JP2558341B2 - 成形加工性良好なポリイミドの製造方法 - Google Patents

成形加工性良好なポリイミドの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶融成形用ポリイミド樹脂に関する。更に詳
しくは、成形加工性の良好なポリイミドの製造方法に関
する。
〔従来の技術〕
従来からテトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応
によって得られるポリイミドはその高耐熱性に加え、力
学的強度、寸法安定性が優れ、難燃性、電気絶縁性など
を併せ持つために、電気電子機器、宇宙航空用機器、輸
送機器などの分野で使用されており、今後共耐熱性が要
求される分野に広く用いられることが期待されている。
従来優れた特性を示すポリイミドが種々開発されてい
る。
しかしながら耐熱性に優れていても、明瞭なガラス転
移温度を有しないために、成形材料として用いる場合に
焼結成形などの手法を用いて加工しなければならないと
か、また加工性は優れているが、ガラス転移温度が低
く、しかもハロゲン化炭化水素に可溶で、耐熱性、耐溶
剤性の面からは満足がゆかないとか、性能に一長一短が
あった。
一方、本発明者はさきに機械的性質、熱的性質、電気
的性質、耐溶剤性などに優れ、かつ耐熱性を有するポリ
イミドとして下記式(VI) (式中、R′は炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族
基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が
直接または架橋員により相互に連結された非縮合多環式
芳香族基から成る群より選ばれた4価の基を表す。) で表わされる繰り返し単位を有するポリイミドを見出し
た(特開平1−9226 1−9227)。しかしながら、上記
のポリイミドは、多くの良好な物性を有する新規な耐熱
性樹脂である。
上記ポリイミドは高温時、流動する為、各種の溶融成
形が可能であるが、成形加工上では、より低温で流動性
が良く、さらには成形加工時、安定した流動性を示すポ
リイミドの開発が要望されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、ポリイミドが本来有する優れた特性
に加え、成形加工性にすぐれたポリイミドを提供するこ
とにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは前記問題点を解決するために鋭意研究を
行って、本発明を達成した。すなわち本発明は、 ジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを反応させ、
得られたポリアミド酸を熱的または化学的にイミド化す
るポリイミドの製造方法に於いて、 (イ)ジアミンが下記式(I) で表わされるジアミンであり、 (ロ)テトラカルボン酸二無水物が下記式(II) (式中、Rは、 より選ばれた4価の基を表す。) で表わされるテトラカルボン酸二無水物であり、 (ハ)さらに反応が下記式(III) Z−NH2 (III) (式中、Zは、 CH3−,CH3CH2−,CH3(CH2−,(CH32CH−, CH3(CH2−,(CH32CHCH2−,CH3CH2CH(CH3
−, (CH33C−,CH3(CH2−,(CH32CH(CH2
−, CH3CH2C(CH3−,CH3(CH2−,CH3(CH2−, CH3(CH2−,CH3(CH23CH(C2H5)CH2−, CH3(CH2−,CH3(CH2−, から選ばれた1価の基を表わす。) で表わされるモノアミン(以下モノアミンと略称す
る。)の存在のもとに行われ、 (ニ)テトラカルボン酸二無水物1モル比当たジアミン
0.9〜1.0モル比であり、かつモノアミンの量はテトラカ
ルボン酸二無水物1モル当り0.001〜1.0モル比である。
下記式(IV) (式中、Rは前記に同じを表わす。) で表わされる繰り返し単位よりなる成形加工性の良好な
ポリイミドの製造方法である。
本発明の方法で用いられる式(I)で表わされるジア
ミンは、ビス{4−〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェノキシ〕フェニル}スルホンである。
なお、本発明の方法のポリイミドの良好な物性を損な
わない範囲で、上記ジアミンの一部を他のジアミンで代
替して用いることは何ら差し支えない。
一部代替して用いることのできるジアミンとしては、
例えばm−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミ
ン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミ
ン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェ
ニル)エーテル、(3−アミノフェニル)(4−アミノ
フェニル)エーテル、ビス(4−アミノフェニル)エー
テル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−
アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、
ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−ア
ミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)
(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4−アミ
ノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニ
ル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフ
ェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホ
ン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、3,4′−ジアミノ
ベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ビ
ス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、
1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケ
トン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3
−〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼ
ン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メ
タン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2−〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3−アミノフェノキ
シ)−3−メチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕プ
ロパン、2−〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕−2−〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジ
メチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ〕−3,5−ジメチルフェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ〕ビフェニ
ル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)−3−メチ
ルビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)
−3,3′−ジメチルビフェニル、4,4′−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)−3,5−ジメチルビフェニル、4,4′−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)−3,3′,5,5′−テトラメ
チルビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキ
シ)−3,3′−ジクロロビフェニル、4,4′−ビス(3−
アミノフェノキシ)−3,5′−ジクロロビフェニル、4,
4′−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3′,5,5′−テ
トラクロロビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)−3,3′−ジブロモビフェニル、4,4′−ビス
(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジブロモビフェニ
ル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3′,5,
5′−テトラブロモビフェニル、ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)−3−メトキシフェニル〕ス
ルフィド、〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメトキシフ
ェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)−3,5−ジメトキシフェニル〕スルフィド、ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンな
どが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上混合して
用いられる。
また、本発明の方法で用いられる式(II)で表わされ
るテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、エチレ
ンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸
二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、
ピロメリット酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキ
シフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキ
シフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−
ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボ
キシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)スルホン二無水物、4,4′−(p−フェニレン
ジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4′−(m−フェニ
レンジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,3,6,7−ナフタ
レンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテト
ラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカル
ボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸
二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二
無水物などであり、これらテトラカルボン酸二無水物は
単独あるいは2種以上混合して用いられる。
また式(III)で表わされるモノアミンとしては、例
えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミ
ン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチ
ルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、
n−アミルアミン、イソアミルアミン、tert−アミルア
ミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミ
ン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシル
アミン、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、
シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロ
ヘプチルアミン、シクロオクチルアミン、シクロヘキサ
ンメチルアミンなどであり、これらのモノアミンは単独
あるいは2種以上混合して用いられる。
本発明では式(II)を有するテトラカルボン酸二無水
物1.0モル比に式(I)を有するジアミン0.9〜1.0モル
比を使用し、これにモノアミン0.001〜1.0モル比、好ま
しくは0.01〜0.5モル比の存在下で得られるポリアミド
酸を熱的または化学的にイミド化して得られるが、ここ
で使用するモノアミンに本発明の特徴があり、モノアミ
ンはポリイミドの生成時、直接あるいは間接的に反応に
寄与し、ポリイミドの構成成分の一部あるいはポリイミ
ドの生成反応の触媒的作用をはたし、加工性の良いポリ
イミドを得るための主要な役割をするものである。即
ち、モノアミンが0.001モル比以下では加工性の良いポ
リイミドを得ることはできず、また逆に1.0モル比以上
使用すると良好な機械的特性を有するポリイミドが得ら
れない。
モノアミンが0.001〜1.0モル比の存在下で良好な加工
性を有するポリイミドを製造できるが、この場合ポリイ
ミドの原料であるテトラカルボン酸二無水物とエーテル
ジアミンとの使用割合は、テトラカルボン酸二無水物1.
0モル比に対し、エーテルジアミン0.9〜1.0比を使用す
る場合に効果があり、この範囲以外では本発明の高温で
熱安定性のよいポリイミドを得ることはできない。
以上エーテルジアミン、テトラカルボン酸二無水物及
びモノアミンを使用してポリイミドを製造するが、この
場合ポリイミドの公知の製造方法はすべて利用できる。
即ち、 (イ)ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を反応させ
た後に、モノアミンを添加して反応を続ける方法、 (ロ)テトラカルボン酸二無水物にモノアミンを添加し
反応させた後、さらにジアミンを加えて反応を続ける方
法、 (ハ)ジアミン、テトラカルボン酸二無水物、モノアミ
ンを同時に添加、反応させる方法 など、 いずれの添加、反応をとっても差し支えない。
反応温度は0℃〜250℃で行われるが、通常は60℃以
下の温度で行われる。
反応圧力は特に限定されず、常圧で十分実施できる。
反応時間は、使用するテトラカルボン酸二無水物、モ
ノアミン、溶剤の種類および反応温度により異なるが、
通常4〜24時間で十分である。
このような反応により、下記式(V)の繰り返し単位
よりなるポリアミド酸が生成される。
(式中、Rは前記に同じ) このポリアミド酸を100〜400℃に加熱脱水するか、ま
たは通常用いられるイミド化剤、例えばトリエチルアミ
ンと無水酢酸などを用いて化学イミド化することにより
下記式(IV)の繰り返し単位よりなる対応するポリイミ
ドが得られる。
(式中、Rは前記に同じ。) 一般的には低い温度でポリアミド酸を生成させた後
に、さらにこれを熱的または化学的にイミド化すること
が行われる。しかし60℃〜250℃の温度で、このポリア
ミド酸の生成と熱イミド化反応を同時に行ってポリイミ
ドを得ることもできる。すなわち、ジアミン、テトラカ
ルボン酸二無水物、モノアミンを有機溶媒中に懸濁また
は溶解させた後加熱下に反応を行い、ポリアミド酸の生
成と脱水イミド化とを同時に行わせて上記式(IV)の繰
り返し単位よりなるポリイミドを得ることもできる。
又、有機溶媒を使用しないでエーテルジアミン、テト
ラカルボン酸二無水物、モノアミン、三者を粉末状態で
混合後、化学イミド化剤の存在または非存在下で処理し
てポリイミドにする方法等も用いられる。
本発明のポリイミドを溶融成形に供する場合、本発明
の目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスル
フィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、変性
ポリフェニレンオキシドなどを目的に応じて適当量を配
合することも可能である。またさらに通常の樹脂組成物
に使用する次のような充填剤などを、発明の目的を損な
わない程度で用いてもよい。すなわちグラファイト、カ
ーボランダム、ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素樹
脂などの耐摩耗性向上材、ガラス繊維、カーボン繊維、
ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、カーボンウィスカー、ア
スベスト、金属繊維、セラミック繊維などの補強材、三
酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムな
どの難燃性向上剤、クレー、マイカなどの電気的特性向
上材、アスベスト、シリカ、グラファイトなどの耐トラ
ッキング向上剤、硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カ
ルシウムなどの耐酸性向上剤、鉄粉、亜鉛粉、アルミニ
ウム粉、銅粉などの熱伝導度向上剤、その他ガラスビー
ズ、ガラス球、タルク、ケイ藻土、アルミナ、シラスバ
ルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色料などである。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説
明する。
実施例1 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反
応器に、N,N−ジメチルアセトアミド4560g及び無水ピロ
メリット酸218g(1.0モル)を装入し、ビス{4〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕フェニル}スル
ホン586g(0.95モル)を室温で窒素雰囲気下、溶液温度
の上昇に注意しながら分割して加え、室温で約20時間か
きまぜた。この時得られたポリアミド酸の対数粘度は0.
56dl/gであった。なお対数粘度はN,N−ジメチルアセト
アミドを溶媒とし、濃度0.5g/100ml溶媒、35℃で測定し
た値である。(以下同じ)。
このポリアミド酸溶液に、室温で窒素雰囲気下にn−
ヘキシルアミン15.2g(0.15モル)を加え、さらに1時
間かきまぜた。次いで、この溶液に202g(2モル)のト
リエチルアミンおよび306g(3モル)の無水酢酸を滴下
した。滴下終了後約2時間で黄色のポリイミド粉が析出
し始めた。さらに室温で20時間かきまぜて、反応物をメ
タノールに排出ろ過した。さらにメタノールに分散洗浄
し、ろ別、180℃で2時間乾燥して、744gのポリイミド
粉を得た。このポリイミド粉のガラス転移温度は285
℃、融点は420℃(DSCによる。以下同じ。)であった。
本実施例で得られたポリイミド粉末を用い、高化式フ
ローテスター(島津製作所、CFT−500、オリフィス直径
0.1cm、長さ1cm)で、溶融粘度と圧力(剪断速度)との
関係を測定した。図1は440℃の温度に5分間保った
後、剪断速度を種々変えて測定した溶融粘度と剪断速度
との関係である。
比較例1 n−ヘキシルアミンを使用しない以外は、実施例1と
同様にして730gの淡黄色ポリイミド粉を得た。得られた
ポリイミド粉の対数粘度は、0.62dl/gであった。
このポリイミド粉を用い、実施例1と同様にフローテ
スターにて溶融粘度の測定を行い、図1に示す結果を得
た。
実施例2 実施例1と同様の装置にビス{4−〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン585.9g
(0.95モル)及びシクロヘキシルアミン9.9g(0.1モ
ル)とジメチルアセトアミド5160gを装入し、室温で窒
素雰囲気下、294g(1.0モル)の3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物を溶液温度の上昇に注意し
ながら加え、室温で約20時間かきまぜた。得られたポリ
アミド酸の対数粘度は0.51であった。
次に、この溶液に202g(2モル)のトリエチルアミン
および306g(3モル)の無水酢酸を滴下した。20時間か
きまぜて淡黄色のスラリーを得た。このスラリーをろ過
し、メタノールで洗浄、180℃で8時間減圧乾燥して、8
49gの淡黄色ポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の
ガラス転移温度は261℃であった。
本実施例で得られたポリイミドの成形安定性をフロー
テスターのシリンダー内滞留時間を変えて測定した。温
度は380℃、圧力は100kg/cm2で行った。図2に結果を示
す。シリンダー内での滞留時間が長くなっても、溶融粘
度は殆ど変化せず、熱安定性の良好なことがわかる。
比較例2 実施例2と全く同様に、但し、シクロヘキシルアミン
を使用せず淡黄色のポリイミド粉末を得た。
ポリイミド粉のガラス転移温度は261℃であった。実
施例2と同様にフローテスターシリンダー内での滞留時
間を変え、溶融粘度を測定したところ、滞留時間が長く
なるにしたがって溶融粘度が増加し、実施例2で得られ
たポリイミドに比べて熱安定性の劣るものであった。
実施例3 実施例1と同様の装置に、ビス{4−〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン586g
(0.95)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテ
ル二無水物310g(1.0モル)、n−オクチルアミン12.9g
(0.1モル)および5250gのm−クレゾールを装入し、窒
素雰囲気下に、かきまぜながら加熱昇温し、150℃で3
時間かきまぜを続けた後、ろ過してポリイミド粉を得
た。
さらにこのポリイミド粉はメタノールおよびアセトン
で洗浄し、精製した。
このポリイミド粉のガラス転移温度は235℃で、対数
粘度は0.56dl/gであった。
実施例1と同様、温度360℃、圧力100kg/cm2により、
フローテスターにて溶融粘度の測定を行った。
第3図に結果を示す。
比較例3 n−オクチルアミンを使用しない以外は、実施例3と
同様にして、対数粘度0.56dl/g、ガラス転移温度231℃
のポリイミドを得た。
実施例1と同様の測定を360℃で行った。結果を第3
図に示す。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、ポリイミドが本来もっている
優れた特性に加え、長時間高温に保っても溶融粘度は殆
ど変化せず安定で、且つ成形圧力(剪断速度)が低くて
も、溶融粘度の上昇は極めて少なく、成形加工性の優れ
たポリイミドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1および比較例1で得られたポリイミド
の成形時のせん断速度と溶融粘度との関係を示すグラ
フ、第2図は実施例2および比較例2で得られたポリイ
ミドの成形時の熱安定性を示すための、滞留時間と溶融
粘度の関係を示すグラフ、第3図は実施例3および比較
例3で得られたポリイミドのせん断速度と溶融粘度との
関係を示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを
    反応させ、得られたポリアミド酸を熱的または化学的に
    イミド化するポリイミドの製造方法に於いて (イ)ジアミンが下記式(I) で表わされるジアミンであり、 (ロ)テトラカルボン酸二無水物が下記式(II) (式中、Rは より選ばれた4価の基を表す。) で表されるテトラカルボン酸二無水物であり、 (ハ)さらに反応式が下記式(III) N−H2 (III) (式中、Zは CH3−,CH3CH2−,CH3(CH2−,(CH32CH−, CH3(CH2−,(CH32CHCH2−,CH3CH2CH(CH3
    −, (CH33C−,CH3(CH2−,(CH32CH(CH2
    −, CH3CH2C(CH3−,CH3(CH2−,CH3(CH2−, CH3(CH2−,CH3(CH23CH(C2H5)CH2−, CH3(CH2−, から選ばれた1価の基を表わす。) で表わされるモノアミンの存在のもとに行われ、 (ニ)テトラカルボン酸無水物1モル比に対しジアミン
    0.9〜1.0モル比であり、かつモノアミンの量はテトラカ
    ルボン酸二無水物1モル当り0.001〜1.0モル比である下
    記式(IV) (式中、Rは前記と同じを表わす。) で表わされる繰り返し単位よりなる成形加工性の良好な
    ポリイミドの製造方法。
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