JP2558320Y2 - ソレノイドバルブ - Google Patents

ソレノイドバルブ

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JP2558320Y2
JP2558320Y2 JP1990102564U JP10256490U JP2558320Y2 JP 2558320 Y2 JP2558320 Y2 JP 2558320Y2 JP 1990102564 U JP1990102564 U JP 1990102564U JP 10256490 U JP10256490 U JP 10256490U JP 2558320 Y2 JP2558320 Y2 JP 2558320Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は流体路の切り換えバルブとして利用できるソ
レノイドバルブに関するものである。
(従来技術) 従来からソレノイドバルブには、米国特許第4578662
号に示されるもの等が公知である。
第3図は、かかるソレノイドバルブの一例を示す断面
図で、プリント101とロッド102との間に隙間が形成され
る。
第3図に示すように、ソレノイド103の通電時にはプ
ランジャ107が図示右方に移動する。
この時には、プランジャ107に固定されたロッド102が
弁子108を付勢することによって、弁座106と弁子108が
離れ、流路104からの油が弁座106と弁子108の間隙を通
って排出口(図示省略)から排出される。
この時、油はプレート101とロッド102との隙間を通
り、ソレノイド103とプランジャ107との隙間にも流入す
る。そして、この隙間内で油中の磁性異物がソレノイド
103の磁力によって吸収されたり、堆積したりしてプラ
ンジャ107が動作不良をおこして、バルブの働きが悪く
なるという不都合があった。
そこで、第4図に示す三方向切換えソレノイドバルブ
が提案された。このソレノイドバルブは、第3図におけ
るソレノイドバルブ103・プランジャ107間の異物流入を
防ごうとするものである。
第4図において、ソレノイドバルブ100は磁気回路200
と流体流路300から構成され、コイル201はボビン202に
巻回され、ソレノイド203を構成する。
先ず、磁気回路200の構成を説明する。
ソレノイド203の一端および内側と当接されているヨ
ーク204の内側にはスリーブ205が固定され、このスリー
ブ205内にプランジャ206が摺動可能に装架されている。
そして、プランジャ206がヨーク204内から抜け出さな
いようプランジャ206の一端に鍔部が設けられ、スリー
ブ205と係止するようになっている。
また、ソレノイド203の他端及び内側と当接しプラン
ジャ206と一定の間隔を形成するように、コア207がソレ
ノイド203に固定されている。
さらに、プランジャ206のコア207側の面からは、シャ
フト208がコア207の内側と一定の隙間を形成するように
コア207を突き抜け外部へ延設され、プランジャ206とと
もにその長手方向に可動となっている。
次に、流体回路300の構成を説明する。
第4図において、バルブベース301の内部には、一端
開口の空間302とこれに接する弁体306が設けられ、空間
302の図示上部には外部と連通する排出ポート305aが、
弁体306には、それぞれ外部と連通する吸気ポート305b
と被制御ポート305cとが設けられている。
弁体306には、二つの弁子306a,306bと、これらの弁子
306a,306bに挟まれる球体306cと、バルブベース301に一
体的に設けられた上記空間302側の弁座301aと、バルブ
ベース301に一体的に設けられた吸気ポート305b側の弁
座301bとからなる。
また、空間302内には、排出ポート305aと吸気ポート3
05b、被制御ポート305cとを連通するための流路305を有
した耐摩耗性、摺動性に優れたポリイミド系の樹脂製の
ガイドブッシュ307が一端開口部より挿入されている。
磁気回路200と流体流路300は、コア207とバルブベー
ス301の一端開口側の面とを当接させてケース400にてか
しめ固着されている。
また、プランジャ206より外部へ延設するシャフト208
は、ガイドブッシュ307内を通り抜け弁子306aと当接さ
れる。
なお、プランジャ206とシャフト208と弁体306は、同
一中心線A−A上に直列的に配設されている。
また、シャフト208とガイドブッシュ307の間は、良好
な摺動性を得、かつ油中異物をかみ込まない程度にシー
ルされている。
これにより空間302とコア207とシャフト208との間の
隙間とは、ガイドブッシュ307によりシールされるため
磁気回路300内に異物が流れ込むことはない。
なお、ガイドブッシュ307は、シャフト208の長手方向
移動をガイドする役目をする。
(考案が解決しようとする課題) 第4図に示すソレノイドバルブでは、異物対策として
油路と磁路を分離させるために、ポリイミド系の樹脂製
のガイドブッシュ307を配置し、耐摩耗性、摺動性が向
上するようにした。
ところが、第4図のソレノイドバルブでは、油路305
の形成に複雑な作業工程が必要になるだけでなく、空間
302の隅部には異物がたまり易い構造となる。
そして、異物が堆積した場合には、弁子306a、弁座30
1aが動作不良を起こし、バルブの働きが悪くなるおそれ
がある。
また、ガイドブッシュ307は樹脂製であるために、熱
膨張の影響を受け易く、シャフト208との隙間のクリア
ランス変化が大きくなる。そのため、異物を通さないよ
うにするため、クリアランスを小さくすると、熱膨張に
よるスティックのおそれがあり、クリアランスの設定が
難しくなるという不都合が生じる。
(課題を解決するための手段及び作用) そこで、本考案のソレノイドバルブは、磁気回路部の
ソレノイド内に摺動可能に装架したプランジャの一側に
延設されたロッドが、流体流路部側のバルブベース内の
弁体に離接し応動させることによりバルブの切り替えを
行うソレノイドバルブにおいて、鍔部を有するガイドブ
ッシュが、プランジャと対向して配設された磁気回路の
コアに流体流路側から圧入され、このガイドブッシュに
微少隙間をもって前記ロッドが摺動自在に嵌挿されガイ
ドされるとともに、前記鍔部の外周面が前記バルブベー
スに当接してソレノイドに対してバルブベースを位置決
めするようにしたことを特徴とする。
この構成により、コアに圧入されたプランジャの鍔部
外周面がバルブベースのブッシュを嵌め込む孔の内径面
に当接して、バルブベースをプランジャ、コアと同軸に
保持することができる。
また、本考案のソレノイドバルブは、磁気回路部のソ
レノイド内に摺動可能に装架したプランジャの一側に延
設されたロッドが、流体流路部側のバルブベース内の弁
体に離接し応動させることによりバルブの切り替えを行
うソレノイドバルブにおいて、内径面に摺動性の良い樹
脂をコーティングした非磁性金属製のガイドブッシュ
が、プランジャと対向して配設された磁気回路のコアに
流体流路側から圧入され、このガイドブッシュに微少隙
間をもって前記ロッドが摺動自在に嵌挿されガイドされ
ることを特徴とする。
この構成により、磁気回路部の磁束は、非磁性のガイ
ドブッシュを避けてその外周のコア内を通る。従って、
流体回路中の油を懸濁する鉄粉等がガイドブッシュに吸
引され、ロッドの摺動を妨げるようなことは起こらなく
なる。しかも、ガイドブッシュ本体の非磁性金属材料
は、コア同様金属材料であるから、コアとの熱膨張係数
の差はあまりないので、ガイドブッシュの熱膨張がロッ
ドとのスティックを起こすこともない。
(実施例) 次に、本考案の実施例を第1図の断面図に基づいて説
明する。
第1図において、ソレノイドバルブAは磁気回路部と
流体流路部から構成されている。
先ず、磁気回路部について説明する。
コイル9はボビン13に巻回され、樹脂14にてモールド
一体形成され、ソレノイドを構成する。
ソレノイドの一端にはヨーク8が当接され、このヨー
ク8の内径とボビン13の内径の一部にかけては、ソレノ
イドと同軸にスリーブ10が固定され、このスリーブ10内
にプランジャ7が摺動可能に装架されている。
そして、かかるソレノイドバルブAでは、プランジャ
7がヨーク8内から抜け出さないようヨーク8の他端に
当接するストッパ15がハウジング6にてヨーク8と同時
にカシメ固定されている。
また、ソレノイドの他端及び内側と当接し、プランジ
ャ7と一定の間隔を保って対向するようにコア5がソレ
ノイドに固定され、このコア5とヨーク8、プランジャ
7およびハウジング6により磁気回路が構成されてい
る。
さらに、プランジャ7に固定され、これとともにソレ
ノイドの軸線方向に移動可能なロッド4が、コア5の内
側に一定の隙間を保って貫挿され、更にコア5を突き抜
け外部に延設されている。
コア5の内径には、樹脂をコーティングしたロッド4
を案内する非磁性金属製のガイドブッシュ11を後述する
流体流路部側から圧入して磁路と油路を分離するよう構
成する。
ガイドブッシュ11とロッド4の間の隙間は、流体流路
側の油中異物がかみ込まない程度に微少にする。
次に、流体回路部について説明する。
バルブベース1内には、ブッシュ3が挿入され、空間
31を形成する。
この空間31は、供給ポート23および被制御ポート21を
通し外部につながっている。
また、ブッシュ3の貫通孔30を通じ排出ポート20にて
外部につながっている。
空間31内には、弁体であるボール2が配置され、バル
ブベース1の弁座部1aとブッシュ3の弁座部3aに当接す
るようになっている。
上記構成の磁気回路部と流体流路部は、図に示すよう
に、バルブベース1の内周面をガイドブッシュ11の鍔部
11aの外周面に当接、位置決めし、バルブベース1をコ
ア5に当接してハウジング6にてカシメ固着されてい
る。
さらに、プランジャ7より外部に延設されたロッド4
は、ブッシュ3内を通り抜けボール2と当接するように
なっている。
次に、本実施例のオン−オフ動作について説明する。
非通電時には、供給ポート23から油圧Psにより、ボ
ール2がバルブベース1の弁座部1aから離れてブッシュ
3の弁座部3aに当接し、排出ボート20へ流路をふさぎ、
供給ポート23と被制御ポート21がつながる。
一方、通電時には、磁気力によりプランジャ7がコア
5に吸引される。
プランジャ7の動きがロッド4、これに当接するボール
2に伝わり、ボール2がブッシュ3の弁座部3aから離れ
てバルブベース1の弁座部1aに当接し、供給ポート23側
の流体流路をふさぎ、被制御ポート21と排出ポート20が
つながる。
流体は、被制御ポート21からブッシュ3の貫通孔30と
ロッド4の間を通り排出ボート20から排出される。
その間の油路が真っすぐな上に、弁座部3aがテーパ化
されていることもあり、管路抵抗が小さくなり、流体が
スムーズに流れる。
そして、ブッシュ3の弁座部3aには、異物がたまりに
くい。
なお、ロッド4とブッシュ3の貫通孔30のクリアラン
スは300μm程度の異物も十分通過するように設定する
ことができる。
これに対して従来のソレノイドバルブでは、第4図の
プランジャ206の摺動部には、ガイドブッシュ307によ
り、異物が侵入するのを防ぐことができるものの、ガイ
ドブッシュ307とバルブベース301の間に形成される排出
路305の隅部には、異物がたまるおそれがあり、それが
原因でボール306aの動きに悪影響を及ぼし、最悪時には
弁閉止不良、作動不良になるおそれがあった。
また、本実施例のガイドブッシュ11は、プランジャ7
の摺動部への異物侵入を防止するとともに、ロッド4の
ガイド機能を持つ。
すなわち、本実施例では、ロッド4がガイドブッシュ
11内に微少な隙間をもってガイドされ、軸方向に安定し
た動作ができることにより、排出路であるロッド4とバ
ルブベースのブッシュ3のクリアランスを安定して保つ
ことができる。
また、ガイドブッシュ11は、磁気回路に影響を及ぼさ
ない程度の外形寸法とし、内径側には摺動性の良い樹脂
を50〜100μm程度コーティングした非磁性の金属製と
する。
従って、樹脂厚さが相対的に薄いので熱膨張の影響を
受けにくく、ロッドをスティック状態にすることがな
い。
さらに、上記ガイドブッシュ11は、第1図の右側の鍔
部の外周面がバルブベース1との位置決めの役割を果
し、磁気回路部と流体流路部とのカシメ固定の際に、プ
ランジャ7、ロッド4とバルブベース1との同心性が容
易に確保される。
従来のソレノイドバルブでは、第4図に示すように、
ガイドブッシュ307の材質が樹脂である。
シャフト208の断面積に対するガイドブッシュ307の断
面積比が大きいため、熱膨張によるガイドブッシュ307
とシャフト208間のクリアランス変化が大きくなる。
そのため、異物の遮断のため最適クリアランス確保が
難しくなり、最悪時にはロッドのスティックを起こした
り、逆に、異物の通過を許したりすることになり易く、
満足なガイド機能が果せなくなる。
シャフト208をガイドするガイドブッシュ307は、コア
207に挿入されるものではなく、バルブベース301に挿入
され、バルブベース301はコア207とケース400によって
カシメ固定される。このカシメ固定の際は、ガイドブッ
シュ307に挿入された比較的細くて先が撓みやすいシャ
フト208が基準となるのだから、カシメ固定後のプラン
ジャ206、シャフト208とバルブベース301の同心性はく
ずれやすく、弁の作動不良、閉止不良を起こしやすい。
第2図は本考案の別の実施例を示す図で、例えば、弁
座部の耐摩耗性が特に要求される場合、バルブベース1
にブッシュ12を挿入する。
この時には、ブッシュ3もブッシュ12と同材質とす
る。
(考案の効果) 上記のように本考案によれば、従来の樹脂製ガイドブ
ッシュと比較して、樹脂部の肉厚が少なくてすみ、熱膨
張による影響をうけづらくなり、ロッドとガイドブッシ
ュのクリアランスを一定に保つことができ、また排出路
の管路抵抗を小さくすることができ、流体を流れやすく
することができる。
また、コアに圧入したガイドブッシュの鍔部がバルブ
ベースを径方向に位置決めすることにより、製造コスト
の低い構造でありながら、弁座部とロッドとの同軸性を
確保し、バルブ作動の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の第1の実施例を示す断面図、第2図は
本考案の第2の実施例を示す断面図、第3図及び第4図
は従来のソレノイドバルブの例を示す断面図である。 図中で、 1……バルブベース 2……弁体(ボール) 3……ブッシュ 4……ロッド 5……コア 6……ハウジング 7……プランジャ 8……ヨーク 9……コイル 11……ガイドブッシュ

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気回路部のソレノイド内に摺動可能に装
    架したプランジャの一側に延設されたロッドが、流体流
    路部側のバルブベース内の弁体に離接し応動させること
    によりバルブの切り替えを行うソレノイドバルブにおい
    て、鍔部を有するガイドブッシュが、プランジャと対向
    して配設された磁気回路のコアに流体流路側から圧入さ
    れ、このガイドブッシュに微少隙間をもって前記ロッド
    が摺動自在に嵌挿されガイドされるとともに、前記鍔部
    の外周面が前記バルブベースに当接してソレノイドに対
    してバルブベースを位置決めするようにしたことを特徴
    とするソレノイドバルブ。
  2. 【請求項2】磁気回路部のソレノイド内に摺動可能に装
    架したプランジャの一側に延設されたロッドが、流体流
    路部側のバルブベース内の弁体に離接し応動させること
    によりバルブの切り替えを行うソレノイドバルブにおい
    て、内径面に摺動性の良い樹脂をコーティングした非磁
    性金属製のガイドブッシュが、プランジャと対向して配
    設された磁気回路のコアに流体流路側から圧入され、こ
    のガイドブッシュに微少隙間をもって前記ロッドが摺動
    自在に嵌挿されガイドされることを特徴とするソレノイ
    ドバルブ。
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