JP2516568Y2 - 多気筒エンジンにおけるシリンダの冷却構造 - Google Patents

多気筒エンジンにおけるシリンダの冷却構造

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JP2516568Y2
JP2516568Y2 JP1990127640U JP12764090U JP2516568Y2 JP 2516568 Y2 JP2516568 Y2 JP 2516568Y2 JP 1990127640 U JP1990127640 U JP 1990127640U JP 12764090 U JP12764090 U JP 12764090U JP 2516568 Y2 JP2516568 Y2 JP 2516568Y2
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藤夫 浜
謙市 原科
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帝国ピストンリング株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、溝付シリンダライナの溝に冷却液を流して
シリンダの冷却を行う、多気筒エンジンにおけるシリン
ダの冷却構造に関する。
〔従来の技術〕
ライナ外周面に冷却液溝が形成されており、このライ
ナがシリンダブロックのボア部に嵌装されて、シリンダ
ブロックのボア部内周面と前記溝とで画定される空間が
冷却液流路をなし、この冷却液流路に冷却液が強制的に
導かれてシリンダの冷却が行われる、多気筒エンジンに
おけるシリンダの冷却構造は知られている。
〔考案が解決しようとする課題〕
例えば直列4気筒のエンジンの場合、シリンダブロッ
クからの熱放散を考えると、隣接するシリンダライナ間
の部位は、これと90度をなす部位に比べて熱放散の効率
が悪く、シリンダライナ壁温は周方向において温度勾配
を生じる傾向にある。
本考案は以上の事情に鑑みてなされたもので、ライナ
周方向の温度分布を均一化することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案の構成は、ライナ外周面に冷却液溝が形成され
ており、このライナがシリンダブロックのボア部に挿入
されて、シリンダブロックのボア部内周面と前記溝とで
画定される空間が冷却液流路をなし、この冷却液流路に
冷却液が強制的に導かれてシリンダの冷却が行われる、
多気筒エンジンにおけるシリンダの冷却構造において、
前記冷却液流路の断面積が円周方向において、クランク
シャフトの軸線上に配置する部位からそれと90度をなす
部位に向かって連続的に又は断続的に大きくなってお
り、前記冷却液流路を流れる冷却液の流量が円周方向に
おいて同一であることを特徴とする。
〔作用〕
冷却液流路の断面積が円周方向において、クランクシ
ャフトの軸線上に配置する部位からそれと90度をなす部
位に向かって連続的に又は断続的に大きくなっているの
で、クランクシャフトの軸線上に配置する周方向部位の
流速は高く、それと90度をなす周方向部位の流速は低く
なる。したがって、クランクシャフトの軸線上に配置す
る周方向部位における冷却液の熱伝達係数は大きく、そ
れと90度をなす周方向部位における冷却液の熱伝達係数
は小さくなる。このようにして、熱放散の効率が悪い、
クランクシャフトの軸線上に配置する周方向部位の方が
より冷却されるので、ライナ周方向における温度分布を
均一化できる。
〔実施例〕
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1〜2図において、直列4気筒エンジンのシリンダ
ブロック1(第3図参照)の4個のボア部2にそれぞれ
シリンダライナ3が嵌装され、このライナ3にピストン
4が摺動自在に嵌挿され、ピストン4はコンロッド5を
介してクランクシャフト6のピン部7に連結されてい
る。クランクシャフト6はシリンダブロック1の下部に
設けられたクランクケース8内に配置し、クランクケー
ス8の下面にオイルパン9が装着されている。10はクラ
ンクシャフト6のバランスウェイトである。
シリンダライナ3は、外周に冷却油溝が形成されてお
り、冷却油溝はライナの軸線方向に等間隔をおいて形成
された複数個の環状溝11と、隣接する環状溝11同士を連
結する複数個の軸方向溝12と、最下端の環状溝11に連通
する排出用の軸方向溝13とから構成されている。隣接す
る軸方向溝12は周方向において180度離れた位置に配置
している。そして、環状溝11部をライナ3軸方向で見る
と、第4図に示すように、溝底11aが楕円形状をなして
おり、その長軸がクランクシャフト6の軸線X上に配置
している。以上の冷却油溝とシリンダブロック1のボア
部2の内周面とで画定される空間が冷却油流路15をな
し、この冷却油流路15に、エンジン潤滑油が上から下に
高速で流され、シリンダの冷却が行われ、冷却油流路15
の下端部の排出路から冷却油はオイルパン9へ排出され
る。この場合、冷却油は、軸方向溝12を介して、環状溝
11を順次上から下に流れてゆき、下端部の排出用の軸方
向溝13から排出され、下方のクランクシャフト6の主軸
14上に落下し、それからオイルパン9内に落下する。
そして、上記において、環状溝11における冷却油流路
15は、円周方向においてクランクシャフト6の軸線X上
に配置する周方向部位Aの断面積が最も小さく(第5図
参照)、それと90度をなす周方向部位Bに向かって断面
積が漸次大きくなっているので(第6図参照)、環状溝
11における冷却油流路15を流れる冷却油の流速は、円周
方向においてクランクシャフト6の軸線X上に配置する
周方向部位Aが最も高く、それと90度をなす周方向部位
Bに向かって漸次低くなる。したがって、環状溝11にお
ける冷却油流路15を流れる冷却油の熱伝達係数は、円周
方向においてクランクシャフト6の軸線X上に配置する
周方向部位Aが最も大きく、それと90度をなす周方向部
位Bに向かって漸次小さくなる。そのため、ライナ3周
方向において、クランクシャフト6の軸線X上にある熱
放散の悪い部位Aが最も冷却され、それと90度をなす周
方向部位Bに向かって漸次冷却能力が低くなっていくの
で、シリンダライナ3の周方向における温度分布を均一
化できる。
なお、冷却液溝は上記に示したものに限ることはな
く、この他、例えば螺旋溝や、本出願人が先に出願した
実願昭62−60967号に示されているもの即ち複数個の環
状溝とこれらを連通させる軸方向溝とを備え、前記複数
個の環状溝は複数個の環状溝群に分けられ、複数個の環
状溝の集合した環状溝群には環状溝同士を連通させると
ともに冷却液の出口と入口をなす2本の軸方向溝が形成
されており、隣接する環状溝群は冷却液の出口と入口と
が直列に連通してなるものなどでもよく、冷却液流路の
断面積が円周方向において、クランクシャフトの軸線上
に配置する部位からそれと90度をなす部位に向かって連
続的に又は断続的に大きくなるようにすればよい。
〔考案の効果〕
以上説明したように本考案によれば、溝付シリンダラ
イナの溝に冷却液を流してシリンダの冷却を行う、多気
筒エンジンにおけるシリンダの冷却構造において、冷却
液流路の断面積が円周方向において、クランクシャフト
の軸線上に配置する部位からそれと90度をなす部位に向
かって連続的に又は断続的に大きくなっているので、ラ
イナ周方向における温度分布を均一化できる。そのた
め、シリンダの変形が小さくなり、LOC低減、フリクシ
ョンロスの低減、燃費低減等が図れ、エンジン性能を向
上できる。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の一実施例を示し、第1図及び第2図はそ
れぞれエンジン要部の縦断面図、第3図はシリンダライ
ナを挿入したシリンダブロックの平面図、第4図はシリ
ンダライナの平面図、第5図及び第6図はそれぞれ環状
溝部の縦断面図である。 1はシリンダブロック、2はボア部、3はシリンダライ
ナ、4はピストン、5はコンロッド、6はクランクシャ
フト、8はクランクケース、9はオイルパン、11は環状
溝、11aは溝底、12,13は軸方向溝、15は冷却油流路。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ライナ外周面に冷却液溝が形成されてお
    り、このライナがシリンダブロックのボア部に挿入され
    て、シリンダブロックのボア部内周面と前記溝とで画定
    される空間が冷却液流路をなし、この冷却液流路に冷却
    液が強制的に導かれてシリンダの冷却が行われる、多気
    筒エンジンにおけるシリンダの冷却構造において、前記
    冷却液流路の断面積が円周方向において、クランクシャ
    フトの軸線上に配置する部位からそれと90度をなす部位
    に向かって連続的に又は断続的に大きくなっており、前
    記冷却液流路を流れる冷却液の流量が円周方向において
    同一であることを特徴とする多気筒エンジンにおけるシ
    リンダの冷却構造。
JP1990127640U 1990-11-29 1990-11-29 多気筒エンジンにおけるシリンダの冷却構造 Expired - Fee Related JP2516568Y2 (ja)

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