JP2559742B2 - 複数スポット位置合わせ制御方法並びに装置 - Google Patents

複数スポット位置合わせ制御方法並びに装置

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JP2559742B2
JP2559742B2 JP62173930A JP17393087A JP2559742B2 JP 2559742 B2 JP2559742 B2 JP 2559742B2 JP 62173930 A JP62173930 A JP 62173930A JP 17393087 A JP17393087 A JP 17393087A JP 2559742 B2 JP2559742 B2 JP 2559742B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複数の光スポットを用いて記録再生を行う
装置に係り、特に複数の光スポットをディスクの各々の
目標トラックに追従させる複数スポット位置合わせ制御
装置に関する。
〔従来の技術〕
ディスクの同一トラックに複数の光スポットを配置さ
せたり、異なるトラックに複数の光スポットを配置させ
るなど、いわば記録再生法の異なるディスクで記録再生
を行う場合には、複数スポットのうち少なくとも二つの
スポットの位置を結んだ直線方向とディスクの接線方向
との成す角度を変えなければならないが、従来技術では
特許公開公報昭和61年第214240号に記載のように、この
角度を次のような方法で変えることによって記録再生を
行っていた。
すなわち、複数光源が同一のレーザステム(マウン
ト)にあるようなレーザアレイを光源とした場合は、光
ヘッドの傾きをネジ送りの機構で変えたり、レーザステ
ムのみを電歪素子で傾けることなどをしていた。また独
立した複数レーザを用い、各レーザからの出射ビームを
同一の絞り込み光学系に通してディスク上に複数スポッ
トを形成させるような場合には、光ヘッドの傾きを変え
たり、各レーザ位置を光軸に垂直な方向に動かしたり、
または特許公開公報昭和61年第5443号に記載のように、
各レーザの出射ビームを同一の絞り込み光学系に導くた
めの光学系の一部の光学素子の傾きを換える方法を行っ
ていた。さらに、複数の光スポットの位置が温度変化な
どで僅かにずれた場合でも、各々の光スポットからのト
ラックずれ信号を検出して上記の角度を変える方法で補
正をしていた。また第1と第2の光スポットを同一の絞
り込み光学系を用いて各々を目標のトラックに追従させ
るトラッキング制御系として、特許公開公報昭和61年第
5443号では、第1と第2の光スポットのそれぞれについ
てのトラックずれ信号を検出して所要のトラックに追従
させていたが、この制御系の起動の手段として、第1の
制御ループを閉じて第1の光スポットを高精度に目標ト
ラックに追従させトラックの偏心に補償を行い、第2の
光スポットもおおよそ目標トラックに配置されるように
光学系の調整の段階で設定しておき、このような状態で
第2の制御ループを閉じることによって、第2の光スポ
ットの僅かなトラックずれを補正していた。このような
制御系のために、第2制御ループの制御利得は第1の制
御ループの制御利得よりもはるかに小さくてもよく、ま
た制御帯域も狭いもので十分であるとしていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術では、複数光スポットが各々の目標トラ
ックに配置されているかを認識し、かつこの認識にした
がって前記角度を変えた設定を行うような配慮がなされ
ていなかった。そのために光学調整の段階で複数光スポ
ットを各々の目標トラックに配置するように設定して
も、光学系の温度ドリフト等によるずれによって目標ト
ラックとは異なるトラックに光スポットが置かれた場合
には、これを認識し補正することができなかった。また
二つの記録再生法の機能を持つ装置、すなわち例えば、
二つの光スポットを同一のトラックに追従させて一方の
光スポットで情報の記録を行い、他方で情報の再生を行
う機能や、二つの光スポットを異なるトラックに配置さ
せ、各々の光スポットで情報の記録再生を行う機能を持
つ装置では、機能の切り換えを行うことは困難であっ
た。さらに、規格上で明らかにトラック間隔の異なるデ
ィスクの場合には、光スポットを目標のトラックとは異
なるトラックに誤って配置してしまう恐れがあった。
本発明の目的は、上記の問題を解決することにより、
光学系の温度ドリフト等によるずれが生じた場合でも、
また異なる記録再生法のディスクで記録再生を行う場合
でも、さらに明らかにトラック間隔の異なるディスクで
記録再生をする場合でも自動的に前記の角度を変え、複
数光スポットを各々の目標とするトラックに誤りなく高
精度に配置させることのできる複数光スポット位置合わ
せ制御方法並びに装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため本発明では、 1.複数のレーザ光源からのビームのうち、出射ビームの
中心軸と絞り込み光学系の光軸とが一致する光源からの
ビームに対応するディスク上の第1のスポットについ
て、トラックずれ信号を検出し、該レーザ光源からのビ
ームを他のレーザ光源からのビームとともに一体的に半
径方向に振る偏向機構を制御してディスク上のすべての
スポットを一体的に半径方向に振って、上記第1のスポ
ットを所定のトラックに追従させて後、第1のスポット
のトラックアドレスを検出し、このトラックアドレスか
ら、上記複数のレーザ光源のうち出射ビームの中心軸と
上記の光軸とが一致しない光源の中の一つからのビーム
に対応するディスク上の第2のスポットを設置すべきト
ラックアドレスを確認し、ディスク面上において第1の
スポットを中心に第2のスポットを回転させて上記認識
したトラックアドレスと一致したアドレスのトラックに
第2のスポットを設置させ、この第2のスポットについ
てトラックずれ信号を検出し、第1のスポットを中心に
第1のスポット以外のすべてのスポットをディスク面上
において回転させる偏向機構を制御して上記第2のスポ
ットを追従させることによりすべてのスポットを所定の
トラックに位置合わせさせ、この方法を実施する装置と
しては、 2.複数のレーザ光源のうち出射ビームの中心軸と絞り込
み光学系の光軸とが一致する光源からのビームに対応す
るディスク上の第1のスポットを中心に他にすべてのス
ポットを回転させる偏向機構を絞り込み光学系に設けた
光学ヘッドと、第1のスポットについてトラックずれ信
号を検出し、ディスク上のスポットをディスクの半径方
向に振る偏向機構を制御して第1のスポットを所定のト
ラックに追従させる第1のトラッキングサーボ機構と、
上記複数のレーザ光源のうち出射ビームの中心軸と上記
の光軸とが一致しない光源の中の一つからのビームに対
応する第2のスポットについてトラックずれ信号を検出
し、ディスク面上で第1のスポットを中心に他のすべて
のスポットを回転させる上記偏向機構を制御して第2の
スポットを所定のトラックに追従させる第2のトラッキ
ングサーボ機構と、第1のスポットのトラックアドレス
から第2のスポットが追従すべき第2のトラックアドレ
ス情報を認識し、ディスク上のスポットを回転させる上
記偏向機構を制御して第2のスポットを回転させてトラ
ックアドレスを検出し、上記認識したトラックアドレス
と一致したアドレスのトラックに第2のスポットを設置
させる目標トラック検出設定機能とを備えることとし
た。
〔作用〕
上記手段における、ディスク上で第1のスポットを中
心として他のすべてのスポットを回転させる偏向機構
は、ディスク上で第1のスポットに対する、第2のスポ
ットを含む第1のスポット以外のすべてのスポットの相
対位置を動かす作用を有する。
また、第1のスポットのトラックアドレスから第2の
スポットを設置すべきトラックアドレスを認識し、上記
偏向機構の制御により、この認識したアドレスと一致す
るアドレスに第2のスポットを設置させる方法並びにこ
れを行う装置としての目標トラック検出設定機能は、前
記のように記録再生法の異なるディスクで記録再生を行
う場合や、トラック間隔の異なるディスクで記録再生を
行う場合にも、自動的に複数スポットを目標トラックに
設置させる。
さらに、第1と第2のスポットについて、トラックず
れ信号を検出してそれぞれ所要の偏向機構を制御して各
スポットをそれぞれ所定のトラックに追従させる方法並
びにこれを行う装置としての第1と第2のトラッキング
サーボ機構は、第1と第2のスポットをそれぞれ所定の
トラックに高精度に追従させる。
なお、本明細書中、追従とはサーボ機構によりスポッ
トを所定のトラック上に高精度に位置合わせすることを
意味し、設置とは、サーボ機構の制御がスポットを所定
のトラックに引き込み得る所要の精度の範囲の中にスポ
ットを位置合わせすることを意味するものとする。
〔実施例〕
先ず本発明の第1の実施例を説明する。
第1図は第1の実施例の構成を示したものである。複
数スポットとして二つのスポットを用いた場合について
述べる。第1図に示した光学系は、光軸を中心に回転機
構1を備えた像回転プリズムで、その例としてここでは
梯形プリズム2を備え、光ビームの反射方向を変えるこ
とができる機構をもつガルバノミラ3と絞り込みレンズ
4とから成る。二つの平行光ビーム5と6のうち、光ビ
ーム5はその中心軸と光軸7とを一致させ、光ビーム6
は、光ビーム5の光源と共に光軸に対し直角な線上に若
干位置を異にして並んだ光源から発するビームの場合の
ように、その中心軸が光軸7に対して僅かにずれる形で
梯形プリズム2に入射させる。そのため光軸と一致する
中心軸をもつ光ビーム5は梯形プリズムを回転させても
常に光軸7に平行に出射される。一方、光軸と一致しな
い中心軸をもつ光ビーム6は梯形プリズム2の回転に伴
ない、光軸7とのずれ角を一定に保ちながら梯形プリズ
ムの回転角の2倍の角度で出射される。次に光ビーム5
と6はガルバノミラ3で同一の角度で反射の方向を変え
られる。ガルバノミラ3で反射した二つの光ビーム5と
6とは絞り込みレンズ4によってディスク面8上に各々
第1,第2の光スポット9と10とを形成する。二つの光ス
ポット9,10の動きは、ガルバノミラの回転11によって光
スポット9,10はディスクの半径方向12の方向に同一の距
離だけ一体的に移動し、また梯形プリズム2の回転13に
よつて光スポット9はその位置を変えずに、これを中心
に光スポット10がプリズムの回転の2倍の角度で矢印14
のように回転移動する。このとき、光スポット9の位置
および光スポット9と光スポット10との距離15は常に一
定である。ここでガルバノミラ3,梯形プリズム2は、そ
れぞれ前述の、ディスク上でスポットを半径方向に一体
的に振る偏向機構,及びディスク上で第1のスポットを
中心に他のすべてのスポットを回転させる偏向機構の一
つである。
以上から、光スポット9及び10を目標トラックに位置
付けるためには、簡単に云えば、ガルバノミラの回転制
御によって光スポット9がその目標トラック16に追従す
るようにし、そのうえで梯形プリズム2の回転制御によ
って光スポット10がその目標トラック17に追従するよう
に制御すればよいことになる。
次に第2図を用いて第1の実施例による記録・再生系
および制御系の構成を説明する。
ファイルデータまたは画像信号などのユーザ情報19を
ディスク18に記録する際、ユーザ情報19は直並列変換20
によって二つの信号に分離され、それぞれ符号化21され
た後、レーザ駆動回路22を通して符号化データに対応し
た記録パルス電流を並列記録・再生用光ヘッド23内の2
個のレーザに供給し、2個の光スポット9と10とをディ
スク18上に照射して並列記録を行う。
次にデータを再生する場合は、光スポット9と10それ
ぞれで検出される反射光強度の変化を再生信号24,25と
して検出し、かつデータに変換するデータ検出26を行
う。各々の検出されたデータは復号化27された後、並直
列変換28され、一つのユーザ情報19として再生される。
次に制御系について述べる。サーボ制御するものは、
自動焦点合わせ系と第1の光スポット9と第2の光スポ
ット10についてのトラック追従系であり、第2図に示す
ように、光スポット9または10について検出された反射
光強度変化からずれ信号検出29を行い、サーボループ内
の補償回路30を通して制御信号31を得る。制御信号31は
駆動回路32を通り駆動信号34として光ヘッド23の中の制
御対象33を駆動する。制御系は以上のようなサーボ系を
構成している。
次に第1の実施例に用いた光学ヘッド23について第3
図(a),(b)による説明する。
第3図(a)に示すように二つの光源として同一波長
の2個のチップ35をその活性層36が間隔dで平行に位置
するようマウントに配置したハイブリッドアレイ半導体
37(以下、レーザアレイ37とする)を用いる。このとき
遠視野像38は図のように楕円になる。ここで第1の光源
39の出射ビームの中心軸は次に説明する絞り込み光学系
の光軸と一致するよう配置する。絞り込み光学系とし
て、レーザアレイ37の第1の光源39と第2の光源40から
の出射ビームを平行光ビームに変換するカップリングレ
ンズ41と、楕円出射ビームを真円ビームに変換するビー
ム整形プリズム(このプリズムは入射面に対して水平な
振動方向をもって入射する光の波、いわばP偏光に対し
て略100%透過する特性をもつ)と、偏光方向を90度回
転するためのλ/2(λは光源の波長)板43と、像を回転
させるために光軸を中心に矢印のように微小に回転でき
るP偏光略100%透過の梯形プリズム2を用いた像回転
プリズムと、P偏光入射光に対し略70%透過略30%反
射,入射面に対して垂直な振動方向をもって入射する、
いわばS偏光の入射に対し略100%反射の偏光ビームス
プリッタ44(以下偏光プリズム44とする)と、直線偏光
を円偏光に、またはその逆を行うλ/4板45と、ディスク
18に絞り込まれた光源39,40のそれぞれに対応する光ス
ポット9,10をトラックに追従させるために回転駆動系を
備えたガルバノミラ3と、光ビームをディスク18上に絞
り込むための絞り込みレンズ4と、これをディスクの上
下振れに追従させるためのアクチユエータ46を用いる。
またレンズ47と、1個のピンホールを備えたミラ48と、
光検出器49,50は、二つの光ビームのうち一方をピンホ
ールに通し、他方をミラ面で反射させることによって、
二つの光源の光パワを監視するものである。
次に、ディスク18からの反射光ビームを第1の光源39
と第2の光源40についての二つの反射光ビームに分離し
て、それぞれのトラック上の情報を検出し、かつ自動焦
点ずれ検出とトラッキングエラ検出を行う信号検出光学
系の構成について述べる。
ディスク18上からの反射光ビーム51,52を拡大結像さ
せるための分離レンズ53を備え、分離レンズ53とその焦
点面54との間にS偏光入射光ビームに対して略50%透
過,略50%反射のハーフプリズム55を備え、ハーフプリ
ズム55によって反射された光ビームのうち反射光ビーム
52を遮蔽し、反射光ビーム51を通すスリット56をハーフ
プリズム55と焦点面57との間に設置し、さらに焦点面57
から距離wの位置に光検出器58を設置する。またハーフ
プリズム55によって透過した光ビームのうち反射光ビー
ム51を遮蔽し、反射光ビーム52を通すスリット59をハー
フプリズムと焦点面54との間に設置し、さらにスリット
59と焦点面54との間で焦点面54から距離wの位置に光検
出器60を設ける。ここで光検出器58と60は、第3図
(b)に示すようにそれぞれ上下2個の受光面61,62
と、受光面63,64をトラッキングエラ信号検出用として
持ち、左右2個の受光面65,66と受光面67,68を自動焦点
ずれ信号検出用として備えている。
次に、光検出器58と60における受光量の変化からサー
ボ系の焦点ずれ検出信号69と、第1,第2の光スポットに
ついてのそれぞれのトラックずれ検出信号70と71、およ
び再生信号24,25とを得る手段について述べる。
本実施例では、自動焦点ずれ検出方法として、前後差
動方式を原理的に用いるが、一つの光源を持つ光学系と
異なり、光源の異なる反射光ビーム51と52についての焦
点面54,57の前後のビームスポット72と73との大きさの
差、すなわち受光面65,66における信号の和信号74と、
受光面67,68における信号の和信号75との差として自動
焦点ずれ検出信号69を得る。ここで、二つの活性層36は
出射方向に対して垂直に並んでいるので、光源39と光源
40の光出力が再生時に常に一致するように制御すれば安
定に二つのスポットをディスク上に自動焦点制御するこ
とができる。
次にプシュプル方式を用いたトラックずれ検出方法に
ついて述べる。
第1と第2図の光スポット9,10がディスク18上の案内
溝を横切るときの回折パターンのそれぞれの強度分布変
化を、受光面61と62における検出量の差信号,および受
光面63と64における検出量の差信号として求め、それぞ
れ第1の光スポットのトラックずれ検出信号70、および
第2の光スポットのトラックずれ検出信号71として得ら
れる。
第1,第2の光スポット9,10それぞれに対する再生信号
24,25は、それぞれ光検出器58,60の総受光量の変化とし
て得られる。
ここで本実施例では案内溝間隔1.6μm,光スポット径
1.6μmでプシュプル方式を用いている。この方式を用
いた場合、トラックずれ信号は回折パターンの変化で与
えられ、この変化の周期は案内溝間隔に等しいので、周
期以上のトラックずれが生じると隣のトラックに引き込
んでしまう。したがって配置の精度は原理的には±0.8
μm,信頼性を考えると±0.4μmより小さくしなけるば
ならない。そこで、光学系の調整の段階で第1の光スポ
ット9の位置に対し第2の光スポット10が上記配置精度
で隣のトラックにくるようにあらかじめレーザアレイ37
の取り付け角と梯形プリズム2の回転角を粗調してお
く。この取り付け角と梯形プリズム2がP偏光略100%
透過の特性をもつのでプリズム面における光損失を小さ
くするために、できるだけ偏光入射になるようにするの
が望ましい。また梯形プリズム2の回転中心軸方向は第
3図(a)にも示すようにディスク半径方向と一致する
ので、光ヘッドがディスクの半径方向に高速移動したと
きでもプリズムの回転方向には力が働かず、したがって
プリズムの回転変動は生じにくく、光学系として安定な
利点をもつ。
以上の方法で得られた三つのずれ検出信号69,70,およ
び71は第2図に示したように補償回路30と駆動回路32に
入力される。この二つの回路30と32はサーボ系の補償要
素76を形成する。この補償要素76の役目は、アクチユエ
ータ46,ガルバノミラ3をそしてプリズム回転機構1な
どの制御対象がずれ検出信号に最適追従するように補償
することである。
3種のサーボ系すなわち、自動焦点サーボ系(以下、
AFサーボ系とする),ガルバノミラによるトラック追従
サーボ系(以下、TR1サーボ系とする),プリズム回転
によるトラック追従サーボ系(以下、TR2サーボ系とす
る)はともに第4図で示すようなサーボループを形成し
ている。補償要素76は一般に増幅器からなる利得要素7
7,抵抗とコンデンサから成る位相進み要素78と位相遅れ
要素79によって構成される。ここでTR1とTR2のトラック
追従サーボ系は以下に述べるように強い相関を持つので
以下トラック追従サーボ系の設計条件を述べる。
設計では次の3点を考慮しなければならない。
第1点はTR1サーボループとTR2サーボループが互いに
二重ループを系成するためサーボ全体が不安定になり易
いことである。これは第2の光スポットがガルバノミラ
によるトラック追従系とプリズム回転によるトラック追
従系の両方で制御されているためである。サーボ系全体
を安定にするにはTR2サーボ系の帯域をTR1サーボ系より
小さくし、また利得も十分小さくしなければならない。
第2点は、トラックが偏心しているディスクの場合
に、このようなトラックに光スポットを追従させるため
には、TR2サーボ系によってディスク回転周波数の交流
的なずれを補正しなければならないということである。
具体的には第1図において、第1の光スポット9と第2
の光スポット10の距離15をl(μm),ディスク回転中
心とトラック中心との差、すなわち偏心量をr(μ
m),そして光スポットが位置するディスク半径位置を
R(μm)とすると、第1の光スポット9がTR1サーボ
系によって完全にディスクの偏心を補償し目標トラック
に追従した場合でも、第2の光スポット10は目標トラツ
クに対し交流成分のずれx(μm)を持つ、このずれx
(μm)は近似的に次式で表わされる。
ここで、一例として、l=50μm,R=40mm,r=80μm
の場合、x=0.1μmとなる。この値は安定に信号を読
み出せるトラックずれ許容精度0.05μmよりも大きくな
ってしまう。したがってこのディスク回転周波数の交流
的なずれを補償するためには、TR2サーボ帯域をディス
ク回転周波数より狭くしてはならない。
第3点は、トラック間隔の僅かに異なるディスクにつ
いて記録再生する場合、またはディスクの半径方向と光
ヘッド移動方向に僅かな角度ずれがある場合に生ずる第
2の光スポット10の直流的なトラックずれを補償するた
めにTR2サーボ系の低周波帯域の利得をある程度持たせ
る必要がある。
以上の3点を考慮してサーボ系全体が安定になるよう
にTR1とTR2サーボ系の補償要素76を設計する。ただし、
TR2サーボ系において制御対象33すなわちプリズム回転
機構1には後述のように種々の例があるので、各々の機
構の伝達関数に合わせて補償要素76を設計しなければな
らない。また、TR2サーボ系のフィードバック量とし
て、第2の光スポット10のトラックずれ検出信号を用い
る代りに第1と第2の光スポットのトラックずれ信号70
と71の平均値を用いれば、前記第1点のサーボ間の二重
ループにより不安定になることを完全に避けることがで
きる。更に、第3図(a)において梯形プリズム2の中
心軸が光学系の光軸から僅かにずれが生じたとき、また
は第1の光源39からの出射ビームの中心軸が光軸から僅
かにずれが生したときは、梯形プリズム2の回転によっ
て第2の光スポット10だけでなく第1の光スポット9も
僅かに動いてしまう。このような場合でも上述のような
サーボ系の設計によれば、TR1とTR2全体のサーボ系は常
に第1の光スポット9のトラック追従を優先させるよう
に制御させるので安定な二つの光スポット位置合わせ制
御を行うことができる。
次に梯形プリズム2を回転制御するための駆動機構1
について例示する。その一つは、第5図(a)に示すよ
うに、回転軸80として動力を伝える連結棒81を持ち、そ
の回転中心軸と梯形プリズム2の中心軸とが一致するよ
うに梯形プリズムと一体化したものを用いる。回転軸80
は固定枠82によって円滑に回転するように支持さてお
り、動力源としては直線方向に動く動力棒83を数μm程
の精度で制御できる圧電素子または電動リニアモータ84
を用いる。ただし電動リニアモータを使用する場合は、
バックラッシュを避けるために支持バネ85で一方方向に
支持しておく。もう一つの例は第5図(b)に示すよう
に、ギヤ付回転軸86を持ち、減速機構87として同一軸上
にウォームギヤ88と歯車89を持ち、サーボモータ90の回
転動力を減速してギヤ付回転軸86を駆動する。減速機構
87を複数個組み合わせることでサーボモータ90自体の許
容回転精度範囲を大きくすることができる。更にもう一
つの回転機構の例として、回転軸80と固定枠82の接合部
分を電極列と圧電素子列で構成した超音波モータを用い
ることによってそれ自体が動力源となるため他の例のよ
うな動力伝達部分が不要となり、回転機構を簡素化でき
る。
次に以上に述べてきたサーボ制御系と回転機構を用い
たサーボ起動のシーケンスを第6図(a)のチャート図
と第6図(b)のブロック回路図を用いて説明する。
第6図(b)には3種のずれ検出信号69,70そして71
がそれぞれの補償回路30すなわちAF補償回路91,TR1補償
回路92,そしてTR2補償回路93を通り、制御信号31すなわ
ちアクチュエータ制御信号94,ガルバノミラ制御信号95,
そしてプリズム回転制御信号96となるまでの回路ブロッ
クを示した。
第6図(a)において、ディスク挿入97を行ったと
き、まず光ヘッドをディスク半径方向に移動させ任意の
場所に固定するような初期シーケンス起動98を行う。次
にAFサーボ起動命令99によってアナログスイッチ100を
閉じ自動焦点サーボ起動101を行う。次に焦点ずれ検出
信号69が許容変動範囲にあること検出して自動焦点サー
ボが正常に引き込み動作を完了したことを判定するため
に基準電圧と比較器を備えたAF引き込み判定回路102に
よって判定103を行う。判定が“YES"のとき、TR1サーボ
起動命令104によってアナログスイッチ105が閉じ、TR1
サーボ起動106を行う。次にTR1引き込み判定回路107で
判定108を行い、“YES"のとき、TR2サーボ起動命令109
が出てアナログスイッチ110が閉じ、TR2サーボ起動111
を行う。次にTR2引き込み判定回路112で判定113を行
い、“YES"のとき記録再生可能状態114となる。
第6図で示したシーケンスでは、TR1サーボ引き込み
判定108でTR2サーボ起動111を行っているが、前記のよ
うにTR2のサーボの利得がTR1のサーボの利得より十分小
さいので、TR1とTR2のサーボ起動を同時に行い、判定10
7と113がともに“YES"のときに記録再生可能状態114と
してもよい。
記録再生可能状態114となったとき、外部コントロー
ラからの命令により、TR1,TR2のサーボ制御をともに解
除し、指定されたトラックに光ヘッドを移動させ、光ヘ
ッドを固定した後、TR1のサーボ制御およびTR2のサーボ
制御を起動させ、ユーザからの情報の記録・再生を行
う。
ここで上述のように光ヘッドを固定した時点で、TR1
の制御信号でガルバノミラ3だけを制御するのではな
く、光ヘッドを移動させる機構も制御することによっ
て、偏心の大きいディスクに対しても第1の光スポット
をより高精度に目標トラックに追従させることができ、
その後TR2のサーボ制御を安定にすることもできる。
またディスク半径方向に光ヘッドを高速移動させると
きは、一般にアナログスイッチ105と110は開き、一時TR
1とTR2のサーボループを解除するが、このときTR1,TR2
の制御信号95と96を移動前の状態に固定するようにガル
バノミラ3およびプリズム回転機構1に常に駆動信号を
与えておくことによってガルバノミラ3およびプリズム
回転機構1を電気的に固定してもよい。これによって光
ヘッドを高速移動させるときの駆動機構の変動を抑える
ことができるので移動後に再びTR1とTR2のサーボループ
を閉じたとき高速にサーボを引き込めるようになる。
また第6図(a)と(b)に点線で示したように、プ
リズム回転制御信号96を保持する保持回路115を挿入
し、記録再生可能状態114になったら保持命令116によっ
てそのときのプリズム回転制御信号96を保持値117とし
て保持118する。そしてディスク交換時または万が一第
2の光スポット10のトラックずれが生じたときは、保持
118を解除し、TR2のサーボ制御を行い、再びプリズム回
転制御信号96を保持118すればよい。以上のような保持
機能を用いた場合にはディスクの偏心に対して補償能力
がないためにあらかじめ偏心の小さなディスクを用い
る。
一方、使用環境の変化などの原因でディスクの半径方
向と光ヘッドの移動方向に僅かな角度ずれが生じる場合
がある。このような場合には、第1,第2の光スポット9,
10を結ぶ直線方向とディスクの接線方向とのなす角度が
ディスクの半径方向の位置によって異なるようになる。
そのため初期シーケンス起動98によってディスク半径方
向の任意の1点に光ヘッドを設置してその位置に対応す
るプリズム回転駆動電流を保持しても、ディスク半径方
向の別の位置に光ヘッドを移動させれば第2の光スポッ
ト10は微小なトラックずれを起こすことになる。この問
題は特に第1の光スポット9と第2の光スポット10との
間の距離が長い場合、または一列に並んだ複数スポット
の数が多くなって両端の光スポットの距離が長くなった
場合に問題となる。そこで初期シーケンス98として、光
ヘッドを半径r1の最内周に置きその位置における保持値
(以下“H1"とする)に当たるプリズムの回転駆動電流
値(以下単に保持値という)を検出し、次に光ヘッドを
半径r0の最外周に置きその位置における保持値(以下
“HO"とする)を検出する。またディスクの半径rの位
置における保持値をH(r)とすれば、H(r)とrと
は次式で与えられるような線形の関係にある。
H(r)=HI+(HO−HI)(r−r1)/(r0−r1)……
(2) (2)式に従って光ヘッドのディスク上の半径方向の
位置によって保持値117を可変にすれば安定なスポット
位置合わせ制御をすることができる。ここで、(2)式
は半径rに対して連続量であるが、半径方向に分割して
各々の範囲で保持値を一定値とするような不連続な可変
を行ってもよい。
また、光ヘッドのディスク半径方向の位置を検出する
方法としては、第1の光スポット9で検出したトラック
アドレスから求めてもよいが、或いは光ヘッドに目盛り
を取り付けて目盛読み取り器から求めてもよく、また或
いは、ディスクの基準半径(例えば最内周)から或る位
置まで光ヘッドが移動する間に横切ったトラック本数か
ら求めてもよい。
上記の保持機能は電気的な保持回路を用いたものであ
るが、機械的な保持機構を用いた光スポット位置合わせ
制御装置の一例を第7図のプリズム回転駆動機構を示す
図と第8図のシーケンスを表わすチャート図を用いて説
明する。
光ヘッド23はベース119に対してディスクの半径方向1
2に移動するものとする。さらに光ヘッド23内には第5
図(b)に示したようなギヤ付回転軸86,固定枠82,そし
て複数の減速機構87で構成されたプリズム回転ギヤボッ
クス120が組み込まれている。またベース119側にはサー
ボモータ90,歯車89,ウォームギヤ88,永久磁石121で構成
された動力ボックス122が組み込まれている。ベース119
に固定した電磁石123の電流の極性を反転させることで
動力ボックス122は矢印の方向124に動きプリズム回転ギ
ヤボックス120との連結または離脱を行う。
以下第8図とによってサーボ制御シーケンスを述べ
る。
TR2サーボ起動命令109によって動力ボックス122の連
結125を行う。次にTR2サーボ起動111が行われ、TR2引き
込み判定回路112で判定113を行い、“YES"のとき動力ボ
ックス122の離脱126を行い記録再生状態114となる。プ
リズム回転ギヤボックス120は減速機構87で構成されて
いるので離脱126した後は梯形プリズム2は機械的に固
定され保持される。この方法は光ヘッド内に駆動源を持
たないので光ヘッド23をより軽量化できる利点がある。
以上、第6図,第7図,及び第8図でサーボ起動のシ
ーケンスについて述べた。このシーケンスによって、デ
ィスク間でのトラック間隔の僅かなずれや温度ドリフト
などによる光学系の歪が生じた場合でも安定に光スポッ
トを各々の目標トラックに追従させることができる。こ
こで上記のサーボ起動シーケンスだけでは、前記のよう
に光学調整の段階で第1の光スポット9に対し第2の光
スポット10が隣のトラックに±0.4μmより小さい範囲
に配置するよう粗調しておく必要がある。さらに例えば
トラック間隔が1.2μmであるような明らかにトラック
間隔の異なるディスクでは、第2の光スポット10を誤っ
て目標以外のトラックに追従させてしまう可能性があ
る。そこで以下に述べる目標トラック検出設定機能に関
する回路とシーケンスを前記サーボ起動シーケンスに付
加することで前記粗調調整を省き、さらにトラック間隔
の明らかに異なるディスクについても並列記録再生でき
るようになる。
第9図に回路ブロック図を示し、第10図にそのシーケ
ンスを表わすチャート図を示す。これらの図により以下
説明する。
TR1引き込み判定回路の判定108が“YES"のとき、第1
の光スポットでの再生信号24の読み出し127を行う。こ
こでトラックを判別するためのディスク上の情報として
例えばトラックアドレス信号を用いる。次にアドレス検
出回路128によって第1の光スポット9が追従している
アドレス検出129を行う。検出したアドレスはアドレス
認識回路130に導かれ、ここで第2の光スポット10が追
従すべきトラックのアドレス131の認識132を行う。
次に第2の光スポット10を数トラックにわたって強制
的に掃引させる。ここでは正弦波発振器134からディス
ク回転周期程度の周期を持つ正弦波状のオフセット信号
135を保持回路136に通し、加算器137によってプリズム
回転制御信号96に加える。この状態では保持回路136は
起動されず、オフセット信号はそのまま加算器137に入
力される。またTR2サーボ制御も起動されていないので
オフセット信号135だけでプリズム回転機構は駆動され
る。次に第2の光スポット10により再生信号25の読み出
し138を行う。アドレス検出回路139によって光スポット
の掃引133に応じて第2の光スポット10が配置されてい
るトラックのアドレス140の検出141を逐次行う。ただ
し、誤動作を避けるため、アドレス検出回路139には、
入力する再生信号25がある程度の振幅がないとアドレス
検出しないように、しきい値レベルを持たせる。次に、
先に認識された第2のスポットの目標トラックアドレス
131と第2の光スポット10が検出したトラックアドレス1
40は一致判定回路142において一致判定143が行われ、
“一致”が確認されると同時に保持命令144が出力され
る。保持命令144によって保持回路136はそのときのオフ
セット量を設定保持145する。この状態で第2の光スポ
ット10は目標トラックにおおよそ配置される。配置の精
度はアドレス検出回路139のしきい値レベルの設定に依
存するので、少なくとも第2の光スポット10についての
トラックずれ信号71でTR2サーボ制御を行ったときに、
第2の光スポット10が目標でないトラックに誤って引き
込まれないように前述した±0.4μmより小さい範囲に
配置するオフセット量で保持するようにアドレス検出回
路139のしきい値レベルを設定しておく。以上のように
配置精度内に第2の光スポット10を配置させたうえで、
TR2サーボ起動111を行うことによって±0.05μmの高精
度で第2の光スポット10を目標トラツクに追従させるこ
とができる。なおここで、アドレス検出回路128と139と
は別々の回路である必要はなく、1個のアドレス検出回
路を共用してもよい。ただしこの場合、入力信号すなわ
ち第1のスポットの再生信号24と第2のスポットの再生
信号25を切り換える機能を付加する。すなわち、第1の
スポット9でアドレス検出129を行い、第2のスポット
のアドレス認識132を完了した時点でアドレス認識回路1
30からの完了命令を受け取り、アドレス検出回路の入力
を第1のスポットの再生信号24から第2のスポットの再
生信号25に切り換えればよい。
ここで上述の目標トラック検出設定機能に関する方法
を用いる場合、梯形プリズム2の回転角範囲が大きいた
めに、第3図(a)の光学系では第2の光スポット10に
対する光検出器60面上における光スポット73(第3図
(b))が梯形プリズム2の回転に伴い光検出器60面上
でずれ、そのために第2の光スポットのトラックずれ検
出信号71に僅かにオフセットが生じる場合がある。この
オフセット量は1トラック間隔程度での光スポットの移
動では問題とならないが、第11図または第12図に示す光
学系に変更することで完全になくすことができる。第11
図は、第3図(a)の光学系の梯形プリズム2の位置を
ガルバノミラ3とλ/4板45の間に移したもので、これに
より入射ビームは梯形プリズム2で方向を一旦変えられ
るが、ディスクからの反射ビームが再び梯形プリズム2
によって入射ビームと同一方向に変えられるので光スポ
ット73は動かない。ただし梯形プリズム2には円偏光の
ビームが入射するので光の損失がある。光の損失がない
ようにするためには、第12(a)に示すように、偏光ビ
ームスプリッタ44と分離レンズ53の間にミラ146,梯形プ
リズム2と同一のもの147とλ/2板148を挿入する。二つ
の梯形プリズム2と147を第12図(b)に示すような回
転機構を用いて常に同じ角度で回転させることで、第11
図の光学系と同等の効果を得ることができる。さらにS
偏光で戻ってくる反射ビームをλ/2板147でP偏光に変
換して梯形プリズム147に入射させることで光の損失を
なくすことができる。
これまでは二つの光スポットで並列記録再生を行う場
合についてのみ述べてきたが、記録再生法の異なるディ
スクについても自動的に光スポットの配置を変えて記録
再生を行うこともできる。そのためにアドレス認識回路
130に、上記コントローラからの指令によって、第2の
光スポット10が目標とするトラックの認識自体を変える
機能を持たせる。例えば処理を行う情報が画像データの
ように高い転送速度を必要とする場合には、上位コント
ローラからの指令によって、第1の光スポット9で検出
したトラックアドレスの入力に対して隣のトラックのア
ドレスを出力し、これを第2の光スポット10が目標とす
るトラックとして認識させるようにする。これによって
二つの光スポットを隣り合うトラックに追従させ並列記
録再生を行うことができる。一方、高い信頼性を要する
情報を処理する場合には、第1の光スポット9で検出し
たトラックアドレスをそのまま出力する。これによって
二つの光スポットを同一のトラック上に追従させ、一方
の光スポットを記録用、もう一方の光スポットを記録エ
ラ検出用とすることで高信頼同時記録再生を行うことが
できる。
以上の実施例では、複数スポットとして二つのスポッ
トについてのみ述べてきたが、三つ以上の光スポットを
用いた場合にも適用できる。
複数光源を備えたレーザアレイ149として、例えば第1
3図に示すようにn個の活性層36が等間隔で同一のマウ
ント上に配列したものを用いる。ここでn個の活性層36
のうち、中央付近の一つの活性層を第1の光源39とし、
残りの活性層のうちの一つを第2の光源40として、第3
図(a)の光学系に適用させる。ただし、光学系の損失
が生じないようにλ/2板43の配置および設定角を変え、
ビーム整形プリズム42の設定も変える。その結果、ディ
スク上の複数スポットは第14図に示すように、梯形プリ
ズムの回転に伴い、第1の光スポット9を中心に、第2
の光スポット10を含む残りの光スポットが回転する。こ
のように複数の光スポットを二つの光スポットについて
トラッキング制御するだけで各々の目標トラックに追従
させることができる。また個々の光スポットについての
再生信号を得るためには、第3図(a)において偏光ビ
ームスプリッタ44と分離レンズ53との間にハーフプリズ
ムをもう1個挿入して反射光ビームを二つに分ける。プ
リズム内で反射した光ビーム成分を拡大結像し、その結
像面に第15図に示すようなn個の受光面150を一列に配
列した光検出器アレイ151を置く。このようにして個々
の受光面で各々の光スポットに対する再生信号を得るこ
とができる。
第1の実施例は、複数スポットの位置合わせ方法とし
て像回転プリズムの偏向機構を用いた光ヘッドを使用し
た。第2の実施例として、別の偏向機構を制御する方
法、すなわち、半導体レーザアレイの個々の出射ビーム
の方向を制御して複数スポットの位置合わせを行う方法
を述べる。
この方法は、注入電流によって出射分布の方向が変化
するという半導体レーザ特有の性質を用いたものであ
る。第16図に上記特性の一例を示す。横軸にストライプ
幅方向の位置(ストライプの中心からの距離)をとり、
縦軸に近視野での相対強度をとることにより、注入電流
の増加とともに近視野での相対強度分布がストライプの
中心からずれてくることがわかる。一般にこの特性は、
注入電流によってストライプ内でのキャリア濃度分布の
非対称が生じることが原因であり、利得導波形のレーザ
に顕著な効果がみられる。また遠視野の光出力への影響
は、第17図(a)の光出力−注入電流特性において、折
れ曲り152となって現れる。これは出射方向が変化する
ために遠視野からはずれてしまうためである。折れ曲り
152の起る点はストライプ幅に依存する。第17図(b)
は折れ曲り点152の光出力Lとストライプ幅との関係の
一例を示したものである。第16図の特性を利用するた
め、同図において注入電流に対して出射方向が近似的に
線形に変化する領域153または154に注入電流を設定し、
トラックずれ信号によって注入電流を微少に制御するこ
とによって出射方向を変え、光スポットを目標トラック
に追従させる。
第2の実施例では、第3図の光学系で梯形プリズム2
をはずした光学系を用い、記録用光スポットと再生用光
スポットを同一のトラック上に追従させて同時記録再生
できる2スポット光ヘッドとして適用させたものについ
て述べる。
第3図(a)において使用するレーザアレイ37は、デ
ィスク面上における光パワが1mW程度であるように光学
系の光パワ損失30%を考慮して光出力が3mW付近に折れ
曲り点152を持つ利得導波形レーザチップを再生用の第
2の光源40として用い、折れ曲り点152を広い光出力の
範囲で持たない屈折率分布形レーザチップを記録用の第
1の光源39として用いたものである。第2の光源40のチ
ップのストライプ幅は第17図(b)の点線で示すように
7μmであり、3mWパワ出力時の注入電流は第16図に示
した領域153内の60mAである。そして第6図(b)で示
したプリズム回転制御信号96をレーザ注入電流制御信号
として用い、第2の光源40のレーザ駆動電流源を制御す
れば、第1,第2の光スポット9と10を同一のトラックに
追従させて同時記録再生を行うことができる。第2の実
施例では像回転プリズムなどの回転機構を必要としない
のでコンパクトな光ヘッドを作ることができる利点を持
っている。
〔発明の効果〕
本発明によれば、複数光スポットが各々目標とするト
ラックを認識し、この認識したトラックにトラッキング
サーボ機構が引き込み得る精度に複数光スポットを設置
でき、さらに第1,第2それぞれのスポットを所定のトラ
ックに追従させるトラッキングサーボ機構の制御により
各光スポットをそれぞれの所定トラックに高精度に追従
させることができるので、光学系の温度ドリフト等が生
じた場合、または記録再生法の異なるディスクで記録再
生を行う場合、さらに明らかにトラック間隔の異なるデ
ィスクで記録再生する場合でも、複数光スポットを各々
の目標とする所定トラックに誤りなく高精度に位置合わ
せさせることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の構成を示した図、第2
図は第1の実施例を用いた並列記録再生装置のブロック
図、第3図(a)は第1の実施例に用いた光学系の構成
図、第3図(b)は焦点ずれ,トラックずれ,再生検出
系統図、第4図はサーボループ系のブロック図、第5図
(a),(b)はプリズム回転機構を表わす図、第6図
(a)はサーボ起動シーケンス、第6図(b)はシーケ
ンスを実行するための回路ブロック図、第7図は保持機
構を持つ光ヘッド装置図、第8図は第7図の装置を作動
させるシーケンスを表わす図、第9図は光スポット自動
設定シーケンスを実行するための回路ブロック図、第10
図は第9図を作動させるシーケンスを表わす図、第11図
および第12図は受光面における光スポットのずれをなく
す光学系を示す図、第13図は三つ以上の光源を持つレー
ザアレイの構造図、第14図はディスク面上における複数
光スポットの配置図、第15図は複数光スポットからの再
生信号を検出するための光検出器アレイの構造図、第16
図および第17図は第2の実施例に用いた半導体レーザの
特性図。 (符号の説明) 1……プリズム回路機構、2……梯形プリズム 3……ガルバノミラ、4……絞り込みレンズ 9……第1の光スポット、10……第2の光スポット 24,25……再生信号、30……補償回路 37……レーザアレイ 70……第1の光スポットのトラックずれ検出信号 71……第2の光スポットのトラックずれ検出信号 115……保持回路 128,139……アドレス検出回路 130……アドレス認識回路 142……一致判定回路 145……オフセット量の設定保持 152……折れ曲り点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 温 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−214240(JP,A) 特開 昭61−5443(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のレーザ光源から出射した発散ビーム
    を一束の平行光束に変え、かつ、この平行光束を絞り込
    む、光学系を備え、該光学系を透過したビームをディス
    ク上の各々の目標トラックに入射させる光ヘッドを用い
    て情報の記録再生を行う方法において、上記複数のレー
    ザ光源からのビームのうち、出射ビームの中心軸と上記
    の光学系の光軸とが一致する光源からのビームに対応す
    るディスク上の第1のスポットについて、トラックずれ
    信号を検出し、該レーザ光源からのビームを他のレーザ
    光源からのビームとともに一体的に半径方向に振る偏向
    機構を制御してディスク上のすべてのスポットを一体的
    に半径方向に振って、上記第1のスポットを所定のトラ
    ックに追従させて後、第1のスポットのトラックアドレ
    スを検出し、このトラックアドレスから、上記複数のレ
    ーザ光源のうち出射ビームの中心軸と上記の光軸とが一
    致しない光源の中の一つからのビームを対応するディス
    ク上の第2のスポットを設置すべきトラックアドレスを
    認識し、ディスク面上において第1のスポットを中心に
    第2のスポットを回転させて上記認識したトラックアド
    レスと一致したアドレスのトラックに第2のスポットを
    設置させ、この第2のスポットについてトラックずれ信
    号を検出し、第1のスポットを中心に第1のスポット以
    外のすべてのスポットをディスク面上において回転させ
    る偏向機構を制御して上記第2のスポットを追従させる
    ことによりすべてのスポットを所定のトラックに位置合
    わせさせることを特徴とする複数スポット位置合わせ制
    御方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の制御方法によ
    って複数のスポットをディスク面上所定のトラックに位
    置合わせした時点において、ディスク面上のスポットを
    上記一体的に半径方向に振る偏向機構と回転させる偏向
    機構との駆動状態を上記時点の状態に保持して追従を解
    除して後、光ヘッドをディスクの内外周に移動し、複数
    のスポットをディスクの内外周上の所定のトラックに位
    置合わせすることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の複数スポット位置合せ制御方法。
  3. 【請求項3】ディスク挿入時に特許請求の範囲第1項記
    載の制御方法によって複数スポットを位置合わせした後
    は、ディスク面上のスポットを回転させる偏向機構の駆
    動状態を保持して第2のスポットの追従を解除し、第1
    のスポットのみを追従させることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の複数スポット位置合わせ制御方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項記載の、第1,第2の
    スポットそれぞれの所定トラックへの追従は、ディスク
    挿入時に光ヘッドをディスクの最内周と最外周とのいず
    れか一方に位置させて第1,第2のスポットを所定のトラ
    ックに追従させたときの、ディスク上のスポットを回転
    させる偏向機構の駆動電流値と、光ヘッドをディスクの
    最内周と最外周の他方に位置させて第1,第2のスポット
    を所定のトラックに追従させたときの、該偏向機構の駆
    動電流値とから、光ヘッドのディスク半径方向の任意の
    所定位置に対しては、この位置に対応する該偏向機構の
    駆動電流の所要値を算定し、この値に該偏向機構の駆動
    電流を制御して行うことを特徴とする、特許請求の範囲
    第1項記載の複数スポット位置合わせ制御方法。
  5. 【請求項5】複数のレーザ光源から出射した発散ビーム
    を一束の平行光束にするレンズや、この平行光束をディ
    スク上に絞り込むレンズ、更にこの絞り込んだ複数のス
    ポットをディスクの半径方向に一体的に振る偏向機構な
    どから成る一つの絞り込み光学系を有する光学ヘッドを
    用いて、上記複数のレーザ光源からの出射ビームをディ
    スク上の各々の目標トラックに絞り込み、情報の記録再
    生を行う装置において、上記複数のレーザ光源のうち出
    射ビームの中心軸と上記光学系の光軸とが一致する光源
    からのビームに対応するディスク上の第1のスポットを
    中心に他のすべてのスポットを回転させる偏向機構を上
    記絞り込み光学系に設けた光学ヘッドと、第1のスポッ
    トについてトラックずれ信号を検出し、ディスク上のス
    ポットをディスクの半径方向に振る上記偏向機構を制御
    して第1のスポットを所定のトラックに追従させる第1
    のトラッキングサーボ機構と、上記複数のレーザ光源の
    うち出射ビームの中心軸と上記光学系の光軸とが一致し
    ない光源の中の一つからのビームに対応する第2のスポ
    ットについてトラックずれ信号を検出し、ディスク面上
    で第1のスポットを中心に他のすべてのスポットを回転
    させる上記偏向機構を制御して第2のスポットを所定の
    トラックに追従させる第2のトラッキングサーボ機構
    と、第1のスポットのトラックアドレスから第2のスポ
    ットが追従すべき第2のトラックアドレス情報を認識
    し、ディスク上のスポットを回転させる上記偏向機構を
    駆動して第2のスポットを回転させてトラックアドレス
    を検出し、上記認識したトラックアドレスと一致したア
    ドレスのトラックに第2のスポットを設置させる目標ト
    ラツク検出設定機能とを備えることを特徴とする、複数
    スポット位置合わせ制御装置。
  6. 【請求項6】上記、ディスク面上で第1のスポットを中
    心に他のすべてのスポットを回転させる偏向機構は、外
    部制御信号によって回転角を変化させる回転駆動機構を
    備え、その回転の中心軸と上記絞り込み光学系の光軸と
    が一致するように該光学系に設けた像回転プリズムであ
    ることを特徴とする、特許請求の範囲第5項記載の複数
    スポット位置合わせ制御装置。
  7. 【請求項7】上記、ディスク面上で第1のスポットを中
    心に他のすべてのスポットを回転させる偏向機構は、半
    導体レーザへの注入電流を変えて出射ビーム分布の方向
    を可変にする偏向機構であることを特徴とする、特許請
    求の範囲第5項記載の複数スポット位置合わせ制御装
    置。
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