ0は基本点火時期、θATは点火時期吸気温補正
値、θWTは点火時期水温補正値であり、θIDはアイドル
点火時期である。
また、上記基本点火時期θ0に対し所要の通電角だけ
先にコイルへの通電を開始する通電角制御も行なわれる
ようになっている。
ところで、運転モードとしては、イニシャルセットモ
ード,始動モード,アイドル(I)モード,アイドル
(II)モード,エアフローセンサフェイルモードおよび
通常モードがある。
イニシャルセットモードと判定されるためには、進角
調整スイッチ(図示せず)がオンで、エンジン回転数お
よび車速が所定値以下であることが必要で、また始動モ
ードであると判定されるためには、進角調整スイッチが
オフで、エアフローセンサ32がオンで、エンジン回転数
がある低い値以下であることが必要で、いずれもの場合
も、所要の点火時期(固定値)となるよう制御される。
アイドル(I)モードは次のアイドル(II)モード以
外のアイドル時にこのモードと判定され、アイドル(I
I)モードは原則としてA/Fフィードバック制御中のとき
にこのモードと判定されるが、アイドル(I)モードと
判定されると、所要の点火時期(固定値)となるように
制御され、アイドル(II)モードと判定されると、点火
時期が所要の点火時期となるように制御される。
エアフローセンサフェイルモードであると判定される
ためには、エンジン回転数が所定値以上でエアフローセ
ンサ32の出力が所定値以下であることが必要である。
通常モードは上記の各モードに入らない場合にこのモ
ードであると判定される。
そして、エアフローセンサフェイルモードおよび通常
モードであると判定されると、点火時期をθ0+θAT
θWTとするような制御が行なわれる。
なお、始動モード,アイドル(I)モード,アイドル
(II)モード,エアフローセンサフェイルモードおよび
通常モードと判定される前提として、進角調整スイッチ
がオフしている必要がある。
(4) オーバヒート時制御 このオーバヒート時制御は次のような必要性から実施
されるものである。すなわち、例えば高負荷状態での運
転後(3%上り勾配を車速120km/hで登板したあとや、1
0%上り勾配を車速40km/hで登板したあとなど)、すぐ
にエンジンをとめると、冷却ファンがとまり、冷却水が
循環されなくなるので、エンジンルーム内の温度がどん
どん上昇し、30〜40分後に最高温になる。これにより燃
料温度も上昇し、燃料中に気泡が発生するおそれがある
ので、正確な燃料供給制御が行なえなくなる。このよう
な事態を防ぐために、本オーバヒート時制御が実行され
るのである。
以下、各種のオーバヒート時制御について説明する。
4−i) オーバヒート時制御1 これは、すでに第55図を用いて説明したように、サー
モバルブ28を用いることにより燃料温度に応じ燃圧を調
整する方法で、燃料温度が高いとサーモバルブ28によっ
て燃圧レギュレータ24に大気圧が作用するようになって
いる。これにより例えばクランキング後のアイドル運転
時に制御通路26内の圧力が急に下がって燃圧が急に下が
り、燃料が沸騰することを十分に防止することができ
る。
もちろん、吸気通路10のスロットル下流側圧力側と大
気圧側とを適宜切り替えることのできる電磁弁(ECU76
によって制御される)を、制御通路26の途中に設けて、
クランキング時からアイドル運転時に上記電磁弁を大気
圧側に切り替えるようにしてもよい。
4−ii) オーバヒート時制御2 この手法は、人が車に乗り込むであろうと予想される
場合に、燃料ポンプ22を駆動して燃料中の気泡を除去す
るもので、具体的には次のような手法が採られる。
4−ii−) 手法I(第37図参照) 第37図に示すごとく、まずドア取手(外側の)をつか
んだかどうかが判断される(ステップ37−1)。もし、
つかんだなら、人がその後に乗車するであろうと予想し
て、ステップ37−2で、燃料ポンプ22に通電し、t37
経過すると(ステップ37−3)、燃料ポンプ22への通電
をやめる(ステップ37−4)。これにより燃料タンク98
および燃料供給路30内の燃料が燃圧レギュレータ24を通
じて循環駆動されるため、この循環の際に燃料中の気泡
が除去される。
なお、ドアの取手をつかんでいない場合は、燃料ポン
プ22は比駆動状態のままである(ステップ37−5)。
この場合は、オーバヒート状態になっていなくても燃
料の循環駆動が行なわれる。
4−ii−) 手法II(第38図参照) 第38図に示すごとく、まずドア取手(外側の)をつか
んだかどうかが判断される(ステップ38−1)。もし、
つかんだなら、人がその後に乗車するであろうと予想し
て、オーバヒートモードであるかを判定する。すなわち
まずステップ38−2で、冷却水温がTW38℃以上かどうか
が判断され、YESなら、ステップ38−3で、吸気温がTA
38℃以上かどうかが判断される。そして、吸気温がTA38
℃以上なら、オーバヒートモードであると判定して(ス
テップ38−4)、ステップ38−5で、燃料ポンプ22に通
電し、t38秒経過すると(ステップ36−6)、燃料ポン
プ22への通電をやめる(ステップ38−7)。これにより
燃料タンク98および燃料供給路30内の燃料が燃圧レギュ
レータ24を通じて循環駆動されるため、この循環の際に
燃料中の気泡が除去される。
なお、ドアの取手をつかんでいない場合は、燃料ポン
プ22は比駆動状態のままである(ステップ38−8)。
この場合は、オーバヒート状態(ステップ38−2,38−
3共にYESの状態)になっていなければ、燃料の循環駆
動が行なわれない。これにより無駄に燃料ポンプ22を駆
動しなくてもすむ。
4−iii) オーバヒート時制御3 この手法は、ドアキーシリンダにエンジンキーを差し
込んだ場合に、燃料ポンプ22を駆動して燃料中の気泡を
除去するもので、具体的には次のような手法が採られ
る。
4−iii−−a) 手法I[第45図(a)参照] 第45図(a)に示すごとく、まずドアキーシリンダに
エンジンキーを差し込んだかどうかが判断される(ステ
ップ45−1)。もし、差し込まれたなら、人がその後す
ぐに乗車するであろうと予想して、ステップ45−2で、
燃料ポンプ22に通電し、t45秒経過すると(ステップ45
−3)、燃料ポンプ22への通電をやめる(ステップ45−
4)。これにより燃料タンク98および燃料供給路30内の
燃料が燃圧レギュレータ24を通じて循環駆動されるた
め、この循環の際に燃料中の気泡が除去される。
なお、ドアキーシリンダにエンジンキーを差し込んで
いない場合は、燃料ポンプ22は非駆動状態のままである
(ステップ45−5)。
この場合、オーバヒート状態になっていなくてもドア
キーシリンダへエンジンキーを差し込むと、その後乗員
が乗り込むであろうと予想して、燃料の循環駆動が行な
われる。
4−iii−−b) 手法I[第45図(b)参照] 第45図(b)に示すごとく、まずドアキーシリンダに
エンジンキーを差し込んだかどうかが判断される(ステ
ップ45b−1)。もし、差し込まれたなら、ステップ45b
−2で、ドアが開錠状態(アンロック状態)になったか
どうかが判断され、もしドア開錠なら、人がその後すぐ
に乗車するであろうと予想して、ステップ45b−3で、
燃料ポンプ22に通電し、t45b秒経過すると(ステップ45
b−4)、燃料ポンプ22への通電をやめる(ステップ45b
−5)。これにより燃料タンク98および燃料供給路30内
の燃料が燃圧レギュレータ24を通じて循環駆動されるた
め、この循環の際に燃料中の気泡が除去される。
なお、ドアキーシリンダにエンジンキーを差し込んで
いない場合やドア開錠でない場合は、燃料ポンプ22は非
駆動状態のままである(ステップ45b−6)。
この場合、オーバヒート状態になっていなくてもドア
キーシリンダへエンジンキーを差し込みドア開錠状態に
なると、その後乗員が乗り込むであろうと予想して、燃
料の循環駆動が行なわれる。
4−iii−−a) 手法III[第46図(a)参照] 第46図(a)に示すごとく、まずドアキーシリンダに
エンジンキーを差し込んだかどうかが判断される(ステ
ップ46−1)。もし、差し込まれたなら、人がその後す
ぐに乗車するであろうと予想して、オーバヒートモード
であるかを判定する。すなわち、まずステップ46−2
で、冷却水温がTW46℃以上かどうかが判断され、YESな
ら、ステップ46−3で、吸気温がTA46℃以上かどうかが
判断される。そして、吸気温がTA46℃以上なら、オーバ
ヒートモードであると判定して(ステップ46−4)、ス
テップ46−5で、燃料ポンプ22へ通電し、t46秒経過す
ると(ステップ46−6)、燃料ポンプ22への通電をやめ
る(ステップ46−7)。これにより燃料タンク98および
燃料供給路30内の燃料が燃圧レギュレータ24を通じて循
環駆動されるため、この循環の際に燃料中の気泡が除去
される。
なお、ステップ46−1,46−2,46−3でNOの場合は、燃
料ポンプ22は非駆動状態のままである(ステップ46−
8)。
この場合、オーバヒート状態(ステップ46−2,46−3
共にYESの状態)になっていなければ、燃料の循環駆動
が行なわれない。これにより無駄に燃料ポンプ22を駆動
しなくてもすむ。
4−iii−−b) 手法III[第46図(b)参照] 第46図(b)に示すごとく、まずドアキーシリンダに
エンジンキーを差し込んだかどうかが判断される(ステ
ップ46−1)。もし、差し込まれたなら、ステップ46b
−2で、ドアが開錠状態(アンロック状態)になったか
どうかが判断され、もしドア開錠から、人がその後すぐ
に乗車するであろうと予想して、オーバヒートモードで
あるかを判定する。すなわち、まずステップ46b−3
で、冷却水温がTW46b℃以上かどうかが判断され、YESな
ら、ステップ46b−4で、吸気温がTA46b℃以上かどうか
が判断される。そして、吸気温がTA46b℃以上なら、オ
ーバヒートモードであると判定して(ステップ46b−
5)、ステップ46b−6で、燃料ポンプ22へ通電し、t
46b秒経過すると(ステップ46b−7)、燃料ポンプ22へ
の通電をやめる(ステップ46b−8)。これにより燃料
タンク98および燃料供給路30内の燃料が燃圧レギュレー
タ24を通じて循環駆動されるため、この循環の際に燃料
中の気泡が除去される。
なお、ステップ46b−1,46b−2,46b−3,46b−4でNOの
場合は、燃料ポンプ22は非駆動状態のままである(ステ
ップ46b−9)。
この場合、オーバヒート状態(ステップ46b−3,46b−
4共にYESの状態)になっていなければ、燃料の循環駆
動が行なわれない。これにより無駄に燃料ポンプ22を駆
動しなくてもすむ。
4−iv) オーバヒート時制御4 この手法は、ドアが外側から開かれた場合に、燃料ポ
ンプ22を駆動して燃料中の気泡を除去するもので、具体
的には次のような手法が採られる。
4−iv−) 手法I(第39図参照) 第39図に示すごとく、まずドアセンサ92によってドア
が開いたかどうかが判断される(ステップ39−1)。も
し、ドア開なら、ステップ39−2で、ドアの内側よりド
アが開かれたかどうかが判断される。もし、NO、即ちド
アが外側から開かれた場合は、その後にすぐ乗車するで
あろうと予想して、ステップ39−3で、燃料ポンプ22に
通電し、t39秒経過すると(ステップ39−4)、燃料ポ
ンプ22への通電をやめる(ステップ39−5)。これによ
り燃料タンク98および燃料供給路30内の燃料が燃圧レギ
ュレータ24を通じて循環駆動されるため、この循環の際
に燃料中に気泡が除去される。
なお、ステップ39−1でNOの場合およびステップ39−
2でYESの場合は、燃料ポンプ22は非駆動状態のままで
ある(ステップ39−6)。
この場合、オーバヒート状態になっていなくても、ド
アを車外から開いて乗員が車に乗り込む直前であれば、
燃料の循環駆動が行なわれる。
4−iv−) 手法II(第40図参照) 第40図に示すごとく、まずドアセンサ92によってドア
が開いたかどうかが判断される(ステップ40−1)。も
し、ドアが開なら、ステップ40−2で、ドアの内側より
ドアが開かれたかどうかが判断される。もしNO、即ちド
アが外側から開かれた場合は、その後にすぐ乗車するで
あろうと予想して、オーバヒートモードであるかを判定
する。すなわち、まずステップ40−3で、冷却水温がTW
40℃以上かどうかが判断され、YESなら、ステップ40−
4で、吸気温がTA40℃以上かどうかが判断される。そし
て、吸気温がTA40℃以上なら、オーバヒートモードであ
ると判定して(ステップ40−5)、ステップ40−6で、
燃料ポンプ22に通電し、t40秒経過すると(ステップ40
−7)、燃料ポンプ22への通電をやめる(ステップ40−
8)。これにより燃料タンク98および燃料供給路30内の
燃料が燃圧レギュレータ24を通じて循環駆動されるた
め、この循環の際に燃料中に気泡が除去される。
なお、ステップ40−1,40−3,40−4でNOの場合および
ステップ40−2でYESの場合は、燃料およびステップ40
−2でYESの場合は、燃料ポンプ22は非駆動状態のまま
である(ステップ40−9)。
この場合、オーバヒート状態(ステップ40−3,40−4
共にYESの状態)になっていなければ、燃料の循環駆動
が行なわれない。これにより無駄に燃料ポンプ22を駆動
しなくてもすむ。
4−iv−) 手法III(第41図参照) 第41図に示すごとく、まずステップ41−1で、シート
スイッチ96がオフかどうか判断され、YESなら、ステッ
プ41−2で、ドアセンサ92によってドアが開であるかど
うかが判断される。もしYESなら、ドアが外側から開か
れたと判断し、その後にすぐ乗車するであろうと予想し
て、ステップ41−3で、燃料ポンプ22に通電し、t41
経過すると(ステップ41−4)、燃料ポンプ22への通電
をやめる(ステップ41−5)。これにより燃料タンク98
および燃料供給路30内の燃料が燃圧レギュレータ24を通
じて循環駆動されるため、この循環の際に燃料中の気泡
が除去される。
なお、ステップ41−1,41−2,でNOの場合は、燃料ポン
プ22は非駆動状態のままである(ステップ41−6)。
この場合、オーバヒート状態になっていなくても、ド
アを車外から開いて乗車が車に乗り込む直前であれば、
燃料の循環駆動が行なわれる。
4−iv−) 手法IV(第42図参照) 第42図に示すごとく、まずステップ42−1で、シート
スイッチ96がオフかどうかが判断され、YESなら、ステ
ップ42−2で、ドアセンサ92によってドアが開であるか
どうかが判断される。もしYESなら、ドアが外側から開
かれたと判断し、その後にすぐ乗車するであろうと予想
して、オーバヒートモードであるかを判定する。すなわ
ち、まずステップ42−3で、冷却水温がTW42℃以上かど
うかが判断され、YESなら、ステップ42−4で、吸気温
がTA42℃以上かどうかが判断される。そして、吸気温が
TA42℃以上なら、オーバヒードモードであると判定して
(ステップ42−5)、ステップ42−6で、燃料ポンプ22
に通電し、t42秒経過すると(ステップ42−7)、燃料
ポンプ22への通電をやめる(ステップ42−8)。これに
より燃料タンク98および燃料供給路30内の燃料が燃圧レ
ギュレータ24を通じて循環駆動されるため、この循環の
際に燃料中に気泡が除去される。
なお、ステップ42−1,42−2,42−3,42−4でNOの場合
は、燃料ポンプ22は非駆動状態のままである(ステップ
42−9)。
この場合、オーバヒート状態(ステップ42−3,42−4
共にYESの状態)になっていなければ、燃料の循環駆動
が行なわれない。これにより無駄に燃料ポンプ22を駆動
しなくてもすむ。
4−iv−) 手法V(第43図参照) 第43図に示すごとく、まずステップ43−1で、イグニ
ッションスイッチ54がオフ後t43-1分経過しているかど
うか判断され、YESなら、ステップ43−2で、ドアセン
サ92によってドアが開であるかどうかが判断される。も
しYESなら、ドアが外側から開かれたと判断し、その後
にすぐ乗車するであろうと予想して、ステップ43−3
で、燃料ポンプ22に通電し、t43秒経過すると(ステッ
プ43−4)、燃料ポンプ22への通電をやめる(ステップ
43−5)。これにより燃料タンク98および燃料供給路30
内の燃料が燃圧レギュレータ24を通じて循環駆動される
ため、この循環の際に燃料中に気泡が除去される。
なお、ステップ43−1,43−2でNOの場合、燃料ポンプ
22は非駆動状態のままである(ステップ43−6)。
この場合、オーバヒート状態になっていなくても、ド
アを車外から開いて乗車が車に乗り込む直前であれば、
燃料の循環駆動が行なわれる。
4−iv−) 手法VI(第44図参照) 第44図に示すごとく、まずステップ44−1で、イグニ
ッションスイッチ54がオフ後t44-1分経過しているかど
うか判断され、YESなら、ステップ44−2で、ドアが開
であるかどうかが判断される。もしYESなら、ドアが外
側から開かれたと判断し、その後にすぐ乗車するであろ
うと予想して、オーバヒートモードであるかを判定す
る。すなわち、まずステップ44−3で、冷却水温がTW44
℃以上かどうかが判断され、YESなら、ステップ44−4
で、吸気温がTA44℃以上かどうかが判断される。そし
て、吸気温がTA44℃以上なら、オーバヒートモードであ
ると判定して(ステップ44−5)、ステップ44−6で、
燃料ポンプ22に通電し、t44秒経過すると(ステップ44
−7)、燃料ポンプ22への通電をやめる(ステップ44−
8)。これにより燃料タンク98および燃料供給路30内の
燃料が燃圧レギュレータ24を通じて循環駆動されるた
め、この循環の際に燃料中に気泡が除去される。
なお、ステップ44−1,44−2,44−3,44−4でNOの場合
は、燃料ポンプ22は非駆動状態のままである(ステップ
44−9)。
この場合、オーバヒート状態(ステップ44−3,44−4
共にYESの状態)になっていなければ、燃料の循環駆動
が行なわれない。これにより無駄に燃料ポンプ22を駆動
しなくてもすむ。
4−iv−) その他 なお、ドアが外側から開いたのち、乗員がシートにす
わってから、オーバヒート時制御が実行してもよい。こ
の場合は、上記第39〜44図にそれぞれ示す「ドア開か」
のステップのあとに、「シートスイッチオンか」という
ステップを入れればよく、「シートスイッチオン」であ
れば、燃料ポンプ通電のための制御を行なう。この手法
によれば、更にエンジン始動直前に近くであろう状態で
燃料ポンプ22が駆動される。
4−v) オーバヒート時制御5 この制御法5は、オーバヒートモード時に一時的に燃
料増量制御(エンリッチ化)を行なうものである。この
ようにすれば燃料中に気泡が含まれていても、その分多
くの燃料が噴射されるので、結果として適正な量の燃料
供給が行なわれることになる。
この制御法としては次のようなものがある。
4−v−) 手法I(第47図参照) この手法Iでは、第47図に示すごとく、ステップ47−
1で、始動、即ちイグニッションスイッチ54がオフから
オンになったら、オーバヒートモードであるかどうかが
判定される。すなわち、ステップ47−2で、冷却水温が
TW47℃以上かどうかが判断され、もしYESなら、ステッ
プ47−3で、吸気温TA47℃以上かどうかが判断され、も
しYESなら、オーバヒートモードと判定される(ステッ
プ47−4)。
なお、ステップ47−2,47−3でNOなら、オーバヒート
モード以外と判定し、ベース噴射量で噴射することが行
なわれる(ステップ47−5)。
ステップ47−4で、オーバヒートモードと判定される
と、ステップ47−6で、始動時(イグニッションスイッ
チ54がオフからオンになったとき)の冷却水温に応じた
噴射量を演算し、始動に際して、ベース噴射量のα倍で
噴射することが行なわれる(ステップ47−7)。ここ
で、αは冷却水温に応じた値であり、例えば1.1,1.2,1.
3のように設定される。
その後は、ステップ47−8で、始動より、即ち完爆よ
りt47秒経過したかどうかが判定され、経過するまで
は、継続してα倍噴射が続行される(ステップ47−
9)。そして、t47秒経過すると、ベース噴射量に戻す
ことが行なわれる(ステップ47−10)。
このように、オーバヒートモードの始動時に、燃料増
量制御が実行されるので、オーバヒートによって燃料中
に多くの気泡が含まれていても、その分多くの燃料が噴
射され、結果として適正な量の燃料が供給され、エンジ
ン始動が円滑になる。
4−v−) 手法II(第48図参照) この手法IIでは、第48図に示すごとく、ステップ48−
1で、始動、即ちイグニッションスイッチ54がオフから
オンになったら、オーバヒートモードであるかどうかが
判定される。すなわち、ステップ48−2で、冷却水温が
TW48℃以上かどうかが判断され、もしYESなら、ステッ
プ48−3で、吸気温TA48℃以上かどうかが判断され、も
しYESなら、オーバヒートモードと判定される(ステッ
プ48−4)。
なお、ステップ48−2,48−3でNOなら、オーバヒートモ
ード以外と判定し、ベース噴射量で噴射することが行な
われる(ステップ48−5)。
ステップ48−4で、オーバヒートモードと判定される
と、ステップ48−6で、始動時(イグニッションスイッ
チ54がオフからオンになったとき)の冷却水温に応じた
噴射量を演算し、始動に際して、ベース噴射量のα倍で
噴射することが行なわれる(ステップ48−7)。ここ
で、αは冷却水温に応じた値であり、例えば1.1,1.2,1.
3のように設定される。
その後は、ステップ48−8で、αを時間とともに一定
量ずつ減ずるテーリング処理を行なう。
そして、ステップ48−9で、α≧1かどうかが判断さ
れ、α≧1なら、ステップ48−10で、始動より即ち完爆
よりt48秒経過したかどうかが判定される。
その後は、α<1となるか、t48秒経過するかする
と、ベース噴射量に戻すことが行なわれる(ステップ48
−11)。
このように、オーバヒートモードの始動時に、燃料増
量制御が実行されるので、オーバヒートによって燃料中
に多くの気泡が含まれていても、その分多くの燃料が噴
射され、結果として適正な量の燃料が供給されて円滑な
エンジン始動を実現できるほか、増量の度合を固定せず
時間とともに減らしてゆくこと(テーリング処理)が行
なわれるので、円滑な制御を実現できるものである。
4−v−) 手法III(第49図参照) この手法IIIでは、第49図に示すごとく、ステップ49
−1で、始動、即ちイグニッションスイッチ54がオフか
らオンになったら、オーバヒートモードであるかどうか
が判定される。すなわち、ステップ49−2で、冷却水温
がTW49℃以上かどうかが判断され、もしYESなら、ステ
ップ49−3で、吸気温TA49℃以上かどうかが判断され、
もしYESなら、オーバヒートモードと判定される(ステ
ップ49−4)。
なお、ステップ49−2,49−3でNOなら、オーバヒート
モード以外と判定し、ベース噴射量で噴射することが行
なわれる(ステップ49−5)。
ステップ49−4で、オーバヒートモードと判定される
と、ステップ49−6で、始動時(イグニッションスイッ
チ54がオフからオンになったとき)の冷却水温に応じた
噴射量を演算し、始動に際して、ベース噴射量のα倍で
噴射することが行なわれる(ステップ49−7)。ここ
で、αは冷却水温に応じた値であり、例えば1.1,1.2,1.
3のように設定される。
その後は、ステップ49−8で、O2センサ46がリッチを
検出したかどうかが判断され、もしリッチなら、ステッ
プ49−9で、αを時間とともに一定量ずつ減ずるテーリ
ング処理を行なう。
そして、ステップ49−10で、α≧1かどうかが判断さ
れ、α≧1なら、ステップ49−11で、始動より即ち完爆
よりt49秒経過したかどうかが判定される。
その後は、O2センサ信号がリッチである間は、α<1
となるか、t49秒経過するかすると、ベース噴射量に戻
すことが行なわれる(ステップ49−12)。
なお、O2センサ信号がリーンになる(あるいはリーン
である)と、テーリング処理は行なわず、α倍噴射を継
続する(ステップ49−13)。
この結果、O2センサ信号がリッチの間はテーリング処
理がなされ、リーンの間はα倍(αはテーリング途中で
リーンになった場合はテーリング途中のαの値が選ばれ
る)の噴射処理がなされ、いずれにしても、t49秒経過
すると、ベース噴射量に戻される。したがって、上記の
処理が混在して、t49秒経過時にαが1より小さくなっ
ていなくても、t49秒経過すると、強制的にベース噴射
量に戻される。
このように、オーバヒートモードの始動時に、燃料増
量制御が実行されるので、オーバヒートによって燃料中
に多くの気泡が含まれていても、その分多くの燃料が噴
射され、結果として適正な量の燃料が供給されて、円滑
なエンジン始動を実現できるほか、O2センサ信号リッチ
の場合は気泡が少なくなっているとみなして増量の度合
を固定せず、時間とともに増量度合を減らしてゆくこと
(テーリング処理)が行なわれるので、更に円滑な制御
を実現できるものである。
4−vi) オーバヒート時制御6 この制御法6は、オーバヒートモード時に一時的に吸
入空気量の増量制御を行なう(この場合、Lジェトロ方
式が採用されているので、吸入空気量が増量されると、
これに応じて燃料も増量される。即ち、混合気の増量制
御が行なわれる。以下、吸入空気量増量制御というとき
は同様のことを意味する)ものである。このようにすれ
ばアクセルペダルを踏んでレーシングを行なったのと同
じ結果になるので、燃料中に気泡が含まれているものを
はやく使うことになり、結果として速やかに適正な燃料
供給制御状態へ移行されることになる。
この制御法として次のようなものがある。
4−vi−) 手法I(第50図参照) この手法Iでは、第50図に示すごとく、ステップ50−
1で、始動、即ちイグニッションスイッチ54がオフから
オンになったら、オーバヒートモードであるかどうかが
判定される。すなわち、ステップ50−2で、冷却水温が
TW50℃以上かどうかが判断され、もしYESなら、ステッ
プ50−3で、吸気温TA50℃以上かどうかが判断され、も
しYESなら、オーバヒートモードと判定される(ステッ
プ50−4)。
なお、ステップ50−2,50−3でNOなら、オーバヒート
モード以外と判定し、ベース吸入空気量にすることが行
なわれる(ステップ50−5)。ここで、吸入空気量の制
御は、バイパス通路面積をアイドルスピードコントロー
ルバルブ18によって変えることにより行なわれるが、ス
ロットル開度を変えてもよい。
次に、ステップ50−4で、オーバヒートモードと判定
されると、ステップ50−6で、始動時(イグニッション
スイッチ54がオフからオンになったとき)の冷却水温に
応じた吸入空気量(具体的にはステッピングモータ18a
のステップ数やスロットル開度)を演算し、始動に際し
て、ベース吸入空気量のα1倍で噴射することが行なわ
れる(ステップ50−7)。ここで、α1は冷却水温に応
じた値であり、例えば1.1,1.2,1.3のように設定され
る。
その後は、ステップ50−8で、始動より、即ち完爆よ
りt50秒経過したかどうかが判定され、経過するまで
は、継続してα1倍吸入が続行される(ステップ50−
9)。そして、t50秒経過すると、ベース吸入空気量に
戻すことが行なわれる(ステップ50−10)。
このように、オーバヒートモードの始動時に、吸入空
気量の増量制御が実行されるので、オーバヒートによっ
て燃料中に多くの気泡が含まれていても、速やかに適正
な燃料供給制御状態へ移行させることができ、円滑なエ
ンジン始動を実現できる。
なお、実際は、前述の4−v−の手法と組合わせて
使用される。即ち、混合気増量制御と空燃比リッチ化制
御とが組合わせて使用される。その場合のフローを示す
と、第50図に括弧書を追加したものとなる。
4−vi−) 手法II(第51図参照) この手法IIでは、第51図に示すごとく、ステップ51−
1で、始動、即ちイグニッションスイッチ54がオフから
オンになったら、オーバヒートモードであるかどうかが
判定される。すなわち、ステップ51−2で、冷却水温が
TW51℃以上かどうかが判断され、もしYESなら、ステッ
プ51−3で、吸気温TA51℃以上かどうかが判断され、も
しYESなら、オーバヒートモードと判定される(ステッ
プ51−4)。
なお、ステップ51−2,51−3でNOなら、オーバヒートモ
ード以外と判定し、ベース吸入空気量にすることが行な
われる(ステップ51−5)。ここで、吸入空気量の制御
は、前述の場合と同様、ISCバルブ開度やスロットル開
度を変えることにより行なわれる。
次に、ステップ51−4で、オーバヒートモードと判定
されると、ステップ51−6で、始動時(イグニッション
スイッチ54がオフからオンになったとき)の冷却水温に
応じた吸入空気量(具体的にはステッピングモータ18a
のステップ数やスロットル開度)を演算し、始動に際し
て、ベース吸入空気量のα1倍で噴射することが行なわ
れる(ステップ51−7)。ここで、α1は冷却水温に応
じた値であり、例えば1.1,1.2,1.3のように設定され
る。
その後は、ステップ51−8で、α1を時間とともに一
定量ずつ減ずるテーリング処理を行なう。
そして、ステップ51−9で、α1≧1かどうかが判断
され、α≧1なら、ステップ51−10で、始動より即ち完
爆よりt51秒経過したかどうかが判定される。
その後は、α1<1となるか、t51秒経過するかする
と、ベース吸入空気量に戻すことが行なわれる(ステッ
プ51−11)。
このように、オーバヒートモードの始動時に、吸入空
気量の増量制御が実行されるので、オーバヒートによっ
て燃料中に多くの気泡が含まれていても、速やかに適正
な燃料供給制御状態へ移行でき、円滑なエンジン始動を
実現できるほか、増量の度合を固定せず時間とともに減
らしてゆくこと(テーリング処理)が行なわれるので、
円滑な制御を実現できるものである。
なお、実際は前述の4−v−の手法と組合わせて使
用される。即ち混合気増量制御と空燃比リッチ化制御と
を組合わせて使用される。その場合のフローを示すと、
第51図に括弧書を追加したものとなる。
4−vi−) 手法III(第52図参照) この手法IIIでは、第52図に示すごとく、ステップ52
−1で、始動、即ちイグニッションスイッチ54がオフか
らオンになったら、オーバヒートモードであるかどうか
が判定される。すなわち、ステップ52−2で、冷却水温
がTW52℃以上かどうかが判断され、もしYESなら、ステ
ップ52−3で、吸気温TA52℃以上かどうかが判断され、
もしYESなら、オーバヒートモードと判定される(ステ
ップ52−4)。
なお、ステップ52−2,52−3でNOなら、オーバヒート
モード以外と判定し、ベース吸入空気量にすることが行
なわれる(ステップ52−5)。ここで、吸入空気量の制
御は、前述の場合と同様、ISCバルブ開度やスロットル
開度を変えることにより行なわれる。
次に、ステップ52−4で、オーバヒートモードと判定
されると、ステップ52−6で、始動時(イグニッション
スイッチ54がオフからオンになったとき)の冷却水温に
応じた吸入空気量(具体的にはステッピングモータ18a
のステップ数やスロットル開度)を演算し、始動に際し
て、ベース吸入空気量のα1倍で噴射することが行なわ
れる(ステップ52−7)。ここで、α1は冷却水温に応
じた値であり、例えば1.1,1.2,1.3のように設定され
る。
その後は、ステップ52−8で、O2センサ46がリッチを
検出したかどうかが判断され、もしリッチなら、ステッ
プ52−9で、α1を時間とともに一定量ずつ減ずるテー
リング処理を行なう。
そして、ステップ52−10で、α1≧1かどうかが判断
され、α1≧1なら、ステップ52-11で、始動より即ち
完爆よりt52秒経過したかどうかが判定される。
その後は、O2センサ信号がリッチである間は、α1<
1となるか、t52秒経過するかすると、ベース吸入空気
量に戻すことが行なわれる(ステップ52−12)。
なお、O2センサ信号がリーンになる(あるいはリーン
である)と、テーリング処理は行なわず、α1倍吸入を
継続する(ステップ52−13)。
この結果、O2センサ信号がリッチの間はテーリング処
理がなされ、リーンの間はα1倍(α1はテーリンブ途
中でリーンになった場合はテーリング途中のα1の値が
選ばれる)の吸入処理がなされ、いずれにしても、t52
秒経過すると、ベース吸入空気量に戻される。したがっ
て、上記の処理が混在して、t52秒経過時にαが1より
小さくなっていなくても、t52秒経過すると、強制的に
ベース吸入空気量に戻される。
このように、オーバヒートモードの始動時に、吸入空
気量の増量制御が実行されるので、オーバヒートによっ
て燃料中に多くの気泡が含まれていても、速やかに適正
な燃料供給制御状態へ移行でき、円滑なエンジン始動を
実現できるほか、O2センサ信号リッチの場合は気泡が少
なくなっているとみなして増量の度合を固定せず、時間
とともに増量度合を減らしてゆくこと(テーリング処
理)が行なわれるので、更に円滑な制御を実現できるも
のである。
なお、実際は、前述の4−v−の手法と組合わせて
使用される。即ち混合気増量制御と空燃比リッチ化制御
とを組合わせて使用される。その場合のフローを示す
と、第52図に括弧書を追加したものとなる。
4−vii) オーバヒート時制御7 この制御法7は、オーバヒートモード時に一時的に、
点火時期を進める、即ち進角制御を行なうものである。
このようにすれば燃料中に気泡が含まれていて、結果と
して少ない量の燃料供給しか行なわれなかったとして
も、点火時期を進めることにより、トルクを大きくする
ことできるので、円滑なエンジン始動を実現できるほ
か、トルク不足によるエンジン出力の低下現象を招くこ
とがない。
なお、進角されると、排ガス上の問題が生じるとされ
ているが、オーバヒートモード時には問題にならない。
この制御法としては次のようなものがある。
4−vii−) 手法I(第53図参照) この手法Iでは、第53図に示すごとく、ステップ53−
1で、始動、即ちイグニッションスイッチ54がオフから
オンになったら、オーバヒートモードであるかどうかが
判定される。すなわち、ステップ53−2で、冷却水温が
TW53℃以上かどうかが判断され、もしYESなら、ステッ
プ53−3で、吸気温TA53℃以上かどうかが判断され、も
しYESなら、オーバヒートモードと判定される(ステッ
プ53−4)。
なお、ステップ53−2,53−3でNOなら、オーバヒート
モード以外と判定し、ベース噴射量で噴射することが行
なわれる(ステップ47−5)。
ステップ53−4で、オーバヒートモードと判定される
と、ステップ53−6で、始動時(イグニッションスイッ
チ54がオフからオンになったとき)の冷却水温に応じた
進角量を演算し、始動に際して、ベース進角量よりもα
2°進角されることが行なわれる(ステップ53−7)。
ここで、α2は冷却水温に応じた値である。
その後は、ステップ53−8で、始動より、即ち完爆よ
りt53秒経過したかどうかが判定され、経過するまで
は、継続してα2°進角が続行される(ステップ53−
9)。そして、t53秒経過すると、ベース進角値[この
値は(N,A/N)できまるマップに記憶されている]に戻
すことが行なわれる(ステップ53−10)。
このように、オーバヒートモードの始動時に、α2°
の進角制御が実行されるので、オーバヒートによって燃
料中に多くの気泡が含まれていて、結果として少ない量
の燃料しか供給されなかったとしても、その分発生トル
クを大きくすることができ、これにより円滑なエンジン
始動を実現できるほか、十分なエンジン出力を得ること
ができる。
4−vii−) 手法II(第54図参照) この手法IIでは、第54図に示すごとく、ステップ54−
1で、始動、即ちイグニッションスイッチ54がオフから
オンになったら、オーバヒートモードであるかどうかが
判定される。すなわち、ステップ54−2で、冷却水温が
TW54℃以上かどうかが判断され、もしYESなら、ステッ
プ54−3で、吸気温TA54℃以上かどうかが判断され、も
しYESなら、オーバヒートモードと判定される(ステッ
プ54−4)。
なお、ステップ54−2,54−3でNOなら、オーバヒート
モード以外と判定し、ベース進角値にすることが行なわ
れる(ステップ54−5)。
ステップ54−4で、オーバヒートモードと判定される
と、ステップ54−6で、始動時(イグニッションスイッ
チ54がオフからオンになったとき)の冷却水温に応じた
進角量を演算し、始動に際して、ベース進角値よりもα
2°だけ進角させることが行なわれる(ステップ54−
7)。ここで、α2は冷却水温に応じた値である。
その後は、ステップ54−8で、α2を時間とともに一
定量ずつ減ずるテーリング処理を行なう。
そして、ステップ54−9でベース値よりも進角してい
るかどうかが判断され、YESなら、ステップ54−10で、
始動より即ち完爆よりt54秒経過したかどうかが判定さ
れる。
その後は、ベース進角値となる(ステップ54−9でN
O)か、t54秒経過するか(ステップ54-10でYES)する
と、ベース進角値に戻すことが行なわれる(ステップ54
-11)。
このように、オーバヒートモードの始動時に、α2°
の進角制御が実行されるので、オーバヒートによって燃
料中に多くの気泡が含まれていて、結果として少ない量
の燃料しか供給されなかったとしても、その分発生トル
クを大きくすることができ、これにより円滑なエンジン
始動を実現できるほか、十分なエンジン出力を得ること
ができるほか、十分なエンジン出力を得ることができる
ほか、進量の度合を固定せず時間とともに減らしてゆく
こと(テーリング処理)が行なわれるので、円滑な制御
を実現できるものである。
なお、この制御法7においては、ベース進角値にα2
°だけ進めるような演算を行なったが、ベース進角値の
α2′倍だけ進めるというような演算を行なってもよ
い。この場合は、第54図に示すフロー中のステップ54−
9は「α2′>1か」となる。
また、オーバヒートモード判定条件の1つとしての冷
却水温値は、上記の各オーバヒート時制御1〜5におい
て、同じ値にしても異なった値にしてもよい。ここで同
じ値にする場合、例えば90℃という値が選ばれる。
さらに、オーバヒートモード判定条件の他の1つとし
ての吸気温も、上記の各オーバヒート時制御1〜5にお
いて、同じ値にしても異なった値にしてもよい。ここで
同じ値にする場合、例えば60℃という値が選ばれる。
なお、オーバヒートモード判定のためのエンジン温度
情報としては、冷却水温およ吸気温のほか、燃料温度や
潤滑油温を用いてもよく、更にオーバヒートモードであ
ると判定されるための条件として、冷却水温が所定値以
上で、吸気温が所定値以上であるというアンド条件を満
たす場合のほか、冷却水温,吸気温,燃料温度,潤滑油
温のいずれかが所定値以上であるときオーバヒートモー
ドであると判定してもよく、更にこれら複数の温度の検
出結果の論理判定でオーバヒートモードを判定してもよ
い。
上記のオーバヒート時制御1〜3において、オーバヒ
ートモードであるかどうかの判定を行なわずに、オーバ
ヒート対策のための処理を行なうものについては、「ド
ア取手をつかんだか」(ステップ37−1),「ドアの内
側より開したか」(ステップ39−2),「ドア開」(ス
テップ41−2,43−2),「ドアキーシリンダにキーを差
し込んだか」(ステップ45−1)の次に「バッテリ電圧
は所定値以上か」というステップを加えて、YESなら、
その後のオーバヒート対策のため第1段階の処理(ステ
ップ37−2,39−3,41−3,43−3,45−2)およびその後に
つづく処理を行ない、NOなら、燃料ポンプは駆動しない
ようにしてもよい。これによりバッテリあがりによるエ
ンジン始動の困難性を回避できる。
もちろん、上記のオーバヒート時制御1〜3におけ
る、オーバヒートモードであるかどうかの判定を行なう
ものおよびオーバヒート時制御4〜7について、このオ
ーバヒートモード判定の前後で、「バッテリ電圧は所定
値以上か」というステップを加えることもできる。
(5) 燃料ポンプ制御 この燃料ポンプ制御は、上死点センサ44からの基準信
号(120°信号)の入力毎に、所定時間だけ燃料ポンプ
リレーをオンしたのち、オフにする制御である。
なお、ECU76へのバッテリ電源66のオフ時には、燃料
ポンプリレーもオフにする。
(6) クーラリレーオンオフ制御 このクーラリレーオンオフ制御は、クーラスイッチ50
のオン時にクーラリレーをオンする制御であるが、クー
ラスイッチ50のオン時でもアイドルスピード制御時の停
止モード,始動モード,始動直後モード等においては、
クーラリレーをオフにしておく。
(7) 自己診断表示制御 この制御は、本システムの一部が所要の判定条件に従
い、故障あるいは異常と判定されたときに、所要の故障
コードを出力するもので、自己診断表示部84を構成する
外部チェッカー回路のLEDの点滅により故障コードを表
示する。
なお、故障コードは予め決められた優先順位に従い、
繰り返し順次表示することが行なわれる。
また、故障発生時点からバッテリ電源66がオフされる
まで、故障内容が全てキーオフ時も含め記憶され、キー
オン時に故障である旨の表示が車室内のインジケータで
されるようになっている。
なお、第1図(b)中の符号11はキャニスタ、27はシ
リンダヘッドと吸気通路10とをつなぐ通路に介装された
ポジティブクランクケースベンチレーションバルブを示
す。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明のタップ時におけるエン
ジンのA/N異常低下防止装置によれば、エンジンの燃焼
室へ混合気を供給する混合気供給手段と、同混合気供給
手段へ混合気供給制御信号を送る混合気供給制御手段
と、同混合気供給制御手段へ混合気供給量の指令信号を
出力する混合気指令手段と、上記エンジンの1吸気行程
の吸入空気量を検出するA/Nセンサと、上記混合気指令
手段からの指令信号の瞬間的な増大を検出することによ
り上記混合気指令手段に対するタップ操作を判定するタ
ップセンサと、上記タップセンサにより上記混合気指令
手段に対するタップ操作が判定されると共に上記A/Nセ
ンサにより検出されたA/Nが所定値以下であるとき上記
混合気供給手段により混合気の供給を増量制御する混合
気増量制御手段とをそなえたという構成からなり、タッ
プ操作を検知したときにA/Nが所定値以下になった場合
に混合気の増量を行なうことにより、タップ操作によっ
てエンジン回転数が実際に低下する前にA/Nの低下を検
知してエンジン回転数の低下を予測して混合気が増量さ
れ、タップ操作に伴うエンジンストールの発生を応答性
良く防止することができる。また、タップ操作を検知し
てもA/Nが所定値以下とならなければ、エンジンストー
ルが発生する可能性はないと判断して上記混合気の増量
を行なわないようにすることにより、混合気の無駄な増
量を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1〜55図は本発明の一実施例としてのタップ時におけ
るエンジンのA/N異常低下防止装置をそなえた自動車用
エンジン制御システムを示すもので、第1図(a)はそ
のブロック図、第1図(b)はその全体構成図、第1図
(c)はその点火系の一部を示す模式図、第1図(d)
はその要部ブロック図、第2図はその第1のイニシャラ
イズルーチンを示すフローチャート、第3図はそのアイ
ドルスピード制御時の作用を説明するためのグラフ、第
4図はその第2のイニシャライズルーチンを示すフロー
チャート、第5図(a),(b)はいずれもそのアイド
ルスピードコントロールバルブ配設部近傍を示す模式的
断面図、第6図(a)〜(c)はいずれもその第4のイ
ニシャライズルーチンを示すフローチャート、第7図
(a)〜(c)はいずれもその第3のイニシャライズル
ーチンを示すフローチャート、第8図はその初期化禁止
ルーチンを示すフローチャート、第9図および第10図
(a),(b)はそれぞれその学習制御ルーチンを示す
フローチャートおよびグラフ、第11図および第12図
(a)〜(d)はそれぞれのクーラリレーオン時リフト
アップ制御ルーチンを示すフローチャートおよびグラ
フ、第13図および第14図(a)〜(d)はそれぞれその
異常回転数低下ルーチンを示すフローチャートおよびグ
ラフ、第15図および第16図(a)〜(h)はそれぞれの
異常A/N低下ルーチンおよびタップエンスト防止ルーチ
ンを示すフローチャートおよびグラフ、第17〜19図はい
ずれもそのコンピュータの暴走判定法を説明するための
フローチャート、第20図および第21図はそれぞれそのア
イドルカットモードを示すフローチャートおよびグラ
フ、第22図はその燃料供給制御のための運転モードを説
明するためのグラフ、第23図はそのO2センサとコンピュ
ータとの間の結線を示す電気回路図、第24,25図はいず
れもそのO2センサのヒータ電流リーク時の制御態様を説
明するためのフローチャート、第26図および第27図はそ
れぞれその水温センサのフェールセーフ機能を示す要部
構成図およびフローチャート、第28図はそのオーバラン
カットモードでの処理を説明するためのフローチャー
ト、第29図はその空燃比設定のためのフローチャート、
第30図(a)はその空燃比−エンジン回転数特性図、第
30図(b)はその点火時期リタード量−エンジン回転数
特性図、第30図(c)はその空燃比−エンジン回転数特
性図、第31図はその他のオーバランカットモードでの処
理を説明するためのフローチャート、第32図はその最高
速カットモードでの処理を説明するためのフローチャー
ト、第33図はその減速時での燃料カットに伴う制御を説
明するためのフローチャート、第34〜36図はいずれもそ
の失火検出法を説明するためのグラフ、第37〜54図はい
ずれもその各種のオーバヒート時制御を説明するための
フローチャート、第55図はその燃料供給路に設けられた
サーモバルブの配設状態を示す概略構成図である。 2……V型6気筒エンジン、4……吸気マニホルド、6
……電磁式燃料噴射弁(ヒュエルインジェクタ)、8…
…サージタンク、10……吸気通路、11……キャニスタ、
12……エアクリーナ、14……スロットルバルブ、16……
バイパス通路、18……アイドルスピードコントロールバ
ルブ(ISCバルブ)、18a……ステッピングモータ、18b
……弁体、18c……リターンスプリング、18d……ロッ
ド、20……ファストアイドルエアバルブ(FIAバル
ブ)、22……燃料ポンプ、24……燃圧レギュレータ、26
……制御通路、27……ポジティブクランクケースベンチ
レーションバルブ、28……サーモバルブ、28a……ワッ
クス式感温部、28b……弁体、28c……大気側開口部、30
……燃料供給路、32……エアフローセンサ、34……吸気
温センサ、36……スロットルポジションセンサ、38……
アイドルスイッチ、40……水温センサ、41……配線、42
……クランク角センサ、44……上死点センサ(TDCセン
サ)、46……O2センサ、46a……ヒータ、46b……O2セン
サ検出部、46c……コネクタ、48……インヒビタスイッ
チ、50……クーラスイッチ、52……クランキングスイッ
チ、54……イグニッションスイッチ、55……イグニッシ
ョンキー着脱センサ、56……高温スイッチ、58……パワ
ステアリングスイッチ(パワステスイッチ)、60……車
速リードスイッチ、62……診断スイッチ、64……大気圧
センサ、66……バッテリ電源、68……ディストリビュー
タ、70……排気通路、72……点火コイル、74……触媒コ
ンバータ、76……コンピュータ(ECU)、77……温度入
力部、78……点火時期制御部、80……燃料ポンプ制御
部、82……クーラリレー、84……自己診断表示部、86…
…LED、88……フォトトランジスタ、89……クランキン
グ手段を構成するスタータ、90……リレースイッチ、92
……ドア状態センサとしてのドアセンサ、94……ドア状
態センサとしてのロック状態センサ、96……シートスイ
ッチ。
フロントページの続き (72)発明者 木戸 和夫 京都市右京区太秦巽町1番地 三菱自動 車工業株式会社京都製作所内 (72)発明者 藤原 邦夫 京都市右京区太秦巽町1番地 三菱自動 車工業株式会社京都製作所内 (56)参考文献 特開 昭57−2442(JP,A) 特開 昭55−12266(JP,A) 特開 昭55−75547(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの燃焼室へ混合気を供給する混合
    気供給手段と、同混合気供給手段へ混合気供給制御信号
    を送る混合気供給制御手段と、同混合気供給制御手段へ
    混合気供給量の指令信号を出力する混合気指令手段と、
    上記エンジンの1吸気行程の吸入空気量を検出するA/N
    センサと、上記混合気指令手段からの指令信号の瞬間的
    な増大を検出することにより上記混合気指令手段に対す
    るタップ操作を判定するタップセンサと、上記タップセ
    ンサにより上記混合気指令手段に対するタップ操作が判
    定されると共に上記A/Nセンサにより検出されたA/Nが所
    定値以下であるとき上記混合気供給手段による混合気の
    供給を増量制御する混合気増量制御手段とをそなえたこ
    とを特徴とする、タップ時におけるエンジンのA/N異常
    低下防止装置。
JP61068968A 1986-03-27 1986-03-27 タツプ時におけるエンジンのa/n異常低下防止装置 Expired - Lifetime JP2560287B2 (ja)

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