JP2558424Y2 - 成形金型装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はワークに成形加工を行な
う成形金型装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えばＮＣ制御装置を備えてなる
タレットパンチプレスでは、上タレットにパンチを装着
し、下タレットにダイを装着しておき、ＮＣ制御によっ
てワーク（板材）を材料搬入のパスラインに位置決め
し、パンチプレスに上下動可能に備えたストライカーで
前記パンチに打撃を加え１パンチもしくは多数回の連続
パンチを施してワークに成形加工を行っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら上述した
従来の金型による成形加工では、連続加工に際してはワ
ークの移動及びストライカーの打撃を繰り返すことによ
って成形部に継目が残り、外観上からも好ましいものと
はならなかった。

【０００４】本考案は上述した事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、連続成形においても継
目のない成形品が得られる成形金型装置を提供しようと
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は前述のごとき従
来の問題に鑑みてなされたもので、請求項１に係る考案
は、パンチプレスにおける上下のホルダに装着される上
下の金型からなる成形金型装置において、上型および下
型に、ワークを上下から挾み可能のローラを水平な軸心
回りに回転可能に設け、上記上下のローラの少なくとも
一方のローラを、前記ワークにローレット加工を行うた
めのローレット円筒としてなる成形金型装置である。

【０００６】請求項２に係る考案は、パンチプレスにお
ける上下のホルダに装着される上下の金型からなる成形
金型において、上型および下型に、ワークを上下から挾
み可能のローラを水平な軸心回りに回転可能に設け、上
記上型に備えたローラは外周面に凹曲面を備えた構成で
あり、下型に備えたローラは上型に備えたローラの凹曲
面と協働してワークにビードを成形加工するための凸曲
面を備えた構成である。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

【０００８】図１を参照するに、パンチプレスとしての
タレットパンチプレスには上，下ホルダである上タレッ
ト１と下タレット３とが回転自在に装着されている。こ
の上タレット１と下タレット３とは同径同大の円盤で、
同じ中心線上に回転中心を有し所定間隔をおいて上下に
重ね合されており、この上下の円盤の間にはＸ，Ｙ軸方
向へ移動自在なクランプ５が配され、ワーク７はクラン
プ５に挾持されて前記上タレット１と下タレット３の間
に支持される。

【０００９】これらの上，下タレット１，３の回転中心
より等距離をおいた周辺部には金型９を装着するための
取付孔１１および１３が設けてあり、参考例としての金
型９は取付孔１１および１３内に螺着される構成になっ
ている。

【００１０】これら参考例としての金型９はフランジ付
の円筒状からなる流体シリンダ１５と上型１７もしくは
下型１９とより構成されている。そして、各流体シリン
ダ１５内にはピストン２１が装着されており、各ピスト
ン２１の中心には太い円柱部２１Ａと細い円柱部２１Ｂ
とが備えられており、太い円柱部２１Ａと細い円柱部２
１とのなす段差面がピストン２１のストローク限界をな
すように構成され、各細い円柱部２１Ｂが流体シリンダ
１５の外方に突出し、その先端に上型１７もしくは下型
１９を係止するための係止部２５が設けてある。

【００１１】この係止部２５を設けた流体シリンダ１５
内の周囲にはピストン２１を一方向に付勢するためのコ
イルスプリング２７が介在され、このコイルスプリング
２７によって通常ピストン２１は押圧され、前記ピスト
ン２１の係止部２５は流体シリンダ１５側に引かれた状
態になっている。

【００１２】この係止部２５には上タレット１側に上型
１７が係止され、下タレット３側に下型１９が係止され
る。上型１７と下型１９の外周はそれぞれ上タレット１
の取付孔１１と下タレット３の取付孔１３内に収納され
る形状で、上型１７の中央部分には雌型チップ１７ｃを
設け、下型１９の中央部分には雄型チップ１９ｃが設け
てあって、上型１７と下型１９とが重り合うことによっ
てワーク７に成形部が形成される。そして、上型１７と
下型１９とは前記コイルスプリング２７の付勢によって
上タレット１と下タレット３の各取付孔１１と１３との
中に収納されている。

【００１３】このような金型９の作動は各流体シリンダ
１５に設けられたエアもしくは油圧等の圧力出入口２９
を介して行われる。そして、この圧力出入口２９への圧
力供給は別に設けた圧力源より配管を介して行われ、供
給された流体例えば油の圧力に応じてピストン２１はコ
イルスプリング２７の付勢に抗して作動される。したが
って上型１７と下型１９とは上タレット１と下タレット
３との間隔内で自由に調整が可能となる。

【００１４】このように構成された参考例の成形金型装
置では、上方に凸となる成形高さを上タレット１の裏側
面までの範囲に取ることも可能となり、その範囲内の任
意位置に設定することもできる。

【００１５】図２は、ワーク７に継目のない状態で連続
成形加工を行うことのできる連続成形金型の一実施例を
示すものである。上型及び下型として外周面に成形加工
部としてローレットを設けたローレット円筒３１と、こ
のローレット円筒３１内にベアリング３３とスナップリ
ング３５を介して水平なシャフト３７を設け、前記ロー
レット円筒３１はシャフト３７を中心として回転自在に
構成したものを、型台３９に取付けてビス４１にて固定
したローレット金型４３としている。図３に示すように
上型１７および下型１９として、例えば前述の流体シリ
ンダ１５の係止部２５に装着して、ワーク７を挟んでク
ランプ５によってワーク７を移動してローレット円筒３
１を連続回転することにより、図４に示すようにワーク
７の表面にローレット状の連続成形加工が行なえる。

【００１６】この際、ローレット金型４３における上型
１７もしくは下型１９の一方に備えたローラの外周面に
ローレット状の成形加工部を形成し、それに対応する他
方のローラは表面が平滑な外周面を有する構成でもよ
い。

【００１７】図５は前記ローレット金型４３と同様の構
成にはビート金型４５で、上型１７に回転可能に備えた
ローラの外周面は凹曲面１７Ｄに、下型に回転自在に備
えたローラの外周面は凸曲面１９Ｄに形成したもので、
これによって図６，図７に示すように上方向に凸状のビ
ードを継目を生じることなく連続成形を行うことができ
る。

【００１８】

【考案の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、請求項１に係る考案は、パンチプレスにおけ
る上下のホルダに装着される上下の金型からなる成形金
型装置において、上型（１７）および下型（１９）に、
ワーク（７）を上下から挾み可能のローラを水平な軸心
回りに回転可能に設け、上記上下のローラの少なくとも
一方のローラを、前記ワーク（７）にローレット加工を
行うためのローレット円筒（３１）としてなる成形金型
装置である。

【００１９】請求項２に係る考案は、成形金型装置にお
いて、上型（１７）に備えたローラは外周面に凹曲面
（１７Ｄ）を備えた構成であり、下型（１９）に備えた
ローラは上型（１７）に備えたローラの凹曲面（１７
Ｄ）と協働してワーク（Ｗ）にビードを成形加工するた
めの凸曲面（１９Ｄ）を備えた構成である。

【００２０】前記構成より明らかなように、請求項１に
係る考案においては、パンチプレスにおける上下のホル
ダに装着される上下の金型１７，１９に、ワーク７を上
下から挾み可能のローラを水平軸心回りに回転可能に設
け、上下のローラの少なくとも一方のローラを、ワーク
７にローレット加工を行うためのローレット円筒３１と
してなるものであるから、上下の金型に備えた上下のロ
ーラによってワーク７を挾み込み、上下のローラの回転
可能方向へワーク７を移動することにより、ワーク７に
連続したローレット加工を行うことができるものであ
る。

【００２１】この際、ワーク７の移動によって上下のロ
ーラが同方向へ回転してワーク７にローレット加工を行
うものであるから、上下のローラを回転駆動するための
モータ等のごとき回転駆動装置が不用であって上下の金
型の構成が簡単であると共に、ワーク７のローレット加
工部分には継目が生じることがなく外観が良好になるも
のである。

【００２２】請求項２に係る考案の成形金型装置はワー
ク７にビードを成形加工するためのものであって、上型
１７におけるローラの外周面に凹曲面１７Ｄを形成し、
下型１９におけるローラの外周面に凸曲面１９Ｄを形成
したものであるから、上下のローラによってワーク７を
挾み込み、ワーク７を移動せしめて上下のローラを回転
せしめることにより、ワーク７には上方向へ凸状のビー
ドが継目なしに連続して成形加工されるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】タレットパンチプレスの上，下タレットに参考
例の金型成形装置を装着した断面図である。

【図２】本考案の第１実施例の断面図である。

【図３】図２によるローレット金型の配置図である。

【図４】図３によるワーク形状図である。

【図５】本考案の第２実施例のビート金型の構成図であ
る。

【図６】図５のビート金型によるワーク形状図である。

【図７】図６におけるＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿った断面図
である。

【符号の説明】

１ 上タレット（上ホルダ） ３ 下タレット（下ホルダ） ９ 金型 １５ 流体シリンダ １７ 上型 １９ 下型 ２１ ピストン

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パンチプレスにおける上下のホルダに装
   着される上下の金型からなる成形金型装置において、上
   型（１７）および下型（１９）に、ワーク（７）を上下
   から挾み可能のローラを水平な軸心回りに回転可能に設
   け、上記上下のローラの少なくとも一方のローラを、前
   記ワーク（７）にローレット加工を行うためのローレッ
   ト円筒（３１）としてなることを特徴とする成形金型装
   置。
2. 【請求項２】 パンチプレスにおける上下のホルダに装
   着される上下の金型からなる成形金型において、上型
   （１７）および下型（１９）に、ワーク（７）を上下か
   ら挾み可能のローラを水平な軸心回りに回転可能に設
   け、上記上型（１７）に備えたローラは外周面に凹曲面
   （１７Ｄ）を備えた構成であり、下型（１９）に備えた
   ローラは上型（１７）に備えたローラの凹曲面（１７
   Ｄ）と協働してワーク（Ｗ）にビードを成形加工するた
   めの凸曲面（１９Ｄ）を備えた構成であることを特徴と
   する成形金型装置。