JP4405441B2 - 内燃機関のピストン - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダ内壁面の余剰オイルを掻き落とすピストンリングが装着されるリング溝内に、その余剰オイルをピストン内側面側に排出するためのオイル排出孔を有する内燃機関のピストンに関するものである。
リング溝内にオイル排出孔を有するピストンには、例えば特許文献1にて開示されているようなものがある。
具体的には、ピストンは円盤状のランド部と該ランド部の外周に沿って下方に延出されるスカート部を含む筒状部とを備えており、そのランド部の外周には3つのリング溝が形成されている。最上部に位置するコンプレッションリング溝(トップリング溝)にはコンプレッションリング(トップリング)が装着され、該コンプレッションリングは燃焼室の気密保持の役割を担っている。最下部に位置するオイルリング溝にはオイルリングが装着され、該オイルリングはシリンダ内壁面の余剰オイルを掻き落とす役割を担っている。中間部に位置するサポートリング溝(セカンドリング溝)にはサポートリング(セカンドリング)が装着され、該サポートリングはコンプレッションリング及びオイルリングの役割をサポートする。
また、サポートリング溝及びオイルリング溝には、溝底面とピストン内側面とを貫通するオイル排出孔が形成されている。そして、サポートリング及びオイルリングにて掻き落としたシリンダ内壁面の余剰オイルが各溝のオイル排出孔を介してピストン内側面側に排出され、その余剰オイルはピストンの下方に設けられるオイルパンに滴下するようになっている。このように余剰オイルを効率よく回収することで、オイル消費量の低減が図られている。
実開平6−14455号公報
ところで、近年の内燃機関では、ピストン内側面、詳しくはスカート部を含む筒状部の内側面に向けてオイルを吹き付けて、該ピストンの冷却効果を高め、ピストンの耐久性を向上させるようにしたものが主流となっている。
そのため、ピストン内側面に吹き付けられるオイルがオイル排出孔を逆流してサポートリング溝及びオイルリング溝側に噴出し、本来オイル消費量の低減を図る目的で設けたオイル排出孔が逆にオイル消費量の悪化を招く要因となっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、リング溝内にオイル排出孔が形成される内燃機関のピストンにおいて、オイル吹き付けによるオイル排出孔内のオイルの逆流を防止し、オイル消費量の低減を図ることにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、燃焼室の気密保持を行うためのコンプレッションリングが装着されるコンプレッションリング溝と、シリンダ内壁面の余剰オイルを掻き落とすためのオイルリングが装着されるオイルリング溝と、前記コンプレッションリング及び前記オイルリングの両者の役割をサポートするためのサポートリングが装着されるサポートリング溝とが外周に設けられる円盤状のランド部と、前記ランド部の外周に沿って下方に延出されるスカート部を含む筒状部と、を備えた内燃機関のピストンであって、前記サポートリング溝及び前記オイルリング溝の少なくとも一方の溝内に、前記筒状部外側の前記ランド部の下面側と連通するオイル排出孔が形成され、前記オイル排出孔は、少なくとも前記サポートリング溝に形成されるものであり、前記サポートリング溝の下側内壁面からの前記オイル排出孔の開口幅は、前記サポートリング溝の溝幅よりも小となるように設定されていることをその要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のピストンにおいて、前記ランド部の下面には、前記サポートリング溝及び前記オイルリング溝のうち前記オイル排出孔が形成される溝と連通する縦溝が形成され、該縦溝の形成により前記オイル排出孔が形成されることをその要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関のピストンにおいて、前記オイル排出孔は、前記サポートリング溝及び前記オイルリング溝の両方に形成されるものであり、前記縦溝は、前記ランド部の下面から前記オイルリング溝及び前記サポートリング溝に跨って形成されることをその要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関のピストンにおいて、前記サポートリング溝の下側内壁面からの前記オイル排出孔の開口幅は、前記サポートリングの幅よりも小となるように設定されていることをその要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、ピストンは外周に複数のリング溝が設けられる円盤状のランド部と該ランド部の外周に沿って下方に延出されるスカート部を含む筒状部とを備えており、複数のリング溝のうちサポートリング溝及びオイルリング溝の少なくとも一方の溝内に、筒状部外側のランド部の下面側と連通するオイル排出孔が形成される。ここで、ピストンをオイルの吹き付けを実施する内燃機関に用いる場合、該ピストンの筒状部内側に対して吹き付けられる。従って、筒状部にてオイル吹き付けの領域から仕切られるため、オイル排出孔にはオイルが吹き付けられなくなり、オイル吹き付けによるオイル排出孔内のオイルの逆流が防止される。
また、オイル排出孔は少なくともサポートリング溝に形成されるものであり、サポートリング溝の下側内壁面からのオイル排出孔の開口幅がサポートリング溝の溝幅よりも小となるように設定される。ここで、サポートリングが燃焼ガスの圧力を受けると、該サポートリングがサポートリング溝の下側内壁面に当接した状態となる。この状態ではオイル排出孔の開口幅がサポートリング溝の溝幅より小としてその開口面積が抑えられていることから、該サポートリングの上面から溝内に進入してくる燃焼ガス等がオイル排出孔からピストンの内側に流れ難くなり、燃焼ガスの燃焼室からの流出が抑制される。これに対し、サポートリングがオイルを掻き落とすときには、該サポートリングがサポートリング溝の上側内壁面に当接した状態となる。この状態ではオイル排出孔が開口されるため、オイル排出孔からオイルの排出が可能となる。つまり、オイルの排出を可能としながらも、燃焼ガスの漏れを好適に抑制できる。
請求項2に記載の発明によれば、ピストンのランド部の下面には、サポートリング溝及びオイルリング溝のうちオイル排出孔が形成される溝と連通する縦溝が形成され、該縦溝の形成によりオイル排出孔が形成される。即ち、このような縦溝はピストンを成形する鋳型に突起を設けることで形成可能である。これにより、オイル排出孔を形成する工程やオイル排出孔を形成する装置(ドリル等)が不要となり、製造コストの低減に寄与できる。
請求項3に記載の発明によれば、オイル排出孔はサポートリング溝及びオイルリング溝の両方に形成されるものであり、縦溝はランド部の下面からオイルリング溝及びサポートリング溝に跨って形成される。即ち、1つの縦溝でサポートリング溝及びオイルリング溝の両方にオイル排出孔を形成でき、縦溝の数を極力低減できる。
請求項に記載の発明によれば、サポートリング溝の下側内壁面からのオイル排出孔の開口幅がサポートリングの幅よりも小となるように設定される。つまり、オイル排出孔の開口面積がより抑えられていることから、サポートリングの上面から溝内に進入してくる燃焼ガス等がオイル排出孔からピストンの内側に流れることがより一層抑えられる。
従って、本発明によれば、リング溝内にオイル排出孔が形成される内燃機関のピストンにおいて、オイル吹き付けによるオイル排出孔内のオイルの逆流を防止し、オイル消費量の低減を図ることができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1及び図2は、内燃機関に用いられるピストン10を示している。図1は、リング溝11〜13に各リング14〜16が装着された状態を示す斜視図であり、図2は、各リング14〜16が装着されていない状態を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、ピストン10は一端が閉塞される円筒状をなしており、該ピストン10の上部外周には3つのリング溝、即ち最上部に位置するコンプレッションリング溝11、中間部に位置するサポートリング溝12、最下部に位置するオイルリング溝13が形成されている。各リング溝11〜13は断面が略矩形状をなしている。
コンプレッションリング溝11には、コンプレッションリング14が装着される。コンプレッションリング14は、燃焼室の気密保持の役割を担っている。オイルリング溝13には、オイルリング16が装着される。オイルリング16は、シリンダ内壁面の余剰オイルを掻き落とす役割を担っている。因みに、このオイルリング16には、周方向に複数のスリット16aが設けられている。サポートリング溝12には、サポートリング15が装着される。サポートリング15は、燃焼室の気密保持を行うコンプレッションリング14とシリンダ内壁面の余剰オイルの掻き落としを行うオイルリング16の両者の役割をサポートする。尚、図4に示すように、コンプレッションリング溝11及びサポートリング溝12の溝幅(W0)は略同等で、オイルリング溝13の溝幅よりも小さく設定されている。
前記ピストン10について詳述すると、ピストン10は、上部に位置する円盤状のランド部21と、該ランド部21の外周の対向する2箇所において該外周に沿って下方に円弧状に延出される一対のスカート部22と、対向する各スカート部22の円弧状の端部同士を直線的に連結する一対のサイドウォール部23とを有している。ランド部21の外周には、前記各リング溝11〜13が設けられている。
図3に示すように、ピストン10を下方から見ると、スカート部22とサイドウォール部23とで扁平な筒状部を構成しており、この筒状部の内側空間24にピストン10と連結するコンロッド(図示略)の先端部分が挿入される。各サイドウォール部23の中央部にはそれぞれピンボス23aが設けられ、各ピンボス23aにはサイドウォール部23を貫通するように連結孔23bが形成されている。そして、各サイドウォール部23の連結孔23bにはピストンピン(図示略)が嵌挿され各サイドウォール部23に跨って装着され、該ピストンピンにはコンロッドの先端が回転可能に連結される。
図3及び図4に示すように、ランド部21の下面において、各サイドウォール部23の外側には、それぞれ肉抜き部25が形成されている。肉抜き部25は、ランド部21の下面からの深さが、サポートリング溝12が設けられる位置程度まで凹設されている。肉抜き部25から外側の周縁部26には、その肉抜き部25側の下面からオイルリング溝13及びサポートリング溝12に跨るように上方に延びる縦溝27が形成されている。縦溝27は、各サイドウォール部23の外側において2つずつ、合計4つ形成されている。
また、各縦溝27は、前記サポートリング溝12と前記オイルリング溝13とにおいてそれぞれ連通し、その連通した際の溝底面の開口がそれぞれオイル排出孔28,29となっている。即ち、図2に示すように、サポートリング溝12内には、この縦溝27の形成によるオイル排出孔28が合計4つ(図2においては、そのうち2つのみ図示)設けられている。また、オイルリング溝13内には、この縦溝27の形成によるオイル排出孔29が合計4つ(図2においては、そのうち2つのみ図示)設けられる。このオイル排出孔29は、オイルリング溝13の下側内壁面から上側内壁面まで開口した矩形状をなしている。
一方、サポートリング溝12内に設けられるオイル排出孔28は、サポートリング溝12の下側内壁面から半円状をなしており、上側内壁面までは達していない。即ち、図5に示すように、サポートリング溝12の幅方向におけるオイル排出孔28の開口幅W1は、該溝12に装着されるサポートリング15の幅W2よりも小さくなるように設定されている。つまり、サポートリング15が燃焼ガスの圧力を受けると、該サポートリング15がサポートリング溝12の下側内壁面に当接した状態となる。この状態ではサポートリング15にてオイル排出孔28の径方向外側が覆われるため、該サポートリング15の上面から溝12内に進入してくる燃焼ガス等がオイル排出孔28からピストン10の内側に流れ難くなり、燃焼ガスの燃焼室からの流出が抑制される。これに対し、サポートリング15がオイルを掻き落とすときには、該サポートリング15がサポートリング溝12の上側内壁面に当接した状態となる。この状態ではオイル排出孔28が開口されるため、オイル排出孔28からオイルの排出が可能となる。
ここで、図示しないが、ピストン10を成形する鋳型には肉抜き部25を形成するための膨出部が設けられており、該膨出部に縦溝27を形成するための突起を所定位置に設けることで、ピストン10の成形時に同時に縦溝27が形成されるようになっている。従って、縦溝27は、上記のように、周縁部26の肉抜き部25側の下面から上方に延びる形状となる。因みに、ピストン10は鋳型による成形後、該ピストン10の外周は、各リング溝11〜13を含めた所定外形となるまで切削加工がなされ、各リング溝11〜13の形成に伴って各縦溝27と連通し、各オイル排出孔28,29が形成されるようになっている。尚、各オイル排出孔28,29の開口面積は、縦溝27の溝幅を変更することで、サポートリング溝12の溝幅W0及びオイルリング溝13の溝幅に左右されることなく調整可能となっている。
また、オイルリング溝13内には、縦溝27によるオイル排出孔29の他に、各スカート部22側においても3つずつの合計6つ(図2においては、そのうち3つのみ図示)のオイル排出孔30が設けられている。このオイル排出孔30は、前記内側空間24に連通している。尚、このオイル排出孔30は、オイルリング溝13に対して径方向からドリルを用いて形成される。この場合、オイルリング溝13の溝幅はサポートリング溝12の溝幅W0よりも大きいので、オイル排出孔30の形成は比較的容易に行われる。
このようにサポートリング溝12のオイル排出孔28及びオイルリング溝13のオイル排出孔29,30は、サポートリング15及びオイルリング16にて掻き落としたシリンダ内壁面の余剰オイルを排出するために設けられている。このうちオイル排出孔28及びオイル排出孔29は、各溝12,13側からの余剰オイルを肉抜き部25側の縦溝27へと導き、縦溝27側に達した余剰オイルは、ピストン10の下方に設けられるオイルパン(図示略)に滴下する。一方、スカート部22側に位置するオイル排出孔30は、溝13側からの余剰オイルをスカート部22及びサイドウォール部23で構成される筒状部の内側面へと導き、該内側面側に達した余剰オイルは、同様にピストン10の下方に設けられるオイルパン(図示略)に滴下する。
更に、ピストン10の冷却効果の向上やコンロッドとの連結部分へのオイルの供給等の目的でクランクケース側からオイルの吹き付けが実施される内燃機関に用いる場合、このオイルの吹き付けはピストン10のランド部21下面の筒状部内、即ちスカート部22及びサイドウォール部23で囲まれてなる内側空間24内に実施される。従って、サポートリング溝12のオイル排出孔28及びオイルリング溝13のオイル排出孔29はサイドウォール部23よりも外側に位置しており該サイドウォール部23にて仕切られているので、オイルが吹き付けられることはない。これにより、これらオイル排出孔28,29では、オイルの吹き付けによるオイルの逆流が防止され、オイル消費量の低減が図られている。
次に、本実施の形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)ピストン10は円盤状のランド部21の外周に沿って下方に延出されるスカート部22とサイドウォール部23とで構成される筒状部とを備えており、ランド部21外周のサポートリング溝12及びオイルリング溝13の溝内に、筒状部外側のランド部21の下面側(肉抜き部25)と連通するオイル排出孔28,29が形成される。そして、ピストン10をオイルの吹き付けを実施する内燃機関に用いる場合、ピストン10の筒状部の内側空間24に対して吹き付けられる。従って、筒状部(サイドウォール部23)にてオイル吹き付けの領域から仕切られるため、オイル排出孔28,29にはオイルが吹き付けられなくなり、オイル吹き付けによるオイル排出孔28,29内のオイルの逆流を防止することができる。その結果、オイル消費量の低減を図ることができる。
(2)ピストン10のランド部21の下面には、サポートリング溝12及びオイルリング溝13と連通する縦溝27が形成され、該縦溝27の形成によりオイル排出孔28,29が形成される。この縦溝27はピストン10を成形する鋳型に突起を設けることで形成され、鋳型にて形成したピストン10の外周に切削加工を施して各リング溝12,13を形成することで、各リング溝12,13と縦溝27とが連通し、オイル排出孔28,29が形成される。これにより、オイル排出孔28,29を形成する工程やオイル排出孔28,29を形成する装置(ドリル等)が不要となり、製造コストの低減に寄与することができる。特に、サポートリング溝12の溝幅W0はオイルリング溝13の溝幅よりも小さいので、サポートリング溝12にオイル排出孔28をドリル等にて切削して形成する場合、径の小さいドリルが必要となってコストが高くつくため、サポートリング溝12に対して適用する意義は大きい。
(3)縦溝27は、ランド部21の下面からオイルリング溝13及びサポートリング溝12に跨って形成される。即ち、1つの縦溝27でサポートリング溝12及びオイルリング溝13の両方にオイル排出孔28,29を形成でき、縦溝27の数を極力低減することができる。
(4)オイル排出孔28,29の開口面積の調整は、縦溝27の溝幅を変更することで行われる。これにより、オイル排出孔28,29を形成するリング溝12,13の溝幅に左右されることなく、オイル排出孔28,29の開口面積、即ちオイルの排出量を容易に調整することができる。またこの場合においても、サポートリング溝12の溝幅W0はオイルリング溝13の溝幅よりも小さいことから、サポートリング溝12に対して適用する意義は大きい。
(5)サポートリング溝12に形成されるオイル排出孔28は、サポートリング溝12の下側内壁面からのオイル排出孔28の開口幅W1がサポートリング15の幅W2よりも小となるように設定される。ここで、サポートリング15が燃焼ガスの圧力を受けると、該サポートリング15がサポートリング溝12の下側内壁面に当接した状態となる。この状態ではオイル排出孔28の開口幅W1がサポートリング15の幅W2より小としてその開口面積が抑えられており、かつオイル排出孔28の径方向外側が覆われるため、該サポートリング15の上面から溝内に進入してくる燃焼ガス等がオイル排出孔28からピストン10の内側に流れ難くなり、燃焼ガスの燃焼室からの流出を抑制することができる。特に本実施の形態では、サポートリング溝12の溝幅W0よりも小さいサポートリング15の幅W2より更にオイル排出孔28の開口幅W1を小さくしているので、効果大である。これに対し、サポートリング15がオイルを掻き落とすときには、該サポートリング15がサポートリング溝12の上側内壁面に当接した状態となる。この状態ではオイル排出孔28が開口されるため、オイル排出孔28からオイルの排出が可能となる。つまり、オイルの排出を可能としながらも、燃焼ガスの漏れを好適に抑制することができる。
尚、本発明の実施の形態は、以下のように変更してもよい。
上記実施の形態では、スカート部22及びサイドウォール部23で構成される筒状部外側のランド部21の下面側と連通するオイル排出孔28,29をサポートリング溝12及びオイルリング溝13の両方に設けたが、いずれか一方に設けるようにしてもよい。また、オイル排出孔28,29の数や位置を適宜変更してもよい。また、筒状部外側のランド部21の下面側と連通するオイル排出孔28,29にてオイル排出量を十分確保できれば、筒状部内側に連通するオイル排出孔30を廃止してもよい。このようにすれば、リング溝13へのオイルの逆流を防止でき、オイル消費量の低減に寄与することができる。
上記実施の形態では、縦溝27を鋳型で形成し、その後のリング溝12,13の切削形成によりオイル排出孔28,29を形成するようにしたが、縦溝27を設けず、リング溝12,13の切削形成の後に、各リング溝12,13にオイル排出孔28,29をドリル等にて切削してもよい。
上記実施の形態では、縦溝27をオイルリング溝13及びサポートリング溝12に跨って形成したが、オイルリング溝13と連通するための縦溝やサポートリング溝12と連通するための縦溝とというように、各リング溝12,13のそれぞれに独立した縦溝を形成するようにしてもよい。
上記実施の形態では、オイル排出孔28,29の開口面積、即ちオイル排出量の調整を縦溝27の溝幅を変更することで行っているが、オイル排出孔28,29の孔の数でオイル排出量を調整してもよい。
上記実施の形態では、サポートリング溝12の下側内壁面からのオイル排出孔28の開口幅W1をサポートリング15の幅W2よりも小となるように設定したが、例えばオイル排出孔28の開口幅W1をサポートリング15の幅W2よりも大としてもよい。この場合、オイル排出孔28の開口幅W1をサポートリング溝12の溝幅全体としてもよい。
上記実施の形態では、コンプレッションリング溝11,サポートリング溝12及びオイルリング溝13はそれぞれ1本であったが、2本以上としてもよい。
次に、上記実施の形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ) 請求項2又は3に記載の内燃機関のピストンの製造方法であって、
ピストンにおけるランド部の下面に縦溝を形成するための突起を鋳型に設け、該鋳型にてピストンを成形する工程と、
前記鋳型にて形成したピストンの外周に切削加工を施して前記各リング溝を形成するとともに、対応する前記リング溝と前記縦溝とを連通させて前記オイル排出孔を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする内燃機関のピストンの製造方法。
このようにすれば、オイル排出孔を形成するのに鋳型の形状を若干変更するだけで済み、オイル排出孔を形成する工程やオイル排出孔を形成する装置(ドリル等)が不要となり、製造コストの低減に寄与できる。
(ロ) 上記(イ)に記載の内燃機関のピストンの製造方法において、
前記オイル排出孔の開口面積の調整を、前記縦溝の溝幅の変更で行うことを特徴とする内燃機関のピストンの製造方法。
このようにすれば、オイル排出孔を形成するリング溝の溝幅に左右されることなく、オイル排出孔の開口面積、即ちオイルの排出量を容易に調整できる。
リングが装着された状態の本実施の形態のピストンを示す斜視図である。 リングが装着されていない状態のピストンを示す斜視図である。 ピストンの底面図である。 ピストンの要部拡大断面図である。 ピストンの要部拡大断面図である。
符号の説明
10…ピストン、11…コンプレッションリング溝、12…サポートリング溝、13…オイルリング溝、14…コンプレッションリング、15…サポートリング、16…オイルリング溝、21…ランド部、22…筒状部を構成するスカート部、23…筒状部を構成するサイドウォール部、27…縦溝、28,29…オイル排出孔、W0…溝幅、W1…開口幅、W2…幅。

Claims (4)

  1. 燃焼室の気密保持を行うためのコンプレッションリングが装着されるコンプレッションリング溝と、シリンダ内壁面の余剰オイルを掻き落とすためのオイルリングが装着されるオイルリング溝と、前記コンプレッションリング及び前記オイルリングの両者の役割をサポートするためのサポートリングが装着されるサポートリング溝とが外周に設けられる円盤状のランド部と、
    前記ランド部の外周に沿って下方に延出されるスカート部を含む筒状部と、
    を備えた内燃機関のピストンであって、
    前記サポートリング溝及び前記オイルリング溝の少なくとも一方の溝内に、前記筒状部外側の前記ランド部の下面側と連通するオイル排出孔が形成され
    前記オイル排出孔は、少なくとも前記サポートリング溝に形成されるものであり、
    前記サポートリング溝の下側内壁面からの前記オイル排出孔の開口幅は、前記サポートリング溝の溝幅よりも小となるように設定されていることを特徴とする内燃機関のピストン。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記ランド部の下面には、前記サポートリング溝及び前記オイルリング溝のうち前記オイル排出孔が形成される溝と連通する縦溝が形成され、該縦溝の形成により前記オイル排出孔が形成されることを特徴とする内燃機関のピストン。
  3. 請求項2に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記オイル排出孔は、前記サポートリング溝及び前記オイルリング溝の両方に形成されるものであり、
    前記縦溝は、前記ランド部の下面から前記オイルリング溝及び前記サポートリング溝に跨って形成されることを特徴とする内燃機関のピストン。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記サポートリング溝の下側内壁面からの前記オイル排出孔の開口幅は、前記サポートリングの幅よりも小となるように設定されていることを特徴とする内燃機関のピストン。
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