JP3351857B2 - マイケルソン形干渉測定装置 - Google Patents

マイケルソン形干渉測定装置

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JP3351857B2
JP3351857B2 JP13053893A JP13053893A JP3351857B2 JP 3351857 B2 JP3351857 B2 JP 3351857B2 JP 13053893 A JP13053893 A JP 13053893A JP 13053893 A JP13053893 A JP 13053893A JP 3351857 B2 JP3351857 B2 JP 3351857B2
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淳一 飯田
達也 鳴海
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイケルソン形干渉測
定装置に関する。例えば、ブロックゲージなどの被測定
片の寸法を個人差なく、かつ、高精度に測定することが
できるマイケルソン形干渉測定装置に関する。
【0002】
【背景技術】例えば、ブロックゲージの寸法を測定する
測定装置としては、下面にベースプレートを密着させた
ブロックゲージをマイケルソン形干渉計の一方の光路中
に挿入し、ブロックゲージおよびベースプレートで反射
した光を他方の光路からの光と干渉させ、その干渉縞の
端数値からブロックゲージの寸法を測定する測定装置が
最も広く利用されている。
【0003】そこで、従来のマイケルソン形干渉計を図
7を参照しながら説明する。同図において、He-Ne レ
ーザ光源1から発せられた光は、光アイソレータ2およ
びレンズ3を通りピンホール4に点集光される。そのの
ち、ビーム拡大用レンズ5によりブロックゲージ測定に
必要な大きさの平行光線に拡大されたのち、反射鏡6に
より90°変向され、ビームスプリッタ7で反射光と透
過光に2分割される。反射光は、参照鏡8に向かい、こ
こで、反射して再びビームスプリッタ7に戻る。透過光
は、光学楔9を透過してブロックゲージBGに向かう。
【0004】前記光学楔9は、マイクロメータ10の回
動操作によって透過光に対して直交する方向へ移動さ
れ、その移動量がマイクロメータ10の目盛から読み取
ることができる。前記ブロックゲージBGは、その下面
にベースプレート11(一種の反射鏡)を密着した状態
で手動回転可能な回転テーブル12上にセットされてい
る。回転テーブル12上には、図示していないが、複数
個のブロックゲージBGが所定角度おきにセットできる
ようになっている。
【0005】前記ブロックゲージBGの上面とベースプ
レート11の上面とに垂直に入射した光は、反射して再
び光学楔9を透過したのち、ビームスプリッタ7に達
し、ここで、参照鏡8からの戻り光と干渉する。干渉光
の観察光学系部分には、観察用望遠レンズ13、ビーム
スプリッタ14、オートコリメーション標的15、ピン
ホール16および接眼鏡17などがそれぞれ設けられて
いる。
【0006】従って、測定に当たっては、測定しようと
するブロックゲージBGの下面にベースプレート11を
密着させ、この状態でベースプレート11を下にして回
転テーブル12上の所定位置にセットしたのち、観察光
学系の接眼鏡17を通じて観察すると、図8に示すよう
な干渉縞が観察される。そこで、ブロックゲージBGの
干渉縞とベースプレート11の干渉縞との端数値b/a
を読み取り、その端数値b/aと次の測定原理に基づく
演算式とからブロックゲージBGの寸法を求める。
【0007】そこで、マイケルソン形干渉計を利用した
ブロックゲージの測定原理について述べる。測定原理を
数式化すると、次式で表すことができる。 L0 +ΔL0 +L0 αt=(λν/2n)(N+b/a)………(1) ただし、上記(1)式において、 L0 ;ブロックゲージの呼び寸法 ΔL0 ;ブロックゲージの製作誤差 α ;ブロックゲージの線膨張係数 t ;ブロックゲージの20℃からの温度差 λν ;干渉光の真空波長 n ;干渉光路の空気屈折率 N ;干渉縞の整数部 b/a;干渉縞の分数部 である。
【0008】これは、図9に示すように、L0 の呼び寸
法でΔL0 の製作誤差があって、L 0 αtだけ熱膨張し
ている状態のブロックゲージBGを、λν/2nの目盛
のスケールで測定した場合のスケール目盛の整数部がN
個、目盛の端数値(分数部)がb/aであることを意味
している。
【0009】ここで、上記(1)式において、呼び寸法
0 、線膨張係数α、干渉光の真空波長λνの値につい
ては、予め判っている。ブロケックゲージGBの場合、
製作誤差は非常に少ないことと、干渉測定を実施する前
の予備測定で製作誤差ΔL0の値は波長の約1/4程度
(≒0.15μm)の誤差で判っている。20℃からの
温度差tの値も、例えば、0.001℃程度の分解能で
実測されている。
【0010】空気屈折率nの値は、気圧、気温、湿度を
実測し二酸化炭素濃度を仮定して計算によりΔn/n≒
3〜5×10-8の精度で決定できる。従って、干渉縞の
整数部Nの値を一次上誤ることはないので、干渉縞の端
数値b/aを求めれば(1)式から製作誤差ΔL0 を求
めることができる。つまり、干渉縞の端数値b/aを求
めることが、ブロックゲージBGの測定で最も重要であ
ることが判る。
【0011】従来、ブロックゲージの測定において、干
渉縞の端数値b/aを求めるには、次の方法により行っ
ている。 イ)接眼鏡17を通じて干渉縞を観察しながらマイクロ
メータ10の回動操作によって光学楔9を移動させる
と、干渉縞が群として図8の矢示A方向へ平行移動され
る。従って、この操作によって、図10(A)に示す如
く、ブロックゲージBGの任意の干渉縞a0 の中央を接
眼鏡17のレチクル線に合わせ、そのときのマイクロメ
ータ10の目盛の値を零点とする。 ロ)次に、図10(B)に示す如く、干渉縞a0 と隣接
するベースプレート11の干渉縞b0 の中央を接眼鏡1
7のレチクル線に合わせ、そのときのマイクロメータ1
0の目盛の値bを読み取る。 ハ)次に、図10(C)に示す如く、干渉縞a0 と隣接
するブロックゲージBGの干渉縞a1 の中央を接眼鏡1
7のレチクル線に合わせ、そのときのマイクロメータ1
0の目盛の値aを読み取る。 ニ)最後に、読み取った値b,aから干渉縞の端数値b
/aを計算により求める。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の測定では、次の
ような欠点がある。 測定者が接眼鏡17を通じて干渉縞を観察しながら干
渉縞の中央を順次接眼鏡17のレチクル線に合わせ、そ
のときのマイクロメータ10の目盛の値baを読み取る
ものであるから、干渉縞の中央をレチクル線に合わせる
時やマイクロメータ10の目盛読取時などに、測定者に
よる個人差が生じやすい。 測定者は、接眼鏡17を通じて暗い干渉縞を観察しな
ければならない上、レチクル線に合わせるときなど熟視
観察を強いられるから、目の疲労が大きく、長時間の測
定には不向きである。 測定者が干渉計に対面して作業をすることになるか
ら、人体熱源(100〜150W)の影響を受け内部の
空気温度が上昇し、その影響がブロックゲージBGにも
15〜30分後に現れて屈折率補正値の誤差および熱膨
張補正値の誤差となりやすい。
【0013】ここに、本発明の目的は、このような従来
の欠点を全て解消し、測定者にかかる負担を軽減できる
とともに、被測定片の寸法を個人差なく、かつ、高精度
に測定することができるマイケルソン形干渉測定装置を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明のマイ
ケルソン形干渉測定装置は、平行光線を2分割した一方
の光の光路中にベースプレートを密着させた被測定片を
挿入し、この被測定片およびベースプレートで反射した
光を前記2分割した他方の光と干渉させるとともに、前
記いずれか片方の光路中に挿入した光学楔の移動によっ
て干渉縞を移動させながら干渉縞の端数値を求め、この
端数値を基に被測定片の寸法を求めるマイケルソン形干
渉測定装置において、前記干渉縞の焦点面上で前記被測
定片からの干渉縞に対応する位置に配置された第1の受
光点および干渉縞の焦点面上で前記ベースプレートから
の干渉縞に対応する位置に配置された第2の受光点を有
し、各受光点での光量を電気量に変換する干渉縞光量測
光手段を設けるとともに、この干渉縞光量測光手段の各
受光点での光量に基づく電気量を前記光学楔の移動量の
関数として求め、この関数を基に干渉縞の端数値を算出
する演算手段を設けた、ことを特徴とする。
【0015】また、前記干渉縞光量測光手段は、前記各
受光点に対応して一端が配置された光ファイバと、前記
各受光点から離れた位置に設けられ前記光ファイバに導
入された光エネルギを電気量に変換する光センサとを含
んでことを特徴とする。
【0016】
【作用】平行光線を2分割した一方の光の光路中にベー
スプレートを密着させた被測定片を挿入し、この被測定
片およびベースプレートで反射した光を前記2分割した
他方の光と干渉させる。いま、この干渉縞の光度分布を
光学楔の移動量をパラメータとして物理量で測光する
と、理論的にも実験的にもサンイまたはコサンイ曲線で
近似できる。つまり、次式で近似できる。
【0017】 y=A cos(2πx/L+φ)+B………(2) ただし、上記(2)式において、 y;干渉縞の明るさ A;干渉縞明るさの振幅 L;干渉縞を1縞移動させるに必要に光学楔の移動量 x;光学楔の移動量 φ;干渉縞の位相角 B;明るさのバイアス である。
【0018】上記(2)式を一義的に決定するために
は、A,L,φ,Bの4定数を求める必要がある。これ
には、光学楔の移動量xをx1,2,3,4 と変え、そ
れぞれのx1,2,3,4 と対応した干渉縞の明るさy
1,2,3,4 を計測して連立方程式の解を求めれば
A,L,φ,Bの4定数を求めることができる。そこ
で、被測定片からの干渉縞の位相角φ1 とベースプレー
トからの干渉縞の位相角φ2( またはφ3 )とを求めれ
ば、φ2 −φ1 /2πから干渉縞の端数値b/aを求め
ることができる。
【0019】本発明では、光学楔の移動量xをx1,2,
3,4 と変えたときの、第1および第2の受光点での
光量を電気量に変換して得ることができるから、各受光
点で得られ光量に基づく電気量と前記光学楔の移動量と
の関数を基に、被測定片からの干渉縞の位相角φ1 とベ
ースプレートからの干渉縞の位相角φ2 (またはφ3
とを求め、これらの位相角φ12 (またはφ3 )から
干渉縞の端数値b/aを算出する。
【0020】
【実施例】以下、本発明にかかるマイケルソン形干渉測
定装置の一実施例を図を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下の図の説明に当たって、前述した図7と同一
構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略
もしくは簡略化する。図1は本実施例の光学系を示して
いる。本実施例の光学系では、前記光学楔9を自動的に
直線移動させる直線駆動装置21およびその移動量を測
定する測長ユニット28と、前記回転テーブル12を自
動的に回転駆動させる回転駆動装置31と、干渉縞光量
測光系41とが新たに付加されている。
【0021】前記直線駆動装置21は、図2に示す如
く、ベース22と、このベース22に前記透過光に対し
て直角にかつ回転可能に支持された送りねじ軸23と、
この送りねじ軸23を回転させる光学楔移動モータ24
と、前記ベース22にベアリング25を介して送りねじ
軸23の軸方向と同方向へ移動可能に案内されかつ基端
部が送りねじ軸23に螺合されたスライダ26と、この
スライダ26の先端部に固定されかつ内部に前記光学楔
9を保持した保持プレート27とから構成されている。
なお、本実施例では、光学楔9を1mm移動させた場
合、干渉縞が1縞分平行移動するように、光学楔9の屈
折率と楔角とが決定されている。また、測長ユニット2
8は、保持プレート27の移動量、つまり、光学楔9の
移動量を機械的、光学的または電気的に検出でき、か
つ、その検出値を電気的信号として出力できるようにな
っている。
【0022】前記回転駆動装置31は、テーブル駆動モ
ータ32と、このテーブル駆動モータ32によって回転
される回転軸33と、この回転軸33の先端に固定され
たウォーム34と、このウォーム34に噛合されかつ前
記回転テーブル12の回転軸35に固定されたウォーム
ホイール36とから構成されている。なお、この回転駆
動装置31におけるテーブル駆動モータ32と前記直線
駆動装置21における光学楔移動モータ24は、外壁を
断熱材を含む材料によって形成した光学室18の外部に
位置して取り付けられている。
【0023】前記干渉縞光量測光系41は、前記観察用
望遠レンズ13とビームスプリッタ14との間の光路中
に挿入可能かつ光路から退避可能に設けられた光路切替
ミラー42と、この光路切替ミラー42によって光路が
切り替えられた干渉光を導入する3本の光ファイバ43
1,432,433 とを含んで構成されている。各光ファイ
バ431,432,433 は、その各端面が、干渉縞の焦点
面上に等間隔にかつ一直線に配列された3個の受光点に
対応して配備されている。つまり、図3に示す如く、中
央の受光点J1 はブロックゲージBGからの干渉縞に対
応する位置に配備され、その外側の2つの受光点J2,
3 はベースプレート11の左右側からの干渉縞に対応す
る位置に配備されている。
【0024】前記各光ファイバ431,432,433 に導
入された光エネルギは、図4に示すように、前記受光点
から離れた位置に設けられた光センサ441,442,44
3 により電気量に変換され、続いて、光パワーメータ4
1,452,453 によりW単位で読み取られたのち、ケ
ーブル50を通じて演算手段としてのデータ演算処理装
置51(パーソナルコンピュータなどからなる。)に送
られている。ここに、これらの光パワーメータ451,
2,453 、光センサ441,442,443 および前記干
渉縞光量測光系41により、干渉縞光量測光手段46が
形成されている。また、前記測長ユニット28で測長さ
れた光学楔9の移動量に関する情報も、デジタル量に変
換されたのち、ケーブル50を通じてデータ演算処理装
置51に送られている。
【0025】前記データ演算処理装置51には、このほ
か、ブロックゲージBGの側面に貼る付けられた温度セ
ンサ56によって検出されたブロックゲージBGの温度
情報および気圧センサ57によって検出された気圧情報
が、温度計53や気圧計54を通じて、更に、デジタル
ボルトメータ52を通じて送られているとともに、湿度
センサ58によって検出された湿度情報が湿度計55を
通じて送られている。
【0026】データ演算処理装置51は、モータ駆動回
路24A,32Aを介して前記各モータ24,32の駆
動を制御するとともに、前記測長ユニット28からの光
学楔9の移動量に関する情報および光パワーメータ45
1,452,453 からの干渉縞の明るさに関する情報を基
に干渉縞の端数値b/aを算出する。これには、測長ユ
ニット28から前記x1,2,3,4 が、光パワーメー
タ451,452,453 から前記y1,2,3,4 がそれ
ぞれ送られているから、データ演算処理装置51は、こ
れらの情報を基に前記(2)式を演算し、ブロックゲー
ジBGからの干渉縞の位相角φ1 とベースプレート11
の左および右側からの干渉縞の位相角φ2,φ3 とを求め
る。図5は、各干渉縞の位相角φ12,φ3 の関係を示
している。
【0027】ところで、3本の光ファイバ431,432,
433 は一直線上に配列されているが、図6に示すよう
に、この直線に対して干渉縞の方向が傾くことが起こる
場合がある。これは、等厚干渉の楔角の方向が本来の正
しい方向からずれることが原因で、参照鏡8と回転テー
ブル12の傾きによる。そこで、データ演算処理装置5
1は、φ2 とφ3 との平均値をφ4 として求め、このφ
4 をベースプレート11の位相角として計算に使用し、 (φ4 −φ1 )/2π=b/a………(3) からb/aの値を決定する。
【0028】次に、データ演算処理装置51は、b/a
の値を用いて、前記(1)式を演算する。まず、データ
演算処理装置51には、温度センサ56からの温度情
報、気圧センサ57からの気圧情報、湿度センサ58か
らの湿度情報がそれぞれ送られているとともに、予め、
二酸化炭素濃度情報が入力されているから、これらの情
報から空気屈折率nを算出する。
【0029】続いて、測定するブロックゲージBGの呼
び寸法L0 および予め予備測定によって求めた製作誤差
ΔL0 ’をデータ演算処理装置51に入力する。する
と、データ演算処理装置51は、線膨張係数α、温度差
t、干渉光の真空波長λν、空気屈折率nが既に既知で
あるから、これらのデータを基に干渉縞の整数部Nを決
定する。最後に、測定の結果から得られたb/aの値を
(1)式に代入してブロックゲージBGの製作誤差ΔL
0 を求める。
【0030】従って、本実施例によれば、干渉縞の焦点
面上でブロックゲージBGからの干渉縞に対応する位置
に配置された第1の受光点J1 および干渉縞の焦点面上
でベースプレート11からの干渉縞に対応する位置に配
置された第2,第3の受光点J2,3 を有し、各受光点
での光量を電気量に変換する干渉縞光量測光手段46を
設けるとともに、この干渉縞光量測光手段46の各受光
点での光量を光学楔9の移動量の関数として求め、この
関数を基に干渉縞の端数値b/aを算出するようにした
ので、従来の〜の欠点を全て解消することができ
る。
【0031】つまり、ブロックゲージBGからの干渉縞
およびベースプレート11からの干渉縞の光量を電気量
に変換し、その電気量を光学楔9の移動量の関数として
求め、この関数を基に各干渉縞の位相角φ123
算出し、この位相角φ123 を基に端数値b/aを
算出するため、つまり、全ての測定処理を測定者に頼ら
なくても自動的に行うことができるから、測定者による
個人差が生じることがなく、また、測定者の負担(目の
疲労)を軽減できる。従って、長時間の測定にも支障を
生じることがない。しかも、人体熱源の影響も受けるこ
とがないから、屈折率補正値の誤差および熱膨張補正値
の誤差も解消できる。
【0032】また、干渉縞光量測光手段46は、前記各
受光点に対応して一端が配置された光ファイバ431,
2,433 と、前記各受光点から離れた位置に設けられ
前記光ファイバ431,432,433 に導入された光エネ
ルギを電気量に変換する光センサ441,442,443
を含んで構成してあるから、より精度の向上を図れる。
つまり、光ファイバ431,432,433 によって各受光
点から離れた位置に光センサ441,442,443 を配置
することができるから、光センサ441,442,443
発熱源を熱的に安全な距離まで離すことができ、光セン
サ441,442,443 に内蔵されているプリアンプから
の発熱の影響をなくすことができる。
【0033】また、光学楔9を透過光に対して直角方向
へ自動的に移動させるモータ24を含む直線駆動装置2
1を設けるとともに、回転テーブル12を自動的に回転
駆動させるモータ32を含む回転駆動装置31を設けた
ので、全ての駆動を遠隔操作できる。従って、この点か
らも、人体熱源の影響をなくすことができる。しかも、
各駆動装置21,31のモータ24,32についても、
断熱材によって形成された光学室18の外部に取り付け
てあるから、モータ24,32からの発熱の影響もなく
すことができる。
【0034】なお、上記実施例では、上記(2)式から
位相角φを決定する際、xをx1, 2,3,4 と変え、
それぞれのx1,2,3,4 と対応したy1,2,3,
4 を計測して連立方程式の解を求めることによって位相
角φを決定したが、実際の測定ではノイズ、ゆらぎ、振
動などが原因で上記4データからのφの計算値1個では
誤差が大きくなる危険がある。そこで、例えば、コサン
イ曲線の1周期中に4×8=32点の受光点を設けて8
個の中の平均値でφを決定すれば、より精度を向上させ
ることができる。受光点の数については、8個が4個
に、または、10個になってもよく、8個に限定される
ものではない。要は、平均化効果によって精度の向上が
図れればよい。
【0035】また、上記実施例では、上記(2)式を基
に、ブロックゲージBGからの干渉縞の位相角φ1 とベ
ースプレート11の左および右側からの干渉縞の位相角
φ2,φ3 とをそれぞれ求め、φ2 とφ3 との平均値をφ
4 として求め、このφ4 とφ 1 とから干渉縞の端数値b
/aを決定するようにしたが、ベースプレート11から
の干渉縞の位相角についてはφ2 またはφ3 のいずれか
片方のみでもよい。例えば、φ2 のみの場合、φ2 −φ
1 /2πから干渉縞の端数値b/aを決定すればよい。
【0036】また、上記実施例では、ブロックゲージB
Gの寸法を測定する例について説明したが、本発明は、
これに限られるものでなく、寸法を高精度に測定したい
被測定片全てに適用することができる。
【0037】
【発明の効果】以上の通り、本発明のマイケルソン形干
渉測定装置によれば、測定者にかかる負担を軽減できる
とともに、被測定片の寸法を個人差なく、かつ、高精度
に測定することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す光学系の概略図であ
る。
【図2】同上実施例における直線駆動装置および測長ユ
ニットを示す図である。
【図3】同上実施例における受光点を示す図である。
【図4】同上実施例における電装系を示すブロック図で
ある。
【図5】同上実施例におけるブロックゲージからの干渉
縞およびベースプレートからの干渉縞の位相角を示す図
である。
【図6】干渉縞の方向が傾いた状態を示す図である。
【図7】従来のマイケルソン形干渉計を示す概略図であ
る。
【図8】図7の干渉計によって観察される干渉縞の様子
を示す図である。
【図9】ブロックゲージの呼び寸法、製作誤差、熱膨張
の関係を示す図である。
【図10】従来のマイケルソン形干渉計において、干渉
縞の位相角を測定する方法を示す図である。
【符号の説明】
7 ビームスプリッタ 9 光学楔 11 ベースプレート 431,432,433 光ファイバ 441,442,443 光センサ 46 干渉縞光量測光手段 51 データ演算処理装置(演算手段) BG ブロックゲージ(被測定片)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳴海 達也 神奈川県川崎市高津区坂戸1−20−1 株式会社ミツトヨ内 (56)参考文献 特開 昭61−202102(JP,A) 特開 昭56−128407(JP,A) 特開 昭61−71305(JP,A) 実開 昭61−105805(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 9/02 G01B 11/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平行光線を2分割した一方の光の光路中に
    ベースプレートを密着させた被測定片を挿入し、この被
    測定片およびベースプレートで反射した光を前記2分割
    した他方の光と干渉させるとともに、前記いずれか片方
    の光路中に挿入した光学楔の移動によって干渉縞を移動
    させながら干渉縞の端数値を求め、この端数値を基に被
    測定片の寸法を求めるマイケルソン形干渉測定装置にお
    いて、 前記干渉縞の焦点面上で前記被測定片からの干渉縞に対
    応する位置に配置された第1の受光点および干渉縞の焦
    点面上で前記ベースプレートからの干渉縞に対応する位
    置に配置された第2の受光点を有し、各受光点での光量
    を電気量に変換する干渉縞光量測光手段を設けるととも
    に、 この干渉縞光量測光手段の各受光点での光量に基づく電
    気量を前記光学楔の移動量の関数として求め、この関数
    を基に干渉縞の端数値を算出する演算手段を設けた、こ
    とを特徴とするマイケルソン形干渉測定装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のマイケルソン形干渉測定装
    置において、前記干渉縞光量測光手段は、前記各受光点
    に対応して一端が配置された光ファイバと、前記各受光
    点から離れた位置に設けられ前記光ファイバに導入され
    た光エネルギを電気量に変換する光センサとを含んで構
    成されていることを特徴とするマイケルソン形干渉測定
    装置。
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