JP2557539B2 - 光重合装置及びその装置でアクリル系高分子を製造する方法 - Google Patents

光重合装置及びその装置でアクリル系高分子を製造する方法

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JP2557539B2
JP2557539B2 JP2023441A JP2344190A JP2557539B2 JP 2557539 B2 JP2557539 B2 JP 2557539B2 JP 2023441 A JP2023441 A JP 2023441A JP 2344190 A JP2344190 A JP 2344190A JP 2557539 B2 JP2557539 B2 JP 2557539B2
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acrylic
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は光重合装置及びその装置でアクリル系高分
子、特に、感圧性接着剤として好適なアクリル系高分子
を製造する方法に関する。
【従来の技術】
このアクリル系高分子を製造する方法としては、ブロ
ック重合方法、溶液重合方法、エマルジョン重合方法が
知られている。 ブロック重合方法は、反応槽或いは型の中にアクリル
系モノマーと重合触媒とを入れ、一定温度に加熱して、
重合するものである。 溶液重合方法は、反応槽の中にアクリル系モノマーと
重合触媒と溶剤とを反応槽に入れ、攪拌しながら、一定
温度に加熱して、重合するものである。 又、エマルジョン重合方法は、アクリル系モノマーと
重合触媒とを乳化剤を用いて水中に乳化させ、攪拌しな
がら、一定温度に加熱して、重合するものである。 又、特公昭64−12315号公報には、押出機を使用して
アクリル系モノマーをブロック重合する方法が記載され
ている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法にはそれぞれ欠点があり、感
圧性接着剤として使用する場合、必ずしも満足のゆく製
品が得られなかった。 即ち、ブロック重合方法では、アクリル系モノマーは
重合時の発熱量が大きく、その温度制御が困難であり、
重合反応が暴走し易く、均質な所望の重合度の製品が得
難いという問題がある。 又、溶剤で希釈した溶液重合方法では、ブロック重合
方法よりは温度制御が容易であるが、それでも未だ温度
制御が充分でなく、所望の重合度のものが得られ難く、
更に、この溶液重合方法では溶剤への連鎖移動が起こ
り、ゲル化し易く、従って、一定品質の製品が得られな
いという問題がある。 又、かかる欠点を解消する方法として、特公昭64−12
315号公報には、反応槽の替わりに押出機を用いてブロ
ック重合させる方法が記載されている。この方法では、
押出機の混練作用により、バレルからの温度制御が容易
になり、所望の重合度のものが得られ易いが、それでも
微妙な温度制御が不可能で、まだ品質の一定な満足なも
のが得られないという問題がある。 エマルジョン重合方法では、重合したアクリル系高分
子の中に乳化剤が混入して、性能の劣悪なものしか得ら
れてないという問題がある。 感圧性接着剤に使用されるアクリル系高分子として
は、直鎖状のアクリル系高分子がゲル化を起し難く、品
質の一定のものが得られるので、望ましいが、上記方法
で製造した高分子は、高温で重合させるから、全て枝分
れしたゲル化し易い高分子となり、品質一定の高分子が
得られないという問題があった。 又、上記方法はすべて長時間加熱して重合するから、
時間と熱エネルギーが大量に必要であるという問題があ
った。 本発明は、上記の如き問題のないアクリル系高分子が
製造できる装置及びこの装置を使用して上記の如き問題
のないアクリル系高分子を製造する方法を提供すること
を目的とする。 即ち、本発明は、短時間で重合し、重合反応が暴走す
ることなく、品質一定の直鎖状のアクリル系高分子が得
られる装置及びその装置を利用してアクリル系高分子を
製造する方法を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の問題を解決し、上記の目的を達成す
るものであって、特許請求の範囲第1項記載の本発明光
重合装置は、紫外線を透過する材質からなるバレルと、
該バレル内で光重合組成物を攪拌且つ圧送可能なスクリ
ュウとからなる押出機であることを特徴とする。 特許請求の範囲第2項記載の本発明アクリル系高分子
の製造方法は、紫外線を透過する材質からなるバレル
と、該バレル内で光重合組成物を攪拌且つ圧送可能なス
クリュウとからなる押出機内で、アクリル系モノマーを
主成分とする液体と開始剤とからなり、且つ酸素を含ま
ない混合物を攪拌しながらバレルの外側からこの混合物
に紫外線を照射し、アクリル系モノマーを重合しながら
通過させることを特徴とするものである。 本発明において、紫外線を通過する材質とは、波長が
400nm以下の紫外線を透過可能なものであって、石英、
パイレックス硝子として知られている硼珪酸硝子、窓硝
子や壜等に使用されるソーダ硝子等がある。 又、本発明に使用される押出機は1軸の押出機でも良
いし、2軸の押出機でも良い。しかし、押出機の中でア
クリル系モノマーは次第に重合し、粘度が増加するが、
このように粘度が上昇するアクリル系モノマーや高分子
を一定量ずつ確実に送ることができ、逆流、滞留、不均
一混合が少ないという性質をもつ2軸の押出機が好まし
い。 本発明において、アクリル系モノマーとはアクリルモ
ノマー単独でもよいし、アクリルモノマーとこのモノマ
ーと共重合可能なモノマーとの混合物でも良い。ここ
で、アクリルモノマーとは、アクリル酸もしくはメタク
リル酸とアルコールとのエステルをいう。 かかるアクリルモノマーとしては、ブチルアクリレー
ト、2エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアク
リレート、イソノニルアクリレート、イソボロニルアク
リレート等の炭素数が1乃至12のアルキルアルコールと
アクリル酸もしくはメタクリル酸とのエステルが好適に
使用される。又、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールアクリレート等の低Tgを
与えるアクリル系モノマーは良好な粘着性を発揮するの
で、好ましい。 又、本発明においては、アクリル酸エステルとメタク
リル酸エステルとは単独で使用してもよいし、これを混
合して使用しても良い。 アクリルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、
モノエチレン性不飽和モノマーが最も良い。このモノエ
チレン性不飽和モノマーには、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリルアマイド、アクリルニトリル、メタクリル
ニトリル、N置換アクリルアマイド、ヒドロキシエチル
アクリレート、Nビニルピロリジノン、マレイン酸、イ
タコン酸、Nメチロールアクリルアマイド、ヒドロキシ
メチルメタクリレート、酢酸ビニール等がある。 本発明において、アクリルモノマーと共重合可能なモ
ノマーとの混合割合はアクリルモノマーが60〜100重量
%、共重合可能なモノマーが40〜0重量%が良好な範囲
である。 本発明において、紫外線とは、波長が400nm以下のも
のである。この紫外線を発生させる光源としては、超高
圧水銀灯、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、メタ
ルハライドランプ、ケミカルセンプ、ブラックライトラ
ンプ等がある。 そして、この紫外線の照射強度は適宜でよいが、感圧
性接着剤として性能の良い高分子を得るには、押出機の
バレル表面での照射強度が0.1乃至300mW/cm2程度が良
い。 本発明において、開始剤とは、インキや塗料の分野で
利用されている紫外線硬化に使用されている通常の開始
剤をいい、本発明に使用される開始剤としては、反応を
十分完結させるために、水素引抜き型の開始剤より開裂
型の開始剤の方が望ましい。 本発明の開始剤の好ましい例としては、光励起活性が
高く、又、酸素による活性阻害の少ない開始剤が好まし
く、ヒドロキシアルキルフェノン類のようなアセトフェ
ノン系開始剤、アルキルベンゾインエーテル類のような
ベンゾインエーテル系開始剤、ベンジルジアルキルケタ
ール系開始剤、アシルオキシムのエステル類開始剤、ハ
ロゲン化ケトン類開始剤、ヒドロキシアルキルスチレン
のオリゴマー類開始剤、アシルホスフィンオキシド類開
始剤、アシルホスホナート類開始剤等の開裂型の開始剤
がある。 この開始剤の使用量は、アクリル系モノマー100重量
部に対して0.01〜8重量部が好適であり、更に好ましく
は、0.2〜5重量部が良い。この開始剤の量が少ないと
きは、生成された高分子の分子量は高くなるが、未反応
モノマーが残存し易い。又、開始剤が多くなると、反応
は十分に完結するが、生成した高分子の分子量は小さく
なる。尚、本発明において、溶剤を使用せず且つ重合が
部分重合に場合には、開始剤の使用量は上記使用量より
ずっと少なくすることができる。 又、本発明においては、アクリル系モノマーと開始剤
との混合物は、必要に応じて、適当な溶剤で希釈して使
用される。この際、使用される溶剤としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブ
チル等の通常の溶液重合の反応槽の中で重合するときに
使用される溶剤がそのまま使用され、用途に応じて適宜
選択される。 溶剤を使用して重合を行って製造したものを感圧性接
着フィルムやテープ等に利用する場合には、アクリル系
モノマーの反応転化率を100%或いは100%近くにして
も、粘度はそれ程上昇しないから、これをそのままフィ
ルム等の上に塗布し、加熱して溶剤を除去すると、アク
リル系高分子を主成分とする感圧性接着剤が塗布された
フィルムとすることができる。 かかる溶剤の使用量は、アクリル系モノマー100重量
部に対して溶剤300重量部以下が好ましい。 又本発明においては、溶剤を使用しないで、アクリル
系モノマーと開始剤との混合物を使用することもでき
る。 そして、このように溶剤を使用しないで重合して製造
されたアクリル系高分子を感圧性接着フィルムやテープ
として使用する場合には、余り粘度が高いものはフィル
ム上に塗布し難いから、部分重合した段階で反応を止め
ることが望ましい。 このときの、反応転化率は1〜30%が望ましい。 この際、所望の反応転化率のアクリル系高分子を製造
するには、次のようにすれば良い。 即ち、本発明では光重合であるから、紫外線の照射時
のみに反応が起こる。従って、紫外線の照射強度を変え
たり、押出機内のアクリル系モノマーの流速を変更し
て、紫外線の照射時間を制御して、転化率を適当に制御
できる。そして、このようにして製造された部分重合物
の中の開始剤が不足であれば開始剤を追加し、この部分
重合物をフィルム等に塗布したのち、紫外線を照射し
て、重合を完結すれば感圧性接着剤が塗布されたフィル
ムができる。 本発明は光重合反応であるから、押出機に加熱装置は
必要ない。但し、重合熱や混練による熱を取り去るため
に、押出機内等に冷却装置を設けてもよい。冷却は、部
分重合の場合、押出機から吐出されたモノマー等の蒸散
を防止したり、重合物をフィルムの上に塗布した後の収
縮歪みを防止するためである。 本発明のアクリル系高分子の製造方法では、アクリル
系モノマーを主成分とする液体と開始剤との混合物は酸
素を含まないものとする。酸素が含有されていると重合
が阻害されるためであり、酸素を含まない状態とするに
は、例えば該混合物に窒素ガスを吹き込みながら攪拌す
ることにより酸素が窒素と置換され、酸素を含まない
か、酸素が残存しても重合に影響を与えない状態とする
ことができる。 更に、本発明においては、必要に応じて、アクリル系
モノマーの中に、分子量調整剤、粘着付与剤等を混合す
ることもできる。 この分子量調節剤は、高い連鎖移動係数を有する化合
物であり、この分子量調節剤の増加とともに、得られる
アクリル系高分子の分子量は小さくなるから、この量を
適当にすることにより、アクリル系高分子の分子量を制
御できる。かかる分子量調節剤としては、ラウリルメル
カプタン、チオグリコール酸、ブチルメルカプタン、チ
オフォスファイト等の硫黄化合物がある。 又、粘着付与剤としては、製造されたアクリル系高分
子の粘着性を増加させるもので、ロジン系樹脂、水添ロ
ジン系、テルペン樹脂系、芳香族変成テルペン系、石油
樹脂系、クマロン系、フェノール系等の粘着付与剤があ
る。 更に、アクリル系モノマーの中に、あるいは、製造し
たアクリル系高分子の中に充填材、顔料等を添加するこ
とができる。 又、本発明においては、製造されたアクリル系高分子
の粘着特性を改善するために、製造されたアクリル系高
分子の中に、通常の溶剤型粘着剤に用いられる架橋剤等
を配合することができる。
【作用】
本発明においては、バレルが紫外線を透過する材質で
製作された押出機を使用するから、バレルの外から紫外
線を照射して内部のアクリル系モノマーを重合させるこ
とができる。 又、本発明では、アクリル系モノマーを攪拌且つ圧送
可能なスクリュウを有する押出機内にアクリル系モノマ
ーを重合しながら通過させるから、スクリュウの混練攪
拌作用により内部のアクリル系モノマーが十分攪拌さ
れ、従って、バレルの外から紫外線を照射しても、アク
リル系モノマーは内部まで均一に重合する。 即ち、従来、紫外線照射による重合は、紫外線が表面
のみ照射され、内部まで十分照射されないから、塗膜の
薄いインキや塗料には紫外線照射による重合が行われて
いたが、通常の反応槽での大量の重合には適当でないと
して、紫外線による重合方法は行われていなかった。然
し、本発明では、バレルが紫外線を透過する材質で製作
された押出機を使用し、押出機の混練作用による均一な
混合により、この問題を解決したのである。 又、本発明のアクリル系高分子の製造方法では、アク
リル系モノマーを主成分とする液体と開始剤との混合物
は酸素を含まないので、酸素による重合阻害を受けるこ
とがなく、重合は順調に行われる。 本発明においては、紫外線による重合を行うから、通
常の触媒を重合するときと異なり、室温で反応が進む。
従って、直鎖状の高分子か生成し、ゲル化が起こらず、
感圧性接着剤として品質が一定した良好な製品が得られ
る。 本発明においては、紫外線で重合が行われるから、紫
外線の照射量を紫外線の照射強度や押出速度を変えるこ
とにより、反応転化率等を任意に制御できる。 本発明でアクリル系モノマーと溶剤との混合物を使用
すると、例えば、反応転化率が95%以上というように高
い反応転化率でも、粘度がそれ程上昇せず、フィルム等
の上に容易に塗布することができる。 本発明でアクリル系モノマーのみで、溶剤を使用しな
いで重合を行ったときには、反応転化率を例えば30%以
下というように、部分重合で重合を止めることにより、
粘度をそれ程上昇させず、フィルム等の上に塗布させる
ことができ、しかも、開始剤が不足であればこの部分重
合物に開始剤を追加し、フィルム上に塗布し、アクリル
モノマーの部分重合物に再び紫外線を照射することによ
り、重合を完結することができる。 本発明では、反応速度の速い光重合を行うから、アク
リル系モノマーが押出機の中を通過する間という短い期
間で反応させることができる。
【実施例】
以下、図面を参照しながら、実施例を説明する。 第1図は本発明の実施の態様を説明する説明図であ
る。 図において、Aは押出機であり、バレル1とスクリュ
ウ3からなる。バレル1は紫外線の透過する材質である
パイレックス硝子で製作されている。又、スクリュウ3
は2軸であり、材質はステンレスである。 2は紫外線照射装置であり、中にケミカルランプが装
着されている。そして、この紫外線照射装置2は押出機
Aのバレル1の外周面から紫外線を照射し、内部のアク
リル系モノマーを重合させるようになっている。 4は歯車であり、一方のスクリューの軸を回転すれ
ば、他方のスクリューの軸も回転するようになってい
る。 5は配合槽であり、この中にアクリル系モノマー、開
始剤、必要に応じて、溶剤、分子量調節剤、粘着付与剤
等が投入される。 6は攪拌機であり、配合槽5の中のアクリル系モノマ
ー等の混合物を攪拌し、均一な溶液となす。 7はアクリル系モノマーに、必要に応じて、溶剤、分
子調節剤、粘着付与剤等が添加されたアクリル系モノマ
ーを主成分とする液体と開始剤との混合物である。 8はポンプであり、混合物7を押出機Aの中に圧送す
るものである。 9は窒素ボンベであり、この中の窒素を混合物7の中
に注入することにより、混合物7の中に溶解している重
合反応を阻害する酸素を追い出し、重合反応がスムーズ
に行うようにするものである。 次に、この実施例の装置を使用して、アクリル系モノ
マーの重合方法、作用及び利用方法について、説明す
る。 混合物7の組成であるアクリル系モノマー、開始剤、
必要に応じて、溶剤、分子調節剤、粘着付与剤を配合槽
5に投入し、攪拌機6でこの混合物を攪拌しながら、窒
素ボンベ8から窒素をこの混合物7の中に注入する。混
合物7の中の酸素が十分除かれ、混合物7が十分均一に
なったなら、ポンプ8で押出機Aの中にこの混合物7を
圧入する。 押出機Aの中に圧入された混合物7はスクリュー3で
混練されながら、押出機Aの先端へと移動させられる。 この混合物7が押出機Aの先端へと移動している間
に、バレル1の外から紫外線照射装置2により、混合物
7に紫外線が照射される。すると、混合物7の中のアク
リル系モノマーが重合し、次第に粘度が上昇してゆく
が、混合物7は押出機Aにより、力強く先端へと移動さ
せられる。特に、2軸押出機の場合には、逆流が少な
く、滞留、不均一混合が少ないから、確実に、混合物7
が先端へと移動させられる。 この際、バレル1は紫外線を透過する材質であるか
ら、バレル1の外から紫外線を照射しても、紫外線は混
合物7に到達する。 バレルの外から混合物7に照射されると、バレル1に
近い混合物7のみに、紫外線が照射され重合するが、押
出機Aの混練作用により、表面と内部の混合物7が十分
混合されるから、重合は均一に行われる。 混合物7は順次押出機Aの先端へと移動し、最後には
押出機Aの先端から取り出される。 この紫外線の照射強度と押出速度とを調節することに
より、任意の反応転化率の液が得られる。 このようにして得られたアクリル系高分子は、低温で
重合されているから、直鎖状のアクリル系高分子とな
り、品質の一定の物が得られる。 このようにして製造されたアクリル系高分子を感圧性
接着剤として、フィルムの上に塗布して利用しようとす
る場合には、フィルム上に塗布し易い粘度のアクリル系
高分子を製造する必要がある。 即ち、溶剤を含むものは反応転化率を大とし、溶剤を
含まないものは反応転化率を小さくして、適当な粘度の
アクリル系高分子を製造する。 次に、この適当な粘度に製造されたアクリル系高分子
をフィルム上に塗布し、反応転化率の小さいものは、必
要あらば開始剤を追加し、紫外線を照射して重合を完結
させ、又、溶剤を含むものは、加熱して、溶剤を除去し
てフィルム上に感圧性接着剤層が設けられた感圧性接着
フィルムを製造する。 これを、ロール状に巻き、一定の幅に切断すると、感
圧性接着テープが製造できる。 次に、具体的な実施例について説明する。 この実施例で粘着力、凝集力、残存モノマーを測定し
たが、その測定方法は次の方法で行った。 (測定方法) 粘着力:25mm幅のテープをステンレス製のプレートに
貼り、その上から2kgのローラーを転がして、ステンレ
ス製のプレートにテープをしっかりと接着させる。30分
後に、テープの先端を180°折り曲げ、その先端を引張
速度300mm/min.の速度で剥がし、その抵抗力を引張試験
器で測定し、接着力とした。 保持力:25mm幅のテープの一端を接着面積が25mm×25m
mとなるようにステンレス板に貼り付け、水平に保持
し、他端に1kgの荷重を架け、40℃の雰囲気で垂直方向
に吊るし、その落下時間を保持力とした。 分子量:分子量は既知のGPC法により、標準ポリスチ
レンを基準として測定した。 残存モノマー:残存モノマーはガスクロマトグラフを
用いて測定した。 実施例1 2エチルヘキシルアクリレート95重量部、アクリル酸
5重量部からなるモノマー混合物100重量部に対して、
溶剤として酢酸エチル100重量部、開始材としてベンジ
ルメチルケタール0.2重量部を配合槽に入れ、アクリル
系モノマーを主成分とする液体と開始材との混合物とし
た。 この混合物に、攪拌しながら、窒素を注入して、溶存
酸素を十分除去した。 この混合物をスクリューの外径60mm、長さ300mm、厚
み20mmのパイレックス硝子製バレルを有する2軸押出機
に、ポンプで流量50cc/min.の速度で圧入し、この混合
物を押出機Aの先端へとスクリュー3で移動させた。 押出機内の混合液に、バレルの外から紫外線ランプ
(ケミカルランプ)で紫外線を照射して、アクリル系モ
ノマーを重合した。 そのときのバレル面での紫外線の照射強度は10mW/cm2
であり、アクリル系モノマーが押出機に入って出る迄の
所要時間は10分であった。 押出機Aの先端から出てくる溶剤含有アクリル系高分
子の粘度は200cps.、ポリマーへの転化率は98%、重量
平均分子量は60万であった。 この実験を5回おこなったが、5回とも同じ結果が得
られた。 この溶剤含有アクリル系高分子100重量部に対してア
セチルアセトアルミニウム塩0.5重量部を添加し、これ
を厚み25μmのポリエステルフィルム上に塗布し、100
℃で3分間強制排風オーブンで加熱乾燥した。 得られたアクリル系高分子の感圧性接着剤層の厚みは
35μmであった。 このようにして得られた感圧性接着剤層の設けられた
ポリエステルフィルムをロール状に巻き、25mm幅に切断
してテープを製造した。 このテープを室温で1日放置した後、粘着力及び保持
力を測定した。 このときの粘着力は1100kg/25mm幅であり、保持力は2
4時間であった。 実施例2 アクリル系モノマーとして、ブチルアクリレート96重
量部、アクリル酸3重量部、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート0.5重量部からなるモノマー混合物を使用し
た他は実施例1と同様の方法で重合した。 得られた溶剤含有アクリル系高分子の粘度は1500、ポ
リマーの反応転化率は98%、重量平均分子量は50万であ
った。 この実験を5回行ったが、5回とも同じ結果が得られ
た。 この溶剤含有アクリル系高分子100重量部にトリレン
ジイソシアネート0.5重量部を加えて実施例1と同様な
方法でテープを製造した。 このテープを室温で1日放置した後、粘着力及び保持
力を測定した。 このときの接着力は1200kg/25mm幅であり、保持力は2
4時間経過しても錘は落下しなかった。 実施例3 2エチルヘキシルアクリレート95重量部、アクリル酸
5重量部からなるモノマー混合物100重量部に対して、
開始剤としてベンジルジメチルケタール0.005重量部を
配合し、アクリル系モノマーを主成分とする液体と開始
剤との混合物とした。 この混合物を配合タンクに入れ、窒素ガスを注入し
て、この混合物の中に溶存する酸素を十分除去した。 この混合物を実施例1と同じ装置を使用して、ポンプ
で200cc/min.の速度で押出機に供給し、紫外線の照射強
度10mW/cm2で照射した。この混合物が押出機に入って出
る迄の時間は10分であった。 ここで得られた部分重合モノマー溶液の粘度は1500cp
s.、高分子への反応転化率は5.5%、高分子部分の重合
度は150万であった。この実験を5回行ったが5回とも
同じ結果か得られた。 この部分重合高分子100重量部にヘキサンジオールジ
アクリレート0.15重量部、ベンジルジメチルケタール0.
5重量部を添加して光反応性粘着剤を製造した。 この光反応性粘着剤を、厚み50μmのポリエステルフ
ィルムの上に塗布し、その上に、片面に離型剤が設けら
れた厚み50μmのポリエステルフィルムの離型剤面が光
反応性粘着剤に接するようにして、積層して積層体を製
造した。 この積層体に波長が365nmの中心強度を有するケミカ
ルランプで、表面照射強度が3.5mW/cm2で8分間照射し
た。 このようにして得られた感圧性接着テープのゲル分率
は82%、であり、保持力は24時間後も錘が落下せず、粘
着力は1100g/25mm幅であった。 比較例 2エチルヘキシルアクリレート95重量部、アクリル酸
5重量部からなるモノマー混合物100重量部に対して、
有機溶媒として酢酸エチル100重量部、熱重合開始剤と
してアゾイソブチロニトリル0.04重量部を配合した。 この配合物1000グラムを2リットルのセパラブルフラ
スコに入れ、窒素ガスを吹き込んで十分溶存酸素を除去
した後、湯溶中で60℃に加熱昇温し、湯浴から出した
り、入れたりして、配合物の温度を60℃に制御した。 97%重合するのに10時間を要した。 得られたアクリル系高分子の重量平均分子量は50万で
あった。 この実験を5回繰り返し行った結果、この中の1回の
実験では、反応途中で暴走反応が起こり、得られたアク
リル系高分子は部分的にゲル化しており(ゲル分率30
%)、液の中にブツが存在していた。 このようにして製造したアクリル系高分子溶液100重
量部に架橋剤としてトリレンイソジイソシアネート0.5
重量部を添加し、厚み25μmのポリエステルフィルムに
塗布し、ロール状に巻き、25mm幅に切断して感圧性接着
テープを製造した。 このときの感圧性接着剤層の厚みは35μmであった。 このテープの性能を測定した結果、保持力は、ゲル化
しているものも、ゲル化していないものも24時間以上で
あったが、粘着力は、ゲル化しているものは600g/25mm
幅であり、ゲル化してないものは1000g/25mm幅であり、
ゲル化しているものが悪かった。 このように、従来の溶液重合では、暴走反応の抑制が
困難であり、その結果、ゲル化した感圧性接着剤とゲル
化してないものとの性能が異なり、製品の性能のバラツ
キが大きい。 この暴走反応を阻止しようとすると、マイルドな重合
条件で重合を行わなければならず、従って、反応時間が
長くなり、生産性が上げられないという問題がある。
又、通常の溶液重合でも大量の熱エネルギーが必要であ
るのに、重合反応を長くすることにより、更に、大量の
熱エネルギーと重合制御のための冷却エネルギーを必要
とする問題があり、不経済である。 (発明の効果) 本発明の装置を使用すると、常温で紫外線により重合
できるから、品質の安定した直鎖状のアクリル系高分子
が製造できる。 又、本発明では、紫外線で重合するから、重合時間が
短く、極めて能率良くアクリル系高分子が製造できる。 又、本発明では、押出機で連続してアクリル系高分子
を製造できるから、その後の粘着テープ等の製造が連続
工程で製造出来、極めて便利である。 又、本発明では、重合時間が短く、且つ、常温でアク
リル系高分子が製造できるから、従来のように高温で、
且つ、長時間かかる重合よりエネルギーの消費が少なく
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施態様を説明する説明図、である。 A……押出機 1……押出機のバレル 2……紫外線照射装置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紫外線を透過する材質からなるバレルと、
    該バレル内で光重合組成物を攪拌且つ圧送可能なスクリ
    ュウとからなる押出機であることを特徴とする光重合装
    置。
  2. 【請求項2】紫外線を透過する材質からなるバレルと、
    該バレル内で光重合組成物を攪拌且つ圧送可能なスクリ
    ュウとからなる押出機内で、アクリル系モノマーを主成
    分とする液体と開始剤とからなり、且つ酸素を含まない
    混合物を攪拌しながらバレルの外側からこの混合物に紫
    外線を照射し、アクリル系モノマーを重合しせながら通
    過させることを特徴とするアクリル系高分子を製造する
    方法。
  3. 【請求項3】アクリル系モノマーを主成分とする液体が
    アクリル系モノマーと溶剤との混合物であることを特徴
    とする特許請求の範囲第2項記載のアクリル系高分子を
    製造する方法。
  4. 【請求項4】アクリル系モノマーを主成分とする液体が
    アクリル系モノマーであり、重合が部分重合であること
    を特徴とする特許請求の範囲第2項記載のアクリル系高
    分子を製造する方法。
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