JP2559551B2 - 透明板状体の平面歪測定装置 - Google Patents

透明板状体の平面歪測定装置

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JP2559551B2
JP2559551B2 JP4205626A JP20562692A JP2559551B2 JP 2559551 B2 JP2559551 B2 JP 2559551B2 JP 4205626 A JP4205626 A JP 4205626A JP 20562692 A JP20562692 A JP 20562692A JP 2559551 B2 JP2559551 B2 JP 2559551B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明板状体の成形時に
生じる内部歪の測定装置に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来の透明板状体の平面歪測
定装置としては、セナルモン法と呼ばれる測定方法を利
用したものや、バビネ法と呼ばれる測定方法を利用した
ものが一般に知られている。
【0003】セナルモン法を利用した平面歪測定方法の
一例では、光源からの光を摺ガラス等で一様な光にし偏
光板を通してガラスに入射する。偏光板の振動方向は透
明板状体の主軸方向と45度の角度を持っている。透明
板状体を通過した光は1/4波長板(偏光板に対し方位
角90度)を通り直交偏光板に入る。この直交偏光板は
互いに直交しており各々の偏光板には光の強度を測定す
る為に光電素子(ホトセル)が組み込まれている。透明
板状体の歪量に応じて、このホトセルの出力が変わる。
電気サーボ機構により2個のホトセルの出力の差がゼロ
になる方向へ直交偏光板を回転させ、透明板状体の歪量
がゼロの時のバランス位置からの回転角度を歪量として
いる。
【0004】透明板状体の成形ライン上(これをオンラ
インと呼ぶ)において前記方法による装置を使用し、透
明板状体の板幅方向に駆動測定した場合、ある応力をも
つ透明板状体が特定板厚、例えば10mmを越えると回
転角度が±90°を越えテンション(引張力)、コンプ
レッション(圧縮力)の区別がつかなくなるため、測定
結果の信頼性が薄くなり、評価が難かしい状態であっ
た。
【0005】また、特定板厚以下の場合でも、ゼロ点の
変動が大きいため、測定結果が透明板状体の板幅内での
各測定点間の相対値となり、絶対値ではないので、測定
データ間の比較も出来ず、評価が困難であった。
【0006】特開昭60−97226号などに提案され
ているバビネ法を利用した平面歪測定方法においても、
人為的な操作により被検査対象物が均一な熱分布となっ
た常温状態で、オフラインに於ける歪測定装置は知られ
ているが、成形直後のオンライン設備で使用すると被検
査体が成形による残留余熱を保持しており、被検査体が
持っている熱分布にばらつきがあるため、熱による平面
歪を生じ、さらに透明板状体が連続で長いことなど外的
な力により発生する平面歪を誤差として含んでおり測定
精度に問題があった。
【0007】本発明は、前述の問題点を解決すべくなさ
れたものであり、バビネ法を利用した測定方法に基づ
き、光源からの光を偏光板、およびオンラインにて搬送
される透明板状体を通し、透明板状体を挟んで光源とは
反対方向に設置の水晶楔、偏光板、及び投影レンズを通
して透明板状体に存在している光路差による水晶楔面上
の干渉縞像の変位位置分布を受光素子に取り込み、また
同時に測定部位の表面温度を計測することにより、オン
ライン状態に於ける透明板状体の平面歪量の自動測定、
及びオンライン状態に於ける透明板状体の不均一な熱分
布により発生する熱歪および外的な力によって発生する
平面歪を自動的に補正し、正確な測定値を算出すること
により、上記問題点を解決することを目的とするもので
ある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明は、光源からの
光を第1の偏光板により偏光させ、得られる偏光を透明
板状体に透過させ、透明板状体から出射した光を2枚の
水晶板を互いに光軸が直交するように貼合わせた水晶楔
に入射させ、この水晶楔により分岐された振動方向が互
いに直交、位相の異なる二つの偏光をさらに第2の偏光
板に入射させ、このとき得られる干渉縞の位置を、基準
位置からの移動量として測定することにより歪み量を測
定する装置において、第2の偏光板からの光を収束する
投影レンズと、投影レンズからの収束された光を受光す
る受光素子と該受光素子の出力信号により歪を自動的に
演算する演算処理装置を少なくとも具備するようにした
ことを特徴とし、さらに温度による歪みの変化および外
的力によって発生する歪みの変化を自動的に補正するた
めの透明板状体の表面温度を測定する温度測定手段を付
加するとより好ましい。
【0009】
【作用】光源からの光を第1の偏光板により偏光させて
得られる偏光を透明板状体に透過させ、透明板状体から
出射した光を2枚の水晶板を互いに光軸が直交するよう
に貼合わせた水晶楔に入射させ、この水晶楔により分岐
された振動方向が互いに直交、位相の異なる二つの偏光
をさらに第2の偏光板に入射させ、このとき得られる干
渉縞の位置を、歪みが零のときの干渉縞の位置を基準位
置として、その位置からの移動量として測定することに
より板厚の大小にかかわらず透明板状体の歪みを測定す
ることができ、この移動量の測定に、さらに第2の偏光
板からの光を収束する投影レンズと、投影レンズからの
収束された光を受光するフォトダイオードアレイなどの
受光素子と該受光素子の出力信号を演算処理装置により
自動的に演算するものである。
【0010】透明板状体の全幅にわたって測定器の位置
信号対光路差のデータの組を求める。光路差は次の式で
応力に換算される。 光路差δ(nm)=透明板状体の光弾性常数C×板厚t
(cm)×応力F(Kg/cm2 ) 従って前記の干渉縞の移動量、すなわち光路差δを測定
することにより応力Fを演算できる。この応力Fでも大
体の傾向を知ることができるので、そのまま制御用のデ
ータとして使用してもよいが、この応力Fには求めよう
とする永久歪みの他に、透明板状体の幅方向の熱の不均
一による応力、熱の不均一以外に透明板状体が連続的に
長いことなどによる外的な力によって発生する応力を含
んでいるので下記のように除去して永久歪みとして演算
する。
【0011】一連の測定完了後、透明板状体5の不均一
な熱分布などにより発生している応力を補正して永久歪
を計算し、それらのデータをメモリーに蓄積し、随時外
部より取り出すことが出来る。
【0012】以下にオンライン状態に於ける透明板状体
の不均一な熱分布により発生する歪量を、均一な熱分布
状態に於ける歪量への温度補正方法を説明する。今、連
続的に流れる透明板状体の幅方向にある平面歪(応力)
と、温度分布が図4に示すような分布であったとする。
【0013】透明板状体の温度が均一となり長さが十分
短く切断された時の状態を想定すると、 平面内の応力の積分=0 −−−−(1) 応力により発生したモーメント=0 −−−−(2) が成立する。
【0014】そこでまず、透明板状体の温度が均一にな
った時を想定して応力を例えば常温である20℃での応
力になおす。(各部の温度差により膨張の大きさに差を
生じて応力を発生する。) 20℃の時の応力F1 =発生している応力F +(各点の温度−20℃)×透明板状体のヤング率×透明板状体の線熱膨 張係数 −−−(3) と書くことができる。
【0015】次に、熱の不均一以外に透明板状体が連続
的で長いことなどの外的な力によって発生している機械
的な応力を考える。図5に示すようにに板幅(−a〜
a)方向に発生している中点の応力(平均の応力)をU
とすると、ここを通過する様な直線的な応力分布F2 は F2 =U+b・x (bは直線の傾き) −−−−(4) となる。
【0016】この応力は中点の回りのモーメント、M=
2/3・b・a3 であって、中点の応力Uには無関係
である。従って、(4)式で平均の応力(中点)UをF
1 より引いたものをF4 とする。
【0017】 F4 =F1 −U −−−−(5) 次にF4 に中点からの距離を掛けて、モーメントMを求
めると式6に示すようになる。
【0018】
【数1】
【0019】前出のモーメントM=2/3・b・a3
より発生している曲げ応力の勾配bを求める。最後にモ
ーメントの補正として F5 =F4 −b×(中点からの距離) −−−−(7) を求める。
【0020】この時の応力分布が式(1)、(2)の条
件を満たしている。このようにして、オンライン状態に
於ける透明板状体の歪から板幅方向に不均一な熱分布に
より発生する平面歪、外的な力によって発生している平
面歪を除去して、永久歪を求めることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係わる透明板状体の平面歪検
出装置について図面に基づき詳細に説明する。
【0022】図1と図2は、それぞれこの発明の一実施
例を示す要部概略図と要部斜視図、図3は水晶楔に生ず
る干渉縞の位置を表す図で(a)は光路差が0のときの
干渉縞の位置、(b)は光路差があるとき、すなわち平
面歪みがあるときの干渉縞の位置を表す図で実線が零次
の干渉縞、点線が1次の干渉縞を表す。図6は本発明の
測定装置によって得られた応力の分布図であり、点線が
補正前の応力F、実腺が補正後の応力F5 を表す。
【0023】まず図1に示すように、光源ランプ1とそ
の上部に第1の偏光板2を有する光源ボックス3の上部
に光源窓4を設け、光源ランプ1からの光が第1の偏光
板2を通して光源窓4から出力される様な並びに配設す
る。
【0024】一方、2枚の水晶板の光軸が互いに直交す
るように、一方を楔型にして貼合わせた水晶楔7、第2
の偏光板8、投影レンズ9、フォトダイオードアレイ、
ラインセンサー、エリアセンサーなどの受光素子10の
順に取り付け固定された測定部ボックス12を、オンラ
インで搬送されている板ガラスなどの透明板状体5を挟
んで光源ボックス3と対向する位置にこれらの機器の中
心軸が一直線になるように配設する。なお、ボックス1
2の下部には測定窓6とフード11を設ける。
【0025】また、測定ボックス12には透明板状体5
の表面温度測定のための放射温度計13と、透明板状体
5のエッジ検出(有無検出)のための近接センサー14
を一体構造になるように取り付ける。
【0026】次に測定装置の駆動系について述べる。図
1、図2に示すように光源ボックス3と測定ボックス1
2はブラケット21、21’を介してガイドレール2
2、22’に摺動自在に嵌合し、さらにモーター23に
よって駆動されるチェーンあるいはベルト24、24’
に固着し、ガイドレール22、22’に沿って透明板状
体5の板幅方向に走行駆動可能な構造になっている。
【0027】なお、透明板状体5を矢印方向に搬送する
ためのリングロール25の間を光源ボックスと測定ボッ
クスが走行するように配置する。また、光源ボックスと
測定ボックスはお互いに同期を取って駆動する必要があ
る為、駆動源であるモーター23によりベルト26を駆
動し、光源ボックス3の走行用ベルト24および測定ボ
ックス12の走行用ベルト24’を連動させ駆動させ
る。
【0028】このような測定装置において、まず、平面
歪の測定に先だって光源ボックス3と測定ボックス12
を透明板状体5より外側に置き、この位置を原点とする
と、透明板状体5を検出しない位置にあるのでこの状態
にて平面歪を測定した時、図3(a)に示すように、歪
の無い状態として零点が設定できる。
【0029】次いで、コントローラー27の出力により
モーター23の制御を行ない、光源ボックス3と測定ボ
ックス12を連動させて板幅方向に駆動させると、まず
近接センサー14により透明板状体5のエッジが検出さ
れその時点から一定間隔毎に受光素子10によって干渉
縞のずれ量が光路差δとして、放射温度計13によって
測定された透明板状体5の表面温度とともに、図示しな
いA/D変換器などを介してコンピューターなどの演算
処理装置28に取り込まれ、作用の項において説明した
手順により温度補正された平面歪F5 を近接センサー1
4が透明板状体の反対側のエッジを検出するまで演算す
る。
【0030】このようにして得られた補正値F5 は図6
の実線に示すようなり、補正前の応Fは点線で示すよう
になり、本測定装置によって演算された補正値は、人工
的に歪みを形成し、歪値が既知のサンプルを測定して確
認したところ極めてよく一致した。
【0031】その後、光源ボックス3と測定ボックス1
2を原点位置までモーター23を逆回転させて戻し、一
定時間毎に前記の方法により透明板状体の表面温度によ
る歪みが自動補正された平面歪を測定しディスプレイに
表示したり、さらに管理データとして記録したりあるい
は、この結果に基づき幅方向の温度が均一になるように
自動的に制御するようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、その構成を光源からの光を第1の偏光板およびオ
ンラインにて搬送される透明板状体を通し、透明板状体
を挟んで光源とは反対方向に設置の水晶楔、第2の偏光
板、および投影レンズを通して透明板状体に存在してい
る光路差による水晶楔面上の干渉縞像の変位位置分布を
受光素子に取り込み、又、同時に測定部位の表面温度を
計測することにより、静止している状態は勿論、オンラ
イン状態に於ける透明板状体の平面歪量の自動測定、及
び透明板状体の不均一な熱分布により発生する歪量など
の均一な熱分布における歪量への自動補正を行ない、正
確な永久歪(平面歪)を演算することができるものであ
り、オンライン設備に於いて成形直後の透明板状体が持
っている残留熱分布にばらつきがある状態でも、正確な
測定が可能であり、又被検査体の板厚に関係なく、平面
歪量の絶対値が測定可能である。
【0033】さらにオンライン上の透明板状体について
測定した結果を上位コンピュータに出力することによ
り、成形工程への平面歪データの迅速なフィードバック
が図れ、生産品質の向上に役立てることもできるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における平面歪検出装置を示す
要部概略図である。
【図2】本発明の実施例における平面歪検出装置を示す
要部斜視図である。
【図3】水晶楔に生ずる干渉縞の位置を表す図で(a)
は光路差が0のときの干渉縞の位置、(b)は光路差が
あるとき、すなわち平面歪みがあるときの干渉縞の位置
を表す図である。
【図4】透明板状体の幅方向におけるの分布図であり、
(a)応力分布図(平面歪分布図)、(b)が温度分布
図である。
【図5】熱の不均一以外に発生している機械的な応力F
2 の透明板状体幅方向の分布図である
【図6】本測定装置によって測定した応力分布図であ
り、実線が補正後の応力F5 、点線が補正前の応力Fを
示す。
【符号の説明】
1 光源ランプ 2 第1の偏光板 3 光源ボックス 5 透明板状体 7 水晶楔 8 第2の偏光板 9 投影レンズ 10 受光素子 12 測定ボックス 13 放射温度計 14 近接センサー 23 モーター 27 コントローラ 28 演算処理装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの光を第1の偏光板により偏光さ
    せ、得られる偏光を透明板状体に透過させ、透明板状体
    から出射した光を2枚の水晶板を互いに光軸が直交する
    ように貼合わせた水晶楔に入射させ、この水晶楔により
    分岐された振動方向が互いに直交、位相の異なる二つの
    偏光をさらに第2の偏光板に入射させ、このとき得られ
    る干渉縞の位置を、基準位置からの移動量として測定す
    ることにより歪み量を測定する装置において、第2の偏
    光板からの光を収束する投影レンズと、投影レンズから
    の収束された光を受光する受光素子と該受光素子の出力
    信号により歪を自動的に演算する演算処理装置を少なく
    とも具備するようにしたことを特徴とする透明板状体の
    平面歪測定装置。
  2. 【請求項2】透明板状体の表面温度を測定する温度測定
    手段を付加することにより温度による歪みの変化および
    外的力によって発生する歪みの変化を自動的に補正する
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載の透明板状体
    の平面歪み測定装置。
JP4205626A 1992-07-31 1992-07-31 透明板状体の平面歪測定装置 Expired - Lifetime JP2559551B2 (ja)

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