JP2558170B2 - 角缶の製造方法 - Google Patents

角缶の製造方法

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JP2558170B2 JP2079830A JP7983090A JP2558170B2 JP 2558170 B2 JP2558170 B2 JP 2558170B2 JP 2079830 A JP2079830 A JP 2079830A JP 7983090 A JP7983090 A JP 7983090A JP 2558170 B2 JP2558170 B2 JP 2558170B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、角缶胴の端縁と缶端板の周縁とを三重に
巻締めて、高い耐圧性を得るようにした角缶の製造方法
に関する。
(従来の技術) 従来、金属製の角缶(例えば、ガロン缶と称されてい
る缶)の製造は、缶胴板の側端縁をはぜ合せ又は溶接に
より接合して角缶胴を形成し、該角缶胴の端縁に形成し
たフランジ縁と缶胴板の周縁を巻締めて完成している。
前記フランジ縁と缶端板の周縁の巻締は、通常二重巻
とされ、この巻締部内には接着剤が介装されて、気密性
を向上している。
また、缶胴のフランジ縁と缶の端板の周縁とを巻締を
三重に巻締める技術は、ドラム缶の製造技術において知
られているが(例えば、実公昭62−33700号、特公昭62
−7056号)、角缶については採用されていなかった。
(発明により解決すべき課題) 即ち角缶においては、フランジ縁を三重巻に必要な幅
とした場合、角缶胴の隅部において、フランジ縁に反り
が生じたり、接合部のフランジ縁に段差が形成される
為、円滑な巻締めができない問題点があった。
又、缶胴板の側端縁をはぜ合せにより接合した場合に
は、この接合部が四層で構成されて、角缶胴の外側に突
出する結果、三重の巻締によって太径となった巻締部
が、この突出した接合部に当り、シーミングロールの円
滑な移動が損なわれるなど、巻締工程が円滑に進行しな
いという問題点もあった。
(課題を解決する為の手段) この発明は、前記フランジ縁の反りや段差を修正して
平坦化し、又はサブフランジ加工によって修正し、又、
接合部の突出部を圧縮により後退させた後、巻締めを行
なうようにして、前記各問題点を解決し、円滑な製造を
可能にしたのである。
即ちこの発明は、缶胴板の側端縁を互いにはぜ合せに
より接合して角缶胴を形成した後、缶端板との巻締を行
なう角缶の製造方法においては、前記フランジ縁を三重
の巻締に必要な幅とし、前記角缶胴の隅部のフランジ縁
に平坦化加工を行なうと共に、前記はぜ合せによる接合
部の、フランジ縁に隣接する部分に圧縮処理を行なった
後、前記フランジ縁と缶端板の周縁を三重に巻締めるこ
とを特徴とした角缶の製造方法である。
又、缶胴板の側端縁を溶接により接合して角缶胴を形
成した後、缶端板との巻締を行なう角缶の製造方法にお
いては、前記フランジ縁と三重の巻締に必要な幅とし、
前記角缶胴の隅部のフランジ縁に平坦化加工を行なった
後、前記フランジ縁と缶端板の周縁を三重に巻締めるこ
とを特徴とした角缶の製造方法である。
前記において、フランジ縁と缶端板の周縁の巻締中、
角缶胴の他端側のフランジ縁を案内部材に嵌合して保定
することによって巻締工程中の角缶胴の変形を避け、巻
締部分の歪を防止するのが望ましいが、角缶胴の他端側
に、既に缶端板が巻締められている場合には、角缶胴の
変形は避けられるので、このよう案内部材は不要であ
る。
又、角缶胴のフランジ縁と缶端板の周縁の巻締は、径
を順次大きくした複数のシーミングロールで多段階(例
えば6段階)に行なうようにして、全周に亘って均一な
巻締部を形成するようにするのが望ましい。
次に他の発明は、缶胴板の側端縁を互いにはぜ合せに
より接合して角缶胴を形成し、該角缶胴の端縁に形成し
たフランジ縁と、缶端板の周縁を巻締めて角缶を製造す
る方法において、前記フランジ縁を三重の巻締に必要な
幅とし、前記角缶胴の端縁に外壁断面凹弧状のサブフラ
ンジ加工を行ない、ついで本フランジ加工を行なった
後、前記フランジ縁と缶端板の周縁とを三重に巻締める
ことを特徴とした角缶の製造方法である。
また、缶胴板の側端縁を溶接により接合して角缶胴を
形成し、該角缶胴の端縁に形成したフランジ縁と、缶端
板の周縁を巻締めて角缶を製造する方法において、前記
フランジ縁を三重の巻締に必要な幅とし、前記角缶胴の
端縁に外壁断面凹弧状のサブフランジ加工を行ない、つ
いで本フランジ加工を行なった後、前記フランジ縁と缶
端板の周縁とを三重に巻締めることを特徴とした角缶の
製造方法である。更に、サブフランジ加工は、押し型に
より形成し、上向傾斜で45度前後の外壁断面凹弧状とし
たものである。
(作用) この発明の角缶の製造方法によれば、フランジ縁の反
りや段差を修正し、かつはぜ合せにより接合した角缶胴
の場合においては、接合部の、フランジ縁に隣接する部
分を圧縮処理した後に、フランジ縁と缶端板の周縁を三
重に巻締めるので、巻締を円滑に行なうことができる。
また、サブフランジ加工後、本フランジ加工を行なう
発明にあっては、フランジ縁に平坦化加工を行なうこと
なく、巻締が円滑に行なえることになった。
(実施例1) 以下、この発明を実施例に基づいて説明する。
第1図はこの発明の実施例の工程を示した図であっ
て、第1図(a)に示したような形状の缶胴板1を形成
した。即ち、両側端縁にはぜ合せ部2a、2bを設け、上下
端縁にフランジ縁3a,3bを設ける。前記フランジ縁3a、3
bは三重巻が可能のように、通常の二重巻の場合の約2
倍(6〜6.3mm)にした。
次に、第1図(b)に示したように缶胴板1の周縁部
の、はぜ合せ部2a、2bおよびフランジ縁3a、3bの表面に
接着剤4を塗布し乾燥させた。前記はぜ合せ部2a、2b
中、上はぜとなるはぜ合せ部2bは裏面(b′)にも接着
剤4aを塗布して乾燥させた。
次に通常の缶胴成形機により、第1図(c)に示した
ように角缶胴5を形成し、ついで該角缶胴5の上下端部
には第1図(d)に示したように、フランジ縁3a、3bを
形成した。前記第1図(c)、(d)において6は、は
ぜ合せによる接合部である。
以上の工程は、通常の缶の製造方法と略同様であっ
て、フランジ縁3a、3bが三重巻締に必要な幅とするべく
幅Wが二重巻締の場合の約2倍(6〜6.3mm)となって
いる点で異っている。
通常の缶の製造方法においては、缶胴形成後、フラン
ジ縁に缶端板を重ねて、フランジ縁と缶端板の周縁をシ
ーミングチャックとシーミングローラによって巻締める
のであるが、この実施例においは、この巻締前に次のよ
うな処理を行なった。
即ち、前記フランジ縁3a、3bは幅Wを三重巻締に必要
な幅とした為に、角缶胴5の接合部6を除く隅部におい
ては、第2図(a)に示したように端縁側7が反り返え
ることが避けられない。そこで、この角缶胴5の隅部の
フランジ縁3a、3bを第2図(b)のように平坦化加工
し、端縁側7の反りを除去した。
又、角缶胴の接合部6が位置する隅部のフランジ縁3
a、3bにおいては、第3図(a)に示したように、缶胴
板1の重合による段差8が構成される。そこでこの接合
部6が位置する隅部のフランジ縁3a、3bに対しても、前
記同様に平坦化加工を施し、第3図(b)に示したよう
にフランジ縁3a、3bの表面側の段差8を除去した。
次に前記接合部6は、はぜ合せによって缶胴板1が四
層に重合しており、外側に突出しているので、フランジ
縁3a、3bに隣接する部分を第4図に示したように、押圧
により圧縮処理し突出を除去する矯正を行なった。
以上のような処理を行なった後、第1図(e)のよう
に角缶胴5の一端側へ缶端板9(地板となる)を重ね
て、シーミングチャック10とシーミングロール11でフラ
ンジ縁3aと缶端板9の周縁9aを三重に巻締めた後、同様
にして第1図(f)のように角缶胴5の他端側へ缶端板
9(天板となる)を重ねてフランジ縁3bと缶端板9の周
縁9aを三重に巻締めて、三重巻締による角缶を完成し
た。
この場合、角缶胴5の一端側のフランジ縁3aと缶端板
9の周縁9aを巻締める際には、角缶胴5の他端開放側に
は、案内部材12を嵌合することにより保定して、角缶胴
5の変形を防止し、フランジ縁3aが歪を内在しながら巻
締められるのを回避した。
又、三重の巻締を行なうに当って、シーミングロール
11は第5図(a)〜(f)に示したように、その径NDを
変化させた6種類を用意し、順次径NDの大きいシーミン
グロール11に交換して、角缶胴の隅部および辺部と対応
する巻締部の押圧のバランスを保つようにし、均一な巻
締部を構成するようにした。
第7図は実施例で形成した巻締部13の断面を表わした
もので、缶胴板1および缶端板9が7層で重合してい
る。
以上、角缶胴5の接合部6がはぜ合せによって構成さ
れる場合について説明したが、接合部6を溶接によって
構成する場合も同様に実施することができる。
溶接による接合部6では、缶胴板1の重合による、外
側への突出は形成されないので、第4図で説明した押圧
による圧縮処理は不要であり、第2図および第3図で説
明したフランジ縁3a、3bの平坦化加工のみを行なう。
(実施例2) 次のこの発明の他の実施例を第6図に基づいて説明す
る。
前記実施例1においては、缶胴端縁のフランジ加工
(第1図(d))において、フランジ端縁が第2図
(a)のように反り代えることが避けられないと説明し
た。そこで実施例1では前記反り返えりの修正として、
平坦加工(第2図(b))を行なったが、この実施例に
おいては、前記反り返えりを未然に防止するフランジ成
形方法を示すものである。
即ち、缶胴5の端縁にフランジを成形する際に、先づ
第6図(a)の3a、3bのように、ほぼ45度の斜上向き
に、外壁断面凹弧状14に形成する。この場合の突出量L0
は、同図中(b)の本フランジの突出量L1より小さくし
てある(例えば1/2以下)。このように本フランジ3a、3
bを形成した場合に端縁15は若干下向きになっている。
前記のように平坦加工後(第2図(b))より、巻締加
工し易い状態になっているので、平坦加工の必要はな
い。
本フランジ形成後は、実施例1と同様にして巻締めを
行なうことになる。但し、巻締めに際しては、第5図中
(a)、(b)を一度に行なって5段階の巻締工程と
し、又は第5図中(a)、(b)と、第5図中(c)、
(d)の4段階の工程を2段階の工程に省略することに
より、全4段階工程とすることもできる。
前記のように、この実施例によれば、サブフランジ成
形を経て本フランジを成形をする為に、平坦加工が不要
となり、かつフランジの形状が巻締し易い形状となる利
点がある。
(発明の効果) 以上に説明したように、この発明によれば、缶胴端部
のフランジ縁に平坦化加工を施した後、その端縁と缶端
板の周縁を巻締めるので、該部の三重巻締が円滑にでき
る。従って、高耐圧の角缶を能率良く製造できる効果が
ある。
また、サブフランジ加工した場合には平坦化加工を施
すことなく、円滑に三重巻締を行なうことができる。
次に、フランジ縁と缶端板の周縁の巻締中、角缶胴の
他端側のフランジ縁を案内部材に嵌合して保定するよう
にすれば、巻締められるフランジ縁に歪が内在されるこ
とがなく、安定した三重の巻締部を構成できる効果があ
る。
又、巻締を径NDを順次大きくした複数のシーミングロ
ールで多段階に行なうようにすれば、角缶胴の隅部と対
応する巻締部と辺部に対応する巻締部の加工圧力のバラ
ンスを保ち、全周に亘って均一な巻締部を構成できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図(a)〜(f)はこの発明の実施例の加工工程を
説明する図、第2図(a)は同じく実施例における角缶
胴の隅部のフランジ縁の平坦化加工前の一部拡大断面
図、第2図(b)は同じく平坦化加工後の一部拡大断面
図、第3図(a)は同じく実施例における角缶胴の接合
部のフランジ縁の平坦化加工前の円周方向の一部拡大断
面図、第3図(b)は同じく平坦化加工後の円周の一部
方向拡大断面図、第4図は同じく実施例における角缶胴
の接合部の一部拡大断面図、第5図(a)〜(f)は同
じく実施例におけるシーミングロールの径NDが順次変化
する状態を説明する図、第6図(a)、(b)は同じく
サブフランジ加工(a)及び本フランジ加工(b)後に
おけるフランジの形状を示す一部拡大断面図、第7図は
同じく実施例で構成した巻締部の一部拡大断面図であ
る。 1…缶胴板、3a、3b…フランジ縁 5…角缶胴、6…接合部 9…缶端板、11…シーミングロール 12…案内部材、13…巻締部

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】缶胴板の側端縁を互いにはぜ合せにより接
    合して角缶胴を形成し、該角缶胴の端縁に形成したフラ
    ンジ縁と缶端板の周縁を巻締めて角缶を製造する方法に
    おいて、前記フランジ縁を三重の巻締に必要な幅とし、
    前記角缶胴の隅部のフランジ縁に平坦化加工を行なうと
    共に、前記はぜ合せによる接合部の、フランジ縁に隣接
    する部分に、圧縮処理を行なった後、前記フランジ縁と
    缶端板の周縁を三重に巻締めることを特徴とした角缶の
    製造方法
  2. 【請求項2】缶胴板の側端縁を溶接により接合して角缶
    胴を形成し、該角缶胴の端縁に形成したフランジ縁と缶
    端板の周縁を巻締めて角缶を製造する方法において、前
    記フランジ縁を三重の巻締に必要な幅とし、前記角缶胴
    の隅部のフランジ縁に平坦化加工を行なった後、前記フ
    ランジ縁と缶端板の周縁を三重に巻締めることを特徴と
    した角缶の製造方法
  3. 【請求項3】缶端板の巻締中、角缶胴の他端側のフラン
    ジ縁を案内部材に嵌合して保定することを特徴とした請
    求項1又は2記載の角缶の製造方法
  4. 【請求項4】フランジ縁と缶端板の周縁の巻締は、径を
    順次大きくした複数のシーミングロールで多段階に行な
    うことを特徴とした請求項1又は2記載の角缶の製造方
  5. 【請求項5】缶胴板の側端縁を互いにはぜ合せにより接
    合して角缶胴を形成し、該角缶胴の端縁に形成したフラ
    ンジ縁と、缶端板の周縁を巻締めて角缶を製造する方法
    において、前記フランジ縁を三重の巻締に必要な幅と
    し、前記角缶胴の端縁に外壁断面凹弧状のサブフランジ
    加工を行ない、ついで本フランジ加工を行なった後、前
    記フランジ縁と缶端板の周縁とを三重に巻締めることを
    特徴とした角缶の製造方法
  6. 【請求項6】缶胴板の側端縁を溶接により接合して角缶
    胴を形成し、該角缶胴の端縁に形成したフランジ縁と、
    缶端板の周縁を巻締めて角缶を製造する方法において、
    前記フランジ縁を三重の巻締に必要な幅とし、前記角缶
    胴の端縁に外壁断面凹弧状のサブフランジ加工を行な
    い、ついで本フランジ加工を行なった後、前記フランジ
    縁と缶端板の周縁とを三重に巻締めることを特徴とした
    角缶の製造方法
  7. 【請求項7】サブフランジ加工は、押し型により形成
    し、上向傾斜で45度前後の外壁断面凹弧状とした請求項
    5又は6記載の角缶の製造方法
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