JP2559299B2 - シリンダライナ - Google Patents

シリンダライナ

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JP2559299B2
JP2559299B2 JP3089836A JP8983691A JP2559299B2 JP 2559299 B2 JP2559299 B2 JP 2559299B2 JP 3089836 A JP3089836 A JP 3089836A JP 8983691 A JP8983691 A JP 8983691A JP 2559299 B2 JP2559299 B2 JP 2559299B2
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藤夫 浜
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溝付シリンダライナに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来よりエンジンの冷却には通常冷却水
を使用し、乾式ライナの場合にはシリンダブロックに冷
却水通路を設け、湿式ライナの場合にはシリンダブロッ
クのボア部内周面に設けた凹所とライナ外周面とで形成
する通路に冷却水を流し、ライナの下部から上部更には
シリンダヘッドにも循環させてエンジンの冷却を行って
いる。
【0003】しかしながら、近年、エンジンの性能向上
が必須の要件となり、燃焼室での発生熱量も増大し、燃
焼室近傍のライナ上部の温度がかなり高いものとなって
いる。したがって、コンパクトでしかも高速高荷重のエ
ンジンを設計する上で従来のシリンダの冷却構造では、
特に燃焼室近傍のライナ上部が充分に冷却できないとい
う問題が生じてきた。
【0004】これに対応するために、ライナ外周面に複
数個の環状溝が形成され、前記複数個の環状溝は複数個
の環状溝群に分けられ、複数個の環状溝の集合した環状
溝群には環状溝同士を連通させるとともに冷却液の出口
と入口をなす2本の軸方向溝がライナ外周面に形成さ
れ、隣接する環状溝群は冷却液の出口と入口とが直列に
連通し、各環状溝群における環状溝の総断面積がライナ
軸方向の下部から上部に向けて小さくなっているシリン
ダライナが提案された。
【0005】上記において、ライナ上部から下部に向か
う冷却液の流れを説明すると、環状溝群の環状溝を通じ
てライナ外周を周方向に流れた後、その環状溝群の出口
をなす軸方向溝から、隣接する次段の環状溝群の入口を
なす軸方向溝へ移り、この軸方向溝から環状溝群の環状
溝に流入し、ライナ外周を周方向に流れた後、上記と同
様にして、順次隣接する下方の環状溝群に冷却液が移動
する。
【0006】この際、各環状溝群における環状溝の総断
面積がライナ下部から上部に向かって小さくなっている
ので、ライナ上部の環状溝群の方が流速が大きくなり、
ライナ上部の冷却液の熱伝達係数が大きくなって、ライ
ナ上部の冷却能力が高くなり、ライナ軸方向における温
度勾配(上部で高く、下部で低い)に対応した適切な冷
却を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記シリンダライナに
よって、冷却能力は改善されるが、冷却能力は一定であ
るため、エンジンの負荷に対応したきめ細かな冷却がで
きない。
【0008】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
で、冷却能力を変えることができるようにして、エンジ
ンの負荷に対応した冷却を行えることを可能にすること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の構成は、ライナ
外周面に複数個の環状溝を形成し、これらを互いに連通
する軸方向溝を周方向に離れた位置に2本設けるととも
にこれらに接続する排出溝を設け、且つこれらの溝に開
閉弁を設け、これらの開閉弁を開閉することにより、前
記複数個の環状溝は1以上の環状溝群を適宜形成でき、
2以上の環状溝群にあっては、複数個の環状溝の集合し
た環状溝群の2本の軸方向溝が冷却液の出口と入口をな
し、隣接する環状溝群は冷却液の出口と入口とが直列に
連通し、各環状溝群における環状溝の総断面積がライナ
軸方向の下部から上部に向けて小さくできることを特徴
とする。
【0010】上記複数個の環状溝群は、各環状溝群が複
数個の環状溝の集合したものでもよいし、あるいはライ
ナ上端側から数えて第1番目の環状溝群は1個の環状溝
からなり、残りの環状溝群が複数個の環状溝の集合した
ものであるものでもよい。
【0011】そして、環状溝群の数は2、3、あるいは
4以上である。
【0012】
【作用】このシリンダライナは、複数個の開閉弁がエン
ジンの負荷に応じて開閉される。始動時(アイドル時)
は、複数個の開閉弁のうち、シリンダブロックの冷却液
の供給路に接続する軸方向溝に接続する排出溝に設けら
れた開閉弁のみを閉とし、残りの開閉弁を開にする。こ
のようにすると、冷却液は、シリンダブロックの冷却液
の供給路から、軸方向溝に流入し、軸方向溝から複数個
の環状溝に流入してライナ外周を周方向に流れた後、1
80度反対側の軸方向溝に流入してそれに続く排出溝を
流れ、排出される。このようにして、始動時(アイドル
時)、複数個の環状溝を流れる冷却液は、後述する中負
荷及び高負荷時に比較して低速で熱伝達係数が低く、過
冷却を防止でき、暖機性が良好で、燃費も少なくでき
る。
【0013】中負荷時は、複数個の開閉弁を適宜開閉し
て、複数個の環状溝を複数個の環状溝群に分け、複数個
の環状溝の集合した環状溝群の2本の軸方向溝は冷却液
の出口と入口をなし、隣接する環状溝群は冷却液の出口
と入口とが直列に連通し、各環状溝群における環状溝の
総断面積がライナ軸方向の下部から上部に向けて小さく
なるようにする。このようにすると、冷却液は、シリン
ダブロックの冷却液の供給路から、軸方向溝に流入し、
軸方向溝から第1環状溝群の環状溝に流入してライナ外
周を周方向に流れた後、180度反対側の軸方向溝に流
入して軸方向溝を流れ、それから第2環状溝群の環状溝
に流入してライナ外周を周方向に流れた後、180度反
対側の軸方向溝に流入する。以下同様にして、隣接する
環状溝群に冷却液は順次移っていく。そしてこの場合の
各環状溝群における冷却液の流路の総断面積はライナ軸
方向の下部から上部に向けて小さくなっているので、各
環状溝群を流れる冷却液の流速は、上部の環状溝群ほど
大きくなる。したがって、ライナ上部の冷却液の熱伝達
係数は大きくなり、冷却能力が大きくなって、ライナ軸
方向の温度勾配に対応した適切な冷却が行われる。
【0014】次に、高負荷時も、複数個の開閉弁を適宜
開閉して、複数個の環状溝を複数個の環状溝群に分け、
複数個の環状溝の集合した環状溝群の2本の軸方向溝は
冷却液の出口と入口をなし、隣接する環状溝群は冷却液
の出口と入口とが直列に連通し、各環状溝群における環
状溝の総断面積がライナ軸方向の下部から上部に向けて
小さくなるようにする。この場合、ライナ上部とライナ
下部の環状溝群における環状溝の総断面積の比が中負荷
時に比べて大きくなるように設定する。このようにする
と、中負荷時の場合と同様に、冷却液は隣接する環状溝
群を順次流れていき、各環状溝群を流れる冷却液の流速
は、上部の環状溝群ほど大きくなる。したがって、ライ
ナ上部の冷却液の熱伝達係数は大きくなり、冷却能力が
大きくなって、ライナ軸方向の温度勾配に対応した適切
な冷却が行われる。そして、中負荷時に比較して、ライ
ナ上部の流速は高く熱伝達係数は高いので、適正なライ
ナ冷却を行える。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0016】直列4気筒96馬力のディーゼルエンジン
において、内径84mmφ、行程89mmのシリンダラ
イナの外周面に冷却液溝を形成した。
【0017】即ち、図1〜図2に示すように、シリンダ
ライナ1は上端に鍔部2を備え、この鍔部2の下方のラ
イナ外周面3に、軸方向に間隔をおいて21個の環状溝
4を形成する。そしてライナ周方向の180度離れた2
つの位置に、環状溝4同士を連通させる2本の軸方向溝
5,6が形成されている。
【0018】また、ライナ外周面3の下部には排出溝が
形成されている。即ち、ライナ1の外周面3において、
前記2本の軸方向溝5,6に接続しそれらの軸方向溝
5,6の延長線上に配置する2本の軸方向溝7,8と、
これらの下端に接続しライナ1の軸線に垂直な面内に形
成されている環状溝9と、これに上端が接続しライナ1
の下端まで延びる2本の軸方向溝10,11とからな
る。そしてライナ下端まで延びる軸方向溝10,11は
周方向において互いに180度離れた位置に配置してい
る。そしてそれらの周方向位置は、前記複数個の環状溝
4を連通させる軸方向溝5,6に対してそれぞれ略60
度同一方向にずれた位置に配置しており、後述するシリ
ンダブロック20への装着時は、クランクシャフトの主
軸線上に配置する。
【0019】そして、上記軸方向溝5,6,7,8には
ライナ軸方向に間隔を置いて複数個の開閉弁が設けられ
ている。複数個の開閉弁は、2本の軸方向溝5,6にお
いてライナ上端側から数えて第4番目の環状溝4と第5
番目の環状溝4の間に設けられた2つの開閉弁12,1
3と、2本の軸方向溝5,6においてライナ上端側から
数えて第7番目の環状溝4と第8番目の環状溝4の間に
設けられた2つの開閉弁14,15と、2本の軸方向溝
5,6においてライナ上端側から数えて第9番目の環状
溝4と第10番目の環状溝4の間に設けられた2つの開
閉弁16,17と、環状溝4同士を連通させる2本の軸
方向溝5,6に接続する2本の軸方向溝7,8の上端部
に設けられた2つの開閉弁18,19とからなる。
【0020】そして、上記複数個の環状溝4は矩形断面
をなし、幅及び深さは全て同一であり、また軸方向溝
5,6,7,8,10,11も矩形断面をなし、幅及び
深さは全て同一である。またライナ下部の環状溝9は矩
形断面をなし、深さは前記複数個の環状溝4と同一であ
るが、幅が3〜5倍をなす。
【0021】前記環状の排出溝9はライナ外周面3の全
周にわたって形成したものであるが、全周ではなく、全
周の一部に形成したものでもよい。また、この溝9の下
方の軸方向溝10,11はライナ下端まで延びている
が、ライナ下端部がその上方部よりも小径をなしている
シリンダライナにあっては、その下端の小径部の上端位
置まで設ければよい。
【0022】このシリンダライナ1がシリンダブロック
20(図2参照)のボア部に嵌装され、このボア部内周
面21と前記ライナ1の溝4〜11とで画定される空間
が冷却液流路22をなす。この場合、シリンダライナ1
は、ライナ下端まで延びる軸方向溝10,11がクラン
クシャフトの主軸線上に配置するように装着され、環状
溝4同士を連通する軸方向溝5,6は、クランクシャフ
ト主軸線上から略60度ずれた周方向位置に配置する。
そして環状溝4同士を連通する軸方向溝5,6のうちの
一方の軸方向溝5に、シリンダブロック20に設けられ
た冷却液の供給路が接続している。この冷却液の供給路
はシリンダブロック20の側面から横方向に設けられて
前記軸方向溝5へ直線的に延びており、シリンダブロッ
ク20のボア部間の横位置に設けられたライナ締結用の
ボルト孔をよけた位置に直線的に設けられている。
【0023】以下、上記シリンダライナの作用を説明す
る。
【0024】このシリンダライナは、複数個の開閉弁1
2〜19がエンジンの負荷に応じて次のように開閉され
る。
【0025】始動時(アイドル時)は、複数個の開閉弁
12〜19のうち、シリンダブロック20の冷却液の供
給路に接続する軸方向溝5に接続する軸方向溝7に設け
られた開閉弁18のみを閉とし、残りの開閉弁12〜1
7,19を開にする。
【0026】したがって、冷却油は、シリンダブロック
20の冷却液の供給路から、図3に示すように、軸方向
溝5の上端部に流入し、軸方向溝5を下方に流れるとと
もに複数個の環状溝4に流入してライナ外周を周方向に
流れた後、180度反対側の軸方向溝6に流入して軸方
向溝6を下方に流れ、それから下方の軸方向溝8を通っ
て環状溝9に流入し、環状溝9を周方向に流れて下端の
軸方向溝10,11から図示外のクランクシャフトの主
軸上に落下した後、オイルパンに流れ落ちる。このよう
にして、始動時(アイドル時)、複数個の環状溝4を流
れる冷却油は、後述する中負荷及び高負荷時に比較して
低速で熱伝達係数が低く、過冷却を防止でき、暖機性が
良好で、燃費も少なくできる。
【0027】中負荷時は、複数個の開閉弁12〜19の
うち、シリンダブロック20の冷却液の供給路に接続す
る軸方向溝5においてライナ上端側から数えて第7番目
の環状溝4と第8番目の環状溝4の間に設けられた開閉
弁14、及び前記軸方向溝5と反対側の軸方向溝6に接
続する軸方向溝8に設けられた開閉弁19を閉とし、残
りの開閉弁12〜13,15〜18を開にする。
【0028】このようにすると、複数個の環状溝4は2
つの環状溝群に分けられる。この2つの環状溝群は、ラ
イナ上端側の第1番目の環状溝4から第7番目の環状溝
4までの第1環状溝群4A、第8番目の環状溝4から最
後の第21番目の環状溝4までの第2環状溝群4Bから
なる。そして、第1環状溝群4Aにおいて、シリンダブ
ロック20の冷却液の供給路に接続する軸方向溝5の開
閉弁14よりも上側が冷却液の入口をなし、反対側の軸
方向溝6の開閉弁15よりも上側が冷却液の出口をな
し、第2環状溝群4Bにおいて、シリンダブロック20
の冷却液の供給路に接続する軸方向溝5の開閉弁14よ
りも下側が冷却液の出口をなし、反対側の軸方向溝6の
開閉弁15よりも下側が冷却液の入口をなし、隣接する
第1環状溝群4Aと第2環状溝群4Bとは冷却液の出口
と入口とが直列に連通してなる。
【0029】したがって、冷却油は、シリンダブロック
20の冷却液の供給路から、図4に示すように、軸方向
溝5の上端部に流入し、軸方向溝5を下方に流れるとと
もに、第1環状溝群4Aの環状溝4に流入してライナ外
周を周方向に流れた後、180度反対側の軸方向溝6に
流入して軸方向溝6を下方に流れ、それから第2環状溝
群4Bの環状溝4に流入してライナ外周を周方向に流れ
た後、180度反対側の軸方向溝5に流入して軸方向溝
5を下方に流れ、下方の軸方向溝7を通って環状溝9に
流入し、環状溝9を周方向に流れて下端の軸方向溝1
0,11から図示外のクランクシャフトの主軸上に落下
した後、オイルパンに流れ落ちる。
【0030】以上の場合、2つの環状溝群4A,4Bに
おける冷却液の流路の総断面積は1:2の比率となり、
2つの環状溝群4A,4Bを流れる冷却油の流速は、下
部の第2環状溝群4Bよりも上部の第1環状溝群4Aの
方が大きくなる。
【0031】したがって、ライナ上部の冷却油の熱伝達
係数は大きくなり、冷却能力が大きくなって、ライナ軸
方向の温度勾配に対応した適切な冷却が行われる。この
場合、後述する高負荷時に比較して、ライナ上部の流速
は低く熱伝達係数は低いので、適正なライナ冷却を行
え、また、オイルポンプの負荷も過大にならず、燃費も
改善できる。
【0032】次に、高負荷時は、複数個の開閉弁12〜
19のうち、シリンダブロック20の冷却液の供給路に
接続する軸方向溝5においてライナ上端側から数えて第
4番目の環状溝4と第5番目の環状溝4の間に設けられ
た開閉弁12、前記軸方向溝5と反対側の軸方向溝6に
おいてライナ上端側から数えて第9番目の環状溝4と第
10番目の環状溝4の間に設けられた開閉弁17、及び
シリンダブロック20の冷却液の供給路に接続する軸方
向溝5に接続する軸方向溝7に設けられた開閉弁18を
閉とし、残りの開閉弁13〜16,19を開にする。
【0033】このようにすると、複数個の環状溝4は3
つの環状溝群に分けられる。この3つの環状溝群は、ラ
イナ上端側の第1番目の環状溝4から第4番目の環状溝
4までの第1環状溝群4A、第5番目の環状溝4から第
9番目の環状溝4までの第2環状溝群4B、第10番目
の環状溝4から最後の第21番目の環状溝4までの第3
環状溝群4Cからなる。そして、第1環状溝群4Aにお
いて、シリンダブロック20の冷却液の供給路に接続す
る軸方向溝5の開閉弁12よりも上側が冷却液の入口を
なし、反対側の軸方向溝6の開閉弁13よりも上側が冷
却液の出口をなし、第2環状溝群4Bにおいて、シリン
ダブロック20の冷却液の供給路に接続する軸方向溝5
の2つの開閉弁12,16の間が冷却液の出口をなし、
反対側の軸方向溝6の2つの開閉弁13,17の間が冷
却液の入口をなし、第3環状溝群4Cにおいて、シリン
ダブロック20の冷却液の供給路に接続する軸方向溝5
の開閉弁16よりも下側が冷却液の入口をなし、反対側
の軸方向溝6の開閉弁17よりも下側が冷却液の出口を
なし、隣接する第1環状溝群4Aと第2環状溝群4Bと
は冷却液の出口と入口とが直列に連通し、隣接する第2
環状溝群4Bと第3環状溝群4Cとは冷却液の出口と入
口とが直列に連通してなる。
【0034】したがって、冷却油は、シリンダブロック
20の冷却液の供給路から、図5に示すように、軸方向
溝5の上端部に流入し、軸方向溝5を下方に流れるとと
もに、第1環状溝群4Aの環状溝4に流入してライナ外
周を周方向に流れた後、180度反対側の軸方向溝6に
流入して軸方向溝6を下方に流れ、それから第2環状溝
群4Bの環状溝4に流入してライナ外周を周方向に流れ
た後、180度反対側の軸方向溝5に流入して軸方向溝
5を下方に流れ、それから第3環状溝群4Cの環状溝4
に流入してライナ外周を周方向に流れた後、180度反
対側の軸方向溝6に流入して軸方向溝6を下方に流れ、
下方の軸方向溝8を通って環状溝9に流入し、環状溝9
を周方向に流れて下端の軸方向溝10,11から図示外
のクランクシャフトの主軸上に落下した後、オイルパン
に流れ落ちる。
【0035】以上の場合、3つの環状溝群4A,4B,
4Cにおける冷却液の流路の総断面積は4:5:12の
比率となり、3つの環状溝群4A,4B,4Cを流れる
冷却油の流速は、下部の第3環状溝群4Cよりも中央部
の第2環状溝群4Bの方が大きく、中央部の第2環状溝
群4Bよりも上部の第1環状溝群4Aの方が大きくな
る。
【0036】したがって、ライナ上部にいくほど冷却油
の熱伝達係数は大きくなり、冷却能力が大きくなって、
ライナ軸方向の温度勾配に対応した適切な冷却が行われ
る。そして、ライナ上部における冷却油の流速は、前記
中負荷時の場合に比較して高く、ライナ上部を適正に冷
却できる。
【0037】なお、上記開閉弁12〜19は燃料噴射量
(アクセル開度やラック位置)、あるいは冷却液の温度
を検知することにより、電磁的にあるいは油圧、空圧を
利用して、弁を開閉作動させる。
【0038】なお、上記環状溝4、軸方向溝5,6、排
出溝7〜11は一例であって、本発明はこれに限られる
ものでないことは言うまでもない。例えば、溝の断面形
状は伝熱面積を大きくとれる矩形としているが、正方
形、V字形、あるいは半円形などであってもよい。
【0039】また、上記例では最大で3個の環状溝群を
形成できる例を示したが、本発明はこれに限ることはな
く、この他、最大で2個、あるいは4個以上の環状溝群
を形成できるように開閉弁を設けてもよい。
【0040】また、上記実施例では、各環状溝群を複数
個の環状溝の集合したものとしたが、この他、ライナ上
端側から数えて第1番目の環状溝群は1個の環状溝と
し、残りの環状溝群を複数個の環状溝の集合したものと
することもできる。
【0041】また、上記では、冷却液として冷却油を使
用し、それをオイルパンに排出する例を示したが、例え
ば冷却液として冷却水を使用する場合には、シリンダブ
ロックに設けた排出路に冷却水が流出するように構成す
る。勿論、冷却油の場合もシリンダブロックの排出路に
流出させるように構成してもよい。
【0042】なお、以上の冷却構造はディーゼルエンジ
ンにもガソリンエンジンにも適用できる。また、本冷却
構造はアルミダイカストシリンダブロックや組立式シリ
ンダブロックの採用を可能とする。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明のシリンダラ
イナによれば、ライナの軸方向の温度勾配(上部で高
く、下部で低い)に対応した適切な冷却を行うことがで
きる上に、更にエンジンの負荷に対応した適切な冷却を
行うことを可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダライナの外周面の一部を示す展開説明
図である。
【図2】シリンダライナを嵌装したシリンダブロックの
ボア部を示し、ライナの軸方向溝の部分で切った縦断面
図である。
【図3】シリンダライナの外周面の一部を示す展開説明
図で、始動時を示す。
【図4】シリンダライナの外周面の一部を示す展開説明
図で、中負荷時を示す。
【図5】シリンダライナの外周面の一部を示す展開説明
図で、高負荷時を示す。
【符号の説明】
1 シリンダライナ 2 鍔部 3 ライナ外周面 4 環状溝 4A 第1環状溝群 4B 第2環状溝群 4C 第3環状溝群 5,6,7,8 軸方向溝 9 環状溝 10,11 軸方向溝 12,13,14,15,16,17,18,19 開
閉弁 20 シリンダブロック 21 ボア部内周面 22 冷却液流路 T スラスト位置 AT 反スラスト位置 F 前位置 R 後位置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライナ外周面に複数個の環状溝を形成
    し、これらを互いに連通する軸方向溝を周方向に離れた
    位置に2本設けるとともにこれらに接続する排出溝を設
    け、且つこれらの溝に開閉弁を設け、これらの開閉弁を
    開閉することにより、前記複数個の環状溝は1以上の環
    状溝群を適宜形成でき、2以上の環状溝群にあっては、
    複数個の環状溝の集合した環状溝群の2本の軸方向溝が
    冷却液の出口と入口をなし、隣接する環状溝群は冷却液
    の出口と入口とが直列に連通し、各環状溝群における環
    状溝の総断面積がライナ軸方向の下部から上部に向けて
    小さくできることを特徴とするシリンダライナ。
  2. 【請求項2】 複数個の環状溝群は、各環状溝群が複数
    個の環状溝の集合したものであることを特徴とする請求
    項1記載のシリンダライナ。
  3. 【請求項3】 複数個の環状溝群は、ライナ上端側から
    数えて第1番目の環状溝群が1個の環状溝からなり、残
    りの環状溝群が複数個の環状溝の集合したものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のシリンダライナ。
  4. 【請求項4】 環状溝群の数が2、3、あるいは4以上
    であることを特徴とする請求項1、2、又は3記載のシ
    リンダライナ。
JP3089836A 1991-03-28 1991-03-28 シリンダライナ Expired - Fee Related JP2559299B2 (ja)

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