JP2019509425A - オイル排出機構を有する空洞なしのピストン - Google Patents

オイル排出機構を有する空洞なしのピストン Download PDF

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Abstract

内燃機関用の空洞なしの鋼鉄ピストンが提供される。ピストンは、露出した下方クラウン表面と、リング溝を有するリングベルトと、ピンボスと、スカートパネルと、ストラットとを備える。ピストンは、内側下方クラウン領域と、下方クラウン表面に沿って延在する外側ポケットとを含む。内側下方クラウン領域は、スカートパネル、ストラット、およびピンボスに取り囲まれ、各外側ポケットは、リングベルトの一部、ピンボスの1つ、およびストラットの2つに取り囲まれる。ピストンは、冷却オイルの排出を可能にするために、リング溝の1つ、典型的には第3リング溝の背壁を貫通して内側下方クラウン領域および/または外側ポケットまで延在する複数のオイルスロットを含む。各オイルスロットは、典型的には、リング溝の軸方向幅の30%〜100%の範囲にある直径を有する。

Description

関連出願の相互参照
この米国特許出願は、2016年3月7日に提出された米国仮特許出願第62/304,501号、および2017年3月2日に提出された米国特許出願第15/448,522号に対する優先権を主張し、参照によりその内容全体がここに組み込まれる。
本発明の背景
1.技術分野
この発明は、概して、内燃機関用のピストン、およびピストンを製造する方法に関する。
2.関連技術
エンジン製造者は、限定されないが、燃料経済を向上させること、オイル消費を低減すること、燃料システムを向上させること、圧縮負荷およびシリンダボア内の動作温度を上昇させること、ピストンを通じた熱損失を低減すること、構成部品の潤滑を向上させること、エンジン重量を減らすこと、およびエンジンをよりコンパクトにすることと同時に、製造に関わるコストを減らすことなど、エンジンの効率および性能を向上させるための増加する要求に直面している。
圧縮負荷および燃焼室内の動作温度を上昇させることが望ましい一方、運転可能な限度内でピストンの温度を維持することは重要であり続ける。また、圧縮負荷および動作温度の上昇を実現することは、これらの望ましい「上昇」がピストンのコンプレッションハイト、ひいてはピストン全体の大きさおよび質量が減らされ得る程度を制限するという点において、トレードオフを伴う。これは、特に、ピストンの動作温度を低減するために閉じられたまたは部分的に閉じられた冷却空洞を有する典型的なピストン構成で厄介である。結合継手に沿ってともに接合されて閉じられたまたは部分的に閉じられた冷却空洞を形成する上部および下部を有するピストンを製造するためのコストは、一般に、上部と下部とをともに結合するために用いられる接合プロセスによって増加される。さらに、エンジン重量が低減され得る程度は、鋼鉄から前述の「冷却空洞」ピストンを作製する必要性によって与えられ、それらはピストン上に加えられる機械的および熱的な負荷の増加に耐え得る。
現在では、冷却空洞を有しない単一片の鋼鉄ピストンが開発されており、「空洞なしの」ピストンとも呼ばれ得る。このようなピストンは、低減された重量、低減された製造コスト、および低減されたコンプレッションハイトを提供する。空洞なしのピストンは、冷却オイルノズルによってスプレー冷却される、潤滑のみのために軽くスプレーされる、またはいかなるオイルでもスプレーされない。冷却空洞がないことによって、このようなピストンは、典型的には、従来の冷却空洞を有するピストンよりも高い温度を経験する。高い温度は、その後連続的なピストンクラッキングおよびエンジン不良を引き起し得る、鋼鉄ピストンの上部燃焼表面の酸化または過熱を引き起こし得る。高い温度は、たとえば冷却オイルまたは潤滑油がスプレーされる燃焼ボウルの下で、ピストンの下方クラウン領域に沿ったオイル変質も引き起こし得る。高い温度によって生じる別の起こり得る問題は、冷却オイルまたは潤滑油がピストン下方クラウンに接触する領域において冷却オイルが炭素の厚い層を生成し得るということである。この炭素層は、起こり得るクラッキングおよびエンジン不良を伴うピストンの過熱を引き起こし得る。
本発明の概要
本発明の1つの局面は、内燃機関用のピストンを提供する。ピストンは、ピストンの下側から露出する下方クラウン表面を含む上壁と、上壁から垂下しピストンの中心軸の周りに周方向に延在するリングベルトとを備える。リングベルトは、中心軸の周りに周方向に延在し背壁によって互いに離間される上壁および下壁によって各々形成される複数のリング溝を含む。一対のピンボスが上壁から垂下し、一対のスカートパネルがリングベルトから垂下しストラットによってピンボスに連結される。ピストンは、下方クラウン表面に沿って延在する内側下方クラウン領域をさらに含み、内側下方クラウン領域は、スカートパネル、ストラット、およびピンボスに取り囲まれる。一対の外側ポケットが下方クラウン表面に沿って延在し、各外側ポケットは、リングベルトの一部、ピンボスの1つ、および1つのピンボスをスカートパネルに連結するストラットに取り囲まれる。リング溝の少なくとも1つは、背壁を貫通して内側下方クラウン領域および/またはピストンの外側ポケットの少なくとも1つまで延在する少なくとも1つのオイルスロットを含む。
本発明の別の局面は、ピストンを製造する方法を提供する。当該方法は、上壁を含む本体を提供することを含み、上壁は、ピストンの下側から露出する下方クラウン表面を含み、リングベルトが上壁から垂下しピストンの中心軸の周りに周方向に延在し、リングベルトが中心軸の周りに周方向に延在し背壁によって互いに離間される最上壁および下壁によって各々形成される複数のリング溝を含み、一対のピンボスが上壁から垂下し、一対のスカートパネルがリングベルトから垂下しストラットによってピンボスに連結され、内側下方クラウン領域が下方クラウン表面に沿って延在しスカートパネル、ストラット、およびピンボスに取り囲まれ、一対の外側ポケットが下方クラウン表面に沿って延在し、各外側ポケットは、リングベルトの一部、ピンボスの1つ、および1つのピンボスをスカートパネルに連結するストラットに取り囲まれる。当該方法は、リング溝の少なくとも1つの背壁を貫通して内側下方クラウン領域および/または外側ポケットの少なくとも1つまで延在する少なくとも1つのオイルスロットを形成することをさらに含む。
本発明のこれらのおよび他の局面、構成ならびに利点は、以下の詳細な説明および添付の図面と結び付けて考慮されたとき、より容易に理解されるであろう。
例示の実施形態に係る、リング溝を貫通して延在するオイルスロットを含み得る空洞なしのピストンの底面図である。 例示の実施形態に係る、第3リング溝を貫通して内側下方クラウンの中へ延在するオイルスロットを含む空洞なしのピストンの側面図である。 図2の一部の拡大図である。 図2のピストンの底面図である。 別の例示の実施形態に係る、第3リング溝を貫通して外側ポケットの中へ延在するオイルスロットを含む空洞なしのピストンの底面図である。
例示の実施形態の詳細な説明
図1〜図4は、たとえば現代のコンパクトな高性能車両エンジンなどの内燃機関のシリンダボアまたはチャンバ(図示せず)における往復運動のための、本発明の例示の実施形態に従って構築されるピストン10の図を示す。ピストン10は、低減された重量を有し、内燃機関における動作の間に低減された温度で動作し、改良された熱効率、燃料消費、およびエンジンの性能に貢献する。ピストン10は、また、閉じられた冷却空洞を含むピストンに対して、閉じられた冷却空洞を有さず低減された重量および関連コストに貢献する。
図に示されるように、ピストン10は、鋼鉄などの金属材料の単一片から形成される一体の本体を有する。一体の本体は、機械加工、鍛造または鋳造によって、構築を完了するために必要であればその後行われる可能な仕上げ加工を伴って、形成され得る。したがって、ピストン10は、冷却空洞床によって画定されるまたは部分的に画定される囲まれたまたは部分的に囲まれた冷却空洞を有するピストンでは当たり前である、互いに接合される上部および下部などの、ともに接合される複数の部品を有しない。対照的に、ピストン10は、冷却空洞床、または冷却空洞を画定するもしくは部分的に画定する他の構成を有しないという点で、「空洞なし」である。空洞なしのピストン10の底面図が図1に示され、別の実施形態に係る空洞なしのピストン10の側面図および底面図が図2および図3に示され、さらに別の実施形態に係る空洞なしのピストンの底面図が図4に示される。
鋼鉄または別の金属で作製される本体部分は、高性能要求、すなわち現代の高性能内燃機関の上昇した温度および圧縮負荷を満たすために、強固かつ丈夫である。本体を構築するために用いられる鋼鉄材料は、特定のエンジン用途におけるピストン10の要求に応じて、SAE4140級などの合金であってもよく、異なってもよい。ピストン10が空洞なしであることによって、ピストン10の重量およびコンプレッションハイトが最小化され、これによりピストン10が配置されるエンジンが低減された重量を実現し、よりコンパクトにされることを可能にする。さらに、ピストン10が空洞なしであったとしても、ピストン10は、使用の間に十分に冷却されて最も過酷な動作温度に耐えることができる。
ピストン10の本体部分は、上壁12を提供する上頭部または頂部セクションを有する。上壁12は、内燃機関のシリンダボア内の燃焼ガスに直接曝される上部燃焼表面14を含む。例示の実施形態では、上部燃焼表面14は、中心軸Aの周りに、燃焼ボウル、または非平面の、凹状の、もしくは波状の表面を形成する。
リングベルト16は、上壁12から垂下し、ピストン10の外径に沿って周方向に延在する。リングベルト16は、リング溝20によって互いに分離される複数のランド18を含む。図2Aに最もよく示されるように、各リング溝20は、背壁25によって互いに離間される上壁21と下壁23との間に形成される。背壁25は、概ねピストン10の中心軸Aに平行に、または中心軸Aに沿って長手方向に延在し、上壁21および下壁23は、中心軸Aに対して垂直にまたはある角度で延在する。リング溝20は、様々な異なる寸法を有し得るが、例示の実施形態では、各リング溝20の背壁25はピストン10の長さの一部である長さlを有し、各リング溝20の背壁25は隣接するランド18から距離dに位置する。リング溝20の距離dは、ピストン10の直径の一部である。ピストン10の隣接するランド18からの背壁25の長さlおよび距離dは、典型的には、ピストン10の外周全体にわたって一定である。加えて、各リング溝20は、背壁25の長さlと同一であり得るまたは異なり得る、図2Aに示されるような、上壁21から下壁25まで延在する軸方向幅wを有する。例示の実施形態のピストン10は3つのリング溝20を含むが、ピストン10は代替的には別の数のリング溝20を含んでもよい。
ピストン10は、リングベルト16の内側に、概ね下方クラウン表面32から垂下する一対のピンボス24をさらに含む。ピンボス24は、下方クラウン表面32から垂直方向に離間される、横方向に離間された一対のピンボア26を提供する。ピストン10は、リングベルト16から垂下し互いに直径方向に対向して位置する一対のスカートパネル28も含む。スカートパネル28は、ストラット30によってピンボス24に連結される。
ピストン10の下方クラウン表面32は、上部燃焼表面14の正反対かつリングベルト16の径方向内側に、上壁12の下側に形成される。下方クラウン表面32は、好ましくは燃焼ボウルから最小距離に位置し、実質的に燃焼ボウルから正反対側の表面である。下方クラウン表面32は、ここで、ピストン10を底部からまっすぐ観察したときに、ピンボア26を除いて見える表面であると規定される。下方クラウン表面32は、上部燃焼表面14の燃焼ボウルに対して概ねぴったり合っている。下方クラウン表面32は、また、ピストン10の下側から見ると開かれて露出しており、囲まれたもしくは部分的に囲まれた冷却空洞、または下方クラウン表面32付近にオイルもしくは冷却流体を留めやすい他の構成によって画定されていない。
ピストン10の下方クラウン表面32は、閉じられたまたは部分的に閉じられた冷却空洞を有する比較対象のピストンよりも、大きな総表面エリア(表面の外形に沿う3次元エリア)および大きな投影された表面エリア(平面図で見たとき、2次元エリア、平面)を有する。ピストン10の下側に沿ったこの開かれた領域は、下方クラウン表面32の真上へクランク室内から飛散するまたは吹きかけられるオイルに対し直接のアクセスを提供し、これにより下方クラウン表面32全体がクランク室内からのオイルによって直接吹きかけられることを可能にするとともに、オイルがリストピン(図示せず)の周りに自由に飛散することを可能にし、さらに、ピストン10の重量を大幅に低減する。したがって、空洞なしのピストン10の概ね開かれた構成は、典型的な閉じられたまたは部分的に閉じられた冷却空洞を有しないが、下方クラウン表面32の最適な冷却およびピンボア26内のリストピン接合に対する潤滑を可能にすると同時に、ある体積のオイルが表面上に留まる時間である燃焼ボウル付近の表面上のオイル残留時間を低減する。低減された残留時間は、閉じられたまたは実質的に閉じられた冷却空洞を有するピストンにおいて生じ得るような、コークス化されたオイルの望ましくない蓄積を低減し得る。このように、ピストン10は、延長された使用にわたって「きれい」であり続けることができ、これによりそれが実質的に蓄積されないままであることを可能にする。
例示の実施形態のピストン10の下方クラウン表面32は、図1に最もよく示される内側下方クラウン領域34および外側ポケット36を含む、ピストン10のいくつかの領域によって提供される。中心軸Aに位置する下方クラウン表面32の第1部分は、内側下方クラウン領域34によって提供される。内側下方クラウン領域34は、ピンボス24、スカートパネル28、およびストラット30に取り囲まれる。内側下方クラウン領域34によって提供される下方クラウン表面32の2次元表面エリアおよび3次元表面エリアは典型的には最大化されるため、露出面に対してクランク室から上方向に飛散するまたは吹きかけられるオイルによって生じる冷却が強化さ得、これによりピストン10の優れた冷却を与える。例示の実施形態では、内側下方クラウン領域34の下方クラウン表面32は、底部から見たときに凹状であるため、オイルはピストン10の往復の間にピストン10の片側からピストン10の反対側まで流れされることができ、これによりピストン10の冷却をさらに強化するようにはたらく。
下方クラウン表面32の第2領域は、ピンボス24の外側に位置する外側ポケット36によって提供される。各外側ポケット36は、ピンボス24の1つ、1つのピンボス24をスカートパネル28に連結するストラット30の一部、およびリングベルト16の一部に取り囲まれる。
内側下方クラウン領域34および/または外側ポケット36の冷却を向上し、ひいては動作の間のピストン10の全体温度を低減するために、図2〜図4に示されるように、少なくとも1つのオイルスロット38が少なくとも1つのリング溝20の背壁25を貫通して延在する。単一のまたは複数のオイルスロット38は、背壁25を貫通して径方向に延在し得る。単一のまたは複数のオイルスロット38は、単一または複数のオイルスロット38を通る軸がピストン10の中心軸Aを通らないように、ピンボア26の軸に平行または垂直に背壁25を貫通して延在し得る。
各オイルスロット38は、スカートパネル28の1つの上方および/またはピンボス24の1つの上方に位置する。1つの実施形態によれば、オイルスロット38は、リング溝20から内側下方クラウン領域34までの冷却オイルの排出を可能にする。別の実施形態によれば、オイルスロット38は、リング溝20からピストン10の外側ポケット36の少なくとも1つまでの冷却オイルの排出を可能にする。したがって、この実施形態では、排出された冷却オイルは外側ポケット36の少なくとも1つへの冷却オイルの源として機能し、冷却オイルの不足しがちな少なくとも1つの外側ポケット36の冷却を助ける。上述されたように、内側下方クラウン領域34および/または外側ポケット36へ提供される追加の冷却オイルは、冷却を助け、ひいては動作の間のピストン10の全体温度を低減する。
図2および図3の例示の実施形態のピストン10では、ピストンは4つのオイルスロット28を含み、2つのオイルスロット38が各スカートパネル28の上方において第3リング溝20に位置する。図4の実施形態では、ピストンは4つのオイルスロットを含み、2つのオイルスロット38が各ピンボス24の上方において第3リング溝20に位置する。オイルスロット38は、スカートパネル28の上方およびピンボス24の上方において第3リング溝20に位置してもよい。オイルスロット38は、代替的には、リング溝20の別の1つに、または1つよりも多いリング溝20に位置してもよい。また、オイルスロット38の数、およびピストン10の外周にわたるオイルスロット38の位置は、異なり得る。
オイルスロット38は、様々な方法に従ってピストン10に形成され得る。図2および図3の例示の実施形態では、オイルスロット38は、一体の本体を鋳造した後に第3リング溝20の中へ開けられる。図4の例示の実施形態では、オイルスロット38は、一体の本体に鍛造される。
各オイルスロット38は、典型的には、オイルスロット38が形成されるリング溝20の軸方向幅wの30〜100%の範囲にある直径Dを有する。オイルスロット38が環形状でない場合、オイルスロット38は、各々溝の軸方向幅の30〜200%の範囲にある長さおよび幅を有する。しかしながら、オイルスロット38の寸法は、異なり得る。各オイルスロット38は、また、リング溝20の背壁25から外側ポケット36の1つおよび/または内側下方クラウン領域34まで延在するピストン10の厚さ全体にわたって延在する。したがって、各オイルスロット38は、オイルがオイルスロット38から排出することを可能にする、外側ポケット36の1つへおよび/または内側下方クラウン領域34への開口を提供する。
本発明に従って設計されるピストン10は、リング溝20から、内側下方クラウン領域34の中へおよび/または外側ポケット38の少なくとも1つの中へのオイルの排出の増加を可能にすることによって、リングベルト16にオイルスロット38を有しない空洞なしのピストンと比較して、内側下方クラウン領域34および/または外側ポケット36の改良された冷却を実現することを可能にする。
本発明の別の局面は、内燃機関における使用のための空洞なしのピストン10を製造する方法を提供する。典型的には鋼鉄で形成されるピストン10の本体部分は、鍛造または鋳造などの様々な異なる方法に従って製造され得る。空洞なしのピストン10の本体部分は様々な異なる設計を備えてもよく、可能な設計の例が図1〜図4に示される。
当該方法は、リングベルト16のリング溝20の少なくとも1つにオイルスロット38の少なくとも1つを提供することをさらに含む。オイルスロット38は、一体の本体部分を鋳造した後にリングベルト16の中へ穴を開けることによって、またはピストン10の一体の本体部分とともに鍛造もしくは鋳造することによって、形成され得る。しかしながら、オイルスロット38は、他の方法によって形成されてもよい。
本発明の多くの修正および変形が上記の教示に照らして可能であり、本発明の範囲内で特定的に記載された以外の方法で実施され得る。すべての請求項のおよびすべての実施形態のすべての構成は、そのような組み合わせが互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせられ得ることも理解される。

Claims (20)

  1. ピストンであって、
    前記ピストンの下側から露出する下方クラウン表面を含む上壁と、
    前記上壁から垂下し、前記ピストンの中心軸の周りに周方向に延在するリングベルトとを備え、
    前記リングベルトは、前記中心軸の周りに周方向に延在し背壁によって互いに離間される上壁および下壁によって各々形成される複数のリング溝を含み、前記ピストンはさらに、
    前記上壁から垂下する一対のピンボスと、
    前記リングベルトから垂下し、ストラットによって前記ピンボスに連結される一対のスカートパネルと、
    前記下方クラウン表面に沿って延在し、前記スカートパネル、前記ストラット、および前記ピンボスに取り囲まれる内側下方クラウン領域と、
    前記下方クラウン表面に沿って延在する一対の外側ポケットとを備え、
    各外側ポケットは、前記リングベルトの一部、前記ピンボスの1つ、および1つの前記ピンボスを前記スカートパネルに連結する前記ストラットに取り囲まれており、
    前記リング溝の少なくとも1つは、前記背壁を貫通して前記内側下方クラウン領域および/または前記ピストンの前記外側ポケットの少なくとも1つまで延在する少なくとも1つのオイルスロットを含む、ピストン。
  2. 前記リング溝の各々は、前記上壁から前記下壁まで延在する軸方向幅を有し、前記オイルスロットの各一は、前記リング溝の前記軸方向幅の30%〜100%の範囲にある直径を有する、請求項1に記載のピストン。
  3. 前記リング溝の各々は、前記上壁から前記下壁まで延在する軸方向幅を有し、前記オイルスロットの各一は、各々前記リング溝の前記軸方向幅の30%〜200%の範囲である長さおよび幅を有する、請求項1に記載のピストン。
  4. 前記リングベルトの前記リング溝は、第1リング溝と、第2リング溝と、第3リング溝とを含み、前記第1リング溝、前記第2リング溝、および前記第3リング溝のみが前記リング溝として前記ピストンに存在し、前記第3リング溝は、複数の前記オイルスロットを含む、請求項1に記載のピストン。
  5. 4つのみの前記オイルスロットを含み、前記オイルスロットの2つは、前記第3リング溝を貫通して前記スカートパネルの各々の上方に延在する、請求項4に記載のピストン。
  6. 4つのみの前記オイルスロットを含み、前記オイルスロットの2つは、前記第3リング溝を貫通して前記ピンボスの各々の上方に延在する、請求項4に記載のピストン。
  7. 前記少なくとも1つのオイルスロットは、前記リング溝から前記内側下方クラウン領域までおよび/または前記外側ポケットの少なくとも1つまで延在する、請求項1に記載のピストン。
  8. 前記リング溝の1つに複数の前記オイルスロットを含む、請求項1に記載のピストン。
  9. 前記リング溝の各一の前記背壁は前記最上壁から前記最下壁まで延在する長さを有し、前記背壁の前記長さは、前記ピストンの外周にわたって一定であり、前記リング溝の各一の前記背壁は、前記リングベルトの隣接するランドから径方向に、ある距離に位置し、前記距離は、前記ピストンの前記外周にわたって一定である、請求項1に記載のピストン。
  10. 鋼鉄材料の単一片で形成される本体部分を含み、前記本体部分は、前記上壁と、前記リングベルトと、前記ピンボスと、前記スカートパネルとを含む、請求項1に記載のピストン。
  11. 前記下方クラウン表面は、囲まれたもしくは部分的に囲まれた冷却空洞、または流体を留めやすい他の構成によって画定されていない、請求項1に記載のピストン。
  12. 前記内側下方クラウン領域は、前記中心軸に位置し、前記ピンボス、前記スカートパネル、および前記ストラットに取り囲まれ、前記外側ポケットは、前記ピンボスの外側に位置する、請求項1に記載のピストン。
  13. 鋼鉄材料の単一片で形成される本体部分を含み、
    前記本体は、冷却空洞床、または冷却空洞を画定するもしくは部分的に画定する他の構成を有さず、
    前記本体は、上部燃焼表面を提示する前記上壁を含み、
    前記上部燃焼表面は、前記中心軸の周りの非平面の表面であり、
    前記リング溝は、前記ピストンの外周の周りに延在し、
    前記リング溝は、前記リング溝を互いに離間する複数のランドを含み、
    前記ピンボスは、前記リングベルトの内側に配置され、ピンボア軸を取り囲み前記下方クラウン表面から長手方向に離間される横方向に離間された一対のピンボアを提供し、
    前記一対のスカートパネルは、互いに直径方向に対向して位置し、
    前記下方クラウン表面は、前記リングベルトの径方向内側に配置され、
    前記下方クラウン表面の第1部分が前記内側下方クラウン領域によって提供され,前記下方クラウン表面の第2部分が前記外側ポケットによって提供され、
    前記内側下方クラウン領域は、前記中心軸に位置し、前記ピンボス、前記スカートパネル、および前記ストラットに取り囲まれ、
    前記内側下方クラウン領域に位置する前記下方クラウン表面は、前記ピストンの前記下側から見たときに凹状であり、
    前記外側ポケットは、前記ピンボスの外側に位置し、
    前記リング溝は、第1リング溝と、第2リング溝と、第3リング溝とを含み、
    前記第1リング溝および前記第2リング溝および前記第3リング溝のみが前記リング溝として前記ピストンに存在し、
    前記第1リング溝は前記上部燃焼表面の最も近くに配置され、前記第3リング溝は前記燃焼表面から最も遠くに配置され、
    前記リング溝の前記背壁は、前記ピストンの前記中心軸に平行に、かつ前記中心軸に沿って長手方向に延在し、
    前記リング溝の前記最上壁および前記下壁は、前記ピストンの前記中心軸に対して垂直にまたはある角度で延在し、
    前記リング溝の各一の前記背壁は、前記最上壁から前記最下壁まで延在し前記ピストンの前記中心軸に平行な長さを有し、
    前記背壁の各一の前記長さは、前記ピストンの前記外周にわたって一定であり、
    前記リング溝の各一の前記背壁は、隣接する前記ランドから径方向に、ある距離に位置し、
    前記距離は、前記ピストンの前記外周にわたって一定であり、
    前記リング溝の各々は、前記上壁から前記下壁まで延在する軸方向幅を有し、
    前記リングベルトの前記第3リング溝は、前記背壁を貫通して延在する複数の前記オイルスロットを含み、
    前記第3リング溝は、唯一の前記オイルスロットを含む前記リング溝であり、
    前記オイルスロットは、前記スカートパネルの少なくとも1つの上方および/または前記ピンボスの少なくとも1つの上方に位置し、
    前記オイルスロットは、前記第3リング溝から前記内側下方クラウン領域までおよび/または前記外側ポケットの少なくとも1つまで延在し、
    前記オイルスロットの各一は、前記第3リング溝の前記軸方向幅の30%〜100%の範囲にある直径を有する、請求項1に記載のピストン。
  14. 4つのみの前記オイルスロットを含み、前記オイルスロットの2つは、前記第3リング溝を貫通して前記スカートパネルの各々の上方に延在し、前記オイルスロットの各々は、前記第3リング溝から前記内側下方クラウン領域まで延在する、請求項13に記載のピストン。
  15. 4つのみの前記オイルスロットを含み、前記オイルスロットの2つは、前記第3リング溝を貫通して前記ピンボスの各々の上方に延在し、前記オイルスロットの各々は、前記第3リング溝から前記外側ポケットまで延在する、請求項13に記載のピストン。
  16. ピストンを製造する方法であって、
    上壁を含む本体を提供するステップを備え、前記上壁は、前記ピストンの下側から露出する下方クラウン表面を含み、リングベルトが前記上壁から垂下し前記ピストンの中心軸の周りに周方向に延在し、前記リングベルトが前記中心軸の周りに周方向に延在し背壁によって互いに離間される最上壁および下壁によって各々形成される複数のリング溝を含み、一対のピンボスが前記上壁から垂下し、一対のスカートパネルが前記リングベルトから垂下しストラットによって前記ピンボスに連結され、内側下方クラウン領域が前記下方クラウン表面に沿って延在し前記スカートパネル、前記ストラット、および前記ピンボスに取り囲まれ、一対の外側ポケットが前記下方クラウン表面に沿って延在し、各外側ポケットは、前記リングベルトの一部、前記ピンボスの1つ、および1つの前記ピンボスを前記スカートパネルに連結する前記ストラットに取り囲まれ、前記方法はさらに、
    前記リング溝の少なくとも1つの前記背壁を貫通して前記内側下方クラウン領域および/または前記外側ポケットの少なくとも1つまで延在する少なくとも1つのオイルスロットを形成するステップを備える、方法。
  17. 前記少なくとも1つのオイルスロットを形成するステップは、前記リングベルトの中へ穴を開けることを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記本体は材料の単一片であり、前記本体を提供するステップは、前記本体を加工、鍛造および/または鋳造することを含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記本体を提供するステップは、鍛造または鋳造することを含み、前記少なくとも1つのオイルスロットを形成するステップは、前記鍛造または鋳造する間に起こる、請求項18に記載の方法。
  20. 前記リングベルトの前記リング溝は、第1リング溝と、第2リング溝と、第3リング溝とを含み、前記第1リング溝および前記第2リング溝および前記第3リング溝のみが前記リング溝として前記ピストンに存在し、前記第3リング溝は前記オイルスロットを含む、請求項16に記載の方法。
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